ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」101回「おら、悲しみがとまらねぇ」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】101回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)は、太巻(古田新太)に、GMTがデビューできないのは自分が天野春子(小泉今日子)の娘であるせいなのかと詰め寄る。太巻は、春子と鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の秘密を、アキと水口(松田龍平)に打ち明ける。そして、太巻はアキを解雇する。理由がわからず、とまどうGMTのほかのメンバーたち。居場所を失い、落ち込むアキは春子に電話をする…。

101回ネタバレ

東京EDOシアター
廊下

アキ「中止って どういう事ですか?」

河島「天野!」

アキ「デビューできないんですか!?」

回想

荒巻「要するに 今じゃないんだ。 今 いくら売り出しても うちの事務所の圧力をかけられる。 潰される! 君は デビューできない!」

春子「もう じゃあ いつですか?」

荒巻「必ず。 僕に任せて。」

回想終了

アキ「母のせいですか? 天野春子の娘だからですか? 私が。」

荒巻「そうだよ。 うちにいる限り 君はデビューできない。 入りなさい。」

アキ「え?」

荒巻「水口も。 2人きりだと しんどい。」

しおり「な… 何? アキのママが どうしたの?」

小野寺「喜屋武ちゃん 会った事あんだべ?」

喜屋武「スナックのママさん。 で~じ きれいな人だったよ。」

真奈「もしかして 昔 デキとったんやなかと?」

河島「おい おい 何を根拠に…。」

しおり「という事はアキ 隠し子!?」

河島「いやいや いやいや…。」

真奈「うわ~ きつか~。 太巻がばいよ。」

社長室

荒巻「どこまで聞いてるのか 知らないが 面倒くさいから全部話そう。 確かに 君のお母さんと 過去に いろいろあったのは事実だ。」

水口「え!?」

荒巻「そ… そっちの そっちの いろいろじゃない。 いろいろじゃないよ。 水口も この業界にいるんならな 聞いておいて 損はない。 何を隠そう 鈴鹿ひろ美のデビュー曲を 歌ったのは 彼女のお母さんだ。」

水口「え?」

荒巻「『潮騒のメモリー』を歌ったのは 天野春子だ。 この事は 鈴鹿さんも知らない。」

水口「え? いや… 意味分かんない。 え!?」

荒巻「その事を知ってるのは 天野春子と そのレコーディングに携わった スタッフ。 それから…。 …の3人だけだ。 絶対 口外するなよ。 しゃべったら…。」

(引き出しの開閉音)

一同「うわ!」

河島「何だ!? 武田鉄矢か?」

荒巻「え?」

水口「あ… すいません。 殺気が すごくて。 コロされるかと。」

荒巻「バカか。」

♬~(『潮騒のメモリー』)

(ラジカセ・鈴鹿の音程の外れた歌)

♬『来てよ その火を 飛び越えて』

水口「うわ!? 何すか これ。」

(ラジカセ・鈴鹿の音程の外れた歌)

♬『砂に書いた アイ ミス ユー』

荒巻「これが 鈴鹿ひろ美の オリジナルバージョンだ。」

アキ「わざとか?」

荒巻「ひどいだろ。 今なら 機械で どうとでもなるが 25年前だ。 どうにもならない。」

水口「いや… すいません。 俺 こう見えて 絶対音感あるんで 少しでも 音程違うと…。」

(ラジカセ・鈴鹿の音程の外れた歌)

♬『彼に伝えて』

水口「うわっ! ちょ ちょ…! と… 止めて下さい。」

荒巻「フフフフッ ハハハハッ!」

水口「止めて下さい。」

荒巻「フフフフフッ ハハハハッ!」

廊下

しおり「やばいよ!」

真奈「超がばいよ!」

河島「いや それ がばいの使い方…。」

真奈「超がばいよ!」

河島「がばいの使い方おかしいだろ。 待て 収まった。」

社長室

荒巻「という訳で 彼女のお母さんに歌ってもらった。」

水口「はい。」

荒巻「結果は知ってのとおりだ。 60万枚の大ヒット。 現在の俺があるのは 半分は 天野春子のおかげだ。」

アキ「…半分?」

荒巻「半分は 鈴鹿さんだ。 分かるだろ? 鈴鹿ひろ美伝説に傷をつける事は 俺には できない。 どんなに小さくても 古い傷でも。 しかし 驚いたよ。 娘を送り込んでくるとはな。」

アキ「ママは関係ねえ。」

荒巻「関係ない?」

アキ「んだ。 おらは ママの命令で この世界さ入った訳じゃねえ。 自分の意志で来た。 だから おらとママは無関係だ!」

荒巻「じゃあ よそに行っても できるよね。 うちじゃなくても 別の事務所でも できるよね。 うちは無理だよ。 うちにいる限り 俺が潰すから。 何度 はい上がってきても 奈落に落とすから。 ごめんね。」

まごころ第2女子寮

しおり「どうしても 話してもらえないんですか?」

水口「すまない。 重大なペナルティーとしか言えない。」

真奈「アキちゃんじゃのうして 原因は お母さんなんやろ?」

水口「それも言えない。」

水口「デビューは流れたけど ここにいる 4人で GMTは続ける。」

しおり「納得いかない。」

水口「新メンバーは 随時 補充する予定だ。」

しおり「納得できません! 有馬さんが卒業で アキが クビなのも 訳分かんないし 理由も 聞かせてもらえないなんて!」

水口「(ため息) リーダー こう言ってるけど…。」

喜屋武「アーキーが辞めるなら うちも辞めたい。」

スナック・梨明日

春子「アキが?」

ヒロシ「はい ウニ丼食って 泣いてました。」

大吉「無理ねえべ。 夏ばっぱのウニ丼の ふっくら感は日本一だじゃ。」

ヒロシ「安部ちゃんの 全然 ふっくらしてないウニ丼ですよ。」

大吉「だとすると ホームシックかもな。 最後にしゃべったの いつ?」

春子「え~ 声は いつだろ? 随分しゃべってないな。 ユイちゃんは?」

ユイ「そういえば 最近 メール打っても返ってこないです。」

春子「ちょ… ちょっと詳しく聞かせて。」

菅原「寮さ行ってきたんだべ? どったら所だった?」

ヒロシ「それが 女子寮とは名ばかりの 何か 古い木造のアパートで 風呂もねえ トイレは共同で…。」

一同「じぇじぇ~。」

ヒロシ「4畳半1間の部屋さ 2段ベッド置いて 3人で寝てました。」

まごころ第2女子寮

回想

アキ「おら ママみでえな歌手に なりでえ。 ちゃんと 一人さ届く 歌っこ歌った ママみでえな歌手に なりでえんだ!」

鈴鹿「自分の果たせなかった夢を 娘に かなえてほしいのよ お母さん。」

甲斐「春ちゃん 娘に 夢を託したんだな。」

春子♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー』

アキ「かっけえ…。」

回想終了

(ノック)

アキ「眠れません。 水口さん…。 ねえ 水口さん おら やっぱり辞めだぐねえです。 もっと みんなと いたいです。 踊ったり 歌ったりしてえです。 アイドルさ なりてえです! 水口さん。 水口さん!」

アキ「腹減った…。」

春子「こんばんは。 天野春子です。」

アキ「…知ってます。 水口さん 水口さん! 水口さん!」

春子「お化けじゃないよ! 死んでないし私 生きてるし! 駅前で スナックやってるし 時給1,000円で。」

アキ「そうか… そうですよね。 何か飲みます? 水口さんの缶ビールが…。」

春子「ごめんなさいね。」

アキ「え?」

春子「デビュー決まってたんでしょ? せっかく いいところまで来てたのに 私のせいで…。」

アキ「いえいえ そんな 気にしねえで下さい。」

春子「私のせいで 太巻に意地悪されて かわいそう! あいつ ちっちゃいよね 器が。 ハハッ 全然 太くないの。 細巻き? ハッハッハッ 細巻き! ハッハッハッハッ! うあまい事 言ったな 今。 ハッハッハッ!」

アキ「めんこいな。」

春子「…やだ!」

アキ「目が パッチリしてて 髪の毛クルンクルンで 親子とは思えねえ。 おら パパに似ちゃったのかな。」

春子「ブスだもんね。」

アキ「え!?」

春子「奈落だもんね。 繰り上げ当選のブスだもんね。」

アキ「ブスとか言うな! 親子だからって! いや 親子だからこそ!」

春子「おわびに歌います。」

アキ「じぇじぇじぇ! マイペースだな…。」

♬~(『潮騒のメモリー』)

アキ「春子さん せっかくだけど ここ 住宅街だし 夜も遅いし…。」

(引き戸が開く音)

アキ「え?」

鈴鹿「とうとう見つけたわよ!」

アキ「じぇじぇじぇじぇ!?」

鈴鹿「やめて! 歌わないで!」

アキ「鈴鹿さん 駄目!」

鈴鹿「私の歌! 私の『潮騒のメモリー』よ!」

春子「ハハハハッ!」

鈴鹿「逃がすもんか! 返して! 私の歌 返して! アタッ! 段差が… 段差が怖い! ちょっと手伝いなさいよ! 天野さ~ん!?」

春子「ハハハハッ!」

アキ「やめで! 2人とも やめで!」

(携帯の着信)

アキ「ママ…。」

天野家

春子「あっ もしもし アキ? ごめん 寝てた? いや 別に用はないんだけどさ そろそろ ママの声が 聞きたいかなと思って。 アキ? やだ あんた 泣いてんの?」

まごころ第2女子寮

アキ「おっ おっ おっ おっ…。」

天野家

春子「何よ あんた オットセイなの?」

まごころ第2女子寮

アキ「おっかねえ夢 見た。」

電話・春子『夢?』

アキ「途中までは ママと… 若(わけ)え頃のママと しゃべって いい感じだったのに 静(しずか)御前が…。」

天野家

春子「大丈夫? あんた 疲れてんじゃないの?」

まごころ第2女子寮

アキ「クビになっちゃった…。」

天野家

春子「え?」

電話・アキ『事務所 クビになっちゃったんだ。 今日。 太巻さんに嫌われて…。」

春子「どうして?」

まごころ第2女子寮

アキ「分がんねえ。」

天野家

春子「分かんねえって 何よ アキ。 何か 理由があるはずよ!」

まごころ第2女子寮

アキ「おらより ママの方が分かるはずだ! ごめん。 おら さっぱり分がんねえ。 一生懸命やってんのに…。 もう帰りたい。」

天野家

電話・アキ『ねえ ママ アキ そっち帰りたいよ。」

まごころ第2女子寮

アキ「もう帰っていい? いいよね。」

天野

春子「駄目よ。」

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