ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」142回「おら、やっぱりこの海が好きだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】142回のネタバレです。

あらすじ

種市(福士蒼汰)との再会を喜ぶアキ(能年玲奈)。一方、袖が浜の海底調査の結果、ウニの捕獲を自粛する必要に迫られる。しかし、夏(宮本信子)の掛け声で、海中の瓦礫(がれき)の撤去やウニの放流を急ピッチで行い、海女漁の復活を目指すことに。

142回ネタバレ

北三陸駅

種市「ユイ… ただいま。」

ユイ「お帰り。」

道中

アキ「先輩~!」

<種市君が 北三陸に帰ってきました>

アキ「先輩~!」

北三陸駅

アキ「先輩! 先輩! しぇんぱいは?」

吉田「イデ! しぇ? しぇ?」

アキ「種市先輩! どこ? どこどこ?」

吉田「あの そこ!」

アキ「いた~!」

種市「お!」

喫茶・リアス

アキ「なすて? なすて先輩? お盆に帰ってくるって 言ってたのに。」

種市「震災以降 ずっときになってて。」

吉田「何がですか?」

種市「『何が』って 北三陸の事が。」

吉田「いやいや お構いねぐ。」

ユイ「本当は アキちゃんが 気になってでしょ?」

アキ「いやいや お構いねぐ。」

種市「もちろん天野も ユイも。 だけど 海どか 天野のつくった 海女カフェが流されたどか そっちも気になって。」

アキ「梅さん よく許してくれたね。」

ユイ「『梅さん』?」

アキ「すし屋の大将だ。 顔怖(こえ)えけど優しいんだ。」

吉田「ホントに お二人は つきあってるんですか?」

種市「え?」

菅原「つきあってるなら つきあってるで 誰が見でも分かるように ペアルック着るとか 1つのジュースさ 2本のストロー挿して 飲むとかして下さい。」

吉田「フリーのイケメンが歩いてると 青年部に 戦慄が走るんで。 な 足立君。」

ヒロシ「そうすね。」

ユイ「あれ? お兄ちゃんって 昔は イケメン枠じゃなかった?」

ヒロシ「うるせえな。」

ユイ「降りたの? イケメン枠から降りたって事で いいの? 脱落?」

ヒロシ「うるせえよ 元ヤンのくせに!」

種市「お兄さん それは言い過ぎです。」

ユイ「元イケメンに言われたくない!」

種市「ユイも お兄さんに失礼だべ。」

ヒロシ「お前のお兄さんじゃねえよ!」

種市「自分(ずぶん) ユイの元彼だがら。」

吉田「つう事は 元お兄さんですね。」

勉「アキちゃん どうした?」

アキ「何だか 怖ぐなってきた。」

種市「何が?」

アキ「おらの大好きな北三陸に 安部ちゃんが帰ってきて 種市先輩が帰ってきて ユイちゃんと ストーブさんが兄妹げんかしてで。 もうこれ以上の幸せなんか ねえんじゃねえかって。 うばっ。」

吉田「そんな事で 泣かねえでよ アキちゃん。」

ユイ「兄妹げんかぐらい アキちゃんのためなら 毎日だってやるよ。」

ヒロシ「それは さすがに勘弁だけど。 もっと楽しい事 たくさんあるって。 今より 悪くなる事ないって。 あ… すいません。」

勉「今より 悪ぐなる事はないか。」

菅原「うん 確かに。 震災からこっち 景気も最悪だしな。」

吉田「はあ~ ため息は ピラフの匂い。」

種市「自分そろそろ。」

ヒロシ「おい!」

アキ「どこ行ぐの?」

種市「あ 学校さ。 いっそんに顔見せるべど思って。」

菅原「ああ 磯野先生だば 午後 観光協会さ来るよ。」

観光協会

磯野「え~ 以上が3か月に及ぶ 海底調査による 三陸海岸の被害報告 および 水質調査の結果です。」

夏「要するに おらたちが これ以上潜っても それは 意味がねえって事だな?」

アキ「じぇ?」

かつ枝「いやいや それどころか もう 潜らねえでけろって話だ。」

長内「いや そこまでは 言ってねえべ。 なあ 磯野先生。」

磯野「はい。 しかし 海底のがれきが 危険な上に ウニの餌になる ワカメや昆布の上に 堆積している現状では ウニの繁殖は 望めないのは事実です。」

アキ「あのいっそんが 真面目にしゃべってる。」

種市「うん 別人みでえだ。」

磯野「そご 静かに!」

<では ウニの繁殖に関する 基礎知識と 震災による影響を 北三陸高校潜水土木科の 磯野心平教諭に 説明して頂きましょう>

磯野「おす!」

磯野『ウニは 海の中で産卵します。 孵化した受精卵は 海中を漂う 植物プランクトンを食べながら 稚ウニと呼ばれる大きさに 成長し 更に大きくなると 昆布やワカメなど 海藻食べ 3~4年で 5㎝を超える親ウニへと 成長するのです。』

磯野『しかし 3月11日の津波によって 多くの親ウニが 陸に打ち上げられたり 沖に流されるなどして 失われました。 このまま 数の少ないウニを 取り続けると 秋の産卵期に 親ウニがいなくなり 繁殖も ストップしてしまいます』

かつ枝「そんな事 分かってんだよ!」

磯野「す すんません!」

かつ枝「んでも ここで実演やめたら 明治から続いた 海女漁の伝統も ストップしてしまうべ!」

花巻「んだ。 ウニど海女どの 闘いだ。」

美寿々「ウニが育つまで 3~4年 ほかの魚介類で つなげればいいんだけど。」

種市「よその海から 親ウニ もらって 放流する事は できねえですか?」

磯野「ほ! 何だ この野郎! 種市でねえか!」

大吉「あらら 元南部ダイバー!」

種市「御無沙汰してます。 産卵中のウニを 被害の少ない地域から 買い付けて 放流する事は できねえですか?」

長内「お なるほど! 八戸の漁協に コネがあっから 聞いてみっか?」

かつ枝「でも 都合よく卵産むかなあ。」

磯野「その前に がれきを撤去して 海藻を育てる活動しなければ そもそも ウニの餌が。」

かつ枝「そんな事 分かってるんだってよ!」

磯野「わ… 私の事 嫌いですか?」

かつ枝「ウニは銭だ! 同情するなら ウニ取らせろだ!」

(拍手)

美寿々「いいぞ!」

夏「その がれきの撤去は 何月まで かかんだ?」

磯野「う~ん! 年内には なんとか。」

夏「今月中にやれ!」

磯野「じぇじぇじぇ!」

夏「海女クラブは お盆まで休業する。 遠慮ねぐ 徹底的にやれ! そのかわり お盆すぎたら 遠慮なく 潜らせてもらうぞ。」

菅原「いや 夏さん それは いくら何でも 無理あるんでねえか。」

大吉「んだ んだ! 北鉄の復旧の めども立ってねえのに。」

長内「それなりに 危険を伴う作業だし。」

夏「そんな事は みんな分かってらよ。 だがらこそ ここで 本気出さねばどうする! いつまでたっても 被災地だぞ! それでいいのか? いぐねえべ! よろしぐ 頼むど。」

夏♬『星よりひさかに』

♬『雨よりやさしく』

種市「相変わらず かっけえな! 天野のばあちゃん。」

アキ「んだな。」

磯野「種市 おめえ しばらく いるのか?」

種市「はい お盆まで。」

磯野「そんなら手伝え。 県外からダイバー来てるが 人手が足りねえ。 OBにも 片っ端から声かけるべ。」

長内「え? やるのか? 今月いっぱいで。」

磯野「あそこまで言われて 男が動かねえなんて嘘でしょ!」

アキ「いっそんも かっけえ!」

磯野「初かっけえ 頂きました! よし! カップかぶれば 魚の仲間だ! 今月中に 震災前の海に 戻すつもりで頑張るべ。」

大吉「いつまでも 被災地じゃ いられねえすけな!」

長内「よし! おらも 他県の漁協さ 声かけて ウニの繁殖 やってみっぺ!」

磯野「天野! 種市! 景気づけに『南部ダイバー』歌うか!」

2人「はい!」

磯野「よいしょ!」

<夏さんの言葉が 青年部の心に火を付けました。 ウニが育つ環境づくりのための がれき撤去や 防波堤の 土台造りが行われ>

♬『白い鴎か 波しぶき 若い血潮が 踊るのさ カップかぶれば 魚の仲間』

<漁協が仕入れた 親ウニの放流も始まりました。 海女クラブの皆さんも 遊んでいる訳には いきません。 県外から仕入れたウニで ウニ丼の出荷を増やし>

天野家
作業場

♬『ウニは銭銭 ウニは銭 いつでも夢を』

北鉄

アキ「夏ばっぱの ウニ丼です!」

<それを アキが車内販売して>

アキ「北の海女の皆さんが 真心込めて 丹念に作りました! 今日は 44食! 復興祈願のウニ丼で~す! いかがですか~!」

ヒビキ「押すなよ! 何だよ お前ら! こちとら 震災前から何年も前から 追っかけてんだよ! 年季が違うんだぞ! おい!」

<その様子を 観光協会のウェブ担当が撮影し>

そでがはま駅

ヒビキ「アキちゃん 最高の目線ちょうだい! あ 駅長さん アキちゃん!」

<ホームページに 随時アップすると>

観光協会

動画・アキ『はい 帰ってきた 海女のアキちゃんです! 今日も 44食売り切りました! じぇじぇじぇ! 来週は レールウォーク北鉄と題して 袖が浜の駅から 宮古方面さ 線路の上を歩きます』。

そでがはま駅

大吉「あの~ 本日は皆さん こんなに たくさん お集まり頂き 本当に ありがとうございます。 あの 本当に 本当に 本当に!」

アキ「出発!」

一同「進行~!」

<さすが春まで 現役アイドルだっただけあって 面白いように オタクさんたちが釣れました>

吉田「それでは 皆さん お取りください。」

大吉「好きな事を書いて下さい。」

(シャッター音)

大吉「アキちゃんと 記念撮影お願いします!」

ヒビキ「どけよ! そこに立ったら 写っちゃうだろ!」

吉田「じゃ 撮ってもらおうか? じゃ 撮って下さい。」

「お願いします。」

「僕もお願いします!」

アキ「はい まめぶ~!」

(シャッター音)

スナック・梨明日

吉田「今週の 復興祈願列車の乗客! はい! 1133人!」

一同「よっ!」

(クラッカーの音と拍手)

菅原「全盛期には 遠く及ばないけれども 大したもんだな。」

大吉「いや 1,000人の大台に 乗っただけでも立派なもんだ。」

吉田「これで ミス北鉄が乗ってくれたらなあ。」

ユイ「だから無理だよ 私はそういうの。」

吉田「ヒビキさんからも 何か言って下さいよ。」

ヒビキ「場末のスナックで働く少女が 実は アイドルの卵だった。 それを知りつつ あえて 声をかけず 遠くから眺めるという 今の状況 個人的には 嫌いじゃないですね。」

吉田「黙ってて下さいよ! ていうか 帰って下さいよ。」

ユイ「私も 今の自分嫌いじゃないよ。」

吉田「ええ?」

ユイ「アキちゃんのおかげで 田舎のよさにも気付いたし チヤホヤされなくたなった代わりに 陰口たたく人も いなくなって みんな優しく 見守ってくれるから。 うん 満足してるよ。」

吉田「え? いやいや いやいや。」

<そんな事 言われたら 何も言えない。 ユイの決意は固い。 アキは 途方に暮れました>

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