ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」125回「おらたちの大逆転」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】125回のネタバレです。

あらすじ

春子(小泉今日子)の指示で、水口(松田龍平)と正宗(尾美としのり)は種市(福士蒼汰)と二人きりになったアキ(能年玲奈)の元に慌てて駆けつける。アキと種市は…?! そして、映画のオーディションは、いよいよ最終審査に。鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)との芝居のテストに真剣に挑むアキ。一方、最有力候補には、かつてのGMTの仲間・小野寺薫子(優希美青)がいた。果たして選ばれたのは…。

125回ネタバレ

天野家

春子「いいから 事務所に戻って!」

無頼鮨

電話・春子『今すぐ! お願い!』

水口「ちょっと 大将! 今日 あの若造 何で いないの!?」

梅頭「えっ 種市? 9時であがったけど。」

水口「何やってんだよ!」

梅頭「すいません。」

水口「あっ 正宗さん 今 どこ走ってます?」

梅頭「今 何か 謝るところ ありましたっけ? ないですよね。」

黒川家

種市「駄目だ! 今更 こういうの。 笑っちまう。」

アキ「水の中だと思ったら どうですか?」

種市「なるほど。」

アキ「ぷっ…。 ぷっ…。」

種市「何だよ。」

アキ「だって 先輩 空気を抜く動作まで やってっから。」

種市「あ… アハハッ。 どうも 真剣味が足りねえな。 はあ…。」

(おなかが鳴る音)

アキ「すいません。」

(電話の呼び鈴)

留守電・水口『もしも~し 何で電話に出ないのかな? いないのかな アキちゃ~ん』。

(ドアを開ける音)

水口「あっ 靴があるって事は いますね。」

(ノック)

黒川「種市君 いるのは 分かってるんだぞ!」

水口「入るよ。 入るからね。 服 着てなかった 待つけど いいね。 入るよ!」

黒川「あのガキ…。」

黒川「ママには『最終選考に備えて セリフ合わせをしていた』という事に しておく。 いいね?」

水口「一応 納得してくれたみたいです。」

黒川「ああ よかった。」

水口「…にしても 油断も隙もねえな 一般男性はよ。」

アキ「おらが誘ったんだ。 先輩は悪くねえです。」

黒川「アキ…。」

アキ「女優である前に アイドルである前に おら 18歳の女子だ。 好きな人がいて 一緒にいでえと思ったり その人のために 仕事頑張っぺと思うのが 悪い事か?」

水口「いや 悪くはない。 そして 誰にも見られない 安全な場所に ここを選んだのは 考えたなと思う。 要するに 君にとっては 種市君が アイドルなんだな。」

アキ「あ… そうがもすんね。」

水口「そのアイドルに もし好きな人がいたら どうする?」

アキ「…やんだ。」

水口「そのアイドルが もし ほかの誰かに夢中で 君の事が見えてなかったら どうする?」

アキ「やんだ やんだ! その設定 リアルすぎて 超やんだ!」

水口「ユイちゃんで経験済みだもんな。」

種市「ちょっと 水口さん。」

水口「失恋だよ。 要するに アイドルが 一人の男と恋愛すると 100万人のファンが失恋するんだ。 それが アイドルなんだよ。」

種市「それが どうした! 俺が一人で 100万人分 幸せにしてやる! 100万倍の男になる!」

水口「うるせえし 論点ずれてる! 何だ 100万倍の男って… バカか。」

種市「あ… すいません。」

水口「どうします? お父さん。」

黒川「え?」

水口「いや 黙ってるから 何か考えてるのかなと思って。」

黒川「うん。 全然違う事 考えてたよ。 僕が 春子さんと つきあったのはね…。」

水口「ちょっと! 全然違うな それ。 今 話す事ですか?」

黒川「ごめん。」

種市「聞きたいです。」

黒川「あっ そう。 僕にとっては 春子さんが アイドルだったんだ。 偶然 2度 いや 3度 タクシーで拾って もう 春子さんは 歌手を諦めて 地元に帰ろうとしてたんだけど…。」

回想

1989(平成元年)

黒川「ファン第1号として ひと言だけ いいですか? あのね ここで諦めるなんて もったいないですよ。 あなたの歌に励まされて 僕は ここまで 頑張ってこれたんです。」

黒川「横柄な客に罵られても 酔っ払いに絡まれても 後部座席 ガンガン蹴られても あなたの歌を聴いて 彼女も頑張ってるんだからって。 行きましょうよ。 歌いましょうよ。 東京には あなたの歌 必要としてる人が いっぱい いるんですよ。」

春子「ありがとう。」

回想終了

黒川「あれ あれ? 種市君 どうした?」

種市「あっ いや 何か…。(すすり泣き) お父さん かっこいいなって思いました!」

アキ「そう かっけえんだ パパは!」

黒川「あっ そう! ありがとう!」

種市「俺なんか 100万倍の男とか言って 結局 何もしてねえなって…。 卵焼き作ったけど それも冷めてるし!」

黒川「あっ ごめん ごめん。 食べようね。」

アキ「そんな事ねえよ 先輩。 先輩も おらの事 勇気づけてくれたべ。」

回想

種市「ここが ふんばりどころだぞ。」

アキ「え?」

種市「独りぼっちで つれえのは分がる。 でも 今 逃げちゃ駄目だ。 海に底さいる 天野に 空気送り込むのは 自分しか いねえべ。」

回想終了

黒川「いい事 言うじゃないか 君!」

種市「いや 言っただけで 結局 何もしてねえし。 何か 応援するとか言って 家族の留守に 部屋さ上がり込んで。 それこそ 言ってる事と やってる事 全然 違(ちげ)えし…。」

黒川「違ってもいいんだよ 言ってる事も やってる事も。 どっちも ホントなんだよ。 それが 男なんだよ。」

アキ「うまっ!」

水口「アキちゃん…。」

種市「ホントか!?」

アキ「うめえよ 先輩。 これ プロの味だよ!」

黒川「どれどれ…。」

水口「お父さんも…。」

アキ「水口さんも先輩も しゃべってねえで食え。」

黒川「うまっ!」

アキ「んだべ!」

水口「とにかく 当分の間 会うのは おすし屋さんだけにして下さい。 あと メール! そこまでは 目をつぶります。 …という事で。」

東京EDOシアター
奈落

<そして おらと小野寺ちゃん 2人による 最終審査の日が やって来ました>

アキ『だから 島を出ます』。

鈴鹿『好きにすりゃあ いいべ。 さっさと行け!』。

アキ『親不幸ばかりで ごめんなさい』。

鈴鹿「ちょっと! どんな気持ちで そっち走ってってんの? 何か逃げてるみたいだけど。 よく考えておいて。」

アキ「分かりました。」

鈴鹿「はい 次!」

<台本を手放して 母親役の鈴鹿さんを相手に 繰り返し 繰り返し 同じ場面を演じます>

小野寺『島を出ます』。

鈴鹿「どんな島?」

小野寺「小さな島。」

鈴鹿「小さい? 八丈島 三宅島? まあいいわ。『好きにすりゃ いいべ。 さっさと行け』。」

<鈴鹿さんの本番さながらの熱演は まさに圧巻で ふだんの カッパ巻き食べながら 焼酎飲んでる鈴鹿さんとは 当然ですが まるっきりの別人でした>

鈴鹿『さっさと行け!』。

アキ『親不孝ばかりで ごめんなさい』。

小野寺「何か やだね。」

アキ「んだな。」

小野寺「アキちゃんが 呼ばれるような気がする。」

アキ「いや 小野寺ちゃんだべ。」

小野寺「ホント?」

アキ「ごめん。 分がんね。 でも どっちが呼ばれても ちょっと うれしくね?」

小野寺「ちょっと悔しいけどね。 でも 国民投票とは違う。」

アキ「全然 違うべ。」

会議室

荒巻「こんな事なら 書類で落としておけば よかった。」

鈴鹿「え?」

河島「小野寺を主演にした場合 吹き替えが必要になります。 泳げませんから。 それで 一度 クビにした天野を 残したんです。」

荒巻「恩に着せたかったんでしょうね。 後ろめたさもありました。 事務所の社長としては 小野寺を推したい。 しかし 商売人になりきれない もう一人の自分が 天野を推したがってる。 天野アキで映画を撮れと。 天野を吹き替えにしたら また後悔する事になるぞと。」

河島「また?」

荒巻「結論が出ないまま ゆうべ この動画を見つけましてね。」

動画・安部『取れたか!?』。

荒巻「これ見てたら 何か もう… 切なくなっちゃって。」

回想

安部「アキちゃん! 取れたか!?」

アキ「取れた!」

安部「取った! アキちゃん ウニ取った!」

夏「ハハハハ!」

春子「何 取ったの? 取ったの? ちょっと見して! ちょっと どいて どいて。」

病院

夏「もういいど。」

春子「え?」

夏「東京さ帰っていいど。 春子 世話になったな。」

春子「まだ いるよ。」

夏「なすて?」

春子「東京帰ったって どうせ 仕事ないしさ。 はい どうぞ。」

夏「おっ。」

東京EDOシアター
奈落

(足音)

河島「お待たせ。 小野寺。」

小野寺「はい。」

河島「今日は もう帰っていい。 天野。」

アキ「はい。」

河島「太巻さんが呼んでる。」

小野寺「ホントだ。 ちょっと うれしい。」

アキ「ヘヘヘッ。」

小野寺「おめでとう。」

アキ「ありがとう。」

社長室

荒巻「おめでとう 天野。」

アキ「よろしぐお願いします!」

鈴鹿「こちらこそ よろしく。」

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