ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」108回「おら、地元に帰ろう!?」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】108回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)は事務所を解雇され、GMTはアキを除いたメンバーでデビューすることに決まる。アキは合宿所を出て自宅に戻ったものの、することもなく、春子(小泉今日子)がかつて働いていた喫茶店でアルバイトを始める。水口(松田龍平)も、アキをかばって太巻(古田新太)に反抗的な態度をとったため、会社に居づらくなり、喫茶店に入り浸っている。そこで、春子が「自分たちで芸能事務所をつくろう」と言いだして?!

108回ネタバレ

東京EDOシアター

GMT5♬『地元に』

春子「こんなの うちの娘の声じゃないもの! 冗談じゃない! うちの娘 鈴鹿ひろ美と 一緒にしないで!」

荒巻「カメラ 止めろ!」

<デビュー直前 おら 事務所をクビになりました>

アキ「太巻さんさ伝えてけろ! 頼む このとおりだ! GMTをデビューさせてやってけろ!」

道中

春子「あんたの事 絶対アイドルに してやるからね!」

アキ「うん。」

<…と 威勢のいいママでしたが 当面は 特にする事もなく>

黒川家

テレビ『巣立ちの時期 親鳥は 特に神経質になります。 巣の周りを飛び回り 敵がいないかどうか パトロールを繰り返します』。」

春子「ああ。 家事でもすっか!」

純喫茶・アイドル

(ドアベル)

アキ「ありがとうございました。」

<同じく おらもやる事がなく 合宿所を出て ママと同じ道を 歩み始めていました>

テレビ・鈴鹿『そうなんです。 最近電車を 使うようになったんですけどね』。

<突然の事で 鈴鹿さんに ちゃんと 挨拶できなかった事だけが 心残りでした>

テレビ?鈴鹿『付き人の子が辞めちゃって スイカのチャージが』。

甲斐「かわいいなあ。 発音が 果物の方になってるのも かわいいよ。」

テレビ・鈴鹿『スイカ便利ですよね』。

水口「懐かしいなあ 原宿なんて。 バンドやってた頃 思い出すな。」

<そうつぶやいて 水口さんは ブラックコーヒーを 一口すすりました。 何だか 自分に 酔ってるような 感じでした>

水口「明治通りのライブハウスとか 出たな。 客いないんだし 座りなよ。」

アキ「バンド やっでだんですか?」

水口「あ うん。 べーズ 弾いてた。 バースデイ・オブ・エレファント ってバンドで。

アキ「像の誕生日ですね。」

水口「まあ もっと深い意味あんだけど。 そのころ 太巻さん 紹介されてさ。 当時アイドルとか 超バカにしてたんだけど しゃべってみたら ピュアで熱くて すごくよくしてくれて。」

<ていうか 何のつもりだ? 仕事サボって 退屈なヒストリーなんぞ 語りやがって あ~ 退屈だ。 お客さん来ねえがな>

水口「そんな俺を 太巻さんが GMTプロジェクトのチーフに 抜てきしてくれたんだよ。 でも 国民投票ぐらいからかな『どうなんだ? この人』って。」

アキ「あ 水口さん 太巻さんに 伝言伝えてくれましたか?」

回想

水口「社長 ちょっと今 よろしいでしょうか?」

荒巻「お前も ちょっと座って考えろ。」

河島「急いで 天野の代わり見つけないと。」

水口「天野の代わりは いません!」

回想終了

アキ「じぇじぇじぇ!」

水口「ごめん! 正反対な事 言ってしまった。」

アキ「何してんだよ! ガキの使いじゃあるめえし!」

水口「だって 何か悔しくて。」

回想

水口「ビジネスとしての意見です。 天野がいなかったら GMTは売れません! そんな事も分からないとしたら 社長 ちょ ちょっと勘が 鈍ったんじゃないですか。」

河島「おい!」

荒巻「絶対だな。」

水口「はい。」

荒巻「よし! カメラ回せ。 天野がいなかったら 絶対売れないんだな!」

水口「はい。」

荒巻「絶対か?」

水口「絶対です。」

荒巻「おもしれえ! 分かった。 じゃあ 俺が売ってやるよGMT。 俺が本気出したら 1万じゃ済まないぞ。 10万枚売ってやるよ 水口! お前ごときが 俺のビジネス語るだのさ。 目に物 見せてくれるわ!」

回想終了

水口「という訳で CDは予定どおり発売される。 声は 差し替えられないから アキちゃんの声が残っちゃうけど。」

<声だけか… ママど一緒だ>

水口「ごめんね。 ロボットみたいな声で。」

アキ「いや おら ともかく みんなが デビューできるのは よがった。 …で 水口さんは どうすんだ?」

水口「『どう』って…。 う~ん。 社長に頭下げるのは プライドが許さないし。 とはいえ 会社辞める 度胸もないしな。 琥珀でも 堀りに行くかな。」

アキ「よし! 勉さんに電話すっぺ!」

水口「いや いや いや! そこまで迷ってないけど。」

アキ「そうか? いろいろ楽しかったな。」

水口「ユイちゃん 元気にしてるかな? 正月以来 しゃべってないけど。」

アキ「あ そうそう! 海女さんになるって。」

水口「え?」

アキ「今年の夏 海に潜ってみるって。」

水口「じぇじぇ! あのユイちゃんが?」

アキ「びっくりだべ?」

水口「え~?」

アキ「おらも 帰って潜りてえな。」

水口「え? 潜ればいいじゃない 2人で。」

アキ「いや やめとくべ。」

水口「どうして?」

アキ「まだ こっちで 飛び込んでもいねえがら。 海女になる時もそうだった。 最初は 夏ばっぱに 背中押されて。 そのあと やっと 自力で 飛び込んだ。」

アキ「今 ユイちゃんも 自力で飛び込もうとしてんだ。 それなのに 邪魔しちゃ悪いべ。 だから おら ママを信じて もうちょっと こっちで頑張る。」

水口「できるよ アキちゃんなら。 思うんだけど いつも アキちゃんの周りには 自然と 人が集まってきて みんな自然と笑顔になるだろう? それって 才能っていうか 本当の意味で アイドルとしての資質が あるって事だと思うんだ。」

アキ「うん。 うん!」

水口「アイドルって 自分でなったり 宣言したりするものじゃなくて。」

アキ「うん。」

水口「周りに集まってる人間が アイドルにしていくんじゃないかな。」

アキ「うん。」

水口「ねえ 聞いてる?」

アキ「うん。 うん。 ちょっと待って。」

水口「え ユイちゃん?」

アキ「勉さん。」

水口「あ…。」

喫茶・リアス

勉「聞いたぞ 水口。 行き詰ってるそうだな。」

純喫茶・アイドル

水口「アハハ! いや…。」

電話・勉『じゃあ 来い! 今来い!」

純喫茶・アイドル

電話・勉勉『深夜バスで来い!」

喫茶・リアス

勉「おらが死んでも 琥珀が待ってるからな。 8,500万年前から お前の事 待ってるぞ。」

電話・水口『はい。」

ユイ「もしもし!」

純喫茶・アイドル

水口「え ユイちゃん?」

電話・ユイ『アキちゃんに代わって。」

水口「あ… うん。」

アキ「もしもし…。」

電話・ユイ『ユイだけど。』

アキ「うん 元気?」

喫茶・リアス

ユイ「うん プール行ってきたの。 まだ1分潜れないけど 磯野先生に褒められた。」

純喫茶・アイドル

アキ「そうかあ。」

喫茶・リアス

電話・アキ『何か 反対になっちまったな。 ユイちゃんが 海女さんになって。」

純喫茶・アイドル

電話・ユイ『アキちゃんがアイドルだもんね。」

アキ「しかも クビになっちゃうし。」

喫茶・リアス

ユイ「大丈夫だよ。 アキちゃんと一緒にいると 誰でも笑顔になれるもん。 だから アキちゃんの周りには 自然と人が 集まってくるんだよ。 それって アイドルの基本じゃん。」

純喫茶・アイドル

アキ「(泣き声)」

水口「アキちゃん どうした?」

喫茶・リアス

ユイ「どこにいても 何をしてても アキちゃんは アイドルだよ。」

純喫茶・アイドル

電話・ユイ『ユイが言うんだから 間違いないよ。」

アキ「ありがとう! ありがとう ユイちゃん。」

喫茶・リアス

ユイ「フフフ!」

<水口さんには 申し訳ないけど 同じ言葉でも ユイちゃんに言われた方が ずっと心に響くもんです>

黒川家

<だけど おらの日常は 相変わらずパッとしません。 北三陸や 上野の喧騒が まるで 前世の記憶のように 感じられ もうずっと ここに 座ってたみたいに 地味で暗くて 向上心も協調性も 個性も華もない パッとしない子だったみたいに ただ ただ 静かに時が流れていました>

(サヤエンドウの落ちた音)

春子「あ~! あ~! ああ怖い! 何やってんだろう私。」

アキ「ママ?」

春子「駄目じゃん 家事なんかやってちゃ 駄目じゃん! 豆むいてる場合じゃないじゃん! 怖い 怖い 危ない 危ない 危ない! やばいよアキ! あんたさ アイドルになるんじゃなかったっけ!」

アキ「え? 何。」

春子「『何』じゃないわよ。 あんた 大事な事忘れてる!」

アキ♬『私の 私の』

春子「何 ずっと練習してたの?」

アキ♬『の』

春子「忘れてない 忘れてないね。 ごめんね。」

春子「パパは? パパはよ!」

黒川「どうした?」

春子「何よ? これ。」

黒川「『何』ってブロマイド。」

春子「何? ちょっと見せて!」

黒川「痛い 痛い 痛い!」

春子「こんなの作って どうすんのよ?」

黒川「タクシーのさ シートの背の所に ポケットあるでしょ。」

春子「ああ 後部座席の前に あるね。」

黒川「そこに入れとくの。」

黒川「一応 連絡先とプロフィールも書いたんだ。」

春子「『天野アキ あまちゃんですが お芝居 歌 ダンス なんでもやります! お仕事下さい!』。」

春子「ダサいよ!」

アキ「パパ。」

春子「相談して! こういうの ちゃんと相談して!」

黒川「ごめん ごめん! パパにできる事って これくらいしかないから。 フフ!」

春子「ねえ 会社作ろうか。」

黒川「え?」

春子「プロダクション。 3人で事務所作ろうよ。」

アキ「じぇじぇじぇ!」

春子「所属タレント!」

春子「社長!」

黒川「パパは?」

春子「運転手!」

黒川「ああ… 相変わらず。」

春子「ねえ いいじゃん? やろう会社! ねえ ここから始めよう!」

アキ「うん!」

春子「ね! じゃ 練習だ!」

3人♬『私の 地元』

春子「そう そう そう。」

玄関

黒川「よし!」

春子「いいじゃん いいじゃん!」

春子「海女になる時は 夏さんだったけど 今度は ママが あんたの背中押す番だね。」

アキ「うん!」

春子「覚悟しときな! 思いっきり押すからね。」

アキ「うん!」

春子「えい!」

アキ「うわ!」

<会社の名前は スリーJプロダクションに 決まりました。 天野アキ 再スタートです>

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