ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」114回「おらのハート、再点火」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】114回のネタバレです。

あらすじ

春子(小泉今日子)に呼び出され、喫茶店に駆けつけたアキ(能年玲奈)は、ずっと行方不明になっていたユイ(橋本愛)の母・よしえ(八木亜希子)と出会う。よしえは、黙って家を飛び出した理由を話し、春子に「再び家族と会いたい」と打ち明ける。そのころ、北三陸では、上京する予定のユイと夏(宮本信子)の送別会で盛り上がっていた。アキはユイに電話し、よしえが見つかったことを告げるが…。

114回ネタバレ

無頼鮨

アキ「じぇじぇ!」

純喫茶・アイドル

<ママに呼び出され 喫茶店さ行ってみると そごにいだのは  ユイちゃんのママでした>

春子「これ見て 予備校に電話したみたい。 この子と連絡取りたいって。 大変だよね 有名になるとさ こういうの増えるからね。 会った事もない親戚とか 名前も知らない同級生とかね。 ウフフ!」

よしえ「ご心配おかけしました。」

春子「ご家族は?」

よしえ「まだ。」

春子「じゃあ 知らせましょう。」

よしえ「いや それは春子さん。」

春子「駄目よ 警察にも知らせなくちゃ。 あなた家出人なんですから。」

アキ「上野さ いましたよね。」

よしえ「え?」

アキ「見かけました。」

春子「いつ?」

アキ「年末 路上ライブの日だ。 安部ちゃんもいた。」

春子「何で言わないの?」

アキ「一人じゃねがったから。」

回想

回想終了

アキ「あ ストーブさんには言いました。 男ど歩いてたって。 だがら 電話しなくていいど。 ストーブさんは知ってっから。」

スナック・梨明日

ユイ「ねえ 勉さん 東京のお土産 何がいい?」

勉「え? 買ってきてくれんの?」

夏「500円以内な。 ヘヘヘヘヘ!」

ユイ「いらっしゃい!」

夏「いらっしゃいませ!」

功「ハハハ!」

ユイ「御飯 食べた?」

ヒロシ「俺まだ 親父は?」

功「とりあえず リハビリのあとは ビールだろう。」

夏「オホホホホ!」

ヒロシ「ウニ丼は?」

夏「とっくに売り切れだ。」

ユイ「オムライスなら すぐ出来るけど。」

ヒロシ「じゃあ もらうわ。」

ユイ「はい。」

功「さあ 指先のリハビリでもするか。」

ヒロシ「いよいよ来週か。」

ユイ「うん。」

夏「帰(けえ)ってきたら 忙しくなるぞ。 9月には 本気獲(ど)りだ。」

ユイ「絶対 2個は取るから。 アキちゃん 1個だったもんね。」

夏「ハハハハ!」

純喫茶・アイドル

よしえ「自信を なくしてしまったんです。 主人が倒れて 一時は意識もなくて。 呼びかけても 返事もないし。 万が一このまま 目を覚まさなかったら 残された私は どうなるんだろうって。」

春子「それで お財布だけ持って?」

回想

春子「足立さん!」

回想終了

よしえ「あの日のうちに バスで盛岡まで出ました。 最初は2~3日したら 帰りたくなると思ってたの。 だけど ドンドン遠くに来てしまって。 上野で一緒にいたのは 昔の上司です。 パート 紹介してもらって。」

春子「パートって?」

よしえ「臨時の 声の仕事です。 結婚式の司会とか ナレーションとか。」

(テレビ)

よしえ「あっ これもそうです。」

春子「嘘!」

テレビ・よしえ『太巻プロデュース! アメ女の妹分! 地元系アイドル GMT5! デビューシングル『地元に帰ろう』NOW ON SALE!』。

アキ「じぇじぇじぇ! じぇんじぇん気付かなかった!」

甲斐「こちらこそ じぇんじぇん 気付かなかなかったよ!」

よしえ「もちろん これじゃ 生活できないから コンビニで バイトしたり。 何か 久しぶりにというか ほぼ初めて 一人の人間として 世間と関われたような 気がしたんです。」

よしえ「足立 功の妻じゃない 自分を見つけたような。 それまでは 家族しか見てなかった。 いっつも 夫の顔色うかがいながら 子どもの反応を見ながら 肉だな 魚だな 野菜が 足りてないとか 自分じゃ 何も判断できない 状態だったんです。」

春子「今は?」

よしえ「今?」

春子「あれから 1年近くたって 自分を取り戻して 今は どういう心境?」

よしえ「…。」

春子「ごめん 言いにくいか?」

よしえ「いえ…。 本当に 自分勝手な話ですけど。」

春子「うん。」

よしえ「寂しいです。 家族に会いたいです。 主人と子どもたちに 会いたいです。 でも…。」

春子「無理でしょうね。 残酷なようだけど。 取り返しつかないと思う。 ほら あれだ。 あの あれだ あの…。 ほら アキがやってる あの 見つけて壊すやつ。」

アキ「逆回転?」

春子「『逆回転』そう! 逆回転できないもんね 人生は。 壊れたら壊れっ放し もう元には戻らない。 残念でした。 でも みんな 本当に 心配してるからさ。 無事でいる事だけは 知らせてあげよう? いいよね。」

よしえ「はい。」

(ドアベル)

北三陸駅

ヒロシ「あ! もしもし 今 外出た。 ごめん ごめん。 ユイと夏さんの送別会?」

大吉♬『(Ghostbusters)』

ヒロシ「あ カラオケ始まっちゃった。 で 何?」

純喫茶・アイドル

アキ「いい知らせと 悪い知らせ どっちが好きですか?」

北三陸駅

ヒロシ「アキちゃん 悪い知らせが 好きな人は いないよ。」

純喫茶・アイドル

アキ「ですよね。 じゃあ 悪い方から。 私 天野アキは 種市先輩と つぎあう事になりました。」

北三陸駅

大吉♬『(Ghostbusters)』

純喫茶・アイドル

アキ「あ! いい知らせ 先に言っちゃった。」

北三陸駅

ヒロシ「え… え?」

電話・アキ『続いて 悪い知らせ。』

ヒロシ「待って 待って! 全然追いつけないよ。 今の どこが いい知らせなの?」

純喫茶・アイドル

アキ「おらのとっては いい知らせなんですけどね。」

北三陸駅

ヒロシ「おめでとう。 で… 悪い方は?」

電話・アキ『今 お母さんと一緒です。 お母さん うちのママと しゃべってます。」

純喫茶・アイドル

春子「ご存じないでしょう。 あなたが家出したせいで ユイちゃんが 荒れた事とか。 髪の毛 染めて 悪い仲間とツルんで 高校やめちゃった事とか 知らないでしょう。」

スナック・梨明日

♬『星よりひそかに 雨よりやさしく』

純喫茶・アイドル

春子「夏さんや海女クラブや勉さんや大吉さんや まあ 私やアキや みんなが ユイちゃんが これ以上 道を踏み外さないように 遠くから見守ってた事とか。」

春子「腫れ物に触るように接したら 余計傷つくから わざと乱暴に扱ったりとか 優しくしたりして 家族みたいに接して ようやく心開いて スナックで働き始めた事とか。」 今年の夏は 海女やってる事とか そういう事 何も知らないでしょう。」

よしえ「はい。 ごめんなさい。」

春子「謝んなくてもいいわよ。 私も 家出組だからさ。 田舎 バカにして 都会に憧れて家出して 和解するのに 25年もかかっちゃったよ。 だから ま 家出の先輩として ひと言 言わせてもらうね。 田舎なめんなよ~!」

スナック・梨明日

♬『涙に濡れた この胸に 言っているいる お待ちなさいな』

<結局 ユイちゃんは 東京に出てきませんでした。 夏ばっぱが 理由を尋ねたら ユイちゃんは こう言ったそうです。『自分を捨てた母親に どんな顔で会ったらいいか 分からない』>

北三陸駅

ユイ「ごめんね。 せっかく会えると思ったのに。」

電話・アキ『いや まあ しょうがねえ。 また今度にすっぺ。』

ユイ「今度なんて あるのかな?」

黒川家

アキ「え?」

電話・ユイ「だって さすがに不安になるよ 一生ここから 出られないんじゃないかって。 だって 夏ばっぱが 初めて 東京に行くっていう時でさえ こんなんだもん。』

北三陸駅

ユイ「こういう運命なんだって 思った方が 楽なんじゃないかな。」

電話・アキ「そんな事 言うなよ ユイちゃん。 来れるって! たかが東京だぞ! 盛岡から2時間半だぞ!」

ユイ「うん。 近いのにね。 近いのに遠い。」

<種市先輩と つぎあう事 ユイちゃんには 言えませんでした>

上野駅

大吉「あ アキちゃん! 夏ばっぱ いた!」

アキ「夏ばっぱ!」

夏「アキ!」

<予想どおり ばっぱの 付き添いは 大吉さんでした>

夏「いや~ もう疲れだ 疲れだ! トンネルさ入る度に 耳がキ~ン キ~ンってしてよ。」

アキ「夏ばっぱが 東京さいるなんて 何だか信じられねえな! いつまでいるんだ?」

大吉「1週間だな。」

アキ「やった~!」

夏「いや~ いやいや! 明日には帰る。 もう人が多くて うんざりだ もう! 早ぐ うちさ連れてってけろ。」

大吉「心配すんな コンピューターさ バッチリ 時刻表入れてきたべ。 2時31分の 上野発の銀座線さ 乗って。」

黒川「お母さん!」

大吉「渋谷…。」

黒川「どうも!」

夏「正宗さん 久しぶり。」

黒川「どうも お疲れじゃありませんか?」

大吉「オ~! モータリゼーション!」

黒川「足元 気を付けて下さい。」

夏「はいはい。」

<後で 分かる事ですが 夏ばっぱが 東京さ来たのには それなりに 大きな理由があったのです>

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