ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」151回「おらたち、熱いよね!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】151回のネタバレです。

あらすじ

北三陸に突然あらわれた太巻(古田新太)。ユイ(橋本愛)は、念願かなった対面に心が揺れるが、上京を勧める太巻に対し、アキ(能年玲奈)とともに「潮騒のメモリーズ」として北三陸で活動していくことを宣言する。その後、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)と一緒にチャリティーコンサートの会場となる海女カフェを訪れた太巻は、人々が力を合わせて手作りで再建した店内を見て感銘を受ける。そして、驚くべきことを思いつく…

151回ネタバレ

海女カフェ

アキ「じぇ! 鈴鹿さんが!?」

スリーJプロダクション

春子「はあ!? 何で 鈴鹿さんが 実家にいんのよ!」

黒川「え!?」

<なぜ 私とアキが こんなに慌てているのか 簡単にご説明しましょう。 突然 北三陸で チャリティーリサイタルを開くと言いだした 鈴鹿ひろ美。 しかし 彼女は…>

鈴鹿「ずっと コンプレックスだった。 移ろいやすい音程を 私なりに克服したり…。」

<そう 音痴。 その事実を知る者は この6人>

<そして 夫の太巻きさんは 北三陸へ向かったのです>

スナック・梨明日

荒巻「2つあるんだけど どっちのリアス?」

(ドアベル)

荒巻「ごめ~ん 今 ぼ~っとしてた。」

スリーJプロダクション

黒川「だから 入い口は別々だけど 中は 一緒なんです。 この時間だと ちょうど スナック開店の頃かな。」

スナック・梨明日

荒巻「スナック梨明日の入り口に来ました。」

ユイ「…。」

荒巻「やっと会えたね。」

<憧れの人の登場に 胸騒ぎを隠せない 潮騒のメモリーズのかわいい方。 その緊張は なまっている方にも 伝わりました>

アキ「で… でぇじょうぶか?」

荒巻「困るよ 勝手に どっか行っちゃ。 心配するでしょ。」

鈴鹿「ごめんなさい。」

荒巻「ホントだよ。 で… どうしたの?」

鈴鹿「怖いんです 春子さんが。」

回想

春子「て~! て~!『て~』って! ちゃって 出しちゃいなさい ダ~ッて!『て~』って!」

回想終了

荒巻「それは あれでしょ? 君の事を心配しての 愛のムチでしょ?」

鈴鹿「何か 鬱憤を 晴らしてんじゃないかしら。」

荒巻「どういう意味よ。」

鈴鹿「だから…。」

大吉「あの~ すいません。 大きい声で しゃべるか ボックス席に移動して しゃべるかして! 気になるか。」

荒巻「あ… ごめんなさい。 お挨拶が遅れました。」

菅原「んだね。 挨拶 まだだね。」

弥生「ついでに言うと 注文も まだだな。」

荒巻「じゃあ 赤ワイン。 荒巻といいます。 あとは 生ハム。 家内が ご迷惑をおかけしてます。」

大吉「いやいや 私 ここの駅長…。」

荒巻「鬱憤を晴らすって どういう意味よ。」

大吉「挨拶 終わりがよ。」

弥生「生ハムは ねえな。 サラミになっちまうな。」

<敏腕プロデューサーと大女優 世間を騒がせた大物カップルは 場末のスナックで 浮きまくっていました>

アキ「あれ?」

荒巻「実は 春子さんが 彼女のボイストレーニングの担当を しておりまして その指導方法が いささか スパルタすぎる…。」

鈴鹿「スケバンだったんですって あの方 そうでしょ?」

弥生「そりゃ おめえ 春子は 北三陸の 初代 積木(つみき)くずすだもの。」

<ちょっと やめてよ 弥生さん>

安部「『コーヒー牛乳 買って来い』って言われて カフェオレ買ってきた男子が ぶっ飛ばされたんですよ。」

菅原「あ… それ おらだ。『甘さが足りねえ』って言って 殴られて 前歯が飛んだの。」

<菅原君も安部ちゃんも 思い出さなくていいから>

大吉「優しい一面もあったべ いじめられてる小学生 助けたり。」

<そうそう>

吉田「かばん潰して 中さ鉄板入れて 武器にしてましたもんね。」

<吉田 あんた 学年 全然違うじゃん>

菅原「懐かしいなあ 天野春子 最強伝説。」

安部「県内最大規模の暴走族グループ 解散に追い込んだの 春子さんだって聞きましたよ。」

吉田「袖が浜に 渡り鳥が来なぐなったのも 春子さんのせいだって 聞きますもんね。」

大吉「優しい一面もあるって 子犬拾ってきてかわいがったり。」

<そう そう そう>

鈴鹿「駅長さん やけに肩持つじゃない。」

大吉「まあ 春子は 俺に ほれてたからな。」

<…大吉さん?>

大吉「ああ見えて 積極的な女でね 猛烈に アタックされました。」

荒巻「どうでもいい お話の途中 申し訳ありません。 かわいい方の子は?」

弥生「…私(わたす)?」

水口「ユイちゃんなら 随分前に出ていきましたよ。」

荒巻「水口!?」

勉「えっ 今 気付いたんですか?」

北三陸駅

ユイ「何で? 何で GMTとかさ 鈴鹿ひろ美とか 何で こんな急に来んの? 太巻さん 太巻さんまで…。 何で? 何で わざわざ こんな ド田舎の終わってる過疎の町に…。 今まで 誰も 見向きもしなかったくせに 何で 急に来んの? ねえ 地震があったから?」

水口「ユイちゃんが いるからだよ。 みんな 君に会いたいんだよ。 潮騒のメモリーズのかわいい方に。」

水口「なまってる方も うなずいてるよ。」

アキ「んだ んだ。 ほら ユイちゃんが 去年 言ってたとおりになったべ。」

回想

ユイ「よし 決めた! 私 こうなったら ここから 一歩も出ない! 東京なんか行かない! 私に空いたければ みんな 北三陸に来ればいいんだもん。 ね!」

回想終了

アキ「これから 電車も通って 海女カフェもつくって もっと来るぞ。 なあ せっかく会いに来たんだから 出ておいでよ。 なっ?」

荒巻「ユイちゃん? 太巻です。 どうして トイレに籠もっているのかな? おなかが痛いのかな? キリキリ痛いのかな? それとも しくしく痛い…。」

(ドアが開く音)

ユイ「痛くないです。」

荒巻「あっそう。 改めまして 太巻です。」

ユイ「私 東京には行きません。」

荒巻「え?」

ユイ「ここで やっていきます。 アキちゃんと水口さんと一緒に 潮騒のメモリーズで。」

荒巻「でも 君 もう二十歳だろ。 いつまでも ご当地アイドルじゃ 先 見えないし 東京に出るには 今が ラストチャンスじゃないかな。」

ユイ「東京も北三陸も 私に言わせれば 日本なんで。 お構いねぐ。 もうね ずっと やっていきます! 私たち おばあちゃんになっても ずっと 潮騒のメモリーズです!」

アキ「…です!」

荒巻「それは… かっこいいね。」

スナック・梨明日

大吉「あ~!」

(拍手と歓声)

北三陸駅

(拍手と歓声)

スナック・梨明日

アキ「駄目だって!(舌打ち) 油断も隙もねえな。」

鈴鹿「…すいません。」

アキ♬『会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ』

北三陸駅

水口「多少 歌えるように なってるんですよね 鈴鹿さん。」

荒巻「う~ん 春子さんに 任せっ放しで 俺も ずっと聴いてない。 けど 元が あれだからな。」

回想

ラジカセ・鈴鹿♬『(音程の外れた歌)彼に伝えて』

水口「うわっ! ちょ…! と… 止めて下さい。」

荒巻「フハハハハハッ!」

回想終了

荒巻「いいんじゃねえかな。 人前で 下手な歌 歌って 恥かいてさ 殻破れるなら それだけでも あの人にとっちゃ 大躍進だよ。」

水口「変わりましたもんね 鈴鹿さん。 鈴鹿さんの付き人になれば アキちゃんも 少しは成長するかなって 思ったんですけど むしろ 鈴鹿さんの方が 影響受けちゃうっていう…。」

荒巻「お前もだろ 水口。」

水口「はい。」

荒巻「仕事も そこそこ順調だったのに こんな田舎で琥珀掘って… 面白いか?」

水口「これ 見て下さい。」

荒巻「アリ?」

水口「はい。 琥珀って 8,500万年前の樹液が 固まって出来てるんです。」

荒巻「それじゃあ…。」

水口「8,500万年前のアリです。 俺が堀り当てたんです。」

荒巻「すごいじゃん。」

水口「これ見てると 真ん中のアリがユイちゃんで その周りを固める樹液が 田舎の 地元意識なんじゃないかって。」

スナック・梨明日

♬『会いたい でも会えない』

弥生「何だっけ!?」

アキ♬『脳内自由恋愛集団』

♬『男子禁制 選手宣誓』

アキ♬『毎日会いたい 下町アイドル』

♬『We are アメ横女学園!!」

北三陸駅

水口「アキちゃんみたいに 日の目を見る事はなかったけど 地元意識に守られて ユイちゃんの魅力は 永遠に色あせないっていう…。」

荒巻「水口…。 ごめ~ん 全然 分かんない。」

水口「…でしょうね。 俺も 自分で言ってて 違うなって思いました。」

荒巻「…。」

水口「海女カフェ行きましょう。」

荒巻「え?」

海女カフェ

種市「どうも 御無沙汰してます」

荒巻「お~ すし屋の。」

磯野「うわ~! ちょっと! 芸能人 來るなら 言ってよ! 恥ずかしい! こんなポロシャツで…。 もっといいポロシャツ 持ってるのに~!」

荒巻「これ 全部 天野が?」

水口「天野が つくったやつが 津波で流さて それを みんなで修復してます。」

ヒロシ「業者に発注する予算が無くて…。 すいません オープンまでには なんとか。 海女カフェ担当の足立…。」

荒巻「ここで歌うんだ」

鈴鹿「ここで歌うんです。」

荒巻「まずいな。」

水口「まずいですよね…。」

ヒロシ「すいません 精いっぱい 頑張ってるんですけど いかんせん 素人の仕事で…。」

荒巻「だろうね。 これは プロには 到底 まねできない。 雑なのに愛がある。」

ヒロシ「すいません。」

種市「ストーブさん 今 褒められてるんですよ。」

ヒロシ「え?」

荒巻「僕が上野で 劇場を造る時に目指したのが これだ。」

水口「えっ こんな掘っ立て小屋が?」

ヒロシ「褒められてないじゃん。」

荒巻「正直 さっきまで いくらか 寄付しようと思っていた。 売名行為じゃないよ。 鈴鹿ひろ美の初リサイタル それに ふさわしい会場を造るのは プロデューサーとしては 当然の出費だ。」

磯野「金 出すって言ってるぞ。」

荒巻「でも 違った。 これでいい。 これがいい。 お金かけたら ちゃんとしちゃう。 この絶妙なバランスが崩れちゃう。」

種市「金 出さねえって言ってますね。」

磯野「どっちなんだ?」

種市「踊りだしましたね。」

磯野「バカなのか?」

荒巻「プロでもない 素人でもな アマチュアのなせる業 まさに アマカフェだ。」

種市「鈴鹿さんのおかげですよ。」

鈴鹿「えっ 私の? 何が?」

美寿々「ずっと 後回しになってたんです ここ。 みんな 半分諦めてたし…。 んだって 要らねえし こんな田舎に カフェ。 ずっと浮いてたし 壊して 元の漁協にすんべって。 だけど アキちゃんが…。」

回想

アキ「海女カフェ 復活させっぺ!」

美寿々「アキちゃん!」

アキ「ここさ もう一回 海女カフェつくるべ!」

回想終了

美寿々「海女カフェ建てて ユイちゃんや アキちゃんが歌って 地元を元気にするんだって。 それが 今 おらにできる事だって 言うの。」

種市「そしたら 鈴鹿ひろ美が 歌いに来るよって話になって 慌てて リフォームしたんです。」

ヒロシ「みんな すんげえ楽しみにしてます。 よろしくお願いします!」

荒巻「まずいな。」

水口「まずいですよね…。」

荒巻「いいの? ホント 大丈夫?」

鈴鹿「いい。 ここで歌うの。 それが おらに できる事なの!」

荒巻「そっか じゃあ頑張って。 僕 帰るから。」

水口「えっ 東京にですか?」

荒巻「僕も… 僕に できる事やるよ。」

<後日 海女カフェには 最新の音響設備が導入され 関係者各位には このようなFAXが届きました>

スリーJプロダクション

春子「はあ!?」

<『結婚披露宴』>

春子「何これ…。 え?」

<確かに それは 太巻さんにしか 出来ない事だけど…>

春子「えっ?」

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