連続テレビ小説「エール」61話「スター発掘オーディション!」ネタバレ

鉄男のおでん屋

裕一「どうせ 僕は低め安定だよ!」

鉄男「あの野郎 自分で書いてみろっつうんだよね。」

裕一「本当だよ!」

久志「あ~ 気分悪い! こんなのが売れるなんてね 世も末だよ。」

裕一「誰?」

久志「酒 ちょうだい。」

裕一「ねえ 誰? 誰?」

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久志「音楽学校の後輩 演技も歌も並以下。」

裕一「帝都劇場! えぅ 後輩君 すごいじゃない!」

久志「ちょっと顔がいいだけで ワーキャー言われてね。 僕みたいな本物はね だまされないんだよ!」

鉄男「だったら おめえもプロになれよ。 後輩に先越されてる場合か?」

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裕一「卒業して何年たった?」

4年前

裕一「卒業おめでとう!」

久志「ありがとう!」

鉄男「おめでとう!」

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鉄男「これから どうするんだ?」

久志「決まってんだろう。」

裕一「おっ!」

久志「スカウトが来りゃ 即プロデビューさ。」

3年前

久志「今は研鑽を積む時だからね。 飲んで 飲んで。 おごっちゃうから。 飲んで。」

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2年前

久志「自分を安売りしちゃいけないと思うんだ。」

裕一「ねえ 見て見て これ。」

鉄男「何だ? そのカメラ。」

裕一「華のこと撮ろうと思って 買ったの。」

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1年前

久志「僕だよ…。 ねえ みんなのプリンスの…  僕 佐藤久志だよ!?」

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久志「バカ野郎…。 (せきこみ)」」

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現在

久志「僕を見つけられないなんて 世の中 間違ってんだよ。」

鉄男「じ~っとしてたって何も変わんねえぞ。 俺なんか毎日 必死でネタ考えてんだから。」

久志「これは『タネ』だ。」

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鉄男「実はよ 路面店 出さねえかって話があるんだよ。」

裕一「え~? 作詞は!?」

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裕一「あっ 書いた? あっ 見せて 見せて!」

鉄男「仕事の合間に ちょこちょことな。」

裕一「うん? これ 何? 『僕は君の唇に潜り込みたい』。」

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久志「『ああ もっと近づいて 深くまで…』。」

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鉄男「あっ ちょっと ちょっと…。」

裕一「えっ? せ… 成人小説?」

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鉄男「いや あの… ちょっとした小遣い稼ぎだよ。」

久志「こんなくだらない読み物 金になんの? 才能の無駄遣い。 あっ もともと 才能なかったりして。」

鉄男「ああ!? おめえこそ 口ばっかりで 全然 世の中に出ねえじゃねえか!」

久志「はあ!?」

裕一「あっ! そうだ! そうだ 久志… これ これ! 応募してみなよ!」

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鉄男「合格したら 即レコードデビュー?」

裕一「そう!」

久志「コロンブス お断り! 『福島行進曲』が売れなかったのは 僕を使わなかったせいだよ。 君たち 分かってんのか?」

鉄男「おめえ そだ昔のこと まだ引きずってんのか?」

久志「デビューっつったって流行歌でしょ? 僕が歌いたいのはね オペラなんだよ。」

裕一「いや 流行歌はね ものすごい数の人が聴いてくれんだよ。 久志の歌声なら 絶対 女性客のウケいいから!」

久志「いや まあ 僕が歌ったら いや ウケはいいと思うんだけどさ。 でも

西洋音楽 裕一も志望だったろう? 未練ないのか?」

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裕一「ない! …と言ったら まあ うそになるけど。 でもね 流行歌が いかに大衆の心をつかむか もう 身にしみて よ~く分かったから。」

鉄男「頼もしな。」

裕一「あ~あ 久志にも体験してほしいな~。」

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