【 連続テレビ小説「あまちゃん」】150回のネタバレです。
あらすじ
予定より早く北三陸にやってきた鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の登場に、町は大騒ぎ。ユイ(橋本愛)も大女優を前に興奮を隠せない。天野家に転がり込んだ鈴鹿は、春子(小泉今日子)がかつて青春を過ごした隠し部屋を気に入り、コンサートまでの間、使うことにする。翌日、梨明日で大吉(杉本哲太)らと話した鈴鹿は、天野家の3代、夏(宮本信子)・春子・アキ(能年玲奈)が、それぞれ北三陸のアイドルだったのだと気づく。
150回ネタバレ
喫茶・リアス
吉田「すずが すろみ 女優の!」忠兵衛「女優?」
鈴鹿「おいしい!」
吉田「ですよね?」
鈴鹿「うん うん うん!」
<何の前触れもなく 鈴鹿ひろ美が 北三陸に現れました>
忠兵衛「ニヤニヤしてねえで 返せ! おらのウニ丼!」
吉田「で~い!」
海女カフェ
アキ「じぇ! 鈴鹿さんが?」
電話・吉田「そうなの。」
喫茶・リアス
吉田「今ちょうど ウニ完食して 忠兵衛さんの方は 冷酒で黙らせた。」
忠兵衛「黙ってねえぞ! このウニ丼泥棒! 何が女優だ!」
大吉「確信犯じゃねえか!」
種市「口 真っ黒になって。」
菅原「自分で描いたのか?」
大吉「ウーロン茶ロック! じぇじぇじぇ! 鈴鹿さん!」
鈴鹿「あら? 種市君 駅長さん! 誰かしら?」
菅原「観光協会の菅原です。 ファンです 大ファンです!」
吉田「またまた! ジャガー横田の ファンだったくせに!」
忠兵衛「帰って来たぞ 大吉!」
大吉「忠兵衛さん ちょっと待って。 遠いところ わざわざ。」
鈴鹿「いいえ。」
忠兵衛「こっちの方が遠いぞ! 2年ぶりだぞ!」
種市「でも あれですよね。 リサイタル 30日ですよね。」
菅原「今日は 何月何日だ?」
大吉「6月18日だね。」
菅原「来てくれたのは うれしいんですけど 言っていいですか? 早すぎ~!」
鈴鹿「本番に向けて 気持ちを つくりたいから 前のり。 天野さんは?」
忠兵衛「天野?」
吉田「アキちゃん 今こっちさ 向かってます。」
忠兵衛「あんた アキ知ってんのか?」
鈴鹿「ええ まあ。 付き人だったんです 昔。」
忠兵衛「『おめでた弁護士』! おめえ さては女優か?」
吉田「だがら何べんも 言ったでしょうが!」
鈴鹿「おばあちゃまも よく知ってますよ。」
忠兵衛「おばあちゃま?」
鈴鹿「夏さんと 橋 幸夫さんの仲を 取り持ったのも 私です!」
種市「ああ鈴鹿さん それ まずい…。」
大吉「この人 夏さんのご亭主。」
天野家
(笑い声)
忠兵衛「笑い事じゃねえべ! 亭主の留守中にだど? しかも 橋 幸夫? 今すぐ 出ていけ!」
夏「おらが出てったら このうちは ほとんど空き家だぞ!」
長内「こりゃ 一本取られたな 忠兵衛さん!」
(笑い声)
鈴鹿「夏さん 皆さん お変わりなくて 安心しました。」
長内「いや どうも!」
夏「周りが 変わりましたからね。 ここら辺りでも 何人かは 死んでしまったし こいつらのうちも 流されたし。 でも せめで 無事だった奴らだけでも 変わらず 笑ってるべって! なあ!」
(笑い声)
鈴鹿「そうですか。」
夏「はい。」
アキ「じいちゃん 地震あったのに なすて帰ってこねがった?」
忠兵衛「なすて帰んねばなんねえ?」
かつ枝「夏ばっぱ 心配でねがったか?」
夏「無線で確認できたべ。」
かつ枝「んでも!」
忠兵衛「陸(おか)が大変な時に 陸さ上がって どうする? むしろ 海さ出た おらたちがよ 海で銭こ稼いで 陸の連中さ 助けねばなんねえべ! んだがら 帰(けえ)ってこねがった。」
鈴鹿「かっけえ!」
夏「ありがとうごぜえます。」
アキ「ユイちゃん!」
かつ枝「おう!」
ユイ「こんばんは!」
アキ「ユイちゃん おらの親友で 一緒に『潮騒のメモリー』歌ってた子だ。 入んなよ!」
鈴鹿「どうぞ!」
ユイ「いや いや いや! 無理 無理 無理!」
スリーJプロダクション
春子「はあ~!? 何で鈴鹿さんが 実家にいんのよ!」
黒川「え~?」
春子「前のり? 前すぎるでしょうが?」
天野家
アキ「それ さんざん聞いてる。 今は何か ユイちゃんと 熱く語り合ってるよ。」
ユイ「『おめでた弁護士』シリーズも パート5までは よかったんですけどね 助手が柳沢慎吾さんに 代わってから 数字はあがりましたけど コアなファンは 離れたじゃないですか。 ひかる一平さんの方が よかったですね!」
鈴鹿「やっぱり! そうなのよ。」
アキ「とういう訳で 鈴鹿さん うちにいますんで ご心配ねぐ。 以上 北三陸から 天野アキがお送りしました!」
スリーJプロダクション
春子「あんた 酔っ払ってんの?」
(電話が切れた音)
春子「アキ! アキ? 切れた! (ため息) また 1人 飛べない鳥が 北三陸に逃げていった。」
天野家
鈴鹿「天野さん! 起きてる? 加湿器があったら 出して頂けないかしら? 天野さん…。 あ! 痛っ。 あ~。 やだ やだやだ! 懐かしいったらありゃしない!」
<でしょうね。 だって その部屋は 1984年で 時間が止まっているんですもの>
鈴鹿「やだ ひかる一平。」
アキ「あ 鈴鹿さん。」
鈴鹿「何なの? この部屋。」
アキ「ママが 高3の夏まで 使ってた部屋だ。」
鈴鹿「高3。」
アキ「アイドルを夢みで そこで履歴書書いたり 音楽聴いて キュンキュンしてたんだと。 おらも高3の夏まで 使ってだんだ。」
鈴鹿「天野さんも?」
アキ「んだ! ママとガールズトークしたり ユイちゃんど 将来の夢 語り合ったり。 アイドルさ憧れたり。 懐がしい。 こういう部屋で見た夢を 鈴鹿さんみたく かなえられる人って 一握りなんだよなあ。」
回想
春子「岩手県から来ました。 趣味はアイドル鑑賞で テレビを見る事です。 好きなアイドルは 松田聖子ちゃんです。 あなたの色に 染めて下さい。 天野春子 18歳。 か~! これ合格! 合格! フフフ!」
回想終了
鈴鹿「ねえ 明日から この部屋 使っていいかしら?」
アキ「じぇ! 鈴鹿さんが?」
鈴鹿「うん 気持ち つくるには もってこいだわ!」
アキ「いいけど 狭いでしょう ホテルさでも 泊まったら?」
鈴鹿「いいの ここでいいの。 ううん ここがいいの!」
翌朝
(ジューシーミキサーの音)
アキ「御飯は?」
鈴鹿「おはよう! 天野さん。」
アキ「出た! 鈴鹿スペシャル!」
鈴鹿「そうよ! 鈴鹿のいる所に 鈴鹿スペシャル!ありよ。」
夏「鈴鹿さん おら 67年間 朝は御飯と…。」
鈴鹿「その習慣 今日から変えましょう! ほい!」
アキ「飲まなきゃ 駄目か?」
鈴鹿「声出るから ほい!」
忠兵衛「あんた魔女なのか?」
鈴鹿「いいから ほい! ほい ほい!」
(3人の悲鳴)
<朝食のあと アキと鈴鹿さんは 会場の下見に行きました>
海女カフェ
ヒロシ「うわ! 鈴鹿ひろ美?」
アキ「この人 ストーブさん 観光協会の海女カフェ担当で ユイちゃんの お兄ちゃん。」
ヒロシ「足立です。 当日も 舞台監督的な事 させて頂きます。」
鈴鹿「フフ! よろしく。」
アキ「勉さん!」
勉「ん?」
アキ「水口さん 今日来てねえの?」
勉「ああ さっきまで そこで…。 す… 鈴鹿ひろ美!」
水口「あ…。 ご… 御無沙汰してます。」
鈴鹿「何してんの? こんなとこで。」
水口「あれ? あれ あれ? バックレて すいませんでした!」
勉「水口君! 円満退社じゃなかったのか。」
水口「いや 何か面倒くさくて… あ メールはしました。」
鈴鹿「売り上げは 地域復興に役立てて下さい。」
ヒロシ「はい!」
喫茶・リアス
大吉「こいつなんかね 春ちゃんと 交換日記してたんですから!」
鈴鹿「あらまあ。」
吉田「読みます? これ 貸し出し自由ですから。」
菅原「ああ もうやめでよ!」
大吉「いいから いいから!」
菅原「ああ 読まれでまう! 先輩も 人の事言えねえべ! 春子さんに 何回も告白して 何回も振られて。」
大吉「ハハハ! 最終的に 何だか分かんねくなって 安部ちゃんと結婚して。」
菅原「同級生なんですよね。」
安部「同級生ったって 春子さんは 学園のマドンナで 私なんか給食の スパゲティー ミートソースの中に なぜか迷い込んだ 輪ゴムですもの。」
(笑い声)
鈴鹿「おかしい! ハハハ! でも あれね 天野家は昔から ずっと 話題の中心だったのね。」
大吉「そりゃそうだべ 夏ばっぱは 海女クラブの初代会長で 春ちゃんは 北三陸一のスケバンだもの!」
勉「その娘のアキちゃんは 潮騒のメモリーズだもんね。」
鈴鹿「三者三様だけど 代々北三陸の アイドルだったんですね?」
大吉「どれ! 北三陸名物 駅長の『GHOSTBUSTERS』聴いて下さい。」
一同「え~!」
吉田「鈴鹿さんのカラオケも 聴きたいな! なんて!」
菅原「吉田君 それは いくら何でも ずうずうしいべ。」
鈴鹿「構いませんよ。」
菅原「本当ですか!」
鈴鹿「リサイタルの予行演習も兼ねて。」
(拍手)
♬~(『潮騒のメモリー』)
大吉「来た~! 生ぎでてよがった!」
鈴鹿「わっ!」
アキ「危ねえ 駄目だべ!」
鈴鹿「ごめんなさい。 そっか。」
アキ「何やってんだ? 水口さんもいながら!」
水口「あっ! そうか! ごめん。」
菅原「何 何?」
北三陸駅
荒巻「もしもし 正宗君? はいはい はい着きました! 今 北三陸駅です。 はいはい リアスね? 軽食喫茶リアスと スナック梨明日と 2つあるんだけど どっちのリアス? うん! 中でつながってる? 意味分かんない。」
ユイ「どっこいしょ!」
荒巻「ごめん! 今ぼ~っっとしてた。 うん 何 何?」