ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」124回「おらたちの大逆転」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】124回のネタバレです。

あらすじ

自宅で種市(福士蒼汰)と二人っきりになったアキ(能年玲奈)。いつもとは違う雰囲気にドキドキする中、北三陸にいる春子(小泉今日子)から電話が。何も知らない春子を相手に、必死にごまかし取り繕うアキ。そして二人は…?! 一方、映画のオーディションは二次審査が終わり、太巻(古田新太)はアキを最終審査に残すかどうか迷っていた。そのころ、アキの異変に気づいた春子が、水口(松田龍平)を自宅に走らせ…?!

124回ネタバレ

無頼鮨

アキ「今日ならいいど。 ママもパパも 家さいねえの。」

種市「5分待でるか?」

<じぇじぇじぇじぇ! どうしたアキ? 天野アキ 18歳 いづになく大胆でねえか!>

アキ「ママもパパも 家さいねえの。」

ラーメン屋「いらっしゃいませ!」

<なんぼ オーディションの緊張から 解放されたとはいえ まさか おらの口から こんなベタベタなセリフが出るどは>

アキ「ママもパパも 家さいねえの。」

<恥ずかしすぎで 3回も言っちまった! で 先輩は? 家さ来るつもりだべか>

アキ「5分待でるか?」

<来るつもりだ! 間違いねぐ そして4回目>

アキ「ママもパパも 家さいねえの。」

<確かに そのとおり 邪魔するものは何もねえ。 でも いいのか? この大事な時期に。 しかも 夏ばっぱが病気で 入院してるっつうのに>

アキ「ママもパパも 家さいねえの。」

<駄目だ 黙ってらんねえ。 という訳で『あまちゃん』スタート!>

東京EDOシアター

河島『2次審査の合格者は 以上の5名で よろしいでしょうか?」

鈴鹿「あら? 天野さんは?」

プロデューサー1「天野アキでしょ? 俺 残したよ あの子 よかったよね。」

プロデューサー2「岩手の あの子いいですよね 残しましょうよ。」

河島「監督?」

回想

春子『母ちゃん 私 新助さんが好き。 だから 島を出ます!』。

鈴鹿『好きにすりゃいいべ さっさど行け』。

春子『親不幸ばかりで ごめんなさい!』。

回想終了

荒巻「ちょっと待って!」

河島「え?」

荒巻「何だ。」

河島「いえ 今『ちょっと待て』って。」

荒巻「え… あ…。 うん ああ ええ うん! 確かに 天野は 素材としては いいと思います。 ただ ヒロインは荷が重い。 例えば『伊豆の踊り子』の 山口百恵。『野菊の墓』の松田聖子。」

荒巻「全部… これのオリジナルの 鈴鹿ひろ美さんしかり アイドル映画は ヒロインの鮮烈な デビューによって記憶の残る。 そういう インパクトが 天野春子には ない!」

水口「え?」

荒巻「天野春子に ないものが ほかの候補者にあるかといえば 未知数です。 しかし 例えば 小野寺薫子なんかは 表現力こそ 天野春子には 及ばないが 独特のムードがあります。 年齢的にも若い。 天野はいくつだっけ?」

河島「え~ 40…。」

荒巻「何言ってるんだ? 18だよ。」

河島「天野アキは そうです。」

荒巻「え?」

鈴鹿「ず~っと『春子』って言ってるから ねえ。」

河島「ええ。」

鈴鹿「誰? 春子って。 フン! フン!」

プロデューサー1「残しましょうよ! ねっ せっかくだから。」

プロデューサー2「何か入ってんですか? 仕事。」

水口「空いてます。」

河島「水口。」

水口「天野アキ担当のマネージャーです。 もちろん 次も 空けて待ってましたんで。」

鈴鹿「じゃ そういう事で。」

水口「よろしくお願いします。」

プロデューサー1「よろしく。」

黒川家

種市「ここが 事務所?」

アキ「んだ! あっちが おらの部屋。」

種市「ふ~ん。 生まれた時から ここに?」

アキ「いや おらが8歳の時 パパが ローン組んで 買ったそうです。」

種市「へえ~!」

アキ「その前は団地です。 何か飲みますか?」

種市「ああ じゃ ビール。」

アキ「じぇ! そうか 先輩もう二十歳か。」

種市「あ その前に シャワー借りていいか?」

アキ「じぇじぇ!」

種市「あ ごめん! あの ずうずうしいよな。 あの最近 卵ずっと 焼いてるからさ 汗かくんだよ。 シャワー浴びねえと 気持ち悪くて。」

アキ「どうぞ!」

種市「あ いいのか? じゃ 借りるわ。」

アキ「タオル 出しておきますんで。 着替えは?」

種市「あ 持ってる。」

<うわ~ うわ~ 先輩! いきなり お風呂って もしかして 先輩… うわ~ もう『うわ~』しか 出てこねえ>

(電話の呼び鈴)

アキ「もしもし。」

電話・春子『ママだけど。」

アキ「うわ~!」

天野家

春子「『うわ~』って? 元気?」

電話・アキ『な… な 何の用だ?』

春子「あんたに用じゃないよ。 事務所の留守電 聞こうと思っただけ。」

黒川家

アキ「じゃ 出なきゃよかったのか?」

天野家

春子「もう遅いけどね。 で… どうだったの? 2次審査。」

黒川家

アキ「う~んまあまあかな。」

(風呂の扉が開く音)

アキ「じぇじぇ!」

種市「あ! ごめん。 どっちがシャンプーで どっちがリンスかな?」

アキ「泡が出ない方が リンスだ。」

種市「あ…。」

アキ「もしもし!」

天野家

春子「誰かいるの?」

黒川家

アキ「あ うん 水口さん。」

天野家

春子「ああ そう。 遅くまで 御苦労さま~!」

黒川家

アキ「『御苦労さま~』だって。」

電話・春子『じゃあね おやすみ!」

アキ「(ため息)」

黒川家

回想

夏「あ~!」

回想終了

<この家で 一人で暮らしている 夏ばっぱの姿を なぜかママは 想像しました>

春子♬『星よりひそかに 雨よりやさしく』

<来る者は拒まず 去る者は追わず 強がって生きてきた 母の日常。『もう一度 夏さんに この風景を 見せてあげなくちゃ』。 そう心に誓うママなのでした。 まさか娘が 部屋に男を 連れ込んでいるとは知らず>

黒川家

種市「何か しゃべれよ。」

アキ「ああ はい。 えっと じゃあ 仕事どうですか?」

種市「『じゃあ』って。」

アキ「すいません。 雑談って難しいですね。」

種市「だんだん おもしれぐなってきた。 最初は 大将 無口だし 掃除と 出前ばっかりだったけど 最近ようやく 卵焼き 任されるようになって。」

アキ「卵焼きかあ!」

種市「ただの卵焼きでねえど。 卵溶いで 鉄の鍋さ流し込んで こう 火から浮かせてよ 自分で火加減調整しながら 45分。」

アキ「45分!?」

種市「時間かけて作るから うめんだ。」

アキ「へえ~!」

種市「次は シャリ作り教えてもらって いよいよ板場の修業だ。 自分なりに 目標も出来た。」

アキ「何ですか?」

種市「いつか 北三陸さ帰って 小せえ店 構えるんだ。 三陸の新鮮な魚ど 内陸の米ど あと 地酒が自慢の店。」

アキ「いいなあ!」

種市「名付けて ダイバーずし。」

アキ「名前は もうちょっと考えた方が いいな。」

種市「え? あ そうか? フフ! 何か懐かしいな。」

アキ「え?」

種市「前にも こんな感じで 2人でしゃべった事あったべ。」

アキ「ああ 北鉄の倉庫で。」

種市「うん。」

回想

種市「『潮騒』って三島由紀夫だべ?」

アキ「え?」

種市「三島の恋愛小説で 映画化もされた名作だ。『その火を飛び越えてこい』って いうのは その中のセリフだ。 そのあと 2人は抱き合うんだ。」

(携帯の着信)

回想終了

種市「いぎなり電話鳴って もう びっくりしたな。」

アキ「あん時 先輩は ユイちゃんが 好きだったんですよね。」

種市「ごめん。」

アキ「いやいや 責めてる訳でなくて。」

種市「今は違う。 天野が好ぎだ。」

アキ「おらもだ 先輩。」

種市「『先輩』って。」

アキ「『天野』って。」

種市「アキ。」

種市「どした?」

<なすて? なすて先輩ど いい感じの時に ママの幽霊が? いやいや幽霊じゃねえ ママ生きてるし 実家さいるし じゃ何?>

(電話の呼び鈴)

アキ「もしもし?」

天野家

春子「だから出ないでよ!」

黒川家

アキ「ああ ごめん ごめん。」

電話・春子『水口君は?』

アキ「ああ えっと トイレ?」

天野家

春子「あっそう じゃ一旦切るからね。 で すぐにかけるから 出ないでよ!」

黒川家

アキ「は~い! あ おらもシャワー浴びていいですか?」

種市「うん。」

アキ「電話鳴っても 出ないで下さいね。」

種市「うん。」

アキ「部屋で 待っててもいいし。」

種市「うっす!」

留守電『留守番電話を再生します』。

ー1時間前

水口「もしも~し水口です。 後で携帯にもかけますが アキちゃん 最終選考に残りました!」

天野家

留守電・水口『という訳で 今日は事務所に 寄らずに そのまま帰りますね。 ご報告でした!』。」

春子「うん? うん?『今日は事務所に寄らずに そのまま帰る』って?」

無頼鮨

水口「あ うまい!」

(携帯の着信)

水口「あ もしもし! 今ですか? いや おすし食べてます。 ちょっと何か 気が大きくなっちゃって。 フフフ! え? えっ? 何で。」

天野家

春子「いいから 事務所に戻って! 今すぐ! お願い。」

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