ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」129回「おらとママの潮騒のメモリー」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】129回のネタバレです。

あらすじ

鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)との共同生活にも慣れ、映画の撮影に集中するアキ(能年玲奈)。一方、北三陸にいる春子(小泉今日子)は、夏(宮本信子)が元気になり、かつての生活を取り戻そうとしているのを見て、東京に戻ることを考え始める。町の人々に愛される夏を見て、うれしくも寂しさを感じる春子。そしてついに、アキが種市(福士蒼汰)とつきあっていることを知り、春子は東京へ舞い戻る。別れの日、春子、そして夏は…。

129回ネタバレ

黒川家

<鈴鹿さんとの 疑似親子生活も 丸1か月を迎えようとしています>

鈴鹿「正宗さ~ん? 起きて下さ~い!」

アキ「あ~っ!」

黒川「飲まなきゃ駄目ですか?」

鈴鹿「もちろんよ 体にいいんだから。」

正宗「体が ノーと言ってます。」

鈴鹿「喉にも いいのよ。」

黒川「喉 使わねえし。」

アキ「パパ。」

黒川「うわ~っ!」

『潮騒のメモリー』撮影現場

鈴鹿『さっさと歩け 秋!』。

鈴鹿「もう一回やらせて。」

荒巻「よかったと思うけどな 今の表情なんか。」

<モニターの前で話し込んでいる 監督と鈴鹿さんは 時々 夫婦みたいに見えます>

荒巻「しゃあねえな… 雨降ってきてんのに。 もう一回戦 いきます!」

一同「はい!」

助監督「もう一回戦 いきま~す!」

<そして 目の前を歩く 鈴鹿さんの背中が 夏ばっぱに見える瞬間があって…>

鈴鹿『さっさと歩け アキ!』。

鈴鹿「私が夏さんに?」

アキ「んだ! 今のシーンなんか そっくりだった。」

鈴鹿「あっ そう。」

アキ「ごめん 怒った? ばばあ扱いして。」

鈴鹿「いいわよ 別に。 ばばあだし! フフフッ。」

アキ「フフフッ。」

鈴鹿「かっけえもんね 夏さん。」

アキ「鈴鹿さんも そう思うが?」

鈴鹿「もちろん。 ホントはね 少し意識してたんだ。 歩き方とか 姿勢とか 演技の参考にさせてもらった。」

アキ「じぇじぇ~。」

鈴鹿「そっか 似てたか。 フフッ 何か うれしいな。」

天野家

春子「寒くない? 閉めようか? ここ。」

夏「いや 起ぎるがらいい。」

春子「はあ!? ちょっと待って 何してんの? ちょっと ちょっと…。」

夏「いいがら。」

春子「あっ お母さん!」

夏「何だ おめえ こんなに散らかして。 あ~ 洗い物 たまってんじゃねか。 2人だから 洗濯物も洗い物も 2倍だ。」

<そろそろ潮時かな…。 ママは そう感じていました。『お帰り』も『すまなかった』も『ありがとう』も聞いたし もう思い残す事はない>

春子「よいしょ…。 はい はい はい。 これさ 終わったら 買い物 行かない?」

夏「買い物?」

春子「うん。 携帯電話 買ってあげるよ。」

夏「んなもん要らねえ。」

春子「持っててほしいの。 何か あった時に うちに いなくても 連絡できるでしょ。 たまにはさ 絵に描いたよな 親孝行させてよ。」

夏「…ふん。 どけ。」

春子「フフッ 全く…。」

東京EDOシアター
奈落

鈴鹿「いい?」

アキ「はい お願いします!」

<そのころ おらは奈落で 例の撮り直すシーンのリハーサル やってました>

アキ『母ちゃん…』。

鈴鹿『やっと来てくれたね』。

アキ『うん。 でも すぐ行がねえと。 連絡船が出るんだ』。

河島「水口さん 上に来てもらえます?」

社長室

荒巻「映画の公開日が 3月5日に決定致しました。」

河島「それに先駆けまして 年内より P.R.や 宣伝活動の準備に 入ります。」

荒巻「さしあたって 主題歌なんですが『潮騒のメモリー』で いこうと思っています。」

水口「はい。 …っていうか 何で 2人とも 僕に対して 敬語なんですか?」

荒巻「やりづらいやろ。」

水口「やりづらいですね。」

荒巻「もっと やりづろうしたろか。(不気味な声で)その『潮騒のメモリー』なんですけどね 問題は誰が歌うか という事なんですね。 セオリーどおりいけば 天野アキちゃんに 歌ってもらうところなんですが それでは 手前どもには うまみがないし 歌唱力にも問題がる。」

水口「じゃあ 鈴鹿さんに歌ってもらうとか?」

荒巻「それ 本気で言うとんのか われ。」

水口「すいません。」

河島「太巻映画祭の トップを飾る作品ですので やはり 太巻プロデュースという形で リリースしなくてはなりません。 という訳で 弊社から 提案させて頂きたいのですが。」

スナック・梨明日

春子「こんばんは!」

美寿々「じぇじぇ! 夏ばっぱ いいのか? 出歩いて。」

夏「まあ どうも どうも お騒がせしました。」

今野「いやいや… どうも どうも。」

春子「何かね 体がうずいて しょうがないみたいだから 連れ出してきた。」

夏「ヘヘヘヘッ。」

弥生「見でみろ ブティック今野の新作だ!」

今野「あららら… 何だ おらとこの服で ねえみたいだな! これ。 やっぱり 夏さん 北三陸の元祖ファッションリーダーだな!」

夏「何を言ってんだ なあ? もう…。」

大吉「ばっぱ! 夏ばっぱ!」

夏「そろそろ ウニ丼再会しますんで 大吉っつぁん どうぞ よろしぐお願いします。」

大吉「いや いや いや そんなに慌てなくても なあ 吉田君!」

吉田「どのみち3か月先まで 予約受け付けちゃってますから。」

一同「じぇじぇじぇ!」

大吉「すんません ノーと言えない 東北人ですから。」

吉田「イエスか 苦笑いしか ありませんがら。」

夏「いや こりゃ のんびりしてらんねえな。 よし 明日から再開すっぺ!」

春子「ちょっと…。」

美寿々「また忙しくなるな~!」

弥生「んだらば 組合長さ電話して はあ ウニ調達せねばなんねえな!」

大吉「んだ んだ!」

夏「おらが かけるべ。」

一同「え? じぇじぇじぇじぇじぇ~!」

今野「いやいや…。」

弥生「いつ買った? すごい。」

夏「ハハハハッ!」

弥生「いつ買ったの?」

<またか。 ママは寂しさを感じていました。 夏さんが元気になるという事は 町の人々に 夏さんを 取られるという事なんだ。 夏さんにとっても 遠くの不良娘より 近ぐの他人なんだ。 ようやぐ 目が覚めました>

(ドアが開く音)

ヒロシ「あっ 春子さん いた。 これ 水口さんから FAXです。」

春子「ありがとう。」

東京EDOシアター

水口「あっ 見れました? 自宅の方にも 送っちゃったんですけど。」

北三陸駅

春子「うん。 何なの? これ。」

東京EDOシアター

水口「主題歌です。 太巻さんプロデュースで 歌手デビューっていう。」

北三陸駅

春子「それは見れば分かるわよ。 そうじゃなくて この… ふぃ ふぃ ふゅ?」

東京EDOシアター

水口「フィーチャリングですね アメ横女学園か GMTをバックに。」

北三陸駅

春子「絶対 駄目よ! 落ち目のアイドルと抱き合わせなんか 絶対 駄目!」

東京EDOシアター

水口「いや… でも 社長。 太巻さんプロデュースって事は…。」

電話・春子『巻かれない。』

北三陸駅

春子「あんなダンサー崩れの踊りヤクザに うちの娘は死んでも巻かれない! 大体さ フィーチャリングとか… andとかさ withとかさ retutnsとかさ 余計なもんで おなかいっぱいにするようなさ ラーメンライス的な発想? その安物根性が気に入らないのよ。」

東京EDOシアター

河島「もういいぜ 水口。」

北三陸駅

春子「…っていうか 水口さ あんた どっちの味方よ。」

東京EDOシアター

荒巻「お電話代わりました 踊りヤクザです。」

北三陸駅

電話・荒巻『そちらさんの言い分は よう分かりました。』

東京EDOシアター

荒巻「そやけどね こっちも ボランティアちゃいまんねん。 年頃の娘さん 40~50人から預かって 商売してまんねん。 お宅のお嬢ちゃんが なんぼになるか。」

北三陸駅

電話・荒巻『もう一遍 よ~う考えてみますわ。 ほなな。』

(携帯が切れる音)

春子「ちょっと もしもし! あの野郎…。」

ユイ「どうも。」

春子「どうも。 いつから?」

ユイ「うん? ラーメンライスくらいから。」

春子「やだ もう… 恥ずかしい。」

ユイ「いやいや かっこよかったっすよ。」

春子「え~?」

ユイ「まっ ちょっと過保護って 思ったけど。 でも ママに守られて 彼氏にも守られて アキちゃん羨ましい。」

春子「ユイちゃん?」

ユイ「うちは 1回捨てられたから おかげで強くなれたけど…。 アキちゃん ずっと守られてるのに 強いもんね。 多分 春子さんの かわいがり方が 荒っぽいからだよ きっと。」

春子「…彼氏?」

ユイ「え?」

春子「ごめん 聞き流そうとしたけど 気になり過ぎて そのあとの話 全然 耳に入ってこなかった。 ねえ 何 彼氏って。」

ユイ「やばっ!」

逃げるユイ

春子「もう遅い もう遅い! もう遅い もう遅い!」

ユイ「いやいや いやいや…。」

春子「何 何 何? アキ 何 彼氏いるの? 彼氏いるの!? 誰!? ねえ 誰 誰!?」

ユイ「痛い 春子さん 荒っぽい!」

春子「ねえ もしかして 板前?」

ユイ「…板前? あっ! 板前 板前。」

春子「冗談じゃない! 契約違反! 重大なペナルティーよ これ! ちょっと 水口 水口 水口 水口! 水口 水口! 留守電 留守電…。 留守電!」

天野家
玄関前

かつ枝「あれれ 春ちゃん こったに朝早く どこさ行くの?」

春子「し~っ! 東京帰るの。」

2人「じぇじぇじぇ!」

春子「し~っ! 起きちゃうから。」

かつ枝「何で また急に…。 黙って行ぐのか?」

春子「急でもないのよ。『いつまで いんだ?』『いつ帰るんだ?』って うるさいんだから…。 ウニ?」

長内「おう 夏さんが ウニ丼再開したって聞いて 市場さ行って 買い占めた。 ハハハッ!」

長内「東京さ持っていくか? アキちゃん 喜ぶべ。 喜ぶ 喜ぶ。」

大吉「準備できたか? 春ちゃん。」

春子「いやいや 今回も ホントに 長々 お世話になって…。 いろいろ ホントに。」

長内「何 言ってんだ 水くせえ。 ほれ。」

春子「ありがとう。」

大吉「夏ばっぱの事は 俺たちに任せろ。」

春子「よろしくお願いします。」

大吉「よし。」

春子「じゃあ行くね。」

かつ枝「気を付けてな。」

春子「みんなに よろしくね。」

かつ枝「頑張れよ!」

春子「じゃあね~。」

長内「気ぃ付けてな。」

黒川家

3人「うお~っ!」

鈴鹿「うわ~っ!」

黒川「お~!」

鈴鹿「お~!」

アキ「お~!」

天野家
作業場

かつ枝「あ~ 駄目だ。 今度は乗せ過ぎだ。」

弥生「どれ おらが食ってやっぺ。」

かつ枝「いい加減にしろ。」

美寿々「やっぱ 夏ばっぱ 手つきいいな。」

夏「当たり前だ。 10代の頃から やってんだもん。」

かつ枝「これで最後だな。」

長内「じゃ 運ぶど。 よいしょ!」

夏「ちょっと待で!」

長内「うん?」

夏「1つ キープ。」

長内「キープ?」

夏「今日 恐らく 春子 東京さ帰るがら 持たせてやっぺと思って。」

かつ枝「夏ばっぱ…。」

1階

夏「やっぱし 親子だな。 何となく 分がるんだ。 ヘヘヘッ。 春子~! 春子。 ウニ丼 作ったど。 春子 これ持ってけ! ウニ丼。」

夏「ヘヘヘッ いつまで寝てんだ もう! ほれ! 春子…。 あ…。 何だや せわしねえな。 誰に似たんだか。 ハハハハッ…。 ハッハッハッハッ なあ?」

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