【 連続テレビ小説「あまちゃん」】116回のネタバレです。
あらすじ
生まれて初めて北三陸を離れ、東京にやってきた夏(宮本信子)は、アキ(能年玲奈)に上京してきた本当の理由を話す。それは、ある男性に会いたいという願いだった。夏は、46年前、北三陸でその男性と出会い、その思い出が忘れられずにいたのだ。鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の紹介で、なんとか出会うチャンスをつかむ。憧れの人との再会を目前にした夏は…。
116回ネタバレ
無頼鮨
夏「会いでえ男がいるのさ。」
一同「じぇじぇじぇ!」
回想
夏「ようこそ 北三陸へ!」
橋「どうも ありがとう。」
(拍手)
回想終了
大吉 黒川「橋 幸夫!?」
夏「んだ! 橋 幸夫さ!」
(引き戸が開く音)
梅頭「いらっしゃい!」
種市「いらっしゃいませ!」
安部「え!?」
アキ「え!?」
安部「まさか まさか…!」
アキ「幸夫!?」
安部「幸夫!?」
鈴鹿「えっ 何?」
アキ「何だ 鈴鹿さんかよ…。」
鈴鹿「何で すし屋入って いきなり ガッカリされなきゃいけないのよ。」
アキ「だって 幸夫が出てくると思うべ タイミング的に。」
鈴鹿「幸夫?」
アキ「ビールでいいか?」
鈴鹿「うん。」
アキ「この人 おらの ばあちゃん。」
夏「天野 夏でがす。 孫が 大変お世話になりまして。」
鈴鹿「鈴鹿です。 かねがね 天野さんから聞いております。 現役の海女さんだそうで。」
夏「はい!」
鈴鹿「…何ですか?」
大吉「2回目ですよね。」
鈴鹿「はい。 それが何か?」
大吉「いや 2回も会うなんて 運命感じますよね。」
鈴鹿「いいえ。 私の行きつけの店に あなたが 2回来ただけです。 あっ 電話しないで下さい!」
大吉「いやいや! でも 声 聞かせねえと 田舎者は信用しねえがら!」
鈴鹿「田舎者とは しゃべりません! やだ そういう意味じゃなくて…。」
(笑い声)
アキ「問題は どごさ行ったら 幸夫に会えるかだな。」
鈴鹿「ゆきお?」
アキ「夏ばっぱの憧れの人だ。」
夏「46年前に 一度 会ったきりなんです。」
鈴鹿「まあ ロマンチックね。」
大吉「せめて 行きつけの店でも 分かればな…。 あっ 種市君!」
種市「はい。」
大吉「橋 幸夫 来ねえか?」
種市「いや…。」
梅頭「寺門ジモンは来るけどね。」
鈴鹿「ちょっと待って。 ゆきおって 橋 幸夫?」
アキ「鈴鹿さん そのくだり さんざん やったから。」
鈴鹿「私 知ってるけど。」
アキ「だから 入ってくんなって。 都会っ子は そっちで カッパでも…。」
夏「何を知ってるんですか?」
鈴鹿「橋さんですよね。」
夏「はい。」
鈴鹿「共演した事あります。」
一同「じぇじぇじぇ!」
鈴鹿「ねえ 誰か こういうの 持ってない?」
安部「き… キレてないっすよ。 キレてないっすよ。 キレて…。」
黒川「これですか?」
鈴鹿「そう! 映画『潮騒のメモリー』で 検索して。」
黒川「はい!」
アキ「じぇじぇ!」
鈴鹿「私のデビュー作に 橋さん 出てるのよ。」
黒川「あった!」
夏「どれ どれ!?」
黒川「これです。」
夏「あっ! 安部ちゃん 安部ちゃん! ほら ほら!」
大吉「出てるべ! しかも 友情出演だべ!」
安部「夏ばっぱ 鈴鹿さんと橋さんは 友情で結ばれてましたよ!」
アキ「…って事は おらにとっても友達の友達だな!」
安部「そうんだ!」
鈴鹿「そうじゃないんです。」
安部「え?」
鈴鹿「友情出演っていうのはね『本来なら こんな小さな役で ご出演願うのは 申し訳ないんですが ひとつ 友情に免じて ご出演頂けませんか?』…っていう意味なんです。 橋さんのほかにも 由紀さおりさんとか そうそうたる顔ぶれに 脇で出て頂いたの。 だけど 私… とんでもない事しちゃって。」
鈴鹿「舞台挨拶の時だったかしら。 私が 先に登壇して まず 由紀さおりさん 次に 橋さんと 呼び込む段取りだったの。 だけど 初めてだから すっごい緊張して…。 由紀さん 橋さん 間違えちゃいけないって 何回も 自分に言い聞かせたの。 由紀さん 橋さんって そしたら…。 幸 橋夫 …って 言っちゃったんです。」
一同「じぇじぇじぇ!」
鈴鹿「それ以来 橋さんとは会ってません。 だから ごめんなさい。」
夏「いやいや…。」
鈴鹿「カッパ下さい。」
アキ「何だよ!」
<そんな鈴鹿さんを説得して なんとか アポイントを取ってもらい 夏ばっぱは 憧れの幸夫さんに 会える事になりました>
黒川家
夏「あ~ 駄目だ! 眠れねえ。」
アキ「ウニ数えたか?」
夏「2,000個も数えだ。 アキ やっぱし おら 会うのやめるべ。」
アキ「なすてさ。」
夏「会っちまったら 男と女の事だ。 どうなるか分がんねえべ。 まして 橋さんは おらの永遠のアイドルだ!」
アキ「そんなバカな… 66歳と67歳が。 どうにかなるのか!?」
種市「おめえ どうなんだ 種市先輩と。」
アキ「じぇ… なすて それを。」
夏「ふん バレバレだ。 すし屋でよ アイコンタクトしてたべ。」
アキ「ママには ないしょだど! ママには言うなよ! ママには…!」
夏「い… 言わねえ。」
アキ「そうか バレバレか。」
夏「アハハハッ!」
翌日
(ノック)
アキ「じぇじぇ!」
夏「しっ! 行くぞ 行くぞ。」
春子「あら! 夏さん どちらへ お出かけ? 歌舞伎か何か?」
夏「晩飯 要らねえがら。 遅くなっからよ。」
春子「どこ行くのよ?」
夏「行くべ 行くべ!」
アキ「おらも遅くなるから。 んじゃな~!」
春子「『んじゃな』って…。」
東京シティスタジオ
鈴鹿「歌番組の収録は 巻く場合が多いから 急いで!」
<結局 鈴鹿さんも ついてきました>
アキ「なすてだ?」
鈴鹿「便乗よ。 あんたの おばあちゃんに便乗して 昔の事 水に流してもらうのよ。 こちらで~す! あっ!」
アキ「あれが? ゆき橋夫?」
鈴鹿「橋 幸夫だって!」
橋「ああ…。 ああ 女優さんの。」
鈴鹿「鈴鹿ひろ美です。」
橋「いや~ わざわざ お電話頂いたそうで。 見てますよ『静御前』。 どうも 初めまして。」
アキ「初めまして?」
鈴鹿「初めて… ではないんです。 デビュー作で『潮騒のメモリー』という映画で お世話になったんです。」
<覚えてないんだ>
橋「アハハハッ 思い出した。『潮騒のメロディー』ね。」
<駄目だ…>
アキ「ばっぱ? 夏ばっぱ! ばっぱ! お~い! 何で逃げるんだよ!」
夏「おら やっぱし 会わねえで帰ります。」
アキ「せっかく来たのに。」
夏「いやいや もう 顔見れただけで 十分だ。」
橋「夏ちゃん? 夏ちゃんだよね。 あの ほら 北三陸の 海女の 夏ちゃんだよね。 そうだろ?」
夏「はい… 夏です!」
アキ「じぇじぇじぇじぇ。 覚えてるんですか? 一緒に歌ったよね 体育館でさ。 いや~ 懐かしい。 でも変わんないね。」
夏「橋さんこそ いつまでも お若くて…。」
橋「いや それは うれしいよ。 けど 君 誰?」
夏「あ… あの ま… 孫です。」
橋「えっ 孫?」
夏「はい!」
橋「夏ちゃんの?」
夏「はい!」
橋「ハハハハッ! 孫だってよ 鈴木さん。」
鈴鹿「…鈴鹿です。」
橋「あの~ これから 何かあるの?」
喫茶・リアス
勉「あったよ ユイちゃん! 見つけた!」
ユイ「マジで?」
ヒロシ「えっ 何 何? 写真?」
勉「おらが撮った。 ちょっと ピント 甘(あめ)えけど 夏さんと 橋 幸夫!」
ユイ「夏さん 若い。」
無頼鮨
♬~(『いつでも夢を』)
♬『星よりひそかに 雨よりやさしく あの娘は いつも 歌ってる』
夏♬『声がきこえる』
(拍手)
夏♬『淋しい胸に』
橋『涙に濡れた』。
夏♬『涙に濡れた この胸に』
橋「一緒に。」
♬『言っているいる』
<その晩の 夏さんは おらや ママの前では 見せた事ねえような キラキラした笑顔を 振りまいていました。 しゃっこい海さ潜って ウニを取る 夏ばっぱではなく 北三陸の元祖アイドル 夏ちゃんの姿が そこにありました>
♬『雨よりやさしく いつも 歌ってる』
(拍手)
橋「ホントに ありがとう。」
夏「ありがとうございます。」
橋「お元気でね。」
夏「ありがとうございます。」
橋「どうも ごちそうさまでした。」
安部「ありがとうございました!」
夏「鈴鹿さん。 つまんねえもんですけど…。 北の海女のシンボルなんです。 アキが東京さ行く時に これ 持たせてやったんです。」
鈴鹿「まあ そうなんですか。」
夏「どうなんでしょうね。 おらからすると あの子が 東京で 芸能界で どうなるとは思えねえんだ。 フフッ ウニ1個取るのに 3か月かかったんですから…。」
鈴鹿「芸能界と海の中は 違いますから。」
夏「今後とも 孫のアキの事 どうか よろしくお願いします。」
鈴鹿「こちらこそ。」
黒川家
夏「ヘヘヘヘッ ただいま~!」
アキ「ただいま~!」
春子「お帰り~!」
夏「水 水! アキ 水。 水くれ。 水…。」
春子「何? 飲んでんの? 何 やけ酒?」
夏「アッハッハッハッ! あ~ あ~!」
春子「何?」
夏「春子 帯 ほどいてくれ。 アハハハッ!」
春子「何? どこ行ってきたのよ。」
夏「東京も捨てたもんでねえな。 アッハッハッハッ!」
春子「気色悪い…。 何?」
アキ「何でもねえ!」
夏「何でもねえ。 フフフッ。」
春子「何?」
夏「何でもねえや。」
アキ「大丈夫か?」
夏「大丈夫 大丈夫…。」