【 連続テレビ小説「あまちゃん」】123回のネタバレです。
あらすじ
手術を終えた夏(宮本信子)が無事に目を覚ました。春子(小泉今日子)は安心するが、当面は北三陸に残るという。大吉(杉本哲太)や正宗(尾美としのり)は、春子がこの先どうするのかを巡ってやきもき。アキ(能年玲奈)は映画の一次オーディションに合格し、二次に進む。しかし、太巻(古田新太)と鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)がいる面接会場では予想外の状況に。その夜、アキは、種市(福士蒼汰)を誰もいない家に誘うが…。
123回ネタバレ
スリーJプロダクション
アキ「受がった! 受がったよ パパ!」
<おらが『潮騒のメモリー』の 1次審査を 無事 通過した日>
病院
春子「起きたの? …っていうか やだ やだ もう!」
大吉「やった! やった~!」
<ついに 夏ばっぱが 息を吹き返したのです!>
春子「いつから 起きて… やだ!」
医師「うるさいよ!」
春子「ごめんなさい。」
医師「マスクかけて!」
黒川家
アキ「じぇじぇじぇ! 夏ばっぱが!?」
北三陸駅
春子「そうなの。 目覚めて すぐにさ『ウニ丼こさえるべ』だって。 アハハハッ! それより あんたも じぇじぇじぇだよ。 アキ 1次通過おめでとう。」
黒川家
アキ「エヘヘヘッ…。 でも 2次は もっと長(なげ)えセリフ しゃべったりするみでえだがら。」
北三陸駅
春子「大丈夫よ。 自信持ってやんなさい。」
黒川家
アキ「うん。 ねえ ママ いつ帰ってくるの?」
北三陸駅
春子「そうだな…。 まあ 一段落したら 帰る。」
黒川家
アキ「一段落って いつ?」
北三陸駅
春子「え~ 分かんないよ。」
黒川家
電話・春子「パパにもよろしくね。」
アキ「あっ うん。」
電話・春子「はいは~い じゃあね。」
北三陸駅
吉田「いいんですか? 帰るって言ってますよ。」
大吉「いい。 おら もう 春ちゃんの事は 吹っ切れた。」
吉田「駅長!」
大吉「東京で 俺とマサは 固い友情で結ばれたんだよ。 吉田君。」
吉田「マサ?」
大吉「マサ。」
吉田「斎藤でもなぐ? トミーズでもなぐ?」
大吉「正宗君さ 今じゃ すっかり メル友さ。 マサは すごいぞ 吉田君。 何しろ 器が大きい。」
黒川家
黒川「何か やだな…。」
アキ「何が?」
黒川「だって この前も こんな感じで 春子さん 結局 2年近くも 帰ってこなかったんだよ。」
アキ「心配ねえって 一段落したら帰るって…。」
黒川「しかも 前は 嘘だったけど 今回は お母さん ホントに倒れた訳でしょ? 2年じゃ済まないよ。 やだ。 何か やだ あ~ すごく やだ。」
北三陸駅
大吉「いや 器は 小さい。 うん。 でも だからこそ 小回りが利く。 タクシーの走行距離見て 驚いたよ 38万kmだぞ! 料理もうまい 空手も強い ベストも似合う 完璧だべ。」
吉田「駅長 それでいいのかよ。」
大吉「春ちゃんを幸せにできるのは マサなんだ。 俺なんか 一生陰で やもめ暮らしさ。 愛読書は 浅田次郎の『鉄道員(ぽっぽや)』さ。」
吉田「それでいいのかよ 大吉さんよ!」
大吉「離せ! 離せって 吉田君!」
吉田「おらが 今まで 一体どんな思いで 独身貴族を気取ってきたのか! あんた 分かってんのかよ!?」
大吉「吉田君!」
吉田「副駅長が 駅長より先に 幸せになっては駄目だって 駅長が身を固めるまで 独身を貫くぞって! 頑張ってきたんだど!」
大吉「でも 結婚したね。」
吉田「うう…。」
大吉「観光協会の栗原ちゃんと。 割と あっさり追い越したね。」
吉田「…ええ。」
大吉「しかも 何? おめでたなんだって?」
吉田「…ええ。 お祝いは現金で ひとつ。」
吉田「うわ~!」
喫茶・リアス
春子「何?」
吉田『駅長!」
春子「何!?」
吉田『駅長! 給料の3か月分!」
大吉「アハハハハッ!」
春子「何 何?」
大吉「結婚指輪 線路さ ぶん投げてやった。 ハハハハッ!」
2人「え~!?」
大吉「ウーロン茶ロック。」
菅原「先輩 春子さん しばらく こっちさ残るみたいですよ。」
大吉「じぇじぇ!」
春子「夏さんが退院するまでは 何が起こるか分かんないしさ いくら みんなに 慕われてるからって 親族 私だけだかね。」
大吉「駄目だ。」
春子「え?」
大吉「帰ってやれ 春ちゃん 夏ばっぱの事は おらたちに任せろ。」
春子「そうはいかないよ。」
大吉「駄目だ 帰れ! アキちゃんとマサには 春ちゃんが必要なんだ!」
春子「マサ?」
ユイ「いらっしゃいませ。」
春子「え?」
ユイ「ご注文は?」
勉「ウイスキー ロック。」
菅原「あっ ああ スナックタイムか。」
春子「そうだ。」
菅原「んだら ビールっこ 1本もらうかな。」
春子「私も ビール。」
ユイ「はい。」
大吉「ウーロン茶ロック。」
ユイ「あっ ありがとう。」
春子「何か ごめんね。 娘が心配で 東京行ったと思ったらさ 今度は 母親が あれで… 何か定まんないよね。 でも 親孝行は 今しか できないし 何か面白いしさ。」
ユイ「面白い?」
春子「うん。 袖の春子が 田舎で 親の介護とか面白いじゃん。 まあ そのうち 飽きるかもしれないけど。 でも 絶対『ありがとう』って 言ってもらうんだ。」
大吉「夏ばっぱにか?」
春子「うん。『お帰り』と『すまなかった』は 聞いたから あとは『ありがとう』でしょ。」
勉「言ってもらった事ねえのか。」
春子「ない! 一回もない。」
菅原「例えば 遠くの しょうゆ取ってあげた時は?」
春子「『おっ』。」
勉「お茶っこ入れた時は?」
春子「『おっ』。」
大吉「新聞取ったついでに 肩に カーディガンかけた時は?」
春子「『お~ お~ お~ お~』。」
ユイ「オットセイみたい。」
春子「フフフッ。 だから『ありがとう』って 絶対 言ってもらうんだ。 それまで やめない。 この親孝行 誰にも渡さない。」
菅原「何か 天野家 ねじくれてねえか?」
春子「フフフッ。」
ユイ「いらっしゃ~い。」
春子「何? 今度は 何タイム?」
功「いや~ ホントに いた!」
春子「え?」
功「いや 袖の春子が帰ってきてね 親の面倒見てるって 噂で聞いたもんだから。」
よしえ「その節は どうも。」
春子「いいえ。 フフフッ。」
ユイ「座れば。」
吉田『あったど~!』
春子「え?」
(ドアベル)
吉田「ありました! 奇跡的に 枕木の上さ 落ちてました! やった~!」
大吉「それ ホントに 吉田君の!?」
吉田「触んな 電車バカ!」
ユイ「何 飲むの? ビール?」
功「そうだね。 あと それと ピザでも もらおうかな。」
ユイ「えっ 面倒くさい。」
よしえ「私 やるよ。」
ユイ「えっ いいよ。 入ってこないでよ。」
よしえ「いいから。 ここ? 冷蔵庫?」
ユイ「大丈夫。 あ~ じゃあ…。」
よしえ「いいよ ほら。 ビール出して ビール出して。」
東京EDOシアター
面接会場
<そして 2次審査の日が やって来ました>
「出身は 東京なんですか?」
アキ「はい! 高2の夏まで 世田谷です。」
「あのさ 何で なまってんの?」
アキ「え?」
荒巻「東北弁の方が キャラが立つとかって 誰かに言われたんですか?」
<完全に アウェーの空気で 意地悪な質問が続きました>
荒巻「天野さん?」
アキ「おばあちゃん子で… 最初は ばあちゃんや 海女さんたちと しゃべってて 自然と うつったんですが 今は なまってる方が 素直な気持ちを…。」
荒巻「いじめられてたんですか? あ~ 失礼。 インターネット上に そのような書き込みが たくさん 見受けられたので 事実ですか?」
<鈴鹿さんは 手を差し伸べてくれませんでした>
荒巻「天野さん?」
アキ「いずめられでだというより…。」
荒巻「標準語で お願いしま~す。」
アキ「いじめられてたというより いじめられるほどの個性も なかったんです。 いじめられる子って 多分 目立つ子なんだと思います。 その点 私は地味で 暗くて 向上心も 協調性も…」
アキ「あれ? 何か足りない。 地味で暗くて 向上心も 協調性も… …のあと 何だっけ? 異物感? 罪悪感? あっ 存在感! 存在感も 個性も 華もない パッとしない子です! 言えた…。」
鈴鹿「今のあなたは どうですか?」
アキ「今ですか?」
鈴鹿「そのころと 変わりましたか?」
アキ「はい! 全然 違います!」
荒巻「はい どうも…。」
鈴鹿「どうやって変わりましたか?」
アキ「おばあちゃんのおかげで 変わりました! おばあちゃんと一緒に 海女さん やって 海さ潜って ウニ取って 変わりました!」
荒巻「そろそろ時間…。」
鈴鹿「おばあちゃん どんな人ですか?」
アキ「かっけえ人です。 この手拭も ばあちゃんから もらったんだ。」
回想
夏「この先 つれえ事があったら こいつで 涙拭け。 そんで思い出せ。 寒い朝 浜さ出て 潜った時の事 あれより つれえ事は まず ねえがら。」
回想終了
アキ「おばあちゃんだけじゃなく 海女さんや 地元の人ら あと 親友のユイちゃん! それから もちろん お母さん あと海! 東京に来てから 知り合った仲間 みんなのおかげで変わりました!」
鈴鹿「結構です。 長々 すいませんでした。」
荒巻「いいえ どういたしまして。」
廊下
河島「よっ。 随分 押してんな。 2次まで残るとは 思わなかっただろ。」
水口「やっぱり 鈴鹿さんの後押しですか?」
河島「まあ 最終的には 社長の さじ加減だと思うけど。 やっぱ 鈴鹿さんには 逆らえないんだよ。 変な関係だよ あの2人は。 そもそも リメークするんなら ほかにも いい作品あんのに 何で 今更『潮騒のメモリー』に こだわるかね。」
面接会場
鈴鹿「もっと 丁寧に読んでみて。」
アキ「は… はい。『母ちゃん 私 新助さんが好き』。」
鈴鹿「丁寧っていうのは ゆっくりじゃないの。 分かる? 意味を考えて なおかつ 無理に抑揚つけようとしないで。」
アキ「『よくよう』って 何ですか?」
鈴鹿「あ… ごめん ごめん。 あなた バカだったわね 忘れてた。 えっとね 上がったり 下がったりし過ぎてる。 私の まねしてみなさい。『母ちゃん』。」
アキ「『母ちゃん』。」
荒巻「うん?」
春子『母ちゃん 私 新助さんが好き。 だから 島を出ます』。
鈴鹿『好きにすりゃあ いいべ。 さっさと行け!』。
春子『親不幸ばかりで ごめんなさい!』。
荒巻「ちょっと待って!」
鈴鹿「だいぶ よくなった。 ねえ 監督。 監督?」
荒巻「うん? あっ あ…。 いいんじゃないですか。」
アキ「ありがとうございます。」
玄関
水口「お疲れっす。」
アキ「お疲れさまでした。」
水口「あれ? 今日 正宗さんは?」
アキ「今日は給料日なので 遅くなるって言ってました。」
水口「俺 ちょっと 挨拶しに戻るけど 大丈夫? 一人で帰れる?」
アキ「はい!」
水口「じゃあ マスクして 顔 隠して。 よし。 気を付けてね。」
アキ「はい。 お疲れさまです。」
無頼鮨
アキ「先輩 先輩。」
種市「終わったのか?」
アキ「うん。」
種市「自分も もう あがりだ。 どうだった?」
アキ「まあまあ… かな。」
種市「何だ? 天野。 腹 減ったのか?」
首を振るアキ
種市「じゃあ 何?」
アキ「今日なら いいど。 ママもパパも 家さ いねえの。」