【 連続テレビ小説「あまちゃん」】109回のネタバレです。
あらすじ
アキ(能年玲奈)を売り出すため、春子(小泉今日子)は、芸能事務所「スリーJプロダクション」を設立する。自宅をオフィスにし、春子が社長、アキが所属タレント、正宗(尾美としのり)が運転手でのスタート。さらに、水口(松田龍平)がアキのマネージャーに志願してくる。一方、アキが抜けたあとのGMTは新たなメンバーを迎え、デビューCDの売り出しに猛攻をかけていて…。
109回ネタバレ
東京EDOシアター
春子「どうせ クビなんでしょ? こんな事務所 こっちから願い下げだけどね! 普通にやって 普通に売れるもん 作んなさいよ。」
アキ「水口さん 今度こそ おら 辞めます。 お世話になりました。」
水口「天野がいなかったら GMTは売れません。」
荒巻「じゃあ 俺が売ってやるよ GMT。 俺が本気出したら 1万じゃ済まんぞ。 10万枚売ってやるよ 水口。」
スリーJプロダクション
春子「プロダクション 3人で 事務所作るの!」
アキ「じぇじぇじぇ!?」
春子「所属タレント!」
春子「社長!」
黒川「パパは!」
春子「運転手!」
黒川「あ… 相変わらず。」
春子「いいじゃん。 やろう 会社! ねっ! こっから始めよう!」
アキ「うん!」
<ママが 会社を立ち上げました>
<会社にするのは 意外に簡単でした。 パパの貯金の一部を 資本金にして 余ったお金で 社長の椅子を買いました>
<あと ホームページを作りました。 以上です>
黒川「どれ…。」
春子「何よ。」
黒川「おなかすいたでしょ? お昼 パスタでいいよね。」
春子「作るの?」
黒川「漁協の長内さんから頂いた 瓶詰のウニが残ってるし クレソンもあるし バゲットもあるし。」
アキ「やった~! おら ウニのパスタ食いでえ!」
春子「駄目よ! ここは リビングじゃなくて オフィスなんだからね。」
黒川「でも 昨日も ウニ丼作って 食べたじゃない。」
春子「昨日は日曜日だから いいの。 平日は駄目! ウニのパスタなんて 手の込んだもの 社員は作らない! 昼間は出前。 作るなら ラーメンまで!」
黒川「ママ…。」
春子「社長って呼んで。」
(電話の呼び鈴)
春子「はい スリーJプロダクションでございます。」
喫茶・リアス
長内「あっ 間違えました。」
スリーJプロダクション
春子「…春子ですけど?」
電話・長内『何だ 春ちゃんか! びっくりした。』
スピーカー・長内『ウニ届いたか? 今年は小ぶりだけど 身が詰まってて うめえべ!』
アキ「うん うめがった!」
喫茶・リアス
長内「おっ アキちゃんもいたか!」
スリーJプロダクション
アキ「うん いた。 みんな変わりない?」
喫茶・リアス
長内「変わりねえな。 北鉄の吉田君が結婚するぐれえだ。」
スリーJプロダクション
春子 アキ「じぇじぇ!」
喫茶・リアス
大吉「しかも 相手は 観光協会の栗原ちゃんだぞ。」
スリーJプロダクション
春子 アキ「じぇじぇじぇ!」
喫茶・リアス
吉田「ヘヘヘッ! そういう形になりました。」
スリーJプロダクション
アキ「でも 栗原ちゃんって ストーブさんとつきあってなかった?」
喫茶・リアス
吉田「アキちゃん それは言わねえ プロミスだべよ。(笑い声)」
菅原「くっついだり 離れだりを 繰り返す それが 地方都市の青年の特権さ。」
スリーJプロダクション
スピーカー・栗原『あのね アキちゃん。』
喫茶・リアス
栗原「私 分かったの。 甘いマスクの男性って 頭の中も甘いのよ。 つまり 話が面白くない。 その上 無口。 つまんないテレビを音声消して 見てるようなもんなのよ。」
吉田「その点 吉田の話は滑らんな!」
(笑い声)
菅原「え~ という訳で 足立ヒロシ君は 今 失恋レストランの片隅で 涙の味のチャーハンば食べているのさ。」
4人♬『ネェ マスター ネェ マスター ネェ マスター 早く」
スリーJプロダクション
春子「うるさいな。 切っちゃおっか これ もう。」
喫茶・リアス
大吉「そういう訳で アキちゃんから お祝いビデオレターを頂きたい訳。」
スリーJプロダクション
アキ「ビデオレター?」
スピーカー・大吉『そうそう! お色直しの間 会場で流すから。」
春子「そういう事は 事務所を通して頂けますか?」
喫茶・リアス
大吉「事務所?」
電話・春子『はい。」
スリーJプロダクション
春子「天野アキは 弊社の所属タレントですので。」
スピーカー・大吉『弊社の?』
春子「今回は 謝礼は結構ですので。 ただ 企画書か イベント概要を メールか FAXで…。」
喫茶・リアス
(電話を切る音)
長内「何で切るんだよ 大吉!」
大吉「ふん! 変わっちまったなあ 春子。 ギスギスしやがってよ!」
菅原「正確には ギスギスした女が 一時だけ優しくなって また ギスギスに戻ったんだけどな。」
ヒロシ「勉さん これ いくら?」
勉「あ… 300円か。」
ヒロシ「裸で悪いけど お祝い。」
栗原「ありがとう。」
(ドアベル)
吉田「捨てちゃえよ。」
スリーJプロダクション
<という訳で 天野アキの 記念すべき初仕事は…>
アキ「副駅長の吉田さん 観光協会の栗原ちゃん ご結婚おめでとうございます! スリーJプロダクションの天野アキです!」
春子「もっと笑顔で。」
アキ「はい! 本当は そちらに お伺いしたかったんですが…。」
春子「そういうのは 残念そうに言わなきゃさ。」
春子「ちょ ちょ… どこ行くの?」
黒川「仕事ですよ。」
アキ「おらも バイトなんだけど。」
春子「バイトとか言わないでよ タレントなんだからさ。 営業って言いなさい。 黒川さんも外回りって言いなさい。」
黒川「黒川さん?」
春子「ホワイトボードに『黒川 外回り』って書きなさい。」
黒川「どこまでも 会社に こだわるんだね。」
春子「だって 楽しいんだもん。 専業主婦が いきなり社長だよ? たまんないよね~!」
黒川「社長! 晩御飯は どうします?」
春子「要らない。 面接だから。」
アキ「面接?」
春子「現場マネージャー雇おうと思って。 アキも立ち会ってよ。」
純喫茶・アイドル
テレビ・GMT5♬『駅前 コンビニ 駐車場 地元』
<私の声だ…。 でも歌っているのは 見た事もない ハーフの女の子>
甲斐「ベロニカ 熱いよね…。 山梨とブラジルのハーフなんだってさ。 地元の概念を変えたよね。」
<本当は おらが歌ってるのに>
春子「では 追って連絡させて頂きます。」
「はい。」
春子「ありがとうございました。」
「よろしくお願いします…。」
春子「はい。」
(ドアベル)
春子「(ため息)覇気がないのよね。 どいつも こいつも いい大学 出てるくせにさ。」
アキ「あの~…。」
春子「何? 今の気に入った?」
春子「駄目よ。」
アキ「…だよね。 覇気がねえもんな。」
春子「いや そうじゃなくて… いや それもあるけど。」
テレビ・よしえ『太巻プロデュース! アメ女の妹分! 地元系アイドル GMT5!』。
春子「すごいわねえ GMT5。 これだけ スポット打つのに 宣伝費 いくら かかってんでしょうね。 チャンネル 替えて下さい。 1万枚売んなきゃ 解散なんでしょ? 油売ってていいの?」
水口「10万枚です。」
春子「え?」
水口「予算も 10倍になりました。 だから 俺なんか もう用なしなんです。」
アキ「水口さん…。」
水口「このままじゃ悔しいっす。 太巻の奴 一緒に見返してやりましょう。 俺じゃ駄目っすか? マネージャー。」
春子「駄目よ。」
アキ「ママ なして?」
春子「確かに うちと あんたは 同じ敵と戦ってる。 でも 今 手ぇ組んだら こっちが 引き抜いた事に なっちゃうじゃん。 あんな執念深くて ちっちゃくてさ 無駄に権力持ってる男 敵に回したら この業界じゃ やっていけない。 簡単に潰されます。」
水口「分かりました。」
春子「ごめんね。」
水口「電話一本かけていいっすか? 男として 筋通しますんで。」
春子「ちょ… ちょっと待って 誰にかけんの? ちょっと やめてよ。 ちょっと やめてくれる? ちょっと待って。 やめて。」
水口「もしもし 水口です。 ユイちゃん 今 大丈夫?」
北三陸駅
ユイ「あっ はい。」
純喫茶・アイドル
アキ「ユイちゃん?」
水口「ごめん 君との約束 果たせなかった。」
北三陸駅
ユイ「え?」
純喫茶・アイドル
水口「会社 辞める事にした。 ごめん。 太巻さん 裏切って 春子さんが 新しく作った事務所で アキちゃんのマネージャーやる事にした。 ごめんね。 もともとは 君を 太巻さんに引き合わせて デビューさせる事が目的だったのに こんな事になっちゃって…。 ホント 申し訳ない。」
北三陸駅
ユイ「いいです そんな…。」
電話・水口『よくないでしょ? だって これで 完全に 君の夢が 断たれてしまったんだから。』
ユイ「いいんです。 とっくに諦めてるから。 それより アキちゃんの事 よろしくお願いします。」
純喫茶・アイドル
水口「僕は諦めてないよ! 絶対いつか デビューさせる。」
北三陸駅
電話・水口『アキちゃんと2人で また【潮騒のメモリー】歌ってもらうから。』
純喫茶・アイドル
水口「お座敷列車で。 いや…。 何なら 満員電車で歌ってもらうから そん時は頼むよ!」
水口「すいません。」
春子「合格!」
水口「え?」
春子「水口さん アキの事 よろしくお願いします。」
アキ「よろしぐ。」
甲斐「よろしくお願いします。」
北三陸駅
夏「どうした? ユイちゃん。 ヘヘッ ぼっとして。」
ユイ「あっ おばちゃん。 ごめん ごめん お店開けなくちゃね。」
夏「誰と しゃべってたんだ?」
ユイ「あっ! 春子さん 会社作ったって。」
夏「会社!?」
ユイ「アキちゃんを 売り込むための事務所だって。 聞いてない?」
夏「あの野郎 何も話してねえ。」
ユイ「すごいね 春子さん やるって言ったら やるんだね。」
夏「プールさ行ってきたのか?」
ユイ「うん。」
夏「長く潜れるようになったか?」
ユイ「うん だいぶ。」
夏「そうか。 よし! スナック開店だ!」
営業回り
水口「それじゃあ よろしくお願いします。 失礼します。」
「あれ? あんた ハートフルの。」
水口「あ~ それが 先月いっぱいで退社しまして 今は スリーJプロダクションという事務所で この子のマネージャーを。」
アキ「天野アキです! よろしぐ!」
「なまってるね~。」
水口「そうなんですよ。 岩手の子なんで。 東北のドラマとかあったら 是非。」
「さっき 宮城の子と会ったな。」
河島「こちら GMT5の小野寺薫子です。」
水口「あっ やべえ!」
河島「宮城の子なんで 東北のドラマとかあったら 是非 ひとつ よろしくお願いします。」
鈴鹿「隠れる事ないじゃない。」
アキ「じぇじぇ!」
鈴鹿「あら 独立したの?」
アキ「ママが社長で パパが運転手なんだ。」
鈴鹿「相変わらず タメ口ね。」
アキ「あっ すいません。」
鈴鹿「大変よ これから。 私も独立したあと 2~3年は仕事なくて。」
アキ「じぇ…。」
鈴鹿「でも まあ このまま 太巻さんのとこにいて 芽が出ないより 干された方が ましかもね。 あなたもね。」
水口「よろしくお願いします。」
鈴鹿「いつか一緒に お芝居しましょうね。」
アキ「はい!」
鈴鹿「絶対よ。」
アキ「じぇったい!」
河島「失礼します。 あ…。」
水口「あ…。」