ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」144回「おら、やっぱりこの海が好きだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】144回のネタバレです。

あらすじ

春子(小泉今日子)と正宗(尾美としのり)が、再婚に向けて動いていた。そんな中、水口(松田龍平)が春子に辞表を出し、「潮騒のメモリーズ」再結成のため、北三陸へ向かう。水口とユイ(橋本愛)は1年半ぶりの再会に。

144回ネタバレ

喫茶・リアス

<突然 北三陸に現れた男 無頼鮨の大将 梅頭。 まずは その豪快な食べっぷりを ご覧下さい>

(ドアベル)

種市「梅さん…。 お世話になってる すし屋の大将です。」

吉田「じぇじぇ! じゃ わざわざ東京がら?」

ユイ「何で? お盆やすみなんだよね?」

<どうやら種市君は 大将に無断で 東京を あとにしてきたようです>

種市「すいません! 勝手して すいません!」

梅頭「何も言うな 種! 言わなくても分かってる。]

梅頭「ウニ丼下さい。 こんなうまいもの 食える奴は 東京なんか来なくてもいい。 こっちで頑張れ! 種市の事を よろしくお願いします!」

磯野「おす!」

<無頼鮨の大将 梅頭さん 北三陸市に滞在した時間 僅か 48分。 平らげたウニ丼7つ。 そして 10時間かけて 帰っていきました>

種市「ありがとうございました!」

天野家

(鶏の鳴き声)

種市「おはようございます!」

一同「おはよう!」

種市「天野は?」

ユイ「あ…。 アキちゃ~ん! 先輩来たよ!」

弥生「何だ? アキ! お盆まで 素潜り禁止だぞ!」

アキ「あ 違う 違う 今日は ドキュメンタリー番組の取材だ。」

ユイ「行ってらっしゃい。」

アキ「行ってきます!」

種市「行ってきます!」

弥生「行ってらっしゃい!」

アキ「行ってきます!」

弥生「気ぃ付けてな!」

アキ「うん。」

夏「行ってらっしゃい! 気ぃ付けて!」

純喫茶・アイドル

甲斐「保証人にはなるなって 死んだ親父の遺言なんだよね。」

黒川「いや。 保証人じゃなくて 証人だから。」

甲斐「あ そうなの? でも ここに誰の名前が 入るかだよね ていうか 普通書いてから 持ってくるよね。」

黒川「すいません! びっくりさせたくて。 いや マスターじゃなくて 春子さんを びっくりさせたくて。」

甲斐「ああ そうなの。 ごめん。 でも 何で私なんだろう?」

黒川「あ…。」

(ドアベル)

甲斐「いらっしゃい!」

黒川「1人で来てって言ったのに。」

春子「ああ? ああ ごめん ごめん! 緊急事態!」

黒川「え? 何かあったの?」

春子「仕事辞めたいんだって。」

黒川「ええ?」

水口「長い間 お世話になりました。」

春子「本気なのね?」

黒川「ていうか… え? 中身は?

春子「え?」

水口「『中身』? え? 辞表って 中見要るんですか?」

春子「はあ~?」

水口「鈴鹿さんの現場について 約半年。 本当に いい経験させて頂いて フォローして頂いたり 疲れの取れる 入浴剤頂いたり ポン酢を頂いたり。」

春子「何なの その 奥歯に物が詰まったような 奥歯そのものがないような ハッキリ言いなさいよ!」

水口「仕事が面白くない。」

春子「ハッキリ言いなさいっつってんの。」

水口「仕事が面白くないんです。」

春子「駄目じゃん!」

水口「駄目ですよね。」

黒川「理由は? 自分で分かってるの?」

水口「太巻さんの会社の頃から ずっと 新人を発掘するセクションで 磨けば光る原石を 扱ってきました。 でも 初めから光ってる 女優さんに どう接したらいいか 分からないんです。」

回想

監督「よ~い!」

鈴鹿「あの~!」

監督「はい!」

鈴鹿「これ 節電のスポットなのに ちょっと 照明 たき過ぎじゃないかしら?」

回想終了

水口「だって 出来上がってますから 僕が何かしなくても 周りが 光を当ててくてれるんです。」

回想

監督「よ~い! アクション!」

鈴鹿『節電に ご協力を』。」

監督「カット!」

回想終了

水口「駄目だ 論点ずれてる。 いや ホント 鈴鹿さんは 悪くないんです。 ただ僕が 自分が思ってる以上に アイドル熱高めというか それ以外に興味ないっていうか。」

甲斐「分かるよ。 鈴鹿さんも 僕ら世代のアイドルだったけど 結婚しちゃったもんな!」

黒川「君が無類の アイドル好きっていうのは うすうす分かってたよ でもね 水口君 好きじゃない事や 向いてない事を 避けて生きていけるほど 今の世の中 甘くないと思うよ。」

水口「すいません。」

黒川「理想を掲げて それを実現できる 人間なんて 一握りだ。 それが できなくて みんな苦しんでる。 人生は長い。 道を迷ってもいい。 遠回りしてもいい。 混んでたら 脇道に入ればいい。 どこかで誰かを拾うかもしれない。 着いた場所が目的地だよ。」

春子「そうかな? ごめん。 私 この人の意見に大反対! 着いた場所が目的地? そんなの言い訳じゃん! 自己満足じゃん! 脇道! 遠回り? 誰か拾う?『電波少年』かよ!」

黒川「目的地は 見えてるの?」

水口「はい。 戻りたい場所はあります。」

春子「お座敷列車でしょ?」

黒川「『お座敷列車』?」

水口「はい。 やっぱり あれが僕の原点ていうか。」

回想

♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー』

(拍手と歓声)

回想終了

水口「拙いけど 一生懸命歌う2人 それを見守る 田舎の人たちの 屈託のない笑顔と拍手 声援と 窓の外の景色と。 全部が終わったあとの 虚無感と。 僕の中のアイドルって 結局これなんです。 この時の興奮を 追い求めてるんだなって。」

春子「興奮してるようには 見えなかったけど。」

黒川「顔に出さないからね…。 甲斐さん?」

甲斐「熱いよ 何だよ これ! ここに いたかったよ!」

黒川「甲斐さん 顔に出過ぎ。」

水口「この感じを どうにか 再現できないかって GMTで模索して なんとか アキちゃんを 歌手デビューさせるとこまで 行ったけど。 今 北鉄が 袖が浜で 止まってるって聞いて。 何か…。 何か もったいないなって。 復旧さえすれば 線路は 日本中につながってるんだから 北三陸に限らず 全国に 広めていけるんじゃないかって。」

アキ「御無沙汰しえます! 潮騒のメモリーズでおなじみ 海女のアキちゃんです! せっかく帰ってきたんですが 今年はウニがいないので 潜れません。 じぇじぇじぇ! でも 私たちは諦めません。 港に船が 戻ってくる日を信じて 復興のシンボル 海女のミサンガを 編んでいます。」

袖が浜漁協 仮事務所

かつ枝「ユイちゃん これ これ ゆるい ゆるい。 もっと引っ張んねば ほら!」

ユイ「いいの! 気持ちだから。」

安部「出来たよ! ユイちゃんは だんご2つね?」

美寿々「おらも 2つにしてけろ! お盆まで ダイエットすっからよ。」

アキ「これは津波で破損した 底引き網を 再利用して作りました。」

純喫茶・アイドル

春子「あんたもか? あんたも 北へ行くのね? 種市君がね 田舎に帰っちゃったのよ。」

水口「え? すし屋の。」

春子「そう。 そんなにいいか? 北三陸。 だって 何にもないじゃん! まめぶと ウニ丼と つりがね洞と あと何だ?」

水口「琥珀。」

春子「ていうか 私の地元だよ。 何で あんたの方が 好きになるのよ。」

水口「すいません。」

春子「分かったわよ! 行きなさいよ。」

黒川「え? いいの。」

春子「だって…。 心がここにない人 引き止めたて 無駄じゃん。 去る者は追わずよ。」

水口「あ 今の夏さんの…。」

春子「うるさい! 鈴鹿さんには 自分で言いなさいよ。 そこまで面倒見きれないからね! 行きますよ!」

黒川「え? ちょっと待ってよ!」

(ドアベル)

甲斐「あれ?」

水口「どうしました?」

甲斐「わ わ わ 忘れ物!」

水口「婚姻届…。」

甲斐「俺 頼まれてたんだよ。」

水口「あれ? これ片方しか 書いてませんけど。」

甲斐「わあ~! あ~! 何やってんだよ俺? 俺 配偶者じゃないよ!」

天野家

水口「…という訳で 恥ずかしながら 戻ってきちゃいました。」

夏「いや こっちは 來る者は 拒まずだから 構わねえが。」

アキ「生活どうすんだ? 仕事ねえど。」

水口「それは なんとか。 アキちゃんにも いい知らせ。」

アキ「何 何?」

夏「アキ おめえの 父ちゃんと母ちゃん より戻すみでえだ。」

アキ「な~んだ!」

水口「そこは『じぇじぇじぇ!』でしょう?」

黒川家

黒川「ただいま~!」

春子「お帰り!」

黒川「あれ? 何 捜してんの?」

春子「判子よ 判子。」

黒川「判子? ここだよ。 ほら。」

春子「はあ?」

黒川「はい。」

春子「黒川じゃなくて 天野の。」

黒川「え?」

春子「全く どこ行っちゃったの?」

黒川「春子さん!」

春子「はい 書いて! 汚い字!」

黒川「(泣き声)」

天野家

アキ「あの2人は ずっと夫婦だもの。 今更 天野でも黒川でも 中身は一緒だ。」

夏「水口さん 北三陸はな 離婚率の高さと ワカメの収穫高で 有名なんですよ。 ヘヘヘ!」

ユイ「夏ばっぱ! ミサンガ 今日の分。」

夏「おう!」

水口「久しぶり。」

<水口君と ユイちゃん 実に1年半ぶりの再会でした>

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