土曜ドラマシリーズ 「ちゅらさん4」1話「おばぁの涙(なだ)」

古波蔵家
居間

文也「あっ 出た出た! おおっ! 行け! いい感じ いい感じ」

台所

恵理「やっぱり 小浜には 全然 ゲームとか売ってないし 石垣に行ったけど 那覇しかないのもあるらしいわけよ]

祥子「なるほどね そうだろうね」

恵理「やっぱり テレビとかで見るからね 欲しくなるよね」

奈々子「そりゃ そうだよ」

恵理「…だよね」

勝子「分かるな… 恵理もあったさ」

恵理「えっ 私も? ゲーム?」

ちゅらさんの画像

勝子「ゲームじゃないけどさ 何だったかね あれは… 何か テレビのアニメかなんかで 魔法使い何とかっていう… それの洋服を 恵理が欲しがってね」

恵理「へえ~」

勝子「もう 毎日 毎日 言うわけさ でも 売ってないさあね それに お金もないし 私が 見よう見まねで作ったわけ」

ハナ「そうだったね」

祥子「へえ… すごい」

奈々子「うん」

勝子「でもね 今にして思えば かわいそうだったけど どこか 間違ってたんだろうね 色とかさ でね 恵理は 学校で それを からかわれたらしくてさ そしたら 怒ってね 恵理は インチキだとか言った友達に『お母さんが 作ってくれたんだのに!」って」

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勝子「すごい怒ってよ 友達に 泣きながら それで 大ゲンカして その夜は 私も泣いたさ もう うれしうて うれしくて 胸が こう キュ~ッとなってしまってね」

恵理「え~ 覚えてないさ 全然」

ハナ「子供は 忘れていいさ でも 親は いつまでも覚えてるもんだよ」

勝子「そうですね…」

恵理「そっか…」

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居間

文也「お~っ! あ~っ 駄目だ…」

恵文「ああ… ふ~…」

文也「あっ 惜しい 惜しい おつ うまい うまい 和也 うまいじゃん」

ハナ「恵文!」

恵文「はい!」

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勝子「どうしました? おばぁ えっ? ない… 文ちゃん?!」

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恵文「あっ… いや あの その… えっ ない? な… 何でかね~…」

勝子「恵文さん!」

恵文「はい ごめんなさい!」

ハナ「(ため息)」

勝子「座りなさい」

恵文「はい 座ります」

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小浜島

祥子「あの… お母さん」

勝子「いいの!」

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恵理「お母さん でもさ…」

勝子「いいから! 久しぶりだね 小浜 楽しもうね! あっ 久しぶりだね」

男たち「お~ 久しいぶり 元気?」

恵理「いいのかね 本当に…」

古波蔵家

恵文「おばぁ…」

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一風館

奈々子「…というわけなのよ」

みづえ「まあ」

真理亜「よく分かんないんだけど 何で そうなるの?」

島田「お金を持ち出したのを認めた ところまでは 分かったんだけどね」

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柴田「ですよね その後が 急展開すぎて ついていけません」

真理亜「そう そう そこよ そこ ちょっとね 構成的に 無理がある 強引すぎるっていうか」

みづえ「そうよね」

柴田「はい」

島田「確かに」

奈々子「ちょっと待って もう一度 整理するからさ 古波蔵家は 読めないのよね 展開が

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回想

勝子「どういうこと? 文ちゃん」

恵文「どういうことと申しましてもですね… あ… あれさ… そんな~ もう 正月早々 怖い顔するのは やめようね」

勝子「それは 恵文さんの立場の人が 言うことじゃないでしょうが!」

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恵文「あっ… であるね う~ん… え… 恵理」

恵理「はっ?」

恵文「恵理が言いなさい 正月なんだから やめようって」

恵理「はあ? 何言ってるわけ? 言わないよ そんなこと」

恵文「何で?! 大事な日だよ 正月というのは!『一年の計は 元旦にあり』と言ってさ」

文也「お父さん! …ちょっと違う気がします」

恵文「何でよ?!」

勝子「(せきばらい)」

恵文「あっ… はい すみません」

勝子「何に使ったの? お金 少ない額じゃないよ」

恵文「えっ? まあ… 勝子 ほら 子供もいるし… ね?」

勝子「子供に言えないようなことに 使ったわけ」

恵文「そうじゃないけど… 何 言ってるの?!」

勝子「じゃあ 何?!」

恵文「いや… だからよ…」

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奈々子「和也 あっち行こうか」

祥子「あっちで 一緒に ゲームしよう」

回想終了

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