【 連続テレビ小説「あまちゃん」】126回のネタバレです。
あらすじ
映画「潮騒のメモリー」のヒロインにアキ(能年玲奈)が選ばれた。北三陸ではその話題で大盛り上がり。ちょうどその頃、夏(宮本信子)が退院し、自宅に戻ってきた。懸命に世話を焼く春子(小泉今日子)に素直な言葉をかける夏。そして、ユイ(橋本愛)は海女として活躍し、アキは映画の撮影に向け、忙しい日々が始まる。母親役の鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の指示による厳しい訓練の数々が、アキを待ち受けていたのだ。
126回ネタバレ
道中
アキ「ファンです! あんたさ憧れて 東京さ来ました!」
<去年の夏 東京さ出てきてすぐ おら 憧れの人に会いました>
水口「天野!」
アキ「『潮騒のメモリー』最高です!」
鈴鹿「ありがとう。 いつか一緒に お芝居しましょうね。」
<その約束が 果出される時が ついに来ました>
東京EDOシアター
アキ「よろしぐお願いします!」
鈴鹿「こちらこそ よろしく!」
東京EDOシアター前
水口「アキちゃん!」
アキ「水口さん! いでっ!」
水口「うるさい! 何も言うな。」
アキ「水口さん 泣いでんのか?」
水口「うるさい。 もっと泣くぞ。(すすり泣き) よし! もう大丈夫。 行こう。」
アキ「あれ? ミサンガ 2本になってた。」
喫茶・リアス
ユイ「嘘! やったじゃん! アキちゃん 受かったって。」
勉「おお そうかい!」
ユイ「ごめん 今 勉さんしかいないの。 おお そうかいじゃ 足りないよね。」
無頼鮨
アキ「ううん まず ユイちゃんに 知らせたかったから。」
黒川 水口「乾杯!」
アキ「水口さん 勉さん いだよ!」
水口「もしもし 御無沙汰してます。」
喫茶・リアス
勉「でかしたぞ 水口! よくやった!」
電話・水口『一生懸命 磨いたかいありました。』
無頼鮨
水口「原石 やっと輝きました。(すすり泣き)」
喫茶・リアス
勉「(すすり泣き)」
無頼鮨
アキ「ごめん 泣いちゃった。 ハハ! ママは?」
喫茶・リアス
ユイ「ああ 病院。 大吉さんも 長内さんも 海女クラブのみんなも。」
無頼鮨
アキ「ばっぱ そんなに悪いの?」
喫茶・リアス
ユイ「やだ 違う違う! 今日退院するの。」
無頼鮨
アキ「じぇじぇじぇ!」
天野家
大吉「ただいま! 夏ばっぱ帰ってきたぞ!」
かつ枝「早かったなあ!」
<2週間の入院を経て 夏ばっぱは 自宅療養になりました>
長内「見ろ 見ろ 見ろ! 立派なベッドが来たぞ!」
夏「何だよ 大げさだなあ! 大げさだ!」
(電話の呼び鈴)
花巻「はいはい! お おおお! ちょっと待ってや! 春子さん アキ アキ!」
春子「はい もしもし! ああ ああ ああ…。 え? ちょい待って。 嘘でしょう!?」
美寿々「どうしたの 春ちゃん!」
春子「受かったって。」
大吉「『うがった』?」
春子「あの子 映画出るんだって。 鈴鹿ひろ美と ダブル主演で。」
大吉「じぇじぇじぇじぇ!」
春子「どうしよう アキ 主題歌『潮騒のメモリー』歌うかもしれない!」
菅原「おお!」
大吉「もしもしアキちゃん いがったな! 聞いたど! これは北鉄や 観光協会にとっても 明るいニュースだべ!」
菅原「足立君 早速 ホームページの アップ画面さ トップするか!」
ヒロシ「はい! もしもし アキちゃん!」
無頼鮨
アキ「あ ストーブさんにも お礼言わねば。」
天野家
ヒロシ「俺? 何 何?」
無頼鮨
アキ「ストーブさんが撮ってくれた 本気獲(ど)りの動画あるべ。 あれが決め手になったんだど! ありがどう!」
天野家
ヒロシ「いやいや 何か…。」
電話・アキ『何?』
ヒロシ「何か アキちゃんが 遠くさ 行ってしまったみでえだ。」
無頼鮨
アキ「ストーブさん。」
電話・ヒロシ『でも。』
天野家
ヒロシ「俺の気持ちは 変わんねえがら。」
(大声で話す声)
ヒロシ「今も好きだから。」
無頼鮨
アキ「ごめん 全然聞こえねえ!」
天野家
(大声で話す声)
ヒロシ「おめでとう!」
無頼鮨
アキ「ありがどう!」
天野家
一同「おめでどう!」
ヒロシ「ありがとうって!」
長内「アキちゃん おめでとう! バンザイ!」
ヒロシ「聞こえるね?」
黒川家
<それから 程なくして 台本が送られてきました。 鈴鹿さんの役名は 当時のまんま 鈴鹿島のひろ美で 鈴鹿ひろ美。 そして その娘の役名は 鈴鹿アキ。 何だか鈴鹿さんの 養子になったようで うれしいような 子っ恥ずかしいような感じです>
天野家
(せみの鳴き声)
春子「うん? 嫌だ 私 何か いつの間にか寝てた。 よいしょ!」
夏「何だ? これ。」
春子「あ 東京から送ってきたの。 台本よ。」
夏「そりゃ見れば分かるべ おらだって。 何の台本かって聞いてんだ。」
春子「アキが映画に出るの 言ったでしょ。」
夏「ああ それが! ああ。」
春子「すごいと思わない? あのアキがよ 鈴鹿ひろ美と ダブル主演だって。 あの地味で暗くて存在感も… あれ何だっけ? 地味で暗くて…。」
夏「思い出さなくていい。」
春子「そうだね ヒロインだしね。」
夏「なかなか 悪ぐねえ本だぞ。」
春子「え? 読んだの?」
夏「ホホホホ! ハハハハ!」
スピーカー・かつ枝『海女クラブの皆さん 明日予定どおり 海女の口開けを 執り行います。 海女クラブの皆さんは旧漁協 海女カフェ前に 明朝5時に お集まり下さい』。
夏「あ~あ 本気獲りかあ。」
春子「いいから寝てなよ。」
夏「潜り始めて60年近(ちけ)えが 本気獲りさ 行がねがったのは 初めてだ。」
春子「嘘! おととし アキに譲ったじゃん!」
夏「ああ!」
回想
安部「アキちゃん 取れたか?」
アキ「取れた~!」
安部「アキちゃん ウニ取った!」
夏「ハハハ!」
春子「何 何 取ったの? 取ったの? ちょっと見して ちょっと どいて どいて!」
夏「あ~!」
回想終了
夏「ハハハハ!」
春子「何よ。」
夏「たった一個でよ ハハハ! みんなして大騒ぎして。」
(笑い声)
春子「そうだね! 麦茶でも飲むか!」
夏「おう ありがとう。」
春子「あんな子いないよね!」
夏「んだな。」
春子「あれ? 何か言った?」
夏「何が?」
春子「言ってないよね? いや 何でもない 何でもない! アキね!」
夏「ヘヘヘ! あ~。 あ~! 潜りてえな。」
春子「来年は潜ってるよ 絶対!」
夏「どうだか。」
春子「はい どうぞ。」
夏「ありがと!」
夏「ところで おめえ いづまで 居る気だ?」
春子「いつまで居てほしい?」
夏「ふん! 居たいだけ居ればいい。」
春子「じゃあ そうする。」
夏「おう~。 あ~!」
北三陸駅
<年に一度の本気獲り。 今年は ユイちゃんが 参加しました>
大吉「ウニを4つ 取りました~!」
(歓声)
吉田「この貴重なウニを はい 3,000円から!」
(競りの声)
ヒビキ「4万円!」
吉田「4万円!」
<相変わらず セコいけど みんな元気で 何よりです。>
『見つけてこわそう』撮影スタジオ
<一方 おらは 10月からの撮影に向けて 準備が始まりました。 まずやったのは 子ども番組の撮りだめ>
アキ「じゃあ 逆回転 いってみよう~!」
<映画のロケ中は ほかの仕事は 入れられないので 怒涛の20本撮りです>
アキ「という訳で 正解は金魚鉢でした!」
さかなクン「ギョギョギョ!」
<それと並行して 連日のリハーサル>
東京EDOシアター
アキ『母ちゃん!』。
鈴鹿『アキ』。
<おら 役名で 呼ばれるようになりました>
荒巻「あ ごめんね ごめんね! ひろ美さん ごめんなさい。 アキ 分かってるかな? あの… 港から走ってきたの。 港から家 鈴鹿家までは 4キロ。 1里。 全然 ものすごい 心拍数が 上がり過ぎてても しょうがないくらいの 距離だから もう一回やってみて。」
アキ『母ちゃん!』。
鈴鹿『ああ アキ』。
荒巻「ちょっと楽(らく)しすぎてるかな アキ!」
アキ「すいません!」
荒巻「ああ 体的にも限界。 軽く もう ここ来る時 脚が こう 生まれたての鹿みたいな 感じになってるかもしれない。」
アキ『母ちゃん!』。
鈴鹿『アキ!』。
荒巻「コップを取って 水をがぶっ!」
アキ『親孝行できなぐて ごめんなさい!』。
<鈴鹿さんの集中力は すさまじく おら ついでいくのが やっとでした>
荒巻「はい OK! OK!」
「ワン トゥー さん はい!」
<ほかにも… ボイストレーニングや発声練習 素潜りの特訓 和服の所作 日舞 習字 ペン字 生け花 料理など このまま お嫁にいけるくらいの 習い事をやり 膨大な資料を読まされ>
助監督「アキちゃん 頑張ろうね。」
アキ「はい!」
<とうとう迎えた クランクインの日>
『潮騒のメモリー』撮影現場
スタッフ「キャストカー入ります!」
「はい!」
鈴鹿「おはようごいます!」
スタッフ「おはようございま~す!」
アキ「おはようございます! アキです。」
鈴鹿「いよいよね アキ! 今日までよく耐えてきたと 思う。」
アキ「はい。」
鈴鹿「女優が一人の女を演じるために どれだけ努力をするものか よく分かったでしょ?」
アキ「はい。」
鈴鹿「よし! じゃあね 今まで勉強した事 一回全部忘れよう。」
アキ「え?」
鈴鹿「リセットして ゼロから始めてみよう。 それが芝居 それが映画です!」
<いや いや いや いや! じぇ… じぇじぇ!『潮騒のメモリー』いよいよ撮影スタートでがす>