ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」111回「おらのハート、再点火」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】111回のネタバレです。

あらすじ

仕事がなく落ち込むアキ(能年玲奈)は、活躍するGMTの仲間たちと顔を合わせることができない。そんな時、種市(福士蒼汰)から温かい言葉で励まされ、アキは胸の奥にしまっていた恋心を再び燃え上がらせる。一方、GMTを辞めさせたことをアキから責められた春子(小泉今日子)は、押入れから古い名刺入れを捜し出してきて…。

111回ネタバレ

東京EDOシアター前

<ミサンガ1本切れだ夜 アキは 地元の先輩に励まされました>

種市「ここが ふんばりどころだぞ 天野。」

アキ「え?」

種市「独りぼっちで つれえのは分がる。 でも 今 逃げちゃ駄目だ。」

アキ「先輩…。」

<一度 すっかり冷めた恋の病が>

<いやいや いやいや! 駄目だ! 何しろ おらは アイドル。 恋愛は御法度!>

回想

春子「どうせ クビなんでしょ?」

回想終了

<…じゃねえ! GMTを クビになった今 おらを縛るものは 国の法律以外に何もねえ。 恋愛御法度解禁! 鎖国は終わった! 開国ぜよ! 夜明けが来たぜよ!>

アキ「先輩!」

GMT5♬『好きです 先輩 覚えてますか?』

種市「どうした? 天野。」

GMT5♬『朝礼で倒れた 私 都会では 先輩』

回想

アキ「その火を飛び越えます! 先輩~!」

種市「天野~!」

回想終了

アキ「先輩!」

種市「何だ 天野。」

アキ「お… おらと つ つ つつ…。 つきあってけろ!」

種市「天野…。 分がった。 よし…。 つきあうべ。」

アキ「やんだ!」

種市「じぇじぇ! な な… 何だ おめえ。」

アキ「だって 今のおらは普通でねえもん。」

種市「『普通でねえ』?」

アキ「んだ。 海の底では 判断力が鈍るもんだ。 今度にしてけろ。」

種市「分がった。 そういう事なら 今度にすっぺ。 ただ 自分の気持ちは変わんねえ。」

アキ「え?」

種市「自分は 天野の事が好きだ。」

アキ「いや いや いや! だって 先輩は おらじゃなくて…。」

種市「ユイとは もう 何でもねえ。 もう別れた。 あいつは 結局 東京に 彼氏が欲しかっただけなんだ。 だから 東京行きを諦めたと同時に 自分も用なしさ。」

アキ「それ いつの話?」

種市「別れたのか? 正月。」

アキ「すんげえ前じゃん!」

種市「もっと前から 天野の事 気になってたけどな。」

アキ「いづがら?」

種市「自分が海の底さ いた時だ。」

アキ「じぇじぇじぇ! もっと前じゃん! すんげえ前じゃん!」

種市「あれから ずっと 天野の事 一番に考えてた。 いつか 思いを伝えっぺと思ってた。」

アキ「何だよ… なしてえ 早く言わねえんだよ。」

種市「そら おめえ 恋愛御法度だったからよ。 まっ 返事は いつでもいい。 じっくり考えてけろ。」

アキ「やっぱ つきあってけろ 先輩!」

種市「じっくり考えたか?」

アキ「おら 先輩が好ぎだ。」

小野寺「アキちゃん?」

アキ「やんだ! ごめん! また今度!」

小野寺「アキちゃん ちょっと待ってけろ!」

ファンたち「小野寺ちゃん 小野寺ちゃん!」

小野寺「ありがとう みんな ありがとう。 ありがとう。 ありがとう。」

ファンたち「頑張って下さい! いつも応援してます!」

スリーJプロダクション

春子「どうかした? あっ 帰ってきたみたい。 ごめんね お騒がせして。 はいはい はいはい。 は~い お疲れ。」

春子「アキ あんた どこ行ってたの?」

アキ「…別に。」

春子「何よ『別に』って。 水口さん 心配して 電話くれたんだよ。 何よ『別に』って…。」

無頼鮨

水口「無事 家に着いたみたい。」

喜屋武「よかったさ。 食べよう! 頂きます!」

真奈「ばってん 合せる顔のなかって アキちゃん 水くさかね。」

水口「いつもの明るさで ごまかしたくなかったんだよ。『お疲れ よがったよ~』って 笑顔で迎えたら せっかく感じた悔しさも 流れちゃうだろ。 ちゃんと落ち込む事も 必要なんだよ。 見捨てて すまなかった。」

しおり「いや そんな…。」

水口「そして 立派になったな。 おめでとう!」

真奈「せからしか もう!」

水口「でも 俺も このままじゃ終わらない。 アキちゃんと2人で 必ず見返してやるからな。」

喜屋武「ちばりよ~ 水口! 水口! ちばりよ~!」

しおり「座りなさい。 迷惑だから。」

喜屋武「はい。」

しおり「すいません。」

種市「今日じゃなかったかな…。」

水口「え?」

種市「あっ いや 先にお会計いいですか。」

ベロニカ「水口 2,000円デ イイヨ。 みんなは 5,000円通しネ。」

水口「ソーリー。」

スリーJプロダクション

(ノック)

春子「アキ 入るよ。 アキ。 何 あんた アメ横行ってきたんだって? どうだった? みんな。」

アキ「かっこよかったよ。 すごい盛り上がってた。」

春子「そう…。」

アキ「おらが いねぐなって かえって よぐなったんでねえか?」

春子「何よ あんた 辞めた事 後悔してんの?」

アキ「してるよ! してるに決まってるじゃん!

春子「バカね アキ…。 ママが ちゃんと 仕事取ってきてあげるから…。」

アキ「そういう問題じゃねえ!」

春子「アキ! どこ行くの?」

(ドアの開閉音)

ヘッドホン・GMT5♬『好きです 先輩 覚えてますか?』

<おらだって あの中さ いたかもしんねえのに>

回想

♬『都会では 先輩』

回想終了

<いや 確実に いたんだ>

回想

♬『お寿司を【おすす】と 言ってた 私』

回想終了

<あのまま デビューしてたかもしんねえんだ。 なのに ママが… ママが切れるから!>

回想

春子「こんな事務所 こっちから願い下げだけどね! 普通にやって 普通に売れるもん 作んなさいよ。」

回想終了

<ママのせいだよ! ママのせいじゃん!>

回想

ユイ「アイドルになりた~い!」

回想終了

アキ「おらも アイドルになりでえど~!」

♬~(『地元に帰ろう』)

スリーJプロダクション

黒川「ただいま~。」

春子「お帰り。」

黒川「何やってんの?」

春子「あった~! これだ これ! 一か八が 本気出してみる? 黒川さん。」

黒川「名刺?」

春子「そう。 私に影武者やれせた奴らのね。」

黒川「え!?」

回想

春子♬『来てよ その火を 飛び越えて』

回想終了

春子「いざという時の 切り札になると思って 全部 捨てずに取っといたの。 まずは こいつから。『潮騒のメモリー』のチーフディレクター 柏木誠司(かしわぎせいじ)。」

回想

柏木「OK!」

回想終了

純喫茶・アイドル

春子「ミレニアムレコードの 制作本部長さんなんですね 今は。」

柏木「フフフッ。」

春子「ご立派になられて。」

水口「チーフマネージャーの水口と申します。」

柏木「まだ この業界にいたんだね。」

春子「ええ。」

(笑い声)

柏木「…で どういった ご用件で?」

春子「私じゃなくて 娘なんです。」

柏木「…娘?」

春子「アイドルになりたくて 岩手から上京してきたんですよ。」

柏木「歌唱力は?」

春子「そんなの 別の人に歌わせちゃえば いいのよ!」

柏木「アハハハッ 冗談きついな…。」

<スリーJの女社長 天野春子が ついに動き出しました>

春子「ここだけの話ですけど 柏木さんが気に入ってくれて ミレニアムから CDデビューが決まったんですよ。」

<嘘に嘘を塗り重ねて ママは交渉を続けました>

春子「困ったわ…。 馬場さんのところで 女優デビューする事が決まってるの。」

桂「ああ じゃあ 残念だけど…。」

春子「レギュラーだったら 向こう蹴りますけど。」

桂「レギュラーって… ちょっと 春ちゃん。」

春子「よろしくお願いします。」

水口「お願いします。」

アキ「お願いします。」

春子「私が果たせなかった夢を 娘に かなえてほしいんです…。(すすり泣き)」

<それは まるで アイドルになれなかった かつての少女 天野春子による 復讐劇を見てるようでした>

スリーJプロダクション

<そして ついに…>

春子「ざっと こんなもんよ。」

水口「すげえ…。」

春子「まあ 演技は素人だって 言ってあるしさ 最初は セリフも あったり なかったりだけどさ。」

黒川「ああ! これ パパの大好きな番組 温泉回るやつ!」

春子「よ~し 忙しくなるよ!」

アキ「やりだぐねえ。」

春子「え?」

アキ「ママ ごめん。 でも おら 今は 何にもやりだぐねえ。」

春子「ちょっと あんた 何 言ってんの? この仕事もらうために ママが どんなに苦労したか 分かってんの?」

アキ「インチキじゃん! これ 全部 ママのコネでしょ? おら 何にもしてねえ。 こんなんで 何の努力もしねえで ドラマだの バラエティーだの出たら 天狗になっちまう。

水口「あのね 世の中には テレビに出たくても出れない人が ごまんといるんだよ。」

春子「聞こう 聞こう アキの言い分。 最後まで聞いてみよう。」

アキ「だから 気持ちは うれしいけど おら… ズルしてまで仕事欲しくねえ。」

春子「ズルじゃないわよ!」

アキ「うわ~!」

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