ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」133回「おら、みんなに会いでぇ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】133回のネタバレです。

あらすじ

GMTのメンバーとともに、念願の初ライブが決まったアキ(能年玲奈)。だが、前日の2011年3月11日、東日本大震災が発生する。北三陸市や北鉄は津波の被害を大きく受け、アキのライブも延期となってしまう。

133回ネタバレ

北鉄

2011年3月11日

春子<それは 突然 やって来ました>

天野家

かつ枝「かつえ おめえ 落ち着きねえな。」

(携帯の緊急警報)

かつ枝「どうした?」

長内「ん? な… 何の音だ おい。」

北鉄

ユイ「え?」

東京EDOシアター

アキ「あれ?」

しおり♬『その火を 飛び越…』

喜屋武「うん? 何か揺れてるよ。」

小野寺「やだ 地震?」

スリーJプロダクション

春子「うん? ちょっと待って 地震? 地震? 地震だ 地震だ。」

黒川「ちょっと大きいね。」

春子「おっきい おっきい。 危ない。」

東京EDOシアター

(どよめき)

河島「うおっ!」

水口「やばい。 でかいですね。 まだ揺れてる。 やばい やばい。」

無頼鮨

梅頭「鈴鹿さん 外 出ましょう! 種!」

種市「はい! 気を付けて。」

北鉄

大吉「止めろ! ブレーキ ブレーキ!」

無線・吉田『ブレーキ ブレーキ! 止めろ!』。

観光協会

<3月11日 午後2時46分の時点で 運行中だった 北三陸鉄道リアスの車両は2台。 1両は 海に迫る高台で止まり もう一台は 畑野トンネルの中。 乗客は ユイちゃんのほかに 鈴木のばっぱ 親子連れが1組 部活帰りの中学生が2人>

畑野トンネル

大吉「ユイちゃん 大丈夫か?」

ユイ「何これ…。」

大吉「分がんねえ。 ごめんな ユイちゃん 仙台さ 何時に着けばいいんだっけ?」

ユイ「5時半。」

大吉「駄目だ。 つながんねえ。」

<大吉さんも ユイちゃんも 事態が飲み込めず ただ 暗いトンネルの中で ぼう然としていました>

東京EDOシアター

奈落

荒巻「みんな 大丈夫!? ケガない!?」

一同「はい!」

安部「ここは みんな無事です。」

河島「震源地 宮城らしいぞ。」

安部「えっ? えっ?」

荒巻「小野寺 実家に電話しなさい。」

小野寺「はい…。」

<『じぇじぇ! 明日 お披露目ライブなのに』。 あの日 多くの人々が そうだったように アキも また 事態の深刻さを 理解していませんでした>

しおり「実家は?」

アキ「あ… うん。」

水口「ユイちゃんに電話してみたら?」

アキ「うん。」

東京EDOシアター前

「どれだけ待ってると 思ってるんだよ。」

「何時間待ちだよ これ。」

(騒ぐ声)

休憩所

電話『しばらく たってから おかけ直し下さい』。

アキ「しばらく たったから かけだのに…。」

畑野トンネル

無線・吉田『現在地… 教えて下さい』。

大吉「現在地 畑野トンネルです。」

無線・吉田『こちらから 指示を出します。 お待ち下さい…』。

大吉「吉田君?」

無線・吉田『お待ち下さい…』。

大吉「ちょっと もしもし! 運転指令!」

<余震は 絶え間なく続きました。『落ち着け 大吉。 こういう時は お客さんを 不安にさせでは駄目だ』。 大吉さんは 何度も そう自分に言い聞かせました>

大吉「え~ ただいま 大きな地震がありました。 あの~ ご心配ねぐ。 状況が分かり次第 あの 改めて…。」

無線・吉田『津波! 津波が来ます! 大津波警報発令! 避難します!』。

東京EDOシアター

(どよめき)

<『映画が何がみでえだな』。 とても現実に起こっている事とは 思えませんでした。 周りのみんなも『嘘~!』とか『何これ?』『何で?』とか とりあえず 声に出すものの 気持ちが追いついてなくて…>

荒巻「天野 お前の実家 海沿いだろ。」

安部「…漁協さ 電話してみっぺ。」

しおり「どうだった?」

小野寺「駄目… つながんねえ。」

喜屋武「メールも送れない?」

河島「混戦してるんだ 今。 後で かけなさい。」

しおり「平気 平気。 大丈夫だよ。」

畑野トンネル

大吉「皆さん あの… ご存じのとおり 北鉄は ディーゼル車ですから 停電はしません。 燃料も たっぷり積んであります。 暖房もあるし トイレもあるし…。」

「腹減ったよ~。」

「僕も 腹減った。」

鈴木「大吉っつぁん おら ゆべし持ってるど。 はい。」

大吉「ゆべしも ありま~す。 はい どうぞ。」

「すいません ありがとうございます。 どうも ありがとうございます。」

鈴木「は~い はい。」

<救助は来ない。 いつまで待っても 埒は明かない。 ついに 大吉さんは決断しました>

大吉「乗客の皆さん あの… ちょっと トンネルの外の状況 見てきます。 ご心配ねぐ 安全が確認でぎでから 皆さん 誘導しますんで そのまま… あの すぐ戻ってきますから。 お待ち下さい。」

<そう言って 大吉さんは ドアを開け 外へ出ました>

大吉「こっちが近(ちけ)えか。」

<その小さな 弱々しい光を頼りに 大吉さんは歩き始めました>

大吉♬『ズンズンチャッチャラ チャッチャ ズンズンチャッチャラ チャッチャ ズンズンチャッチャラ チャッチャ (Ghostbusters) ズンズンチャッチャラ チャッチャ ズンズンチャッチャラ チャッチャ ズンズンチャッチャラ チャッチャ (Ghostbusters)』

大吉「見るな…。 ユイちゃん 見ては駄目だ。」

ユイ「ごめん…。 もう遅い。」

<そこで 2人が見た光景は 言葉にできるものでは ありませんでした>

<ただ一つ 言えるのは あの時 ブレーキをかけなければ 2人は その光景を見る事すら かなわなかったという事。 もう一台も 高台に停車したため 津波の被害を逃れました。 それは後に 奇跡の車両と呼ばれ 復興のシンボルになったそうです>

東京EDOシアター
会議室

電話『おかけになった方面への通話は 大変込み合っているため かかりにくくなっています』。

「歩いてきたの?」

「もう 全部 止まっちゃって…。」

河島「小野寺… 小野寺 多いな。」

<夜になっても 母親の安否が確認できない 小野寺ちゃんのために 河島さんや 水口さん 太巻さんまで 会社に残っていました>

奈落

安部「お待ち遠さま!」

アキ「安部ちゃん 漁協と連絡取れた?」

安部「大吉さんも つながんない。 ほら 沈んでても しょうがないよ! みんな 食べっぺ!」

喜屋武「あっ 豚汁?」

安部「うん? まめぶの方が いがったですか?」

しおり「いや 豚汁の方が 好きなんだけどね。 でも 何か 今は まめぶ食べて 文句言いたかった。」

喜屋武「『甘い』とか『しょっぱい』とかね。」

しおり「そうそう。」

真奈「安部ちゃんといえば まめぶやもんね。 ドラえもんの どら焼きみたいなもんたい。」

安部「まめぶは ポケットに入りません!」

しおり「え~?」

(笑い声)

<安部ちゃんの ちょっと的外れな突っ込みで 数時間ぶりに 笑顔が戻りました>

安部「ああっ! ま~め~ぶ~。」

喜屋武「まめぶだ~!」

しおり「何で乗っかっちゃうんだよ!」

喜屋武「ま~め~ぶ~!」

しおり「いい加減にしろ。」

河島「小野寺! 小野寺…。 お母さん 無事だったぞ!」」

小野寺「え?」

会議室

河島「仙台市内の避難所にいるって ファンが ブログのコメント欄に書き込んでた!」

水口「これ見て。」

河島「ほら!」

小野寺「あ… よかった~!」

一同「よかった よかった!」

種市「天野! いっそんと つながったぞ!」

アキ「何て?」

種市「あっ それが 一瞬だけ着信があって すぐ切れたから 話は できなかった。 ユイからは?」

水口「時間的にひあ ちょうど 北鉄に乗ってる頃だな。」

種市「大丈夫だ。 ユイは… ユイは大丈夫ですよね!」

荒巻「みんな。 残念だが 明日のイベントは延期する。 中止じゃなくて 延期だ。 なっ? だから 今日は 帰れる者は帰って 自宅待機。 うん 天野? どうした 天野。」

しおり「アキ?」

荒巻「お前の家は そこか?」

しおり「何 捜してんの? アキ。」

アキ「あった!」

しおり「あ~っ!」

アキ「大丈夫だ! みんな 絶対無事だ!」

しおり「うん!」

奈落

(メールの着信)

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