ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」117回「おらのばっぱ、恋の珍道中

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】117回のネタバレです。

あらすじ

夏(宮本信子)が感激の対面を果たしていたころ、大吉(杉本哲太)は、正宗(尾美としのり)にタクシーで東京を案内してもらっていた。二人の間には、春子(小泉今日子)をめぐる見えない戦いが! 夏と大吉が東京を去る日、よしえ(八木亜希子)がやってくる。春子と話し合ったよしえは、北三陸に帰ることにしたのだ。よしえを迎えるユイ(橋本愛)は…。

117回ネタバレ

無頼鮨

♬『言っているいる お待ちなさいな』

テレビ局

アキ「あれが ゆき橋夫?」

鈴鹿「橋 幸夫だって!」

<夏ばっぱは 憧れの 橋 幸夫さんに 会う事ができました>

橋「どうも 初めまして。」

<しかも 橋さんは 女優の鈴鹿ひろ美さんの事は 覚えてなかったにもかかわらず 夏ばっぱの事は…>

橋「夏ちゃんだよね。 北三陸の 海女の 夏ちゃんだよね。」

夏「夏です!」

<バッチリ覚えでいだのです>

純喫茶・アイドル

黒川「アイスコーヒー お願いします。」

大吉「アイスコーヒー。」

甲斐「2つね。」

<夏ばっぱが 橋 幸夫さんと 感動の再会を果たしていた ちょうど そのころ 大吉さんと正宗さんは…>

大吉「東京さ来て 今日で3日になるな。」

黒川「そうすね。」

大吉「今日は朝から あっちゃこっちゃ 連れてってもらった。 井の頭公園 スーパー銭湯 駒沢公園 スーパー銭湯 代々木公園 スーパー銭湯。」

黒川「いや どこ案内していいか 分からなくて。」

大吉「汚れて 洗って 汚れて…。 童心に返った。 楽しかった。」

黒川「それは 良かったです。」

大吉「テレビで見た ラーメン屋さ行きてえっつったら 名前も分からねえのに 捜してくれて 行列が出来てたら サッと抜け道さ入って 上野美術館のエジプト展さ 連れてってくれた。 おかげで並ばずに ラーメン食えた上に ツタンカーメンまで見れた。 あの一連の無駄のねえ移動は 行き当たりばったりか?」

黒川「まあ… たまたま知ってる店だったから。」

大吉「アドリブか!? アドリブなのか!?」

黒川「…ですね。 もう20年以上 走ってますからね。」

大吉「参った…。」

黒川「え… え?」

大吉「かっこいいよ 正宗君。 それに引き換え 俺は 敷かれたレールの上を ダイヤどおりに走るだけ。 毎日 毎日 鉄道マニアと 病院臭(くせ)え 老人を乗せて…。」

黒川「それは 大吉さん 言い過ぎだ。」

大吉「途中で ラーメン食いたくなっても 回り道もできねえ 抜け道もねえ。 上りと下りの繰り返し。 たまに ブレーキかけて 景色眺めるのが ささやかな反抗さ。 大都会 東京で 渋滞を避け 縦横無尽に駆け巡る あんたとは 同じ運転手でも 格が違いすぎる。」

黒川「それは だって 電車と車は違いますから。」

大吉「電車じゃねえ!」

黒川「え?」

大吉「目 つぶって よ~く思い出してけろ 北鉄のフォルムを! 上に電線走ってっか? 走ってねえべ 電線!」

回想

(警笛)

回想終了

黒川「言われてみれば… そうですね。」

大吉「ディーゼルで走ってんだよ 電気じゃねえんだよ! だから 電車でねぐ 汽車なのよ! もっと言えば… レールの上を走るバスなのよ!」

黒川「…は?」

大吉「第三セクター敗れたり! モータリゼーション大勝利だ! プロポーズ撤回! おら潔く 身を引く。 マサ 春ちゃんをよろしく頼む!」

黒川「よかった…。」

大吉「え?」

黒川「何となく 今日は こういう展開に なるような気がして 最悪 話し合いで 決着がつかなかったら もう 決闘もありかなって…。 ある程度 覚悟はしてたんです! はい!」

大吉「それで… それで 何度も 公園に連れてったのか!?」

黒川「はい! こう見えてもさ 空手の有段者だし。 いや~! 広いとこ連れ出して 肉弾戦に持ち込めば 勝てると思って… いや~! 話の分かる人で よかった~! いや~!」

黒川家

夏「こっちは こっちで 満喫しましたんで。」

<こうして 夏ばっぱと大吉さんが 北三陸さ帰っていく日が やって来ました>

春子「何があったか知んないけど ずっと ニコニコしてんのよ。」

大吉「正宗さん。」

黒川「はい。」

大吉「荷物 車に運んでくれ。」

黒川「はい はい。」

春子「お願いしますね 夏さん。」

大吉「あ…。」

春子「何よ 頼りないな。」

大吉「春ちゃん。」

春子「うん?」

大吉「俺の思いは重すぎるから 正宗さんさ 全部 託したからな。 あの男は本物だ。 春ちゃん! 大事にしてもらうんだぞ!」

(チャイム)

春子「はいはい はいは~い。」

夏「長居は無用だ。 もう帰るぞ。」

春子「いやいや ちょっと待ってよ。 持ってってもらいたいものも あるんだから。」

夏「土産は要らねえ。 駅で適当に買うかr。 いいから いいから。」

春子「手ぶらで返す訳に いかないでしょうよ。」

夏「いいから 帰るぞ!」

アキ「じぇ…。」

夏「あら 足立先生の… 奥さん。 お… 奥さん。」

<ママからのお土産は なんと ユイちゃんのお母さんでした。 ママは おらたちが 幸夫さ 熱 上げてる間に 何度も相談に乗っていたのです>

春子「説教は勘弁してあげてね。 私が さんざん やったから。」

夏「よく考えたのか?」

春子「それも さんざん聞いた。 許してもらえなくても いいんだって。 それでも 家族に会いたいんだって。 謝りたいんだって。 ねっ?」

夏「そんじゃ おめえ 連れて帰るしかねえじゃねえか。」

よしえ「お願いします!」

<という訳で ユイちゃんのお母さんが 約1年ぶりに 北三陸さ帰ってきました>

北三陸駅

無頼鮨

種市「夏さん もう着いたかな?」

アキ「んだな…。」

(シャッター音)

種市「何?」

アキ「何って 待ち受け。 おらたち つきあってんのに 一枚も写真ねえなと思って。 つまんねえ。」

種市「え~?」

アキ「かっこうつけねえで もっと おもしれえ顔してけろ。」

種市「…おもしれえ顔? 分がった。」

アキ「…。」

種市「は… 早ぐ撮れ。」

(シャッター音)

アキ「まあまあだな。」

北三陸駅

大吉「おっ 吉田君…!」

吉田「し~っ! お帰りなさい。」

夏「ただいま!」

吉田「し~っ! 大丈夫。 ユイちゃん 何も知らないから。 足立先生とヒロシ君は ちょうど病院さ リハビリさ行ってます。 ただね 町の人たちはね 何か 集まってる。」

大吉「じぇじぇ! なすて!?」

吉田「何か呼んじゃいました!」

大吉「し~っ!」

吉田「すいません。」

大吉「吉田君 困るよ! 誰にも言うなって約束!」

吉田「そこまで お人よしじゃ ありません!」

大吉「し~っ!」

夏「こそこそする事はねえよ。 おい 行くぞ!」

スナック・梨明日

(笑い声)

ユイ「美寿々さ~ん。」

(ドアベル)

夏「ただいま~!」

(歓声)

ユイ「お帰りなさい!」

夏「土産は 特にねえ。 そのかわり 懐かしいお客 連れてきたぞ。 ほいほい! 入れ 入れ 入れ 入れ。」

一同「じぇじぇ…!」

ユイ「何 何 何? 何これ…。 ちょっと… え? こういうの困るんですけど。」

よしえ「ユイ…。」

ユイ「リアクションできない こんなの。 分かんない 分かんない 分かんない。 え? 何で黙ってんの?」

よしえ「…ごめんね。」

ユイ「ごめんじゃなくてさ! 何 帰ってきてんの? 今更… 今更? 今更だよ 本当に。 ハハハッ 帰ってきた。 アハハハッ 駄目だ 笑けてきた。」

大吉「まあまあ ユイちゃん お母さんも心の底から 申し訳ねえと 思ってるようなんだよ うん。」

菅原「あ… ここ空いてら ここさ座ったら?」

今野「ん… んだな ここ空いてっから。」

美寿々「ビールがいい? ソフトドリンクもあるけど。」

弥生「あっ あと ほれ あれも あっぺ。 カスス… カスス… カスス…。」

かつ枝「かす漬けか?」

弥生「カススオレンジ!」

今野「カシスオレンジだべ!」

(笑い声)

ユイ「うるさいよ!」

一同「…。」

ユイ「すいません…。 でも 気 遣わないで下さい。 知ってるんだから 皆さんが あの人の事 陰で悪く言ってんの 夫と子どもと田舎捨てた 見かけによらず したたかな女だって…。」

ユイ「言ってんだよ みんな。 言い返せないよ。 そのまんまだから。 今だって 思ってるよ。 今更 どの面 下げて 帰ってきたって。 本当 よく帰ってこれたよね。」

よしえ「ごめんなさい…。」

ユイ「ごめんなさいで 済む訳ないじゃん! 私 高校やめたんだよ! 何もかも諦めたんだよ!」

功「ユイ。 それぐらいにしなさい。 もういいだろ。 母さん 責めても しょうがないんだから。」

店を出て行くユイ

(ドアベル)

ヒロシ「何しに帰ってきたの。」

功「黙れ しゃべるな!」

ヒロシ「黙んねえよ! だって 逃げたんだぞ!」

功「皆さんが いる前で 醜態をさらす気か!」

夏「どうぞ お構いなく。 遠慮なく やって下さい! 口 挟みませんから。 おらたちにとっては 所詮 ひと事だし。 よしえさんも それなりの覚悟で 戻ってきたようですから。 なっ?」

よしえ「ごめんなさい…。」

北三陸駅

ユイ「(すすり泣き)」

(メールの着信)

ユイ「ヘヘヘッ…。」

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