【 連続テレビ小説「あまちゃん」】115回のネタバレです。
あらすじ
アキ(能年玲奈)は、夏(宮本信子)とユイ(橋本愛)の上京を楽しみにしていた。だが、ユイは東京で見つかった母のよしえ(八木亜希子)を許せず、上京を取り止める。理由の分からない北三陸の人々はいぶかしがるが、結局、夏はユイの代わりに大吉(杉本哲太)と東京にやってくる。安部(片桐はいり)らは、夏を東京観光させようと計画を立てるが、実は夏が東京にやってきたのには、ある理由があり…。
115回ネタバレ
上野駅
<夏ばっぱが 66歳にして 初めて 東京さ来ました>
大吉「あっ いた! アキちゃん!」
<付き添いは おらの大親友 ユイちゃんではなく>
大吉「アキちゃん。」
<大吉さんでした>
黒川「どうも。」
夏「あっ 正宗さん 久しぶり。」
黒川「どうも お疲れじゃありませんか?」
大吉「オ~! モータリゼーション!」
<夏ばっぱが東京さ来たのには それなりの 大きな理由がりました>
黒川家
黒川「どうぞ~。」
アキ「ただいま! 夏ばっぱ来たよ~!」
春子「お帰り~!」
大吉「何年? これ 築何年?」
黒川「買ったのは 10年前です。」
夏「うわ~!」
春子「いらっしゃい。 疲れたでしょ? 座って 座って。」
大吉「そうかい! ここが 春ちゃんと正宗さんの 愛の巣なんですね。」
春子「今は 事務所として使ってます。 何? どこ行くの?」
夏「お茶っこ入れるべって。」
春子「私がやるから。 座ってていいから。」
大吉「ローン なんぼ残ってんだ?」
黒川「もう大体 1/3は返しましたよ。」
大吉「はあ~ そんだら 残り20年 ローン地獄か。 ご愁傷さまだ。」
夏「すまねえな 正宗さん。 田舎者特有の やっかみだ。」
黒川「あ… いえいえ。」
夏「悪気はねえんだ。」
大吉「悪気しかねえよ。 北三陸から 悪気を運んできました。」
夏「いや いや いや いや~。 大したもんだべ。 スケバンの春子が 東京の世田谷の一等地さ はあ~ こんだけの物件 持ってなあ!」
春子「やめてよ そんなんじゃないんだから。」
夏「正宗さん。 本当に ありがとうごぜえました。 これ ゆべしと…。」
黒川「はい。」
夏「ヘヘヘッ。 手拭いでがす。」
黒川「ありがうございます。」
春子「やめてったら。 そんな事より どういう 風の吹き回しよ。」
夏「何が?」
春子「夏さんが東京来るなんてさ スカイツリーなら まだ 出来てませんけど?」
夏「そんなものは興味ねえ。 おめえら 2人が おらさ会いに来るより おら一人が来た方が 安上りだべ。」
大吉「まっ 結局 2人で来たけどな。」
夏「ユイちゃんが急に 行ぎだぐねえって言うからよ。」
春子「アキ 今日は おばあちゃんと 2人で寝てね。」
アキ「やった! ばっぱ 荷物 おらの部屋さ運ぶぞ。」
夏「おっ! どこだ どこだ?」
アキ「ここだ。」
夏「ここか! いや~ すんげえなあ!」
<一方 北三陸では 海女カフェも観光協会も お盆休み>
北三陸駅
栗原「やんだ これ。 チーズじゃなくて 消しゴム!」
吉田「ハハハハハハハッ! プッ! 新婚じゃなかったら ぶっ飛ばしてるぞ。」
(笑い声)
<大人たちは 暇を持て余し スナックさ集まり ミサンガを編んでいました>
スナック・梨明日
(ドアベル)
ユイ「いらっしゃ~い。」
ヒロシ「カレーのセットで アイスコーヒー。」
ユイ「はい。」
美寿々「もう着いたかな?」
菅原「ああ… んだね。」
今野「なすて 行がねがったのさ ユイちゃん。」
弥生「んだ んだ。 あんなに楽しみにしてだのに。」
ユイ「いいの。 お店もあるし お父さんも心配だしね。」
今野「足立先生だら ピンピンしてますよ。」
菅原「ゆうべも カラオケで ALFEEの『メリーアン』歌ってましたよ。『さずがに 高音は きついな』って 言ってましたよ。」
美寿々「お店だって おらと弥生さんが 交代で見るって言ったのに。」
かつ枝「さては ユイちゃん 大吉に脅されたか?」
勉「行ぎだぐねえって 言ってんだから そっとしといてやれや。」
ヒロシ「勉さん…。」
<ユイちゃんが 東京行きを キャンセルした訳を 勉さんだけは知っていました。 自分を捨てだ母親を ユイちゃんは まだ 許す事ができなかったのです>
純喫茶・アイドル
(ドアベル)
甲斐「いらっしゃい。」
安部「夏ばっぱ!」
夏「お~ 安部ちゃん! 変わりねえようで… アハハハッ! 何よりだなあ!」
夏「ばっぱ! ばっぱ!」
大吉「これ 大きな声 出すな! 恥ずかしい!」
安部「だって 懐かしいんだもの!」
夏「どうだい まめぶ大使 手応えは?」
安部「まずまずだ! …嘘だ。 さっぱりだ。 B級グルメのコンテストで 2年連続 横手のやきそばに負けたのが 痛かった。 アキちゃんが テレビで取り上げてくれたが 三又又三は… 箸もつけねがった。」
大吉「あの野郎 岩手県出身のくせに!」
黒川「彦摩呂さんは『甘さと しょっぱさの 譲り合いや~』って叫んでたよ。」
安部「悔しいけど 言いえて妙だ。」
甲斐「私は嫌いじゃありませんよ。」
アキ「あっ マスターの甲斐さん。」
安部「春子さんも昔 ここで ウエイトレスしてだんだど!」
夏「いや~ まっ 親子2代で! それは それは…。 あの これ つまんねえもんですけど 手拭いです。」
甲斐「ありがとうございます。」
夏「まめぶ お好きですか?」
甲斐「甘い だんごさえ よけてしまえば 極めて けんちん汁ですし…。 だんごを 一旦 取り出して 冷蔵庫で 一旦 冷やして そのあとで スイーツとして…。」
大吉「まめぶの話は もう たくさんだ! それより 明日からの東京見物の予定は?」
安部「完璧だ! ちょっと タイトなスケジュールだが…。」
安部「午前8時半に 正宗さんのタクシーで 世田谷を出発。 まずは 東京都庁を見物。 そのあと 新宿御苑 国会議事堂 皇居を回り 銀座へ移動して 歌舞伎を見ながら 昼食。 午後2時 工事中のスカイツリーをバックに 記念撮影 お台場のアウトレット 浅草 アメ横を回り 晩御飯は 上野の無頼鮨を予約してます。」
無頼鮨
種市「こちら どうぞ。」
大吉「タイトすぎるべ。!」
アキ「ホントだよ! 修学旅行じゃあるめえし。」
黒川「このあと 予定では 秋葉原で 買い物になってますけど。」
安部「明日にしましょう。 いや 明日は休みましょう。」
夏「だらしねえなあ! んだら 明日は おらとアキで別行動だ。」
アキ「別行動?」
夏「実は…。 会いでえ男がいるのさ。」
一同「じぇじぇじぇ!」
夏「やがましい! 誰にも言うなよ。 特に春子にはな。 何があっても バレてはなんねえぞ。 いいな? いいな。」
大吉「おら 約束できねえ!」
黒川「大吉さん!」
大吉「黙ってる自信がねえ! だから 聞かねえ!」
黒川「じゃあ 僕も!
夏「まあいい。 結婚して 春子が生まれて 44年か? おら 北三陸から 一度も離れた事なかった。 夏は海女として 海さ潜り ただ ひたすら 夫の帰りを待つ 漁師の嫁だった。」
黒川「その反動で 春子さんは 派手好きな娘になったんですね。」
アキ「聞こえてんじゃねえか。」
大吉「正宗さん!」
夏「そんあ 天野 夏ですが 66年の人生の中で 一回だけ 道ならぬ 恋に 溺れた事がある。」
大吉「じぇ~ じぇ~ じぇ~ じぇ~!」
アキ「うるせえ! 誰? その人 東京の人?」
夏「ヘヘッ 名字は言えねえ。 下の名前は… ゆぎお!」
スナック・梨明日
一同「ゆぎお?」
かつ枝「んだ。 ゆぎおっつう男と 昔 何やら あったそんだ。」
菅原「うん? ゆぎお ゆぎお…。」
長内「鳩山か?」
菅原「いや…。」
今野「あるいは ほれ 青島か?」
吉田「どっちにしろ なかなの大物ですよ。」
弥生「あっ! そういえば おらも聞いた事ある。 夏ばっぱが酔っ払ってよ『ここだけの話だ』って 前置きしてよ。」
一同「うん。」
(琥珀を落とす音)
吉田「うわっ 何!? 何だよ 勉! 勉アフレック!」
勉「いや… 何でもねえです。」
長内「びっくりさせんなよ!」
吉田「勉! 小田 勉 和田 勉と 1字違い!」
回想
1964年(昭和39年)
(拍手)
司会者「いや~ インド人も びっくりだね! それでは 漁協組合婦人部を代表して そ… 袖がめ…。 袖が浜の 天野 夏さんから 花束の贈呈です。 どうぞ!」
(拍手)
夏「ようこそ 北三陸へ!」
橋「どうも ありがとう。」
(拍手)
回想終了
無頼鮨
2人「橋 幸夫!?」
安部「夏ばっぱの会いたい男って まさか…!」
大吉「は… 橋 幸夫なのか!?」
夏「んだ! 橋 幸夫さ!」
大吉 安部「じぇじぇじぇ~!」
アキ「誰? 誰?」
夏「昭和39年の春 北三陸の体育館で 橋 幸夫のリサイタルがあってよ。」
回想
司会者「いかがですか? 橋さん ここ 北三陸市は 海女漁の北限なんです。」
橋「じゃあ 君も この姿で 海に潜って…。」
夏「はい ウニや 貝を取ります。」
橋「へえ~ 若いのに偉いね! お嫁さんにしたいぐらいだ。」
(拍手と歓声)
橋「どうでしょう。 次の曲は 吉永小百合さんと デュエットした曲なんですけれども 今日は 是非 夏ちゃんと一緒に歌いたいね。」
夏「じぇじぇ! 夏ちゃんって おらか!?」
♬~(『いつでも夢を』)
♬『星よりひそかに 雨よりやさしく あの娘は いつも 歌ってる! 声が聞こえる』
一同「頑張れ 夏ちゃん!」
♬『淋しい胸に』
2人♬『涙に濡れた この胸に』
回想終了
スナック・梨明日
一同「また また また~!」
長内「北三陸さ 橋 幸夫が来たなんて話 おら 聞いた事ないど。」
菅原「観光協会さも 記録 残ってねえよ。」
勉「いやいや ホントだっつうの。 あれから しばらくの間 夏さん この界隈で アイドルだったでしょう。」
ユイ「夏さんが?」
勉「うん。」
かつ枝「昭和39年だったら 覚えてるはずだよな 弥生!」
♬『言っているいる』
♬『お待ちなさいな』
回想
♬『いつでも夢を いつでも夢を』
勉「夏ちゃん!
♬『はかない涙を』
勉「夏ちゃん!」
<勉さんの話が 本当だとすると 夏ばっぱこそが 北三陸の 元祖アイドルって事になります>
2人♬『歌声で』
回想終了
無頼鮨
大吉「何だよ おい~。」
安部「よがった。 びっくりした…。」
(引き戸が開く音)
梅頭「いらっしゃい!」
種市「いらっしゃいませ!」
安部「え!? まさか まさか…!」
アキ「まさか 幸夫!?」
安部「幸夫!?」