【 連続テレビ小説「あまちゃん」】105回のネタバレです。
あらすじ
しばらく東京で暮らすことにした春子(小泉今日子)は、アキ(能年玲奈)が復帰したGMTのレッスンに立ち会ったり、ステージ衣装に意見したり、熱心にメンバーをサポートする。太巻(古田新太)は、そんな春子の振る舞いが気に入らない。大吉(杉本哲太)が北三陸から連れ戻しにやってくるが、春子は「やり残したことを果たすまでは帰らない」と断る。そんな春子の応援を、アキは少しプレッシャーに感じる。
105回ネタバレ
東京EDOシアター
社長室
水口「失礼します。 お呼びでしょうか。」
荒巻「相変わらず来てんのか あの女。」
水口「誰ですか?」
荒巻「あの うっとうしい 東北のステージママだよ。」
水口「ああ 春子さん。」
荒巻「最近じゃ 天野だけじゃなくて ほかのメンバーにも 口出ししてるそうじゃないか。」
奈落
春子「喜屋武ちゃんね ちょっと リズムが沖縄になっちゃってるから みんなに合わせて!」
喜屋武「えい!」
春子「かわいくね!」
社長室
水口「いや~ 指導が適切なんで 助かってます。」
荒巻「助かってんじゃないよ。 そのうち 面倒くせえ事 言われるぞ。『取材に つきあわせろ』だの『ステージ衣装 作れ』だの。」
水口「もう言われました。」
アキ「社長 見てこれ! この衣装で アー写 撮る事になったど! いぐねえ? これ! いいべ これ!」
一同「アハハハハハッ!」
荒巻「似合う 似合う。 舞踏会に出れるよ。」
(歓声)
アキ「ところで 水口さん アー写って何?」
水口「アーティスト写真だよ。 ホームページのトップ画面になるよ。 あと ステッカーも作るよ。」
(歓声)
アキ「おらたち アーティストか…。」
4人「アーティスト!」
水口「すいません。 5人で 12万円です。」
荒巻「あの薄汚(うすぎたね)え シンデレラの娘!」
奈落
ヒビキ「いくよ! GMT~!」
5人「5(ファイブ)!」
ヒビキ「ほら 元気出せよ! まだ若いんだろうが! 息 上がってんじゃないよ! ほら センター! 小野寺ちゃん いくつだっけ?」
小野寺「15です。」
ヒビキ「俺 48! でも 全然元気! いくよ~!」
5人「はい!」
ヒビキ「GMT~!」
5人「5!」
荒巻「まあ 言ってみれば 思い出作りだな。」
水口「思い出作り?」
荒巻「デビューさせて 深夜の歌番組にでも出しゃ ステージママも納得して引き下がるだろ。 そうだ。 1万枚 売れなかったら 解散のパターンでいこう。 それで見積もり よろしく。」
水口「えっ? 待って下さい。 解散って…。」
荒巻「『地元に帰ろう』だよ。 フフッ 売れる訳ないだろ 1万枚なんて。」
ヒビキ「いくよ~!」
5人「はい!」
ヒビキ「GMT~!」
5人「5!」
ヒビキ「GMT~!」
5人「5!」
ヒビキ「あ~ もう一回! GMT~!」
5人「5!」
ヒビキ「GMT~!」
5人「5!」
ヒビキ「GMT~!」
純喫茶・アイドル
甲斐「いいの?」
アキ「もちろん! いっぺえ置いていぐがら 宣伝してけろ。」
甲斐「やった~。 熱いよね GMT。」
アキ「じゃ!」
甲斐「『じゃ!』って いいのかい?」
<大吉っつぁんが ママを追っかけて 東京さ来ました>
甲斐「微動だにしないね かれこれ 30分になるよ。 吐きそうだよ。」
アキ「な? あっ 動いた!」
大吉「あ~! 東京の空気が汚え! 見てみろ 鼻の中まで 排気ガスで真っ黒だ!」
安部「やめでよ 大吉っつぁん。」
大吉「モータリゼーションの弊害が ここにも!」
春子「だったら 来なきゃいいじゃん。」
黒川「春子さん。」
春子「何で来たのよ。」
大吉「北鉄で。」
安部「バカ。 北鉄じゃ 東京まで来れねえべ。」
大吉「北鉄で宮古まで行って 宮古から山田線で釜石行って…。」
春子「だから 一番 時間のかかるコースで わざわざ 何しに来たのっつってんの!」
大吉「会いに来たんだべ 春子に!」
黒川「『春子』?」
アキ「じゃ!」
甲斐「『じゃ!』って…。」
アキ「おらが いたら しゃべりづれえ事もあるべ。 ごゆっくり。」
春子「だから 説明したでしょ ちゃんと。 今は アキのそばに いたいの。」
回想
春子「あの子の事 応援してあげたいんだ。 自分が見れなかった景色 あの子に見せてあげたいんだ。」
回想終了
大吉「…分がんねえ。 アキちゃんは田舎が好きなはずだ。 北鉄の窓から見える 海や山 田んぼが好きなはずた!」
春子「その景色じゃないの! そういう意味じゃないの!」
大吉「春ちゃんだって そうだべ! 都会に 嫌気がさして 故郷さ帰ったのに なして また 都会さ戻る! 何が不満だ!」
春子「嫌で出てきたんじゃないの 今回は。 こっちで やり残した事がある事を 思い出したの! それをやるの アキと一緒に! やり遂げたら 帰るから。」
黒川「そうなの?」
春子「そのうちね。」
大吉「いつ帰ってくる!?」
春子「2~3日かもしんないし 2~3か月かもしんない。」
黒川「あれ この間 2~3年って言ったよね。」
大吉「2~3年!?」
春子「だから! もう…。 ちょっと 甲斐さん 甲斐さん 甲斐さん 助けてよ!」
甲斐「♬『暦の上ではディセンバー でも ハートは サバイバー』あっ 小野寺ちゃん 立ち位置 変わった。 変わったよね!?」
春子「知らないよ。 大体さ 関係ないじゃん! あんたと より戻すつもりないし 大吉さんのプロポーズ 受ける気もないからね 私は!」
黒川「プロポーズ!?」
安部「プロポーズ!?」
大吉「プロポーズ… したよ。 した した! してもいいじゃん! 幸せになってもいいじゃん! だって 俺たち バツイチ同士だぜ!? 足して 2だぜ!?」
黒川「その理屈だと 僕は 安部さんに プロポーズしてもいい事になりますが。」
安部「…やんだ。」
黒川「しませんよ! しませんけど!」
甲斐「やり残した事って 何だろうね。 ああ ごめんなさいね 聞こえちゃったもんだから。 春ちゃんが こっちで やり残した事って 何だろうなって。」
春子「それは…。 言わない。 やり遂げるまで言わない!」
<決して 言葉にしませんでしたが おらを デビューさせるまで ママは こっちに いるつもりみたいです。 それは うれしい反面 プレッシャーでもありました>
無頼鮨
梅頭「軍艦です。」
大吉「少ねえ。 ウニ少ねえ。 詐欺だべ これ! 軍艦詐欺だべ!」
安部「ちょっと やめて!」
大吉「酒だ 酒だ。 ウーロンハイに変更。」
安部「飲めねえくせに。」
大吉「飲めるようになったんだよ 春子のおかげで。 つげ!」
安部「ストップって言ってよ。」
大吉「ストップ!」
安部「もう? 目薬ほどしか入れてねえよ。」
大吉「うるせえ。 あ~ 悔しい。 絶対 連れ戻すって 大見得 切って ブティック今野で 背広しつらえてきたのによ。 …濃い!」
安部「私も帰ろうかな。」
大吉「え?」
安部「もう限界。 まめぶ大使として 1年半 頑張ってきたけど まめぶに対する 都会っ子の警戒心 計り知れねえ。 まさか まめぶが ケバブに負けるとは!」
回想
安部「まめぶ~!」
「ケバブ どうですか~?」
安部「まめぶ どうですか?」
「ケバブ おいしいよ。」
安部「ケバブ汁~!」
回想終了
大吉「安部ちゃん…。」
安部「北鉄の窓から見える景色 おらも好きだ。 つりがね洞 灯台 袖が浜の坂道 海女カフェにも行ってみてえし 今年の夏は 久しぶりに潜りでえ。」
大吉「帰ってこい 安部ちゃん!」
安部「いいのか?」
大吉「当たり前だ みんな待ってる。 ただし 別々に帰るべ。」
安部「なして?」
大吉「なしてって おめえ 考えてもみろ。 春ちゃん連れ戻しに来て おめえ 安部ちゃん連れ帰ったら おめえ みんな ぶったまげるべ。」
安部「そうがな…。」
大吉「そうだよ! 豆腐 買いに行って 電池買って帰るようなもんだ。 安部ちゃんにとっても損だ。 単独で帰ってこい。」
安部「そうだよね。 春子さんは 学園のマドンナで おらなんか…。」
大吉「お会計!」
安部「え!?」
大吉「深夜バス乗る前に お土産 買わねえと。」
種市「もう頂いてますんで。」
大吉「じぇじぇ! …誰が?」
アキ「遅くなりました!」
鈴鹿「大丈夫。 さっき来たとこ。」
大吉「じぇ~!」
アキ「あらら 大吉っつぁん まだ いたの?」
大吉「南部ダイバーの顔見てから 帰るべと思って…。 ファンです! 大向大吉 46歳 北三陸鉄道の駅長でがす! アキちゃんとは家も近くて 母親の春子さんとは幼なじみで!」
鈴鹿「大体… 大体 聞こえてましたから。」
大吉「…つうか ファンです。」
スナック・梨明日
菅原「はい! はいはい!」
今野「大吉か?」
菅原「今 先輩 女優の鈴鹿ひろ美と 飲んでるんだって。」
一同「また また また また!」
長内「どうせ 場末のスナックの 女子(おなご)だべ!」
電話・大吉『嘘じゃねえって。』
無頼鮨
大吉「ちょっと待ってろ。 すいません 代わってもらっていいですか?」
鈴鹿「え… ええ?」
大吉「声 聞かねえと 信用できねえって すいません。 すいません。」
鈴鹿「鈴鹿です。」
スナック・梨明日
吉田「どちらの鈴鹿さんですか?」
(笑い声)
無頼鮨
鈴鹿「女優の鈴鹿です。」
スナック・梨明日
吉田「『女優の鈴鹿です』。」
(笑い声)
吉田「このアマ! あのねえ! 俺は 鈴鹿ひろ美のファンクラブさ 入ってたの! そう ひろ美っこクラブ! 詳しいね。 だから 本物か 偽物か 一発で…。」
無頼鮨
鈴鹿「本物です。」
スナック・梨明日
吉田「本物? このアマ 本物だって言ってますけど!」
一同「いや いや いや いや…!」
磯野「いい加減にしろ この野郎!」
長内「そこまで言うんだったら『潮騒のメモリー』歌ってもらうべ!」
菅原「歌ってみろ この野郎!」
磯野「『愛のメモリー』歌ってみろ。」
無頼鮨
電話・菅原『【愛のメモリー】は おめえ…。」
スナック・梨明日
菅原「大島 渚だべ。」
今野「大島 渚は『愛のコリーダ』だべ。」
(笑い声)
磯野♬『美しい人生よ かぎりない』
無頼鮨
(携帯が切れる音)
アキ「いや…。」
大吉「あ… ファンです。」
<大吉さんは 深夜バスで 岩手さ帰りました>
<よりを戻すつもりはないと 言いながら ママは パパのマンションで暮らしています>
黒川家
<息が詰まるから帰ってこいって ママは言いますが あえて おらは帰りません>
まごころ第2女子寮
4人「頂きま~す!」
水口「食べながらでいいんで 聞いて下さい。 昨日 太巻さんに呼ばれて GMTの 今後の方針について 話し合いました。」
しおり「ついに 解散? なんつって。」
水口「…。」
しおり「そうなんですか?」
真奈「今度は なん?」
アキ「お… おら 何もしてねえど。」
水口「デビューが決定しました。」
喜屋武「おはよう。 何ね?」
水口「前に聴かせた『地元に帰ろう』を 有馬のパートを 5人で割り振って 歌ってもらう事になった。 ただし…。」
しおり「やった~!」
(歓声)
水口「た… ただし!」
喜屋武「ホントですか!? ホントに!?」
水口「嘘ついて どうすんだよ。 ホームページでも発表した。」
(歓声)
水口「木曜日 歌入れだから ちゃんと聴いておくように。」
5人「はい!」
回想
荒巻「まあ 言ってみれば 思い出作りだな。 そうだ。 1万枚 売れなかったら 解散のパターンでいこう。『地元に帰ろう』だよ。 フフッ 売れる訳ないだろう 1万枚なんて。」