ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」143回「おら、やっぱりこの海が好きだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】143回のネタバレです。

あらすじ

「潮騒のメモリーズ」を主人公にした番組が、復興企画としてもちあがる。だが、ユイ(橋本愛)はアキ(能年玲奈)の誘いを断る。ユイは、震災のときに北鉄の車両に閉じ込められ、念願の東京行きもかなわず、大きなダメージを負っていた。

143回ネタバレ

磯野「おう 気ぃ付けてな。」

種市「はい。」

<青年部による 海中作業が集中的に行われ ウニに放流も始まり 北三陸は 再生へ向かって 一歩を踏み出しました>

スナック・梨明日

大吉「アキちゃん 春ちゃんさ電話つないでけろ。」

ヒロシ「まずいですよ こんな時間に。」

大吉「うるせえ。 ウーロンハイ 焼酎抜き。 今でねえと 駄目なんだ。 ちゃんと お礼 言わねえど。」

アキ「お礼?」

大吉「んだ。 アキちゃんの事 気持ちよく 送り出してくれて ありがとうって… ユイちゃんもだ。 道 踏み外した時も 手 差し伸べてくれたのは 春ちゃんだもんな。」

種市「そうなのか?」

大吉「結局 春ちゃんは いるんだよ 北三陸に。 今は いねえけど 間違いねぐ いるんだ。」

アキ「あっ ママ 寝てた?」

黒川家

春子「寝てたわよ。 何時だと思ってんの? …っていうかさ どんだけ楽しいか 知んないけどさ 電話ぐらいしなさいよ! …で 何?」

スナック・梨明日

アキ「大吉っつぁんが お礼言いたいって ママに。 大吉っつぁん ママだよ!」

ヒロシ「大吉さん!?」

大吉「(いびき)」

アキ「ごめん 寝ちゃった。」

黒川家

春子「はあ!?」

スナック・梨明日

種市「寝てる。」

アキ「また電話する。 うん 必ず する。 あれ?」

ユイ「お兄ちゃん タクシー来たよ。 帰ろう。」

ヒロシ「じぇ! えっ 一緒に?」

ユイ「帰ろうよ お金もったいないじゃん。」

ヒロシ「いや でも… なあ?」

ユイ「…気ぃ遣えよ。」

種市「え?」

ヒロシ「あっ ああ…。 じゃ お先に。」

<寝てる人 琥珀の人を除くと 恋人同士 2人きり…>」

大吉「(いびき)」

北三陸駅

種市「懐かしいな…。」

アキ「ここさ座って 資格試験の勉強 教えてもらったよね。」

種市「ああ 天野も 一応 潜水士なんだよな。」

アキ「はい。 先輩も 久しぶりに潜ったべ。 どうだった?」

種市「うん。 やっぱ 三陸の海は いいなと思った。 もちろん 今は がれきだの ヘドロだのがあって きれいな海じゃねえけど 命の源っつうか 人類も動物なんだなっつうか… うまく言えねえけど 基本なんだなって思う。 今回 地震のあとで さすがに みんな 落ち込んでんじゃねえかと 思ったけど みんな楽しそうに笑ってる。 真ん中に 天野がいるからだ。」

アキ「やめてけろ 小っ恥ずかしい。」

種市「いや 本当だ。 東京でも こっちでも 天野の周りには いっつも大勢 人がいる。 みんな楽しそうに笑ってる。 そこが ユイとは違う。」

アキ「ユイちゃんと?」

種市「うん。 ユイは こっちが ユイの笑顔を見たくなるけど 天野は こっちが先に笑っちまう。 だから 2人がそろうと 最強っつうか 無限っつうか… お互いが お互いのアイドルっつうか 何か いい例えが ある気がすんだけど出てこねえ。」

アキ「ビールに枝豆みでえな?」

種市「いや あの もっと いい感じの…。」

勉「月と太陽でねえの?」

アキ 種市「…。」

勉「あっ カラオケ歌いま~す。」

アキ「えっ?」

種市「月と太陽か…。 そうかもしんねえ。 月を照らすために太陽があって 太陽に照らされるために 月があるもんな。」

アキ「先輩…。」

天野家

ユイ「なんだよ せっかく 気ぃ利かせたのに 何もなかったの?」

アキ「うん。 でも いろいろ話したよ。」

ユイ「話しただけ?」

アキ「うん…。 でも いい事 言ってたよ。 月と太陽とか…。」

ユイ「だから それは 勉さんが言ったんでしょ!?」

アキ「うん…。」

ユイ「…で いつまで いるんだっけ? 種市先輩。」

アキ「あ… お盆辺りまでどが言ってた。」

ユイ「辺りまでって…。」

かつ枝「あ~あ 早ぐ潜りでえな。」

弥生「お盆までの辛抱だ。」

ユイ「ざっくりしてんな! あのね アキちゃん ごめんね おせっかいかもしれないけどね もっと 自分勝手で いいと思うんだ。」

アキ「おら 割と 勝手な方だけど…。」

ユイ「こんな田舎で遠慮してたら あっという間に こうなっちゃうよ。 なりたいの!?」

一同「…。」

ユイ「失礼しました!」

アキ「大丈夫だ! 先輩 こっちさ帰ってきて 店 出すって言ってたし。」

ユイ「私の事 甘く見ないでよ。」

アキ「え?」

ユイ「アイドルは諦めたけど 女としては むしろ これからだと思ってるから。 アキちゃんの彼氏だから 今 スイッチ切ってるだけだからね。 すぐ入るからね スイッチ!」

アキ「…。」

ユイ「失礼しました~。」

<『怖(こえ)え~』。 アキは軽い戦慄を覚えました。 自分が かわいい事を知ってて 実際 かわいい女子には そんな恐ろしいスイッチが 内臓されているのか>

種市「自分(ずぶん) 今日やれて よかったですよ。」

磯野「いや 俺も うれしかった。 ホントに。」

<『考えないようにしてたけど ユイちゃんと先輩は つきあってた。 それは紛れもねえ事実だ』>

回想

種市「自分 ユイが好きなんだ。 つうか もう つきあってる! 正式に つきあってる! バリつきあってる! 遠距離恋愛だ! つきあってる! 正式い つきあってる! バリつきあってる! 遠距離恋愛バリバリだ!」

回想終了

アキ「うわ~っ!」

種市「天野?」

磯野「天野 どうしたの!? 天野~! 待て 飛ぶな~!」

アキ「うわ~っ!」

磯野「おいおい 早まるな天野!」

アキ「やんだ~!」

磯野「ア~マ~ゾ~ン!」

<磯野先生が『アマゾン!』と叫びながら 海へ飛び込んだ ちょうど そのころ… 観光協会に 懐かしい男が やって来ました。 岩手こっちゃこいテレビのディレクター 薄い色眼鏡の池田さんです>

観光協会

池田「もう 帰ってきてるなら 来てるって教えて下さいよ。 水くさいなあ…。」

菅原「アハハ…。 アキちゃん 今 プレハブだよね。」

ヒロシ「ええ。」

池田「プレハブ?」

ヒロシ「袖が浜に 仮説の漁協がありまして そこに。」

池田「カメラ 回していいですか?」

袖が浜漁協 仮事務所

種市「天野 心配しなくても 自分 どこさも行がねえ。」

アキ「先輩…。」

種市「がれき撤去が終わるまでは ここさ残るつもりだ。」

磯野「いいのか? 種市。」

種市「海さ潜ってみて 改めて実感しました。 自分が思っている以上に 復興は困難であると。 それと同時に 自分の中で 南部もぐりの血が騒ぎました。」

磯野「種市…。」

種市「だから 精いっぱい働きます。 今やれる事やります。」

磯野「種市…。 聞いたか!? アマゾン!」

アキ「はいっ!」

磯野「おめえの彼氏は男の中の男! 南部ダイバーだ! せ~の!」

♬『白い鴎か 波しぶき』

回想

ユイ「すぐ入るからね スイッチ! すぐ入るからね スイッチ!」

回想終了

アキ「駄目 駄目! 早ぐ 東京さ帰って! 近距離は駄目なんです。 遠距離で なるべく遠くさ行って!」

種市「天野…。」

アキ「ストーブさん じぇじぇ。 岩手なんちゃらテレビの…。」

池田「覚えててくれて光栄です。 こっちゃこいテレビの池田です。 早速 カメラ 回します。」

アキ「な… 何ですか?」

ヒロシ「復興ドキュメンタリーを 制作してるんだって。」

池田「応援してましたよ みんな アキちゃんの事。『潮騒のメロディー』? 残念だったねえ。 ヒット間違いなしだったのに 自粛になっちゃって。」

アキ「はあ…。」

池田「ユイちゃんも結局 人気に火が付かなくて 今じゃ スナックのママでしょ? 惜しい事したなあ…。」

ヒロシ「これ 企画書。」

北三陸駅

ユイ「な… 何ですか?」

袖が浜漁協 仮事務所

池田「地元の復興のために頑張る 君の姿に密着して その姿を通じて 震災の教訓を 日本中に発信するべきだと 思うんだ。」

アキ「おら 一人ですか?」

池田「いや できれば ユイちゃんも…。 君から言ってもらえば やる気になってくれるかなって。」

池田「2人の頑張る姿を見たら きっと 全国のファンから 励ましの声が届くと思うんだよ。」

アキ「お構いねぐ。」

池田「お… おかま?」

アキ「励まして頂かなくても 自分たちで なんとかするし やってるし だから お構いねぐ。」

種市「天野…。」

アキ「失礼だったら謝ります。 でも あんまり 地元のため 東北のためって言われるど 違うっていうか…。 おら ただ潜りでえだけです。 潜りでえがら おらの好きだった 海を取り戻しでえ。 おらの好きな人たちが集う 海女カフェを復活させでえ。 おらの好きな かわいい電車を走らせでえ。 それだけです。」

池田「うん。 その思いが 全国のファンに伝われば…。」

アキ「それは違うんです。」

池田「どうして? 向かってる方向 一緒だと思うんだけどなあ…。」

アキ「おら一人が やる分には構いません。 でも おら一人が 頑張ってるみたいなのは 違うんです。 ユイちゃんが 頑張ってねえみたいに 見えるのは違うんです。]

アキ「ホントは 2人でやりでえ。 でも ユイちゃんは 闘ってるんです。 おらよりも おらなんか想像できねえほど ハードな体験をして それを 乗り越えようとしてるんです。 だから 今は 無理強いしたくねえんです。」

(携帯の着信)

種市「ユイだ。」

アキ「じぇ?」

種市「もしもし 天野か うん 代わるか?」

北三陸駅

ユイ「もしもし 心配したよ 携帯つながんないから。」

電話・アキ『ごめん。 海さ落としちゃって。 どうしたの?」

ユイ「何かね 変な客がいるの。」

袖が浜漁協 仮事務所

電話・ユイ『副駅長が アキちゃんの 知り合いじゃないかって。」

北三陸駅

吉田「見た目はねえ 真夏だっつうのに革ジャン着てる うん。 訳あり感 半端ない。 よく見ると ムショ帰りの 小林薫っつうか 小林稔侍っつうか 小林感も半端ない。」

梅頭「ウニ丼 下さい。」

吉田「へい らっしゃい。」

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