ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」138回「おら、みんなに会いでぇ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】138回のネタバレです。

あらすじ

北三陸に帰ってきたアキ(能年玲奈)は、「海女カフェ」が津波で壊滅的な被害を受けたことを知る。思い出の詰まった場所の惨状にショックを受けるが、海女カフェの再建こそが自分のやるべきことだと確信する。

138回ネタバレ

♬『言っているいる』

<震災に屈する事無く北の海女たちは 今年も海に潜ります>

♬『いつでも夢を いつでも夢を』

アキ「ちょっと 先行ってて!」

かつ枝「何だ? アキ 便所か?」

アキ「海女カフェ 寄ってぐ!」

弥生「なすて?」

アキ「懐かしいがら。」

弥生「やめどけ。」

アキ「なすて?」

美寿々「アキちゃんが 懐かしいと 思うものは もう ねえよ。」

(かもめの鳴き声)

<旧漁業協同組合があった場所に アキが海女カフェを建てたのが 2009年>

海女カフェ

(波の音)

美寿々「袖が浜では こごが 一番被害ひどかったんだ。 これでも だいぶ片づいたんだよ!」

アキ「魚は?」

長内「死んだ 全部。 水槽も壊れてしまったしな。 ほら 足元 気を付けて。」

アキ「うん。」

弥生「保険 下りんのか? いっぺえ ローン残ってんだべ!」

かつ枝「金の事はいい。 それより せっかぐ アキが作ってくれだ 憩いの場が。」

<それは ストーブさんこと 足立ヒロシ君と種市君が 中心になって 徹夜で作った看板です。 思い出の詰まった看板です>

夏「誰のせいでもねんだ アキ。 自然のいい所ばかり利用して 自然の怖(こえ)えとこ 目背げて そのうち 忘れでまう。 それが人間の傲慢さだ。 さ! 帰(けえ)って 一眠りすっぺ。」

美寿々「おらも帰るべ。 スナック開けねえとな。」

夏「んだ んだ。」

アキ「決めだ!」

弥生「あ?」

アキ「海女カフェ 復活させっぺ!」

美寿々「アキちゃん!」

アキ「ここさ もう一回 海女カフェつくるべ。」

弥生「おめえ 夏ばっぱの話 聞いてなかったのか? 今!」

アキ「大体聞いてた。 要するに『気にすんな』って 意味だべ。」

アキ「正直 分がんねがった。 おらに出来る事 やるべき事って何だべって ずっと考えてた。 東京で テレビ見でだら あまりに問題が山積みで 何万人のデモ行進どが 何百万トンの がれきどが。 正直 おら1人じゃ どうにもなんねえって気に なっちまう。 頑張ろうどか 一つになろうどが 言われでも 息苦しいばっかりで ピンとこねえ。」

アキ「んでも 帰ってきたら いろいろ はっきりした。 とりあえず 人は元気だ。 みんな笑ってる。 それは いい事だ。 食べる物も まあ ある。 北鉄も走ってる。 それもいい事。 んだ 東京さ いだら いい事が 耳に入ってこねえんだ。 つれえ事ばっかりで…。 あれ? 何の話だ。」

ユイ「海女カフェ?」

アキ「んだ! おらがつくった海女カフェが 流された。 直すとしたら おらしか いねえべ! これぞ まさに おらにできる事だべ!」

ユイ「無理だよ。」

アキ「あ ユイちゃん。」

ヒロシ「俺が連絡した。」

ユイ「気持ちは分かるけど 無理。 これは現実だから 逆回転は できないよ。」

(かもめの鳴き声)

そでがはま駅

ユイ「どう? 変わった?」

アキ「え?」

ユイ「変わんないように見えるよね。 今日は 海穏やかだし。」

(波の音)

ユイ「何で帰ってきたの?」

アキ「え?」

<『覚えてないんだ』。 アキは 少し悲しくなりました>

回想

ユイ「怖くて行けない。 アキちゃんが来てよ!」

回想終了

ユイ「ごめん! 言い方 キツかったね。 でも デビューして これからって時期じゃん。 春子さん 心配したでしょ?」

アキ「ちょっと。 でも すぐ分かってくれた。 ママは ママのやりでえ事 見つかったみでえだし。 ユイちゃんは?」

ユイ「私が何?」

アキ「落ち着いた?」

ユイ「フフフ! 言葉 選ばないでしょ。」

アキ「ごめん。」

ユイ「落ち着いてるよ 私は ずっと。 心配しなくても。 週3で スナック出てるし 彼氏できたし。」

アキ「じぇ!」

ユイ「紹介しないよ ダサいから。 こんな感じ。」

<『似顔絵?』>

ユイ「ハゼと ジミ・ヘンドリックスを足して 2で割った感じ?」

<『割れない! 2で割ったら 人間じゃなぐなる』>

ユイ「でも 優しいんだ。 見た目ダサいけど 私の事 すごく 大事に思ってくれてるの。 ハゼ・ヘンドリックスだけど。 フフフ!」

アキ「ヘヘヘ!」

ユイ「私も随分 考え方変わったよ。」

アキ「え?」

ユイ「自分の事 ついてない女だって 思ってたけど もう 不幸とか通り越して『悪運強いのかも』って 思うようになった。」

回想

大吉「止めろ! ブレーキ! ブレーキ!」

回想終了

ユイ「東京行っても 私 アイドルに なれなかった気がする。 無理してる訳じゃないよ 本心で言ってる。 アキちゃんみたいに みんなに好かれて みんなを笑顔にする才能 私には ないもん。 うん これで よかったんだよ。」

アキ「そうがな。」

ユイ「そうだよ。 …ていうか そうなの。 で… アキちゃんは 何で帰ってきたの?」

アキ「決まってるべ! ここが 一番いい所だって ユイちゃんに教えるためだ。 一回も 東京さ行った事ない ユイちゃんの代わりに おらが東京さ行って 芸能界どが この目で見で いろいろ経験して『んでも結局 ここが一番いい。 北三陸が一番いいぞ』って 教えでやるためだ。」

ユイ「本当に? 本当に ここが一番いい?」

アキ「間違いねえべ!」

ユイ「大好きなアキちゃんが そう言うなら 信じようかな。」

アキ「ヘヘヘ!」

ユイ「よし! 決めた! 私 こうなったら ここから 一歩も出ない。 東京なんか 行かない! 私に会いたければ みんな 北三陸に来ればいいんだもん! ね!」

アキ「んだ!」

ユイ「アキちゃん。 帰ってきてくれて ありがとう。」

天野家

7月1日 海開き

夏「ああ いい天気だ!」

<『道のりは長え でもやらねばなんねえ。 わざわざ帰ってきたんだから』>

アキ「おはようございます!」

袖が浜漁協 仮事務所

スピーカー『おはようございます! 本日は 7月1日 袖が浜海岸 海開きです。 海女クラブの皆さんは 速やがに集まって下さい』。

アキ「7時より安全祈願のご祈祷を 行います。 繰り返(がえ)します 海女クラブの皆さんは 速やがに 集まってください! あ! 美寿々さん 代わってけろ!」

美寿々「おう!」

アキ「おら うっかり 普通のパンツはいてきちまった。」

美寿々「おう!」

アキ「濡れたら困るがら 替えのパンツ取ってくる。」

美寿々「アキちゃん! マイク マイク入ってるよ!」

アキ「じぇじぇじぇ!」

弥生「ちょっと何? 止めろ 止めろ!」

♬~(『いつでも夢を』)

<今年の海開きは 復興祈願も兼ねた 特別なイベントになりました。 震災後 僅か4か月で 海女の実演が行われると聞きつけ 地元の新聞や タウン誌の取材も来ました。 そして…>

アキ「じぇじぇ!」

ヒロシ「昨日 ホームページにアップしたんだ。」

ヒビキ「やっぱり 天野アキは 三陸の海が似合うって! 東京じゃ パッとしなかったもんね!」

アキ「何だと この野郎!」

菅原「アキちゃんとユイちゃんが そろう めったにねえ チャンスだもの。 ただ指くわえて 見でる訳にはいかねえべ。」

大吉「んだ! ハハハハ! 北三陸を今度こそ何とかすっぺ 略して…。 K3RKDNSP」

アキ「また?」

菅原「はい このポロシャツは 向こうで売ってま~す! よろしぐ頼む。 だって 被災地だもの。」

大吉「転んでも タダじゃ起きねえ 北鉄だ。 よろしく頼むじゃ!」

<相変わらず したたかさは健在です!>

夏「アキ~! はよ 来い!」

アキ「よ~し! ウニ取るぞ!」

(歓声)

<2011年の夏が 始まりました!>

ファンたち「アキちゃ~ん!」

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