【 連続テレビ小説「エール」】53話ネタバレ

同じころ 藤堂先生もまた 父親と久しぶりに向き合っていました。

藤堂家

藤堂「どこか行くの?」

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晴吉「実はな 陸軍からの要請で 満州の視察に 相談役として ついていくことになったんだ。」

藤堂「とっくに退役した身だろ?」

晴吉「この年になっても お国のために 働けるというのは大変名誉なことだ。」

藤堂「まさか… 今更 ついてこいなん 言わないよね?」

晶子「お待たせしました!」

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晶子「今日 とってもいいことがあったんですよ。 清晴さんの教え子が立派な作曲家になって 小学校の校歌を作ってくれたんです。 その凱旋のお祝いがあって。」

晴吉「お前も 田舎教師じゃなくて お国のために戦う身だったら 凱旋式でも何でも してもらえたろうに。」

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藤堂「僕は僕なりに… 国のためになることを してきたつもりです。 でも それは 父さんのやり方とは違ったんです。」

晴吉「お前も親になれば 戦うことの意味が分かる日が来る。」

晶子「あっ 動いた! ほら!」

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晴吉「おお… おおっ!」

晶子「清晴さんも ほら!」

藤堂「うん… 動いてる!」

晴吉「ハハハ…。」

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晶子「この子は強い子になりますよ。 お国のために戦ってきた おじい様の強い血を受け継いでますからね。」

藤堂「そうかもな。」

晶子「私に?」

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晴吉「丈夫な子を産んで 清晴を1人前の父親にしてやって下さい。」

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晶子「はい!」

藤堂「父さん… ありがとう。」

喜多一

音「お義母さん。」

まさ「うん?」

音「お願いします。」

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まさ「はい。 うん!」

裕一「母さん… これ。 もうしばらく ここにいさせてもらうから 食費に使って。」

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まさ「そんな… いいから。」

裕一「いやいや… じゃないと ほら 居づらいからさ。」

浩二「母さん 今日…。 そんなもの受け取んなくていいからね。」

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裕一「浩二… 違うんだって 浩二!」

裕一「これ 滞在費だから。 余ったら 父さんたちに うまい酒でも飲ませてやって。」

浩二「そんなことされる筋合いなんかねえ。」

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裕一「なあ ちょっと… 浩二。 待てって… なあ ちょっと これ…。 あって困るもんじゃないだろ?」

浩二「なにが うまい酒だよ。」

裕一「なあ… 何があったんだよ 本当に。」

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浩二「関係ねえべな。」

裕一「ちょっと 浩二 浩二! 頼むから… お… お願いだから 教えてくれよ! 何なんだよ!?」

浩二「父さん もう長くねえんだ。 胃がんだって。 もう 手の施しようが…。」

裕一「いや… う う… うそでしょ? だって あんな… 元気そうだったのに。」

浩二「父さんの前で… 父さんの前で そんな顔 絶対にすんなよ。 俺たちだって 父さんの体 気遣いながら 必死に隠してきたんだ。」

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浩二「もし バレたら… ただじゃおかねえかんな。」

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