【 連続テレビ小説「あまちゃん」】13回のネタバレです。
あらすじ
東京に戻るはずだったアキ(能年玲奈)と春子(小泉今日子)が、夏(宮本信子)の家に引き返してきた。24年前、家出すると分かっていながらも引き止めなかった夏を、春子はいまだに許せないでいた。その思いを春子は夏にぶつけるが、勢いでアキと共に北三陸で暮らすと宣言してしまう。大吉(杉本哲太)をはじめ、町の人々は大喜び。アキは親友・ユイ(橋本愛)と同じ北三陸高校に編入し、新たな生活を始めることになる。
13回ネタバレ
駅
アキ「ママ…。」
(発車のベル)
大吉「あれ 春ちゃん!?」
春子「ごめん!」
大吉「アキちゃん! なして!? なして 俺だけ~!? 春ちゃ~ん!」
天野家
アキ「おばあちゃん ただいま!」
夏「えっ? エヘヘヘッ…。早すぎっぺ!」
アキ「ただいま!」
春子「何で来なかったのよ。」
夏「…あ?」
春子「待ってたんですけど。」
夏「何でって… ワカメが岩さ いっぺえ くっついてたから。 誰かに取らるめえに…。」
春子「今日じゃなくて あん時だよ!」
夏「『あん時』?」
春子「待ってたの あん時。 お母さん 追っかけてくるんじゃないかと思って。」
回想
1984年(昭和59年)
大吉「すいません! 申し訳ないです!」
弥生「春子! なすて乗ってんだ!?」
回想終了
春子「どんだけ愛情薄いか 知んないけどさ 18の娘が高校やめて 家出するって言ったら 嘘でも止めるじゃん。 追いかけてくるじゃん!」
夏「ああ あん時か。」
春子「あん時 嘘でも駅まで来てくれて 嘘でも 行ぐなって言ってくれたら 考え直したかもしんないじゃん。」
夏「家出するとは知らねがったもんで。」
春子「はっ! 嘘ばっかり。 寝たふりして 全部聞いてたくせに!」
回想
春子「私… やっぱり 海女やりだぐね。 東京さ行ぎでえ。」
回想終了
春子「あん時 ちゃんと答えてくれてたら こんなに こじれなかったんです! 嘘でも正月とお盆には 嘘でも旦那と孫の顔見せに 嘘でも帰ってこれたんです!」
夏「嘘ついてまで帰ってきてほしくね。 去る者は追わずだ。 おら そうやって生ぎできた。 とうちゃん送り出し 娘を送り出し おら ここさ残る。 それが袖の女だ。」
夏「何すんだ この わらし!」
春子「娘とワカメ どっちが大事よ!?」
夏「ワカメだ! ワカメは食えるが 娘は食えねえ。」
春子「憎ったらしい…。」
夏「何だ? わざわざ文句言いに 帰ってきたのか。」
春子「こっちで暮らすって 決めましたから。 あんたと暮らしますよ ここで!」
アキ「ママ…。」
春子「この子のためじゃないですから。 私のためですから。 悔しいから このままじゃ。 今度 出ていく時は 泣きながら 旗振ってもらいますから。」
夏「春子。」
春子「…何よ?」
夏「何か言う事あんでねえか? 言うなら 今でねえか?」
春子「…ただいま。」
夏「お帰り。」
夏「フッ…。 アッハッハッハッ。」
アキ「ただいま!」
漁協
アキ「ただいま!」
かつ枝「えっ!?」
美寿々「早がったな1」
弥生「早すぎっぺ。」
アキ「何か ママが急に 東京行がねえって こっちで暮らすって 言いだしたんだ!」
安部「春ちゃんが!?」
かつ枝「まあ 何だか よく分かんねえけど いがったな!」
アキ「うん! アハハハッ。」
天野家
大吉「春ちゃん。 春ちゃん。 春ちゃ~ん! 荷物だけ 宮古さ行って 帰ってきたど…。」
夏「や~がましいなあ。 灯台の方さ行った。 ああ! 今 ナーバスになってっから そっとしとけ。」
大吉「ナ… ナーバス?」
夏「ニヤニヤして…。」
大吉「いや だって こっちで暮らすんだべ?」
夏「娘のためでなく 自分のためだってよ。」
大吉「春ちゃん…。」
灯台
春子「そんなに いいもんじゃないよ…。」
道中
ユイ「そっか…。」
アキ「そうなの。 こっちで暮らす事になったの。」
ユイ「じゃあ 東京 遊びに行けなくなっちゃったね。」
アキ「あっ そっか。 ごめん。」
ユイ「ううん 平気。 ユイの方が アキちゃんより 東京の事 詳しいみたいだし。」
アキ「ごめん。 フフフッ。 あっ そうだ! これ。 お兄ちゃんさ返してけろ。」
ユイ「何これ?」
アキ「西新宿のカレー屋のサービス券。 もらったんだけど使わないから。」
ユイ「お兄ちゃんが? アキちゃんに?」
アキ「んだ。」
回想
ヒロシ「これ 西新宿の カレー屋のサービス券。 あと1枚あれば カレー1杯 タダで食えっから。」
回想終了
ユイ「何で?」
アキ「分がんねえ。」
ユイ「アハハハ…。 でも いいの? 学校の友達とか。」
アキ「いないから 平気。」
ユイ「えっ?」
アキ「友達も彼氏も 好きな人もいない。 悩みを打ち明ける 相手もいない。 こう見えで 東京だと 全然キャラ違うんだ。」
ユイ「私も そうだよ。」
アキ「え?」
ユイ「仲いい子は いるけど… 友達じゃないっていうか。 みんな そうなんじゃない?」
アキ「そっか…。 そんなもんか。」
ユイ「そんなもんだよ。」
アキ「じゃあ この町好き?」
ユイ「好きとか嫌いとか 考えた事ない。 海も自然も いいなって思った事はあるけど あんまり見ないようにしてる。 卒業するまでだからね。」
アキ「ふ~ん…。」
ユイ「ねえ 高校どうするの?」
アキ「あっ まだ 考えてないけど…。」
ユイ「ホント!? 北高にしなよ! ユイの高校。 一緒に通えるし…。 ねっ? そうしよ。」
アキ「うん。」
北鉄
<9月になって アキは北三陸高に 転入手続きをしました>
(発車のベル)
ユイ「似合うじゃん。」
アキ「え~ そうがなあ?」
ユイ「自転車は?」
アキ「大吉っつぁんが買ってくれたんだ。」
<高校は北鉄の終点から 更に 5kmほど離れているので 生徒の多くは 駅に自転車を止めています>
北三陸駅
アキ「おはよう!」
大吉「お~ 来たか アキちゃん。 ほれ 新車だど。 盗まれねえように ちゃんと鍵掛けろ。」
アキ「ありがとうね!」
大吉「うん。」
道中
アキ「あ~!」
ユイ「アハハッ 大丈夫?」
アキ「やばい!」
ユイ「アキちゃん ファイト!」
アキ「あっ 見えた。」
ユイ「ホント?」
アキ「あれ?」
ユイ「そう!」
北三陸高校
担任「え~ 東京から越してきた 転校生の 天野…。 あれ?」
アキ「あっ お母さん 天野って言ってました? じゃあ 天野にすっぺ。」
担任「すっぺって… ホントは どっちなの?」
アキ「どっちでもいいんだ。」
担任「いやいやいや いぐねえべ。」
アキ「アキちゃんって呼んでけろ。 よろしぐ。」
<もちろん 喜んでいる 人間ばかりではありません>
タクシー
黒川「そうか…。 それは よかった。 アキが元気なのは いい事だ。 うん。 アキのためには…。」
喫茶・リアス
春子「だから アキのためじゃくて 私のためなんです。」
<春子には 引き続き 店を手伝ってもらう事にしました>
春子「何で分かんないかな…。 手紙ちゃんと読んだ?」
黒川「読んだよ。 持ち歩いて 何度も読んでる。」
春子「だから 要するに そういう事よ。 今 私にとって 母親と向き合う時間が大切なの。 24年間 普通の親子とは 明らかに時間の流れ方が 違う訳でしょ? まあ 幸いさ 母も年取って まるくなったし。 今更なんだけどさ さんざん 親不孝してきたらね。」
黒川「お母さんに対する君の思いは 十分に伝わったよ。 でもね…。 僕の事が書いてないんだよ。」
春子「え?」
黒川「離婚の理由を 手紙に書いたって言ったよね。 なのに 名前すら書いてない。」
春子「書いてない?」
黒川「正宗の正も宗も書いてないよ。」
春子「ああ… 宗っていう字が 難しいからじゃない?」
黒川「全然簡単!」
春子「さとう宗幸の宗だもんね。」
黒川「覚えててくれて うれしいよ…。」
春子「…っていうか そのさ まず 家族の事を 第一に考えるっていうのを やめてみようか。」
黒川「じゃあ 僕は 何を第一に考えたらいいのかな?」
春子「安全運転とかさ。」
黒川「考えるよ。 ほかには?」
大吉「再婚とか?」
黒川「えっ 再婚?」
大吉「再婚しろ 再婚。 なんぼ待っても 春ちゃんは帰んねえ。 さっさと再婚相手見つけろじゃ!」
(携帯が切れた音)
大吉「いや~ 実に気持ちがいい。 ローカル線が モータリゼーションに勝利した 歴史的事件だべ。」
春子「電車乗ってるからって 大吉さん選んだ訳じゃないし。 えっ? いやいや… そもそも選んでないからね! 勘違いしないで 今…。」
大吉「もう手遅れだべ。」
春子「えっ?」
(ドアベル)
春子「いらっしゃいませ~!」
大吉「あっ 足立先生んとこの足立…。」
ヒロシ「ヒロシです…。 東京行かなかったんですって?」
春子「うん。 ちょっと気が変わったの。」
ヒロシ「アキちゃんは?」
春子「浜じゃないかな? 最近 放課後は おばあちゃんに ベッタリだから。」
ヒロシ「何だ…。 じゃあ 監視小屋のバイト 辞めるんじゃなかった。」
春子「辞めたの?」
ヒロシ「はい。 暇すぎて…。」
春子「で? 辞めて 今 何してんの?」
ヒロシ「すげえ 暇です。」
<とにかく 母 春子の決断のおかげで アキが この町に残る事が できました。 しかも 今度は無期限。 大好きな海で 大好きな海女さんたちと 好きなだけ泳いで 潜っていいんです>
アキ「よ~し! 今日こそ ウニ取るぞ!」
<長く潜れるようになったものの アキは まだ ウニを取る事ができません。 一番近づいて この距離です>
回想
夏「ウニだと思うから 取れねえんだ。 これからは 銭だと思え。」
回想終了
<ウニが銭だとしたら アキは まだ 1円も稼いでない事になります>
<アキは早くも 新たな壁に ぶつかっていました>