ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」121回「おらたちの大逆転」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】121回のネタバレです。

あらすじ

映画のヒロインオーディションの当日、アキ(能年玲奈)と春子(小泉今日子)のもとに「夏(宮本信子)が倒れた」という連絡が入る。春子は、すぐにも駆けつけようとするアキを制止し、ひとりで北三陸に旅立つ。アキが運命をかけてオーディションに臨んでいるころ、春子は北三陸に駆けつけ、大吉(杉本哲太)らから事情を聞いていた。心臓の大手術を受けることになった夏。命の危機の中、春子が抱いた母への思いとは…。

121回ネタバレ

天野家

大吉「ばっぱ! 夏ばっぱ! 夏さん!」

スリーJプロダクション

春子「もしもし!」

天野家

大吉「嘘じゃねえって 今度は! 夏ばっぱ 呼んでも返事しねえんだよ!」

スリーJプロダクション

電話・大吉『もしもし 春ちゃん!』

アキ「どうしたの? ねえ ママ ばっぱ どうしたの!?」

春子「うん。 あんたは気にしなくて 大丈夫だから。 私 ちょっと行ってくるわ。」

黒川「おはよう。」

水口「おはようございます。」

春子「おはよう。 水口君 今日 頼むね!」

水口「えっ どうしたんすか?」

黒川「うん。 お母さんが 倒れたらしいんだ。」

水口「え!?」

アキ「おらも行ぐ!」

春子「アキ!」

アキ「夏ばっぱのそばに いでえ。 おらも帰る!」

春子「おばあちゃんには ママがついてるから 大丈夫。 アキは アキの今やるべき事 頑張んなさい!」

北三陸駅

<嘘だったらいいのに。 ママは 希望を捨てていませんでした。 あの時みたいに…>

回想

春子「ホントいは元気なんでしょ? バレバレだよ 大吉さん。 お昼御飯の支度しようと 思ってて 鍋で お湯沸かして みそ汁 作ろうと思ったけど ちょうど ワカメ切らしてて…。『しょうがない。 これは 取りに行ってくるか』って事だね。 これは。」

回想終了

大吉「春ちゃん。」

春子「夏さんは?」

大吉「まあ 落ち着け。 大筋は 電話で しゃべったとおりだ。」

春子「どうせ 嘘なんでしょ?」

天野家

大吉「しばらくは元気だったんだよ。 今年は水温も冷てえし 年も年だし 無理すんなって言うのに 週に4日も潜ってさ。」

春子「早く 病院連れてってよ。」

大吉「今 行っても 会えねえ。 手術中だ。 バイパス手術っつうのか? それ自体は 難しいもんじゃねえって 医者は言うが 時間もかかるし 体力が もつかどうか…。 何しろ 心臓だからな。 あれ? 春ちゃん アキちゃんは?」

東京EDOシアター前

『太巻、映画 撮ります』

記者会見

荒巻「物語は 前作の15年後 主人公 ひろ美の その後の人生を描きます。」

鈴鹿「『鈴鹿ひろ美です』『鈴鹿ひろ美です』私の大切な 大切な デビュー作のリメーク。 新しいヒロインを迎えるという事で…。」

荒巻「こちらにおられる鈴鹿さんと オーディションを勝ち抜いた娘役の ダブル主演となります。」

東京EDOシアター前

荒巻『ダブル主演となります』

「オーディション会場は こちらになります。」

「オーディション会場は こちらになります。 そのまま まっすぐ お進み下さい。」

「オーディション会場は こちらになります。 そのまま まっすぐ お進み下さい。」

東京EDOシアター
入口

黒川「どうした?」

アキ「やっぱ 怖(こえ)えな。」

水口「俺も クビになって以来だよ ここ来るの。」

黒川「やめるか? アキ。」

アキ「今更 ビビッてても しかたねえ。 おらには 夏ばっぱが ついてる。」

廊下

アキ「スリーJプロダクションの 天野アキです。」

「そちら 胸につけて下さい。 空いてる席 どうぞ。」

河島「え~ 中に入ったら 簡単な自己P.R.をして頂きます。 そのあと こちらのセリフを読んで下さい。 持ち時間は 一人3分になります。」

小野寺「アキちゃん。」

アキ「小野寺ちゃんも 1次がら?」

小野寺「うん。 真奈ちゃんも しおりちゃんもだよ。」

アキ「じぇじぇ~。 GMTも一般も一緒か。」

小野寺「お互い 頑張っぺ! じゃあ。」

アキ「相変わらず めんこいな。」

アキ(心の声)『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。

<そこに 何気なく書かれた 1行のセリフのせいで おら また 夏ばっぱの事 思い出してしまいました>

病院

大吉「春ちゃん 来た。 春ちゃん みんな こっち。」

春子「あっ ああ…。」

弥生「早がったな。」

春子「何か お騒がせして ごめんね。」

かつ枝「アキは?」

大吉「大事なオーディションだと。」

かつ枝「ああ オーディション。」

大吉「どうだ?」

長内「うん。 さっきから 看護師が 出たり入ったりしてたけど…。」

弥生「春ちゃん 座っぺ 座っぺ。」

春子「あ~ ありがとう ありがとう。」

美寿々「夏ばっぱ ホントは とっくに 引退する年だもんな。」

かつ枝「んだ。 なんぼ元気だって 66だもの。」

弥生「急に 東京さ 行ぎだいって言ったのも 今 思えば 虫の知らせだったかもしれねえな。」

長内「やめろ。 縁起でもねえ。」

かつ枝「もう やり残した事ねえって 言ってたもんな。」

長内「やめろって この眼鏡会計ネガティブばばあ!」

ユイ「だから 橋 幸夫に 会いに行ったのかな。」

長内「ユイちゃんまで…。 最後まで 希望を捨てるな! …最後まで?」

長内「いやいや 最後でねえど! 途中だ!」

春子「橋 幸夫って?」

ユイ「え?」

春子「何? 橋 幸夫って。」

ユイ「えっ? 春子さん 知らないの?」

春子「え?」

かつ枝「会ったんだと 東京で 橋 幸夫に。」

春子「知らないよ 何それ。 えっ 知ってた?」

大吉「ごめん 春ちゃんには 死んでも言うなって 口止めされてたもんで…。」

春子「何よ 何それ~。」

弥生「おらたちも よく覚えてねえんだけんども 夏ばっぱが 二十歳そこそこの頃 橋 幸夫が リサイタルで来たんだと。 そん時 夏ばっぱ 花束 渡したんだって。」

かつ枝「そんで ほれ 吉永小百合の代わりに 歌ったんだと。」

春子「え?」

美寿々「写真見てみるか? 勉さんが持ってたの。」

春子「え? え!? 何 何? 全然…。 嘘でしょ?」

大吉「んで ほれ 鈴鹿ひろ美さんが 間さ入ってよ アキちゃんと一緒に 会いに行ったんだと。」

春子「…。」

大吉「春ちゃん?」

春子「何? ごめん 聞いてなかった。 …っていうか かわいいね 夏さん。 ちょっと アキに似てる。」

かつ枝「え~ んだか?」

ユイ「フフッ そうかも。」

東京EDOシアター

荒巻「はい ありがとう。」

「ありがとうございました。」

荒巻「236番の方。」

アキ「236番 天野アキ。 東京都出身 18歳です。 えっと 高2の夏から 岩手県北三陸で 海女さんをやってました。 なので 素潜りには自信あります。 尊敬する人は おばあちゃんと 鈴鹿ひろ美さんです!『潮騒のメモリー』を見て 鈴鹿ひろ美さんに…!」

鈴鹿「ごめん! 時間ないから そこまで。」

アキ「ありがとうございました。」

荒巻「それじゃあ 次 セリフいってみようか。」

「はい。」

荒巻「229番の方から。」

「はい!『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。」

病院

春子「私… 何にも知らないよ 夏さんの事。 娘なのに 何も知らないわ。 笑っちゃうぐらい知らないわ。 18で 家出るまでの 夏さんの事しか知らないもんね。 いや それも怪しいな。 何が好きとか 何が嫌いとか 全然 知らないんだわ。 だって 橋 幸夫とデュエットとかさ 何これ。」

長内「しゃあねえべ 口数の少ねえ人だから。」

春子「違うね。 私が知ろうとしなかったんだね。 自分の事ばっかでさ 夏さんの事 口やかましい母親としてしか 見てなかったんだわ。 夏さんの母親じゃない部分 見ないで来ちゃったんだね。」

東京EDOシアター

小野寺『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。

真奈『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。

しおり『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。 ありがとうございました!」

荒巻「はい ありがとう。 次。」

病院

春子「大っ嫌いだったのよ 私。 あの歌『いつまでも夢を』。 毎年さ 海開きの朝には ほら 漁協の 音の割れたスピーカーから 聞こえてくるでしょう。」

回想

スピーカー♬~(『いつでも夢を』)

スピーカー・かつ枝『おはようございます。 本日は 7月1日 袖が浜海岸 海開きです』。

♬『いつでも夢を いつでも夢を』

回想終了

春子「うんざりすんのよね あれ 聞こえると! いい年した おばちゃんたちがさ 何 朝から はしゃいじゃってんのって。 アハハッ ごめんね。 ごめんね。 でも 今 聴いたら 多分 違うんだろうな。」

春子「夏さんがさ 橋 幸夫のファンだって 知ってたらさ ちょっと ニヤニヤしながら 聴けたような気がするの。 何か そういうの いっぱいあるんだろうなと 思ったら 何か 悔しくなってきちゃった。 どうしよう…。 もし このまま目覚めなかったら 私 夏さんの事 知らな過ぎて 泣けないわ。 情報量 少なすぎて 涙も出ないわ。」

弥生♬『星よりひそかに 雨よりやさしく』

春子「え?」

♬『あの娘は いつも』

春子「ちょ ちょ ちょ… ここ病院だから うるさいと いけない…。」

弥生「春ちゃんも一緒に歌うべ!」

春子「知らないし。 今 嫌いだって言ったじゃん。」

弥生「んじゃ ユイちゃん!」

春子「ユイちゃんも知らないから…。」

ユイ♬『声がきこえる』

春子「じぇじぇ。」

♬『淋しい胸に 涙に濡れた この胸に』

東京EDOシアター

荒巻「はい ありがとう。」

「ありがとうございました。」

荒巻「次。」

アキ『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい!』。

病院

♬『言っているいる お待ちなさいな いつでも夢を』

ユイ「ねえ 見て!」

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