【 連続テレビ小説「あまちゃん」】139回のネタバレです。
あらすじ
北三陸の観光協会で、久々に首脳会議が開かれた。津波による被害で、北鉄は廃線の危機に、袖が浜でもウニが壊滅的な打撃を受けていた。だが、町は一丸となって復興の道を探り始める。そんな中、アキ(能年玲奈)は「潮騒のメモリーズ」の再結成を夢みていた。
139回ネタバレ
浜
2011年7月1日 海開き
アキ「よ~し! ウニ取るど~!」
(歓声)
美寿々「素潜り始まりま~す! わ~い!」
(歓声)
<2011年の夏が始まりました。 が…。 あれ? あれ? あれあれ?>
美寿々「どうした? アキ!」
アキ「ウニ いねえ!」
美寿々「またまた よく潜ってみろ!」
<2年前の夏は 岩に びっしり張り付いていた ウニが 今年は いません>
<震災後 初めての首脳会議が 行われました>
観光協会
アキ「あっ ユイちゃ…。」
ユイ「し~っ。 あれ 何のパスワード?」
大吉「転んでも ただでは起ぎねえ 北三陸を 今度こそ何とかすっぺ 目に物見せてやっぺ ゴーストバスターズ」
かつ枝「長(なげ)えよ大吉!」
大吉「ごめん 気持ちが先走ってまって。」
弥生「あ~っ! まだ書き写してねえべ。」
大吉「…懐かすぃ~! こういう無駄な やり取りを 震災前は しょっちゅう やってたね。」
夏「いちいち しんみりすんな。」
<大吉さんが センチメンタルなのには 訳がありました>
吉田「こちら ご覧ください。」
勉「80円?」
吉田「なんてね。」
勉「80億円!?」
吉田「宮古から北へ延びる北三陸鉄道 釜石から南に延びる南三陸鉄道 どちらも大きな被害を受け その復旧にかかるお金が…!」
一同「じぇじぇじぇじぇじぇ!」
大吉「これは もう おらたちで どうこう できるレベルの金額じゃねえ。 国の補助を期待しねえと。」
長内「出すのか? 国が。 そったら 金。」
今野「いや~ こんな事 言っちゃあなんだが もっと有効に使うべきでねえの?」
吉田「な… 何!?」
大吉「耐えろ 吉田君! これが偽らざる 市民の本音だ!」
今野「言っちゃなんだがさ…。」
吉田「言っちゃなんなら言うな ブティック野郎! 鼻くそ つけてやる。」
今野「あ~ この野郎!」
菅原「そこ 駐車場だよ。」
大吉「確かに 商工会長の言うとおり。 税金使って 復旧する意味あんのかって声は 無視できねえ。 でも 同じように 復旧を願う声も無視できねえ。 なあ ユイちゃん!」
ユイ「え?」
大吉「おらとユイちゃんが 閉じ込められた車両が 倉庫さ帰ってきた時…。」
回想
(歓声)
「電車来たぞ~!」
「帰ってきた~!」
<あの日 トンネルで停車し 津波の被害を逃れた列車は 奇跡の車両と呼ばれ 復興のシンボルになりました>
大吉「危ねえぞ 鈴木のばっぱ! 何してんだ?」
鈴木「何って おめえ おらの事 守ってくれた 北鉄さ お礼 言わねば。 一日も早ぐ 元のように走れますように。」
回想終了
大吉「おら 言えねがった。『今後 北鉄は 存続の危機にさらされます。 あの車両は もう二度と 動かねえかもしんねえ』とは とてもじゃねえが言えねがった。 市民だけでねえ 多くの鉄道ファンから存続を望む 熱いメッセージが届いてる。」
ヒロシ「これは ほんの一部です。」
かつ枝「お~ すげえな。」
大吉「俺は 腹くくった。 大事な市民の足として 観光資源として たとえ 一人でも利用者がいる間は 走らねばなんねえ。 国営でも民間でもねえ 第三セクターだからこそ 非常時には 採算度外視して 走るべきなんです!」
弥生「んだ んだ んだ!」
かつ枝「被災したのは おらたちだ! 国が 何と言おうと 被災者が要るって言ってんだから 残せ!」
弥生「んだ んだ んだ!」
長内「こうなったら 北鉄の全線開通を 最終目標にして 復興計画を推進すっぺ!」
弥生「んだ んだ んだ! んだ んだ んだ! んだ んだ んだ!」
吉田「いいぞ 弥生さん! もっと コイン取れ!」
夏「んじゃあ 銭は どうする? この ご時世だ。 国の復興予算を 北鉄さ回してくれるとは思えねえ。」
弥生「んだ んだ んだ~。」
<大変だあ。 大人たちの話を聞いて アキは途方に暮れていました。 海女カフェを立て直してくれなんて 言える空気じゃない。 観光協会の海女カフェ担当者は…>
<頼りになりません>
ユイ「そろそろ出るね。」
アキ「え?」
ユイ「ごめん。 お店開ける時間だから。」
功「おっ 何 何? 何の話?」
ユイ「寝坊した人には教えません。 じゃあね。」
夏「あっ 先生。」
今野「足立先生。」
功「いやいや ここで いい。」
今野「夏さん この間の海開きは どうだったんですか? それこそ アキちゃん効果で 集客 増えたんでねえの?」
かつ枝「客足は例年どおりだが そもそも…。」
夏「ウニが いね。」
一同「あ~あ…。」
アキ「やっぱり 津波のせいですか?」
栗原「これ 浜さ打ち上げられたウニ。」
アキ「じぇじぇじぇ!」
長内「袖が浜の 例年の 水揚げの80%の量にあたるウニが 死んだ。」
弥生「やっと取ってもよ 震災の影響で『東北で取れる海産物は 危ねえんでねえか?』って ふ… ふう…。」
大吉「風評被害か?」
かつ枝「んだ。」
弥生「ふ… ふざけんな! 何度も何度も 水質調査して 安全だって証明されたから おらたちは 潜ってるっつうのによ!」
長内「北鉄も駄目 ウニも駄目か…。」
大吉「せっかく アキちゃん 帰ってきたのに 宝の持ち腐れだべな!」
吉田「ユイちゃんも一緒に 海女さん やってくれたらなあ。 また オタクさんが食いつくんだけど。」
ヒロシ「そろそろ 発言したら?」
功「いいよ 寝坊しちゃったんだしさ。 しゃべる資格ないから。 えっ? あっ そう? それじゃあ…。」
アキ「ミサンガ!」
一同「え?」
アキ「今 手首さ 一本だけ残ってる ミサンガ見て 思い出したんですけど ミサンガ まだ売ってますか?」
栗原「それも 今年は自粛してんの。」
アキ「なすて?」
栗原「材料費が 意外と バカになんねえの。」
吉田「そもそも ミサンガって 何か こう… チャラチャラした感じでしょ? B’zの稲葉とか。」
栗原「稲葉さんは チャラくねえべ!?」
吉田「いや 例として挙げただけだべ!」
功「もともとはさ ラモスが Jリーグ時代に はやらせたんですよね。」
吉田「やっと しゃべったな 変な声。」
栗原「稲葉さんの事 悪く言ったら なんぼ 亭主でも許さねえがら!」
吉田「おらも B’z好きだって! ♬『愛のままに わがままに』」
長内「吉田! 続きは うちで やれじゃ!」
吉井「すいません。」
アキ「ただ 募金だの 義援金だの集めるより いいと思うんだけどな 復興祈願のミサンガ。 いぐねえ? 勉さん。」
勉「いいと思う! 何しろ 琥珀は順調ですから!」
夏「足立先生。 復興予算は 正しく 市民に 支払われるんだべか?」
功「いや~ どうなんでしょうかね。」
菅原「何か ひと事みてえだな。」
功「ひと事だよ。 もう 議員じゃないからね。 えっ? アハハハッ 言ってなかった? 思うところがありまして 辞職しました。」
一同「じぇじぇじぇ!」
菅原「あっ! よぐ見だら それ 議員バッチでねぐ シジミの殻だ。」
一同「えっ!」
功「アハハッ 二日酔いには シジミ汁が いいって言うから。」
大吉「な… なすて このタイミングで辞めるかな。」
功「もうすぐ 市長選ですから。」
ヒロシ「え?」
功「え~ 来年の北三陸市の市長選に 立候補する事にしました!」
一同「…。」
功「ここで『じぇじぇじぇ!』だろ。」
ヒロシ「親父 本気で言ってんのかよ。」
功「私が市長になった暁には 北鉄の一日も早い 全線開通を目指して 復興計画を立て直します!」
スナック・梨明日
(拍手)
よしえ「この度 主人が 大きな決断をしました。 ホント言うと 体調面で まだ不安もあるんですが 何より いろいろと お騒がせした 足立家ですので…。」
功「おい ヒロシ。 ユイ。 こっち来なさい。」
(拍手)
よしえ「今度は 少しでも 皆さんに 恩返しできたらと思います。」
功「今後とも 足立 功 同様 足立家をよろしくお願い致します。」
(拍手と歓声)
菅原「いいぞ! ついでに 潮騒のメモリーズも 復活してまれ!」
(拍手と歓声)
北三陸駅
ユイ「私は いいや。」
アキ「いいって?」
ユイ「だから もう 表舞台に立つのは いいって意味。」
アキ「ユイちゃん…。」
ユイ「ごめんね。 どうでもいいって意味じゃないよ。 こんな時だし 北三陸のためにっていうか 東北のためにかな。 今 できる事とか やるべき事をやるっていうのは 立派っていうか 当然の事だと思う。 でも ミス北鉄とか 潮騒のメモリーズとか 歌ったり 踊ったり 潜ったり それは 私にとって 今 できる事じゃないし やるべき事でもないからさ。」
<返す言葉もありませんでした。 アキには 想像もつかない体験を ユイちゃんは あの日 したんだ>
回想
大吉「止めろ! ブレーキ ブレーキ!」
無線・吉田『ブレーキ ブレーキ! 止めろ!』。
大吉「ユイちゃん 見ては駄目だ。」
ユイ「もう遅い。」
回想終了
(ドアベル)
よしえ「ねえ ユイ。 マカロニどこ?」
ユイ「棚の左下。 えっ 何で?」
よしえ「お通しのサラダ作るから。」
ユイ「あっ いいよ 私 やる。 ごめんね。 海女カフェが オープンしたら 私も手伝いに行くから。 頑張って。」
アキ「うん。」
<その時のユイちゃんの表情は 諦めたようにも 無理してるいるようにも 見えませんでした>