【 連続テレビ小説「あまちゃん」】11回のネタバレです。
あらすじ
夏(宮本信子)から素もぐりの許可が出て、本格的に海女修業が始まったアキ(能年玲奈)は、北鉄の中で同級生・足立ユイ(橋本愛)と出会い、親しくなる。東京になじめず、北三陸の町に居心地のよさを感じているアキとは正反対に、ユイは田舎を嫌い東京に強い憧れを抱いていた。町では、秋祭りに向けて山車の制作が始まった。ますます北三陸を離れがたい思いが募ったアキは、琥珀(こはく)掘りの勉(塩見三省)の坑道に向かい…。
11回ネタバレ
浜
夏「最初のうちは 足ヒレつけた方が 深く潜れっからな。 よし!」
<ようやく アキは 新人海女として スタート地点に立ったのです>
夏「まっすぐ 下さ潜るコツは とにがく ケツを高ぐ上げる事だ。 あとは 手や足を一生懸命動かして 底まで潜る。 苦しくなったら 岩さ蹴って 上がってくる。 それだけだ。 やってみろ。」
アキ「ウニがいだ!」
夏「何で取ってこなかった?」
アキ「体が浮いて 届かなかった。」
夏「ウニだと思うから 取れねえんだ。 これからは 銭だと思え。」
アキ「…銭?」
美寿々「んだ。 1個500円。 10個で5,000円。 そう思ったら なんぼでも取れっぺ!」
アキ「分かった!」
<アキにとって 短かった夏休みは 終わろうとしていました>
駅
(シャッター音)
アキ「あっ…。 あの…。」
ヒビキ「何? 何だよ~。」
アキ「今日は 私一人です。 昨日は ありがとうございました。」
ヒビキ「…何が。」
アキ「おじさんのおかげで 1分40秒も潜れたんです。」
ヒビキ「おじさんじゃねえし。」
アキ「お礼に これ。 おばあちゃんが作った北鉄名物…。」
ヒビキ「俺 ウニ食えねえし。」
アキ「え?」
ヒビキ「食べると ブツブツ出ると ブツブツ出て 死んじゃうし。 ブツブツ…。 嘘だよ! つうか どけよ ブス! 邪魔なんだ。」
アキ「…ブス?」
ヒビキ「うわ~ きれい! すごくいい! ちょっと 目線はずしてみよっか。」
(シャッター音)
アキ「かわいい~。」
漁協
かつ枝「何だやあ ぼんやりして 薄気味悪い…。」
安部「朝がら ずっとだ。 話しかけても生返事で。」
美寿々「アキちゃん そろそろ足袋履いで ホントの浜さ行ぐよ!」
アキ「は~い!」
美寿々「それ 軍手だよ! 軍手。 足さ履いたら 笑われるよ。」
アキ「ヘヘッ エヘヘッ…。」
かつ枝「恋の病だな…。」
2人「じぇ!」
かつ枝「間違いねえ。 ありゃ 好きな男が できた時の顔だ。」
<かつ枝さんの想像は 半分当たっていました。 アキは確かに恋をしていました。 ただし 相手は 男ではありません>
回想
ヒビキ「うわっ 奇跡。 奇跡きた!」
回想終了
喫茶・リアス
アキ「ねえねえ おばあちゃん。」
夏「うん?」
アキ「いつも 北鉄の車両の隅っこに 立ってる子いるっぺ?」
夏「足立先生の娘のユイちゃん。」
アキ「あの子さ 超かわいくない?」
弥生「何だ おめえ 急に東京弁で…。」
アキ「この間 駅のホームで見かけて 声かけだんだ。」
回想
アキ「あ… あの!」
ヒビキ「何だよ おめえ まだ いたのかよ。」
ユイ「どうしたの? アキちゃん。」
アキ「じぇ! な… 名前覚えでたんだ。」
ユイ「フフッ 覚えてるよ。 リアスのおばさんのお孫さんでしょ? 東京から遊びに来てるんだよね。」
アキ「んだ。 毎日 電車で会ってっけど もう忘れでっぺと思って 声かけらんねかった。」
ユイ「なまってるね。」
アキ「なまってねえな。」
ヒビキ「何だよ ブス。 時間ないの。 ブスは海潜って ウニでも取ってろ。」
アキ「ブスじゃないもん!」
ヒビキ「イデイデッ! アイテテッ!」
回想終了
夏「う~ん 人に向かって ウニ投げちゃ駄目だ。」
弥生「人にもウニにも失礼だからな。 それがら?」
回想
アキ「ねえ あの人 知り合い?」
ユイ「ううん。 今日 初めて会ったの。」
アキ「じぇじぇ!」
ユイ「カメラマン志望? 東京から来たんだって。 私のブログ見て コメントくれたの。」
アキ「へえ~ ユイちゃん ブログやってんだ。 へえ~。」
ユイ「ねえ アキちゃんち 東京のどこ?」
アキ「あ~ ええと 世田谷。」
ユイ「嘘!? 下北沢? 三軒茶屋?」
アキ「大体その辺かな?」
ユイ「嘘~! 下北沢ってさ 演劇とロックの街なんでしょ!? 秋葉原って オタクとアイドルの聖地なんでしょ!? 毎日 どっかの誰かが 握手会やってるんでしょ!? あっ そうだ。 井の頭公園で ボートに乗った カップルって 絶対 別れるんでしょ~!?」
アキ「随分 詳しいね…。」
ユイ「でも まだ 東京行った事ないんだ。」
アキ「そうなの?」
ユイ「うん…。 あっ そうだ。 明日とかってさ 何してる?」
回想終了
アキ「…という訳で ユイちゃんと 待ち合わせしてんだ!」
夏「そうか いがったなあ。 同世代の友達ができて。」
(ドアベル)
アキ「あっ 来た!」
山車作り
ユイ「どう これ?」
アキ「かっけえ!」
♬~(祭り太鼓)
ユイ「アキちゃん! こんな感じ。」
アキ「じぇじぇじぇじぇじぇ! でっけえ~!」
今野「お~ アキちゃん! 何だ 足立先生のとこのユイちゃんも!」
ユイ「あの 見学していいですか?」
菅原「お~い 見学って 言ってねえで 手伝ってけろ!」
今野「おい こっち来い! こっちさ来て。 ユイちゃんも ほい。」
<毎年9月に開催される 北三陸秋祭り。 それぞれ 地区ごとに 派手な山車を作り 市内の目抜き通りを練り歩く 一大イベント。 この日に備え 夏の間から有志が集まり 山車を作ります>
大吉「お~! 随分 進んだな~!」
菅原「お~ 先輩 ちょうど いいとこさ来た! 上の作業 手伝ってけ。」
<ふだんは 犬猿の仲といわれる 北鉄と観光協会も 秋祭りの時期は 一時休戦して 山車作りに精を出す。 作業は 深夜に及ぶ事もあります>
スナック・梨明日
春子「友達って?」
夏「足立先生の娘さん。 山車見に行ぐから 遅ぐなるって。」
春子「大丈夫かな~。」
夏「何が?」
春子「いや 何となくさ…。」
勉「あの子は いい子だよ。」
春子「いい子だから 問題なのよ。 こっちで友達なんかできたらさ ますます 東京に帰りたくないって 言いだしそうでさ。」
夏「帰んなきゃいいべ。」
春子「え?」
夏「じゃ 戸締りだけ頼むど。 お先。 ごゆっくり!」
弥生「お疲れさま~!」
弥生「やっぱ寂しいんだよ 夏ばっぱ。」
春子「やめてよ 何 言ってんの…。」
山車作り
「お~い 休憩すっど~!」
一同「お~い!」
ユイ「ありがとう! うわっ あ~ 汚れちゃったね。」
アキ「ありがとう。」
今野「どうした アキちゃん。」
アキ「何でもね。」
今野「休むべ。」
ユイ「何 何?」
アキ「いや… この山車が 町を練り歩く頃には 東京さ いるんだなあって思ったら 何か悲しくなっちゃった。」
ユイ「そっか…。 アキちゃん見れないんだ。」
アキ「んだ。 秋祭りなのに。 アキは見れねえんだ。」
ユイ「でも いいな 東京。」
アキ「いいがなあ?」
ユイ「お台場とか行った事ある?」
アキ「ない。」
ユイ「ないの!? 原宿は?」
アキ「ない。」
ユイ「え~ 嘘! 何で?」
アキ「何でって 用事ねえしお ママが行っちゃ駄目って。」
ユイ「もったいないよ~。 原宿って 表と裏があるんでしょ? 芸能人って 大体裏に生息してるんでしょう? 吉祥寺って 住みたい街ナンバーワンなんでしょ?」
アキ「へえ~。」
ユイ「へえ~なんだ。」
<ユイの口から出てくるのは アキの知らない東京でした。 東京で生まれ育った アキには 見えない景色がある事を アキは ユイから教わりました。 という事は アキが見ている この町の風景も ユイには 見えてないのかもしれない。 きれいな海も かっこよく切り立った岩場も 田んぼの走る ローカル線の のどかさも ユイには見えていないんだ>
<北三陸で暮らせる 限られた時間 アキは なるべく好きな人と 一緒にいたいと思いました>
<2学期の事は 東京に戻ってから 考えればいい。 今は ここの暮らしを満喫しよう。 ここでしか見られないものは 何でもみてやる>
坑道
勉「ここだ。」
アキ「じぇじぇ~。」
アキ「すげえ。 これ全部 勉さんが堀ったの?」
勉「うん ああ…。 ほぼ 40年かかったけどね。 足元さ気を付けて。」
2人「イデッ…。」
勉「ほれ これが琥珀。 8,500万年前の 樹液が固まった結晶だど。 すんげえべ。」
アキ「琥珀も すげえけど それを掘ろうど思った 勉さんも すげえ。」
勉「まあね。 やってみっが?」
アキ「うん!」
勉「ここは いいど。 夏は涼しくて 冬は暖けえ。 何より 誰にも邪魔されえねえで 一人になれる。 自分ど向き合う場所だ。」
アキ「誰も来ないの?」
勉「ああ。 なんぼ おっきな声出しても 外には聞こえねえすけな。」
アキ「そうなんだ…。」
勉「んだ。 スナック梨明日で カラオケ歌うより ここさ来で おっきな声で叫んだ方が よっぽど ストレス発散になるべ。」
アキ「東京さ帰りたぐねえ~! ずっと ここさ いてえ! ここで ばあちゃんや ママや みんなと暮らして 毎日 海さ潜りでえ~!」
アキ「ホントだ。 スッキリした。」
勉「いがったな。 アキ もっと やっぺ。」
アキ「うん。」
勉「もっと!」
アキ「これ 琥珀?」
勉「いや キツネのフンだ。」
アキ「じぇじぇじぇ!」
勉「フフッ じぇじぇ!」