ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」147回「おらたち、いつでも夢を」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】147回のネタバレです。

あらすじ

GMTが北三陸にやってきたことをきっかけに、一度はあきらめたアイドルへの夢が、ユイ(橋本愛)の中で再びよみがえった。アキ(能年玲奈)とユイは「潮騒のメモリーズ」を復活させ、活動を始める。北三陸市長選挙で、功(平泉成)が当選し、北鉄の存続に向けて動きだす。一方、東京では、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が東北各地を回るチャリティーコンサートで歌うことを勝手に決めてしまい、春子(小泉今日子)は困惑していた。

147回ネタバレ

選挙活動

スピーカー・よしえ『北三陸市長選に立候補しました 足立 功』。

<2012年2月 北三陸市長選挙 北鉄の存続を懸けた 市長選挙が始まりました>

功「北鉄は市民の足! 復興のシンボル! 2013年の全線復旧を目指し 一致団結して やっていく 所存でございます!」

(拍手と歓声)

功「ありがとうございました!」

よしえ「それでは お待たせ致しまし。 足立 功のサポーター 潮騒のメモリーズです!」

(拍手と歓声)

ユイ「海女のアキちゃんです!」

北鉄のユイちゃんです!」

ユイ「せ~の…。」

2人「潮騒のメモリーズです!」

(拍手と歓声)

<再結成した潮騒のメモリーズが 動き始めました>

(拍手)

功「何でもかんでもね 自粛をすれば いいというもんじゃないんですよ。」

弥生「んだ んだ!」

功「震災から 間もなく 1年です。 本当に復興は果たされていますか!? 北鉄 北の海女 北三陸の誇り! 宝です! 重要な観光資源なんです!」

アキ「んだ んだ んだ!」

一同「んだ んだ んだ んだ!」

功「市民の側に立って復興を 皆さんと一緒に考えていきます!」

かつ枝「よ~し!」

(拍手)

功「どうか ひとつ この足立 功に 力を貸して下さい!」

(拍手)

ヒロシ「親父?」

功「お願いします!」

(どよめき)

<土下座が功を奏したのか 潮騒のメモリーズの効果か…。 とにかく 足立先生は 見事当選。 北三陸市長に選出されました>

スナック・梨明日

一同「バンザ~イ!」

(拍手)

大吉「いや もうね こんなに うまいウーロン茶飲んだの 初めてですよ 先生!」

功「ハッハッハッハッ。 大吉君 菅原君 これからだよ。 まずはね 北鉄を一区間でも 長く走れるようにな!」

大吉「得意の土下座で お金 回してもらわないとね!」

菅原「いや 先生 今でなくても いい!」

「やめて下さい 先生!」

アキ「いがったな ユイちゃん。」

ユイ「いがったのかな。 だって 市長の娘が ご当地アイドルなんて 無駄に セレブ感 出ちゃわない?」

アキ「もともと それほど 親しみやすくねえがら 大丈夫だ。」

ユイ「そうだよね。 フフフッ。」

北三陸駅

アキ「ストーブさん どうした? そんな所で たそがれて。」

ヒロシ「いや たそがれては いない。 風に当たろうと思って。」

アキ「気を付けて下さい。 ストーブさんは 自分が思ってる3倍は 負のオーラ 出てますからね。」

ヒロシ「…よく言われる。」

アキ「そんな顔で ホームさ立ってたら 誰が見ても飛び込むと思うがらね。」

ヒロシ「アキちゃん 今回は 本当に ありがとうね。」

アキ「いやいや 礼には及ばねえ。 おら 1票入れただけだもの。」

ヒロシ「親父もだけど それより ユイの事。」

アキ「ああ それこそ 礼には及ばねえ。 親友だもの。 それに おらの最終目標は 海女カフェの復活だ。 肝心のユイちゃんが 落ち込んでたら 海女カフェ建てても しゃあねえがらな。」

ヒロシ「アキちゃん 選挙行ったの?」

アキ「んだ。 おら もう 二十歳だもの 国民の義務だ。」

ヒロシ「お酒 飲んでる。」

アキ「まあな 形だけだ。 ヘヘヘッ。」

ヒロシ「へえ~ ヘヘヘッ。 あっ どうも どうも。」

アキ「まあ まあ まあ…。」

ヒロシ「そっか…。 初めて 北三陸 来た時 いくつだっけ?」

アキ「高2だがら 16だな。」

ヒロシ「あ~ まあ まあ…。」

アキ「まあ まあ…。」

ヒロシ「まあ まあ まあ!」

アキ「まあ まあ まあ! …って 何だか オッサンみでえ。」

(笑い声)

アキ「ストーブさん おら 変わったかな。」

ヒロシ「えっ?」

アキ「16ん時より 少しは 大人になったかな?」

ヒロシ「いや…。」

アキ「そうか。」

ヒロシ「ああ ごめん。 でも 嘘ついても しょうがないし。 アキちゃん 全然 変わらないよ。 それは でも すごい事だと思うよ。 東京の子が田舎に来てさ 海女になって 東京行って アイドルになって 映画に出て また帰ってきて… それで変わらないんだもの。 大したもんだよ。 普通 いろいろあるって。 いい気になったり 派手になったり 男できたり…。」

アキ「男は できたよ。」

ヒロシ「うん。 でも 基本は変わらない アキちゃんは。」

アキ「いがった。」

ヒロシ「いがった?」

アキ「うん。 芸能界さ いると… …っていうか 東京が そうなのかな。 成長しねえと 怠けてるみたいに言われるべ。 でもな『成長しなきゃ 駄目なのか?』って思うんだ。 人間だもの ほっといても成長するべ。」

アキ「背が伸びたり 太ったり 痩せたり おっぱい でっかくなったりな。 それでも変わらねえ。 変わりだぐねえ部分も あると思うんだ。 海女ちゃんだって 言われるかもしんねえけど それでもいい。 うん。 プロちゃんには なれねえし なりだぐね。」

ヒロシ「…。」

アキ「何だよ たそがれて。」

ヒロシ「いや…。『男は できたよ』のダメージが 予想外に重くて…。」

アキ「変わんねえな ストーブさんは!」

ヒロシ「ハハッ ハハハッ…。」

アキ「頑張っぺ 海女カフェ担当。」

ヒロシ「うん 頑張っぺ。」

アキ「あ~ うまぐねえ…。」

スリーJプロダクション

鈴鹿「勝手に進めた事は謝ります。 だけど もう決めた事ですから。」

春子「いやいや いやいや…。 決めるのは 社長の私ですから。 あなたは 一所属タレント。」

鈴鹿「『一』って…。 一人しか いないのにね。」

荒巻「フフフフフッ! すいません。 半分は 私の責任…。」

春子「そこに貼らないで。」

黒川「ごめん。」

鈴鹿「やっと見つけたんです。 私に できる事 私が やらなきゃいけない事。 今まで 女優として 役を介して 東北の皆さんに元気になって もらいたいなと思ってきたけど…。 もっと 直接 励ましたい。 生身の鈴鹿ひろ美の声をね 届けたいって。」

春子「リサイタルという事は 歌を歌われるという事ですよね。」

鈴鹿「歌以外に表現方法あります?」

春子「ありますよ! 朗読とか ポエトリーリーディングとか あと 詩吟とか? ねえ。」

荒巻「あると思います。」

春子「むしろ 被災地の皆さんも 喜ぶんじゃないですかね。 歌は ほら 持ち歌が少ないし ブランクもあるし!」

鈴鹿「音痴だし。」

回想

カーステレオ・鈴鹿の音程の外れた歌♬『来てよ その火を 飛び越えて』

荒巻「そう 彼女 音痴なんだ。」

春子「こういう歌かと思いました。」

荒巻「そうだね。 逆に誰も こんなふうに歌えないのよね。」

回想終了

鈴鹿「チャリティーソングのイベント 断ったでしょ 無断で。 傷つきました。」

春子「どうも すいません。」

荒巻「僕はね 提案したんだよ。 最悪 春子さんが 代わりに歌って…。 どうも すいません。」

鈴鹿「社長を責めてる訳じゃないの。 ただ… あなたは 自分が影武者だった事を 告白して すっきりしたかもしれないけど 私は まだ 渦中にいるんです。 闘ってるんです。 自分の 移ろいやすい音程と。」

黒川「う… 移ろい?」

鈴鹿「逃げるの もう嫌なんです。 下手でもいい 不完全でもいい 自分の声で歌って 笑顔を届けたい! ずっと コンプレックスだった。 移ろいやすい音程を 私なりに克服したり…。 そう思って 去年の夏から 口の堅い ボイストレーナーについて レッスンしてるんです。」

春子「そんなに前から?」

鈴鹿「今日は その成果を お見せします。」

荒巻「えっ! 鈴鹿さん歌うの!?」

黒川「うわっ どうしよう 心の準備が…。

春子「アカペラで?」

<太巻さん 正宗さん そして 私…。 偶然 あの時の3人です。 あれから 25年。 人々が失いかけている笑顔を 歌で取り戻してほしい。 果たして その思いは…>

鈴鹿「どうかしら?」

一同「…。」

鈴鹿「駄目か…。」

荒巻「駄目じゃないよ。 全然 駄目じゃないよ。 伝わるものは あったよね。 ねっ ねっ?」

黒川「いや 僕は 素人なんで…。」

荒巻「ほ~ら 笑った! 笑顔を取り戻した! 確かに 音程は 移ろいやすかったけども その 移ろいが味になってたし 誰も こんなふうに歌えないよ。 駄目だ! 全然 褒めてない。」

春子「いつから? その… ボイストレーナー。」

鈴鹿「去年の夏から…。」

春子「すぐ クビにした方がいい。 お金 もったいない! 私が やります!」

黒川「え!?」

春子「私が歌唱指導します。 鈴鹿さんの。」

荒巻「え? じゃあ… えっ!?」

黒川「やるの!? リサイタル。」

春子「やりましょ!」

鈴鹿「フフフフッ!」

北三陸駅

アキ「じぇ 吉田さん 何これ?」

吉田「今朝 いきなり届いたんだよ。 30枚!」

アキ「『チャリティーリサイタル』。 歌うのか!?」

吉田「場所と日時は未定なんだって。 駅長が 今 春子さんとしゃべってるけど!」

大吉「そりゃあ こっちとしては 是非 来てもらいてえが いかんせん 会場が…。 いや~ 公民館じゃ 味気ねえべ。」

大吉「…とはいえ 市民ホールは 震災後 復旧してねえし。 あっ 鈴鹿ひろ美の希望は? え? あ あ… 海女カフェで!?」

アキ「じぇじぇじぇ!」

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