ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」12回「おら、東京さ帰りたくねぇ」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】12回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)は、母・春子(小泉今日子)との約束で、新学期を前に東京に戻ることに。弥生(渡辺えり)ら先輩海女に別れを告げるが、心の中では離れがたい気持ちが押し寄せていた。春子に片思いを続ける大吉(杉本哲太)も、アキ親子を引き止められずに右往左往。ひそかにアキに思いを寄せるヒロシ(小池徹平)も、なすすべがない。別れの日、北三陸駅に立ったアキと春子だが、春子が24年前の出来事を思い出して…。

12回ネタバレ

<楽しかった夏休みも 今日でおしまい。 明日の朝 アキは 東京へ帰ります>

漁協

アキ「あの 皆さん。 私 今日で最後なんで。」

夏「おう!」

アキ「来年も また来っから。」

かつ枝「どうだかな。」

アキ「え?」

かつ枝「来年は もう 潜ってねえかもしんねえな。」

アキ「おばあちゃん。」

夏「ここさ 座れ。」

(かもめの鳴き声)

夏「どんだ?」

アキ「超うめえ。」

夏「忘れんな。」

アキ「うん。」

長内「まあ なんだかんだ言って 来年も潜ってっから 心配すんな。 おう。」

ヒロシ「お疲れさんです。」

長内「はい。」

ヒロシ「東京行くんすか?」

アキ「はい 明日。」

ヒロシ「これ 西新宿の カレー屋のサービス券。 あと1枚あれば カレー1杯 タダで食えっから。 元気でね。」

天野家

(ドライヤーの音)

春子「アキ。 ホントはあんた こっちで 暮らしたいんじゃないの?」

アキ「…。」

春子「アキ。」

アキ「…。」

春子「ねえ アキ!」

アキ「何?」

春子「ああ いや何でもない。」

アキ「東京 帰るんだよね。」

春子「そうだよ。 だって 2学期始まっちゃうでしょ。」

アキ「パパと3人で 暮らすんでしょ?」

春子「うん それは そうなるように 話…。」

アキ「そうしなよ。 パパ1人じゃ かわいそうだし。 アキも寂しいし。 帰ろ。」

春子「あんた次第なのよ。 いいの? ホントにこれで。」

アキ「いいよ。 何か 吹っ切れた。 こっちで 友達もできたし また来年 来ればいいし。」

スナック・梨明日

かつ枝「どうすんだ? おい大吉! 北三陸駅長の大吉よ!」

大吉「ああ。」

弥生「明日になったら 春ちゃん 東京さ帰っちまうど。」

大吉「分かってる。」

美寿々「好きなんだべ! ここで決めねえば 男でねえど。」

大吉「好きは 好きだげど。」

安部「わたすの事なら気に…。」

大吉「全然 気にしてねえけど こればっかりは 本人同士の問題だからな。」

台パンする弥生

弥生「本人同士なんか どうでもいいい!」

夏「弥生ちゃん 店壊れっぺ。」

弥生「この際だから 言わしてもらうが おめえら 中年男女が ひっつこうが 離れようが おらたちは 何の興味もねえ。 のぼせ上がんな!」

大吉「はい。」

弥生「問題はアキだ!」

美寿々「あ…。」

弥生「24年ぶりの新人海女を ここで失っては もったいねえべ!」

かつ枝「海女クラブにとって これ以上の損失は ねえ。」

弥生「ここでアキを失っても いいのか! おめえ。 北の海女が 絶滅しても いいのがおめえ! いい訳ねえべ!」

大吉「あ~あ!」

夏「美寿々 あとよろしくね。」

美寿々「え? あ~!」

かつ枝「夏ばっぱ まだ 話終わってねえべ。」

夏「おらの意見は 決まってる。 去るもの は追わずだ。 ハハハ! ほんじゃ まあ。」

かつ枝「プロポーズしろ!」

大吉「え~っ!」

天野家

春子「ふっ。」

アキ「あ ありがとう。」

春子「どういたしまして。」

アキ「フフフ!」

(戸の開く音)

夏「ただいま!」

アキ「お帰り!」

夏「あ~あ! 疲れた 疲れた。 あ~ 疲れた 疲れた。」

春子「お母さん。」

夏「うん。」

春子「私たち 明日帰るんだけど。」

夏「あ~ 明日も早え。 さっさと寝るべ。」

春子「またかよ。」

回想

1984年(昭和59年)

弥生「春子 頼む 袖が浜の未来のためだ。」

長内「頼む!」

かつ枝「潜ってけろ!」

夏「あとは おらが話して聞かせっから。」

かつ枝「よろしく頼みます。」

(引き戸を閉める音)

夏「明日も早え。 そろそろ寝るべ。」

春子「え? ちょっと 母ちゃん? 母ちゃん!」

回想終了

春子「あん時も そうだったよね。 私は 話したい事があったのに 先に寝ちゃって。 …てか いっつもそうだよね。 肝心な事は 何にも言わないで 全部 私に決めさせて。 ずるいよねえ。 ホントに 親ってずるい。 いい事 教えてあげようか?」

春子「お母さんってね ホントに 眠ってる時には ちょっとだけ 目が 開いているんだよね。 だから 寝たふりしてる時には 一発で分かるの。 しっかり 目つぶっちゃってるから。 知らなかったでしょう? じゃあね おやすみなさい。」

春子「できた?」

アキ「まだ もうちょっと。」

春子「この貝は 持ってくの あと2個あるよ。」

アキ「ああ 持ってく。 かばんに入んない。、」

春子「入んない? ママの方に入れようか。」

<そして 別れの朝>

かつ枝「今日が最後だから。」

大吉「分かった。」

春子「わざわざ 集まってくれなくても よかったのに。」

かつ枝「何 どうせ 早く起きっから。」

春子「あれ お母さんは?」

美寿々「随分めえに 浜の方さ 降りて行ったべ。」

春子「そう。」

大吉「あ! ああ。 春ちゃん! おら…。」

春子「行くよ アキ! アキ!」

アキ「うん 今行く。」

春子「はい!」

大吉「これか? 荷物。」

春子「うん。」

大吉「さ!」

アキ「バイバイ! また来年来るからね。 バイバイ!」

弥生「泳ぎ 忘れんなよ!」

(警笛)

回想

1984年(昭和59年)

春子「通してもらって いいですか? どいて下さい! どいて下さい! 通して下さい! すいません!」

大吉「春ちゃん!」

春子「もう! どいてよ!」

回想終了

大吉「あと 2~3分で出るから。」

春子「うん。」

大吉「出るというか 俺が出すんだけど。」

春子「いろいろありがとね。 大吉さん。」

大吉「いやいや。 え?」

春子「おかげで とってもいい 夏休みになったみたいで ね!」

アキ「お世話になりました。」

大吉「来年 また来いよ ぜってえだぞ!」

アキ「はい!」

大吉「じゃあ 行ぐが。」

(発射のベル)

大吉「荷物持ってぐから。」

春子「あ ありがとう。」

春子「どうしたの? アキ。」

アキ「おばあちゃん 来ないね。」

春子「いいから 早く乗りなさい。」

アキ「うん。」

アナウンス『宮古行き まもなく発射します』。

春子「早く乗って!」

アキ「うん。」

春子「あんたが決めたのよ。 東京帰るって。」

アキ「うん。」

春子「どうしたのよ? アキ。」

アキ「…。」

春子「どうしたいの? アキは。」

アキ「うん!」

春子「もう!」

アキ「うん。」

春子「え?」

アキ「ママ…。」

大吉「やべえ! 春ちゃん!」

春子「ごめん!」

大吉「アキちゃん! なして? バイバイすんのけ? なして俺だけ? 春ちゃ~ん!」

アキ「ごめんなさい!」

(警笛)

天野家

アキ「おばあちゃん ただいま!」

夏「え? あ…。 ウフフフ! 早すぎっぺ?」

アキ「ただいま。」

(笑い声)

春子「何で来なかったのよ。」

夏「ああ?」

春子「待ってたんですけど!」

夏「何でって ワカメが岩さいっぺえ くっついてたがら 誰がに取られるめえに。」

春子「そうじゃなくて あん時だよ。」

夏「『あん時』?

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