ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」131回「おらとママの潮騒のメモリー」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】131回のネタバレです。

あらすじ

映画の撮影を無事に終えたアキ(能年玲奈)は、主題歌のレコーディングに臨む。春子(小泉今日子)や太巻(古田新太)が立ち会う中で必死に歌うが、なかなかOKが出ない。そこで手本を示すため、春子が歌うことに。かつて鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の替え玉として歌った曲だ。春子が複雑な思いを巡らせていると、そこになんと鈴鹿がやってくる。太巻が、ある目的で呼び出したのだが…。

131回ネタバレ

レコーディングスタジオ

河島「おはようございま~す!」

アキ「おはようございます! よろしくお願いします!」

荒巻「来て早々悪いけど 一回 聴いてくれる?」

河島「これ 歌詞です。」

<2010年の暮れ 主題歌のレコーディングに呼ばれました>

♬~(『潮騒のメモリー』)

荒巻「どうですか?」

春子「いいんじゃないかしら。」

荒巻「社長じゃなくて 本人に聞いたんです。」

アキ「あっ 大したもんだと思います。」

水口「すいません。 今風なアレンジにして頂いて。」

荒巻「まっ いいや 一回 とりあえず歌ってみますか。」

アキ「はい!」

アキ「あ~ テスト テスト。 あ~。」

河島「じゃあ 音出ます。」

♬~(『潮騒のメモリー』)

アキ♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー 北へ帰るの 誰にも会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ 彼に伝えて 今でも好きだと』

河島「お疲れさまでした。 ちょっと待ってね。」

1時間後

<テイク5 これだけ大人がいても やっぱり 一番気になるのは この人の反応なんですが…。 はあ… 聞くまでもねえ感じです>

河島「どうですかね? 今のところ テイク3の前半と 中盤は テイク4が よかったかなとは 思うんですが…。」

荒巻「うん。 いいんじゃないですか?」

春子「ちょっと 何なのよ さっきから チラチラ時計見たり メールしたり…。 どうでもいいの? 早く帰りたいの? 次に何か入ってんの? ふざけないで。」

水口「座りましょう 一回。」

春子「初主演映画の主題歌なのよ。 一生に一度の事なのよ。 アキにとっては 人生を左右する 大事な曲なんです。 真面目に やって。」

荒巻「それじゃあ もう一遍 歌ってみますか。」

アキ「はい。」

荒巻「アキちゃんじゃなくて 社長。」

春子「え?」

荒巻「この歌 歌えるでしょ。」

春子「冗談じゃない 何で私が…。」

荒巻「冗談じゃないですよ 本気ですよ。 歌唱指導は 我々もできますけど この歌のお手本示せるのは あなただけですよ。」

河島「いや いや いや 太巻さん さすがに それは…。」

アキ「おらも聴ぎでえ。」

水口「アキちゃん。」

アキ「もともと おらの原点は ママが歌った『潮騒のメモリー』だ。 ママの歌 聴けば 何か つかめるかもしんねえべ。」

春子「アキ 一回だけだからね。 失敗しても やり直さないから。 お願いします。」

春子♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー 北へ帰るの 誰にも会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ 彼に伝えて 今でも好きだと』

河島「似てるなあ 鈴鹿ひろ美そっくり。」

水口「えっ 河島さん ご存じなかったんですか?」

河島「うん? 何が?」

鈴鹿「おはよう!」

河島「おはようございます!」

アキ「じぇじぇ!」

水口「ど… どうしよう。 やばい。」

荒巻「いいんだ 水口。 俺が呼んだんだ。」

水口「え?」

河島「え? ええ!?」

春子♬『来てよ その火を』

荒巻「ずっと打ち明けられないまま 時間が たってしまいました。 もう… もう とっくに ご存じだと思うんですが 歌… 歌を差し替えてしまいました。」

春子♬『波打ち際の マーメイド…』

荒巻「止めて下さい。」

鈴鹿「どうして 今更?」

荒巻「分かりません。 だまし通す事もできましたし 鈴鹿さんが だまされ続ける事を 覚悟していた事も知っています。 だから 墓場まで持っていこうと 思っていました。 この子に会うまでは。」

アキ「じぇ。 お… おらが?」

荒巻「そうだよ。 お前が 天野をスカウトして 俺に会わせるから こういう事になったんだ。」

水口「あっ すいません。」

荒巻「『あっ すいません』って もうちょっと 声張れよ。」

水口「すいません。 …っていうか 鈴鹿さんは知ってたんですか?」

アキ「知ってましたよね。」

回想

鈴鹿「すてきな声だわ。」

春子「え?」

鈴鹿「私と似てる気がする 声が ねえ 天野さん 似てるわよね。」

春子「似てませんよ。」

鈴鹿「似てるわよ!」

春子「似てないと思いますけど。」

回想終了

アキ「いつからですか?」

鈴鹿「いつ? いつかしら…。 ず~っと前のような気もするし…。 今のような気もするし。」

(ドアが開く音)

鈴鹿「あっ! フフフッ 私だ~。 ごめんなさいね。 私のせいで 表舞台に 出られなかったんですよね。 ごめんなさい。」

春子「やめて下さい。 そんなんじゃないですから。」

荒巻「俺が 君に声をかけなければ…。」

回想

荒巻「歌ってくれないかな? 鈴鹿ひろ美の代わりに。」

春子「私の声が レコードになるんですか?」

荒巻「そう。」

春子「鈴鹿ひろ美の名前で?」

回想終了

荒巻「申し訳ない 春ちゃん。」

春子「歌いなさい アキ。」

アキ「え?」

春子「ママ 歌ったよ。 今度 あんたの番でしょ。 早く。」

アキ「…うん。」

♬~(『潮騒のメモリー』)

アキ♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー 置いていくのね さよならも言わずに 再び 会うため 約束もしないで 北へ行くのね ここも北なのに』

春子「感謝しなくちゃ。」

鈴鹿「え?」

春子「アキのおかげで 鈴鹿さんに会えました。」

鈴鹿「フフフッ いい娘さんね。」

春子「フフフッ。」

アキ♬『優しく 来てよ その火を 飛び越えて 夜空に書いた アイム ソーリー』

回想

鈴鹿『あっ バカ 今でねえ。 東京さ行ってからだ』。

アキ『母ちゃん…。 ごめん 母ちゃん』。

鈴鹿『アキ 達者でな』。

回想終了

アキ♬『マーメイド 好きよ 嫌いよ」

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