【 連続テレビ小説「あまちゃん」】141回のネタバレです。
あらすじ
突然、鈴鹿(薬師丸ひろ子)と太巻(古田新太)が、結婚を発表。春子(小泉今日子)と正宗(尾美としのり)は、驚きつつも祝福する。一方、北三陸には、種市(福士蒼汰)と安部(片桐はいり)が帰って来た。アキ(能年玲奈)は「海女カフェ」再建への思いをあらたにする。
141回ネタバレ
無頼鮨
梅頭「いいな それ。」
種市「え? ああ 天野が送ってきたんです。」
梅頭「ふ~ん。」
種市「あっ 要ります?」
梅頭「くれんの?」
種市「あの ちょっと いいですか?」
種市「よし!」
梅頭「ありがとう。」
種市「500円です。」
梅頭「え?」
種市「復興祈願なんで。」
梅頭「そっか。」
種市「ありがとうございます!」
(引き戸が開く音)
鈴鹿「こんばんは。」
種市「いらっしゃいませ!」
梅頭「いらっしゃい!」
鈴鹿「奥 よろしいかしら?」
種市「ああ どうぞ! いらっしゃいませ どうぞ。 よし…。」
鈴鹿「ありがとう。」
種市「お買い上げ ありがとうございます。」
鈴鹿「はいはい。 はい!」
種市「ありがとうございます。 ありがとうございます。」
鈴鹿「ありがとう。」
水口「じゃあ 明日 撮るシーンを 順番にいきますね。」
<7月に入り 我が スリーJプロダクションの看板女優 鈴鹿ひろ美も 本格的に仕事を再開しました>
水口『先生 3年間 どうも ありがとう』。
鈴鹿『みんなも 卒業おめでとう。 この学びやは 今年で無くなっちゃうけど 思い出は消えないからね。 さあ 好きな事を書いていいわよ』。
水口『やった!』。
鈴鹿「それから 先生 ずっと 言いだせなかった事が あるんです。」
水口「え?」
鈴鹿「そろそろ 身を固めようと思います。」
水口「あれ?」
鈴鹿「来月 結婚を 発表する事にしましたので 記者会見のセッティングをして下さい。」
水口「あれ? 何ページですか?」
北三陸駅
アキ「じぇじぇ! 水口さん 結婚するんですか?」
純喫茶・アイドル
水口「俺じゃないよ 鈴鹿さん。」
北三陸駅
アキ「ああ…。 じぇじぇじぇじぇじぇ!」
純喫茶・アイドル
水口「じぇ 5つか 妥当な数だと思う。 春子さんも 相当 驚いてるし マスター ショックで寝込んじゃうし。 今 俺が店番してる。」
北三陸駅
アキ「でも 確か 鈴鹿さんって 太巻さんと…。」
純喫茶・アイドル
水口「つきあってたっていうか 別れてなかったみたい。」
北三陸駅
アキ「じぇじぇ~。」
純喫茶・アイドル
黒川「噂は ホントだったんですね。 お二人が ご夫婦だったという…。」
水口「始まったから切るね。」
荒巻「内縁 内縁 内縁ですけどね。」
鈴鹿「役所に届きは出してなかったの。」
春子「いつから?」
鈴鹿「エヘヘヘッ いつからにする?」
春子「『いつからにする?』じゃなくて 事実を話して下さい。」
鈴鹿「でも 社長 女優として イメージがありますから。 春子 それは 私が考えますから まずは 本当の話を。」
荒巻「彼女とは事務所を立ち上げた時 つまり 君が 僕に愛蒼を尽かして 田舎に帰ると言った日。」
黒川「僕が引き止めた時だ…。」
春子「平成元年?」
荒巻「平成元年 平成元年。」
鈴鹿「覚えやすいんです。」
荒巻「携帯電話が バカでかかったよね。」
<会話が途切れたので 平成元年にヒット曲を お楽しみください>
回想
♬『あなたの胸に狂いながら こわれてしまいたくなる』
♬『ダイアモンドだね Ah(Ah) いくつかの場面』
♬『走る走る俺たち 流れる汗も そのままに』
回想終了
鈴鹿「これまでも何度か 話す機会は あったんです。 ちゃんとしようっていうか 式を挙げて ブーケもトスして 新婚旅行も行って…。」
荒巻「やるからには大きく スポーツ新聞の 1面も飾りたいですし 式も生中継したですし 司会は 徳光さんに 面白くやって頂きたいし ブーケも KABA.ちゃんに 面白く キャッチして頂きたいし ハワイもね 行くなら 改変期に特番絡めてと…。」
鈴鹿「根っからのプロデューサーなの。」
荒巻「このまま ズルズル引き延ばしても 駄目だと思って 10年ほど前にね 会場を押さえたんですが その日 たまたま他局で アントニオ猪木が 上空3,000mから スカイダイビングをするという事で…。」
甲斐「国立競技場え 見たよ テレビで。」
水口「マスター。」
甲斐「ごめん もう大丈夫。」
荒巻「よりにもよって アントニオ猪木の晴れの舞台の日に かぶってしまうのって…。」
春子「それが どうして このタイミングで?」
鈴鹿「やはり 震災の影響ですよね。」
春子「何でもかんでも…。」
鈴鹿「え?」
春子「ううん 続けて。」
鈴鹿「あのように未曾有の災害を経て 当たり前に 昨日と同じ明日が 來る訳じゃないって 私も彼も考えて 被災地を回って できる限りの事をして ふと 我に返って 残りの人生を想像した時に… 何だろ? フフフフフッ。 そばに いてほしいなって 思ったんです。」
荒巻「お互い 自然に そう思えたんです。」
黒川「震災婚ですね。 はやってるみたいですよ 今。 震災婚とか絆婚とか いうんですって。」
荒巻「何か やだな。」
鈴鹿「え!?」
荒巻「いや しますよ。 震災婚上等。 こうなったら 派手にとは いきませんけども 男として けじめをつけます。」
鈴鹿「どうかしら? 社長。」
春子「どうって 私に聞かれても…。」
鈴鹿「でも さっき『何でもかんでも』って おっしゃったから。」
春子「あっ ごめんなさい。」
黒川「僕は すてきだと思います。」
春子「え?」
黒川「きっかけは 何でもいいんです。 ずっと そばにいて見守ってきた 一番の理解者と 20年越しに結ばれるなんて すてきだと思います。」
水口「あれ 自分を重ね合わせてますよね。」
黒川「女優として アイドルとしてのイメージを 優先して 独身を貫き そんな鈴鹿さんを 太巻さんは 陰ながら サポートして…。 ホント 長い間 御苦労さまでした!(泣き声)」
水口「あ~ 泣いちゃった。」
甲斐「一番関係ないのにね。」
黒川「(泣き声)」
春子「私は よく分からない。」
鈴鹿「分からない?」
春子「はい。 鈴鹿さんのせいで 私は歌手の道を諦めて 結婚して 家庭に入ったんですから。」
荒巻「それは…。」
春子「それは 事実なんです。 もう気にしてませんけど。 だから 鈴鹿さんが捨てた方の人生を 代わりに 歩んできたような。 妻として 母として 家族がいた事で 保っていたんだな 私はって 今 改めて そう感じて びっくりしてます。」
黒川「春子さん…。」
春子「結婚とか おめでたいって 一度も思った事ないけど でも 今 おめでとうって 言いそうな自分に びっくりしてます。」
鈴鹿「私が 歌が下手じゃなかったら?」
春子「いやいや… そうじゃない。 むしろ 音痴だったから 彼と知り合えて アキが生まれたんです! 音痴様々です!」
鈴鹿「フフフッ そうよね。 私が 女優一筋で やってる間に アイドルから 母親になり スナックのママを経て 今や 社長だもの。 あなたの方が目まぐるしいわよね。」
春子「そうですよね。 おめでとうございます。」
鈴鹿「ひどい!『音痴様々』って… あんまりよ。」
春子「ごめんなさい。」
鈴鹿「ウフフッ いいの。」
<音痴発言の是非は ともかく 2人の結婚は明るいニュースとして それなりに 世間を騒がせしましました>
無頼鮨
テレビ・アナウンサー『岩手県大船渡市では 震災後 初めてとなる定置網漁が 今朝 行われ サケや サバなどが水揚げされ…』。
梅頭「種! 手が止まってるぞ。」
種市「あ… すいません。」
梅頭「気になるのか?」
種市「すいません。」
浜
アキ「こんにちは~。」
「こんにちは。」
<そして 8月に入った ある日>
アキ「じぇじぇじぇ!」
袖が浜漁協 仮事務所
アキ「ねえねえ 安部ちゃんの車あったよ!」
(笑い声)
安部「アキちゃん ただいま。」
アキ「なして… 安部ちゃん なして?」
かつ枝「アキの事が心配で お盆まで待てなかったんだと。」
安部「違う違う。 3年頑張って 当初の目標も達成できたし。」
花巻「100万食 売り切ったんだと。」
アキ「じぇじぇじぇじぇ!」
安部「そばと うどんも入れてな! 安部小百合 晴れて まめぶ大使 卒業です。」
長内「お疲れさま!」
弥生「よくやった!」
長内「よく頑張ったな 安部ちゃん!」
アキ「すげえな 安部ちゃん かっけえよ。」
安部「やめてよ 恥ずかしい。」
アキ「おら 誇りに思うど。 安部ちゃんが おらの落ち武者だったなんて。」
安部「影武者ね 影武者。 落ち武者なんか やってないから。」
長内「どってでもいいべ。」
安部「いぐないよ。 もう二十歳になるのに 影武者と落ち武者の違いも 分からないなんて そんなの恥ずかしいよ。」
アキ「ごめん…。」
安部「流されちゃったんだね 海女カフェ。」
美寿々「そうか 3年前は まだ ねがったもんなあ。」
弥生「何だか 遠い昔みたいな気 するな。」
安部「見たかったなあ…。 アキちゃんの つくった海女カフェ。」
アキ「見れるべ。 おらが もう一回 海女カフェつくる! そこで 安部ちゃんに まめぶ作ってもらう。 花巻さんと2人で お代わり自由の まめぶバー やってもらう。 こき使ってやる!」
(笑い声)
安部「頼もしいこと!」
浜
<アキは 決意を新たにしました。 安部ちゃん ユイちゃん 夏ばっぱ 町の みんなが 笑顔になれるように ここに もう一度 海女カフェをつくるんだ。 そのためには 客を呼ばなくては。 すっかり ウニが減ってしまった 袖が浜の海を どうにか 元に戻さなくては>
アキ「やるど~!」
「頑張ってね~!」
<お盆を待たずに 北三陸を訪れた者が もう一人いました>
北三陸駅
(ドアベル)
ユイ「すいません どいて下さい。 あ~ 重い。 どっこいしょ。」
種市「ユイ。 ただいま。」
ユイ「お帰り。」