ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」152回「おらたち、熱いよね!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】152回のネタバレです。

あらすじ

鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)のチャリティーコンサートが迫る中、再建を目指していた海女カフェがついに完成する。そのころ、町ではあるウワサが…。それは「鈴鹿が本当は音痴なのではないか」という疑惑だった。恐れていた事態に慌てるアキ(能年玲奈)と水口(松田龍平)。一方、大吉(杉本哲太)は、ある決意を固める。それは、かつて結婚から半年で離婚した安部(片桐はいり)に再びプロポーズすることだった。

152回ネタバレ

鈴鹿「『寄せては返す 波のように 来てよ その火を 飛び越えて 飛び越えて』。」

スリーJプロダクション

春子「はあ!? はあ!?」

<突然 送りつけられた招待状。 一方 北三陸では 鈴鹿ひろ美のリサイタルを目前に控え 海女カフェが 何とな~く 完成しました>

海女カフェ

ヒロシ「いいですか? 切りないから これで完成って事で。」

アキ「ファイナル勉さん?」

勉「ファイナル勉さん! あっ ちょ… ちょっと待って。 ファイナル勉さん。」

ヒロシ「はい お疲れさまでした。」

(拍手)

<そのころ 場末のスナックでは 何とな~く 悪い噂が…>

スナック・梨明日

栗原「怪しいと思うんですよね。」

吉田「いやいや 考え過ぎだって。」

栗原「だけど 海女カフェも完成したのに 練習する気配すら ない。」

菅原「うん 何 何? 何の話?」

吉田「うちの これが 鈴鹿ひろ美は ホントに 歌 歌えんのかって。」

(琥珀が落ちる音)

水口「失礼しました。」

菅原「それ どういう事?」

栗原「2日ほど前 駅で ばったり会ったんです。」

回想

鈴鹿「さおりちゃん『だんご3兄弟』好き?」

栗原「好きだよね~! 大好きなんです~!」

鈴鹿「歌っちゃおう。」

栗原「あ~!」

(手拍子)

回想終了

栗原「そのメロディーが 何とも言えない 不穏で 不快な旋律で。 今にも 魔界の門が開き そこから聞こえる 死霊のうめき声のような…。 死霊の『だんご3兄弟』なんです!」

ユイ「要するに 音痴って事?」

菅原「いやいや いやいや… 歌っこ うまいよ 鈴鹿さんは。」

吉田「んだ んだ。 昔は 歌番組とか出てたもんね。」

菅原「栗原ちゃんは リアルタイムで聴いた事がねえから 分かんねえんだよ。」

<そのころ 当の鈴鹿ひろ美は チャリティーコンサートの準備の大詰め>

天野家

夏「老眼ですか?」

鈴鹿「アハハハッ そうなんです。 もう手放せなくて…。」

夏「春子と 1つ違いでしたっけ?」

鈴鹿「早生まれなんで 学年だと 2つ上です。 ねえ おかあさん! これ どうしたもんかしら。」

夏「何が?」

鈴鹿「『寄せては返す 波のように』。 こちらの皆さんが聴いたら 津波を連想するんじゃないかしら。」

夏「するね。 それが? 何か問題でも?」

鈴鹿「あっ ほら ここも!『三途の川の マーメイド』。 ひどい歌詞。」

夏「そこ変えるんなら ここも変えねばなんねえな。」

鈴鹿「え?」

夏「『17才』でねぐ『47才』にせねばなんねえな。」

鈴鹿「47才…。 ハッハッハッハッ やだ 語呂が悪い。」

(笑い声)

夏「歌っても歌わなくも 津波の事は 頭から離れませんから。 どうぞ お構いねぐ。」

鈴鹿「え?」

夏「それよりも 有名な大女優さんが わざわざ こんな田舎さ来て 目の前で歌ってくれる。 ああ もう それだけで みんな 大喜びでがす。 どうも ありがとうごぜえます。」

夏「春子は 東京さ出てったが あんたのように アイドルには なれねがった。 んでも めんこい孫 連れて 帰ってきた。 いや~ ハハハッ おらの人生 大逆転だ。 ハッハッハッハッ。」

鈴鹿「ねえ おかあさん。」

夏「はい。」

鈴鹿「ちょっと聞いて。」

夏「はい。」

鈴鹿「春子さんが あの…。」

(引き戸が開く音)

アキ「ただいま~!」

夏「ああ お帰り。」

かつ枝「往生際 悪いぞ 大吉! 男なら ビシッと けじめつけろ!」

忠兵衛「お~い 夏さん! 1本つけろてじゃ。」

夏「はい はい はい。 何か言いました?」

鈴鹿「私 やります。」

夏「そんな…。」

忠兵衛「あららららら! 今日は 女優のお酌で飲めるぞ!」

鈴鹿「居候ですから。」

かつ枝「夏ばっぱ 夏ばっぱ! 大吉が ついに覚悟を決めた!」

夏「え?」

長内「明日 ほれ 北鉄の試運転がるべ。 無事に済んだら プロポーズするってよ!」

夏「誰に?」

忠兵衛「誰って おめえ 安部ちゃんしか いねえべ。」

夏「え!?」

鈴鹿「じぇじぇじぇ!」

長内「『じぇじぇじぇ』ってほどの事じゃ ねえぞ。」

かつ枝「んだ んだ。 もともと 夫婦だからな。」

鈴鹿「でも 随分 昔の話よね。」

大吉「22年前。」

鈴鹿「別れたのは?」

大吉「それも 22年前。」

アキ「半年で別れたんだど 鈴鹿さん。 2クールだな!」

(笑い声)

大吉「2クール 2クール。」

(笑い声)

夏「大吉 ホントに 言えんのか?」

大吉「うっ う~ん… 試運転のあと 話があるから リアスさ来てけろって伝えた。」

かつ枝「ほら見ろ! プロポーズしたも同然だべ!」

北鉄車庫

吉田「駅長! 車両点検 終了しました。 試運転 お願いします。」

大吉「はい。」

吉田「駅長! こっちは問題ねえですから どうぞ 乗って! 乗ってけろ!」

北鉄

大吉「揺れは どう?」

運転手「大丈夫です。」

大吉「あっ…。」

喫茶・リアス

安部「あら アキちゃん。 何だべ? 今日に限って 随分 暇だね。」

アキ「あ… 安部ちゃん コーヒーでいいか?」

安部「うん。」

回想

夏「いいのか? 大吉。 焦ってねえか? 春子が 正宗さんと再婚して…。」

大吉「いや それは まあ 関係ねえとは言い切れねえが 若(わけ)え頃 若気の至りで くっついて離れたが お互い知らねえ仲じゃねえし 今更 年も世代も違う『GHOSTBUSTERS』も知らねえ 若え娘っ子と 所帯持つなんて 面倒くせえ。」

鈴鹿「それは さすがに 安部ちゃんに 失礼じゃないかしら。」

大吉「んだよね。 でも 偽らざる気持ちなんだよね。」

アキ「おら いいと思う!」

夏「アキ…。」

アキ「震災婚だの 授かり込んだの 何かと 理由がねえと くっつかねえのが 大人だべ? だったら 面倒くせえ婚も 立派な理由だど思う! 何より 大吉っつぁんと安部ちゃん すっげえ お似合いだど思う!」

忠兵衛「さすが アキだ! いい事 言うなあ!」

(笑い声)

夏「どうなんだ? 大吉。 安部ちゃんの事 好きか?」

大吉「うっ う~ん…。」

鈴鹿「悩んじゃ駄目よ! スッと言わなきゃ!」

回想終了

北鉄

大吉「アハハハハッ! ハハハハハッ!」

回想

大吉「好きでねがったら こったらに悩まねえべ。 好きだから 幸せになってもらいてえがら 悩むんです。 元夫婦間の友情を 壊したくねえんです。 春ちゃんも好きだ。 鈴鹿さんも…。 でも おら やっぱり 安部ちゃんなんです。 まめぶと一緒です。 甘(あめ)えのか 辛(かれ)えのかも 分からねえのに だんだん 好きになってしまった。 理由なんて忘れちまった。」

回想終了

大吉「吉田君 見ろよ! みんなの笑顔! まだ試運転だっつうのに こんなに温かく迎えられるとはな。」

吉田「ホントですね 駅長。 フフッ。」

大吉「鈴木のばっぱ! 笑い過ぎでねえか?」

鈴木「アハハハッ!」

回想

大吉「決めた! 試運転 終わったら『再婚してけろ』って言うべ!」

夏「ホントに いいのか?」

大吉「い… い… 言えんのか?」

喫茶・リアス

アキ「じぇじぇじぇ! 安部ちゃん あれ見で!」

安部「何 何?」

安部「大吉っつぁん!」

アキ「いがったな 安部ちゃん。」

安部「アキちゃん ありがとう!」

アキ「フフフッ。 あっ… 何でもねえ。 ヘヘヘッ。」

大吉「安部ちゃん。」

安部「はい。」

大吉「落ち着いて よ~く聞いてけろ。 おらと… おらと もう一度 …って どこ見てんんだ!? だあ!? じぇじぇじぇ!」

回想

鈴木「プロポーズ 頑張りや!」

回想終了

安部「こちらこそ よろしくお願いします。 大吉っつぁん!」

アキ「やった!」

大吉「ちょっと! 誰!? あれ書いたの誰!?」

回想

吉田「車両点検 終了しました。 試運転 お願いします。」

回想終了

(クラッカーの音)

一同「おめでとう~!」

(歓声)

大吉「ちょっと もう! 鈴鹿さん! 夏ばっぱ!」

夏「おめでとう!」

忠兵衛「よぐ言った 大吉!」

大吉「まだ言ってねえよ! 言わせてよ!」

菅原「ほれほれ 今 しゃべったら いいべ。」

大吉「あ… あの 安部ちゃん。 お… おらと もう一度 再…。 言えねえ! やっぱ言えねえ!」

<とりあえず おめでとうしか言えねえ>

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