北栄総合病院
ナースステーション
恵里「おはようございます。」
患者「おはようございます。」
恵里「おはようございます。」
奈々子 祥子「おはよう。」
奈々子「大丈夫なの?」
恵里「あ はい。」
秀美「おはよう。」
恵里「あ 婦長 本当に すみませんでした。」
秀美「何が?」
恵里「いや 何がって 昨日は 休ませて頂いてしまって…。」
秀美「ああ そういうことか…。」
恵里「はい。」
秀美「育児休暇明けは そういうの 多いから 余り 期待してない。 戦力としては 最初から。」
恵里「え?」
秀美「何やってんの? 早く 仕事に入ってね!」
恵里「はい すみません。」
休憩所
奈々子「どうした?」
恵里「あ いえ。」
祥子「婦長のこと?」
恵里「うん 悪いのは 私なんだけどね。」
祥子「う~ん 結構 きついよね。 あれかな? なんか 結婚して 子供のいる 女の人が 嫌いなのかな?」
恵里「そうかなぁ。」
奈々子「違うわよ。 ウフフフ。」
(ドアが開く)
秀美「あ しまった! (弁当)間違えた…。 しまったぁ 怒ってるだろうなぁ あいつ。」
恵里「婦長 お子さん いらっしゃるんですか?」
秀美「私? いるわよ お子さんって ほどのものじゃ ないけどね 中3 小6 小2 全部 男。」
祥子「うわ そうなんですか。」
恵里「すごいですね。 あ じゃあ 子育ての先輩さぁ。」
秀美「そうよ だから 言ってるでしょ? 休暇明けは 余り 役に立たない。 自分で 分かってるんだからね。」
恵里「なんだ 怖くて 意地悪な人かと 思ってしまいましたよ ねえ。」
奈々子「私は そんなこと 言ってないわよ。」
祥子「私も…。」
恵里「え? あ ズル… そんな。」
秀美「(せきばらい)」
恵里「あ でもね 初めて会った時から 怖いというより 絶対 面白い人に違いないと 思ってましたよ。」
秀美「何で?」
恵里「え? あ ごめんなさい。」
秀美「あのねぇ 私は やっと 婦長に なれたのよ。 同期の中では 一番 遅いんだけど で 婦長に なった時 こう決めたわけ。厳しくて クールな 鬼婦長に なるんだって。」
秀美「そりゃ あんたの言うようにさ 今まで 宴会芸では 誰にも負けたことは なかったし 看護婦になる前は お笑い芸人に なりたいって 思ってたのよね。 これ見せたっけ…。 お歯黒で ございます。」
奈々子「婦長…。 せっかく 私 黙ってたのに。」
秀美「あ?」
(3人の笑い声)
秀美「(せきばらい)」
祥子「あ すみません。」
恵里「ごめんなさい。」
秀美「もう いいや。 や~めた! あ そうだ 上村さん 来週から プリセプターね。」
恵里「え? ありがとうございます。」
奈々子「何が ありがとうなの? やりたかったの?」
恵里「最初から やり直しっていうか もう一度 教えて頂けるんですね。 誰が 教えて下さるんですか? 佐々木さんですか?」
奈々子「あ~あ。」
秀美「何なの あんた 本当のバカ?」
恵里「え? 何でですか?」
秀美「あのね あんたが 新人を教えるのよ。」
恵里「え~!」
はあ 恵里 頼むよ~
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