【 連続テレビ小説「あまちゃん」】153回のネタバレです。
あらすじ
ついに、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)のコンサートの日がやってきた。しかし、鈴鹿は、東京での春子(小泉今日子)による地獄の特訓のかいもなく音痴を克服できず、ときどき偶然に音程が合うという状況だった。アキ(能年玲奈)と事情を知ったユイ(橋本愛)が、ぎりぎりまで鈴鹿のトレーニングをして当日を迎えたが…。そのころ、春子(小泉今日子)は、居ても立ってもいられず、北三陸に向かっていた…。
153回ネタバレ
スリーJプロダクション
テレビ
アナウンサー『はい 私は 今日 岩手県 北三陸市に来ています!』
黒川「春子さん 北三陸だって! ほら! 春子さん。 ねえ 春子さん?」
テレビ
(拍手と歓声)
アナウンサー『それに合わせまして さまざまなイベントが開催されます。 こちら 市長の 足立 功さん』。
功『おはようございます』。
アナウンサー『そして 駅長の大向さん。 更に ご当地アイドルの…』。
2人『潮騒のメモリーズです!』。
黒川「どこ行った?」
アナウンサー『さあ そして 本日はですね 前夜祭としまして なんと 北三陸市に ゆかりのある女優 鈴鹿ひろ美さんが チャリティーコンサートを開くそうです。 それでは 最後に お二人からも ひと言』。
アキ『明日は海開きです!』。」
ユイ『皆さんも北三陸さ』。
ユイ アキ『来てけろ~!』。
黒川「春子さ~ん!?」
浜
鈴鹿『その火を 飛び越えて 夜空に書いた アイ ミス ユー』。
<鈴鹿ひろ美チャリティーリサイタル 開園まで あと1時間>
海女カフェ
♬~(『潮騒のメモリー』)
アキ「すごい…。 何か ちゃんとしてる。」
ユイ「フフフッ うん 何か ちゃんとしちゃってる。」
アキ「鈴鹿さんは?」
ユイ「楽屋に籠もってる。」
アキ「大丈夫かな…。」
<実は 3日前 アキは 親友のユイにだけ 真相を打ち明けていました>
回想
ユイ「え~!? 何それ! えっ マジで?」
アキ「し~っ! し~っ!」
ユイ「え? だって それじゃ 春子さん 鈴鹿ひろ美の影武者じゃん。」
アキ「落ち武者。」
ユイ「落ち武者じゃん。」
一同「…。」
ユイ「影武者じゃん。 え~? あっ! じゃあ やっぱ これって…。」
♬~(『潮騒のメモリー』)
春子♬『来てよ その火を』
ユイ「春子さんだ。 春子さんの声だもんね。 うわ~。」
水口「つまり あと3日で 鈴鹿さんの音痴を 直さないといけない。」
ユイ「音痴なの?」
水口「音痴だ。 それに 始末が悪いのは 本人に その自覚が ほとんどない。 だから 音痴って言うと落ち込む。」
ユイ「あら 面倒くさ。」
水口「でも だいぶ ましになってるんだよね。」
アキ「うん。 ママの話では たまに当たるって。」
ユイ「たまに当たる?」
<そうなんです。 10回に1回… いや もっと低い確率で たま~に 音程が合う事があり…>
回想
鈴鹿♬『来てよ その火を 飛び越えて』
春子「すごい! 今 合ってましたよ!」
(拍手と歓声)
鈴鹿「ありがとうございます!」
春子「すごい 進歩 進歩! やれば できるじゃないですか! どうですか? 歌ってて。 気持ちいいでしょ?」
鈴鹿「はい! …っていうか ずっと気持ちいいです!」
春子「ずっと合ってるつもりだから 前のと今のと 違いが分かりません!」
春子「ハハッ そうなんだ!」
鈴鹿「ハハハハッ!」
鈴鹿♬『て~ て~ て~』
回想終了
鈴鹿「あ~…。」
「開園まで もう少々 お待ちください!」
鈴鹿「『三途の川』じゃないよな~。」
水口「どうしました?」
夏「歌詞が決まらねえみてえだ。」
鈴鹿「『三途の川の マーメイド』のところ。」
アキ「(小声で)そんなのいいがら 練習してよ。」
かつ枝「まあ 確かにな『三途の川』はな…。」
安部「んだら『三度の飯より マーメイド』は?」
美寿々「『三段腹の マーメイド』は?」
水口「『三枝の愛ラブ! クリニック』は?」
ヒロシ「せめて『マーメイド』は残しませんか?」
ユイ「ちょっと どうでもいいけど あと30分で開演ですよ!」
一同「じぇじぇじぇ!」
鈴鹿「ちょっと待って ちょっと待って。 え~っと…。」
<さすがは 根強い人気を誇る 鈴鹿さん。 アイドル時代からのファンは もちろん 家族連れや お年寄りなど 幅広い層のファンが 押し寄せました。 まだ 仮設住宅に お住まいの皆さんには 特別招待席が用意されました>
ヒビキ「いや~ 2009年の海女ソニは 熱かったわ~!」
(拍手と歓声)
水口「いいんですか? 今更 遅いか。」
荒巻「いつでも逃げられるように ここに いるんだ。 安心しろ。 最悪の事態は回避するために 影武者が向かっている。」
水口「え?」
アキ「ねえ ばっぱ。 じいちゃんは?」
夏「ああ どっかに いるはずだがな…。」
アキ「まあいいか。 あっ そこ座ってけろ。」
天野家
(足音)
黒川「こんにちは~! あれ お父さん!」
忠兵衛「おお ちょうど いがった。」
黒川「どうも。」
忠兵衛「正宗君 宮古まで送ってけろじゃ。」
黒川「あっ 春子さんは?」
忠兵衛「春子? 東京だべ。」
黒川「いや 東京から来たんです! 急に いなかくなったんです!」
忠兵衛「そうか。 そんなら あれだ ほれ 海女カフェ。」
黒川「ああ…。 えっ? お父さんは どこ行くんです?」
忠兵衛「どこって おめえ また漁さ出んのよ。」
黒川「何で 今日?
忠兵衛「今日 船が出るからよ。
海女カフェ
(拍手)
長内「もっと大きく 拍手!」
(拍手と歓声)
長内「高い所から失礼します。 ご存じ 北三陸市漁業協同組合の 長内です。」
(拍手)
長内「当 海女カフェのオーナーです。」
荒巻「いいの? 来ないの? 組合長の挨拶 始まっちゃったよ。」
長内「男のスピーチと 女子のスカートは 短いほど いいといいます。 以上です!」
荒巻「終わっちゃったよ! 挨拶 終わっちゃったよ! いいの!? リサイタル始まっちゃうよ!」
(ブザー)
荒巻「あっ…。」
磯野「鈴鹿ひろ美が 北三陸に いる~!」
(拍手と歓声)
一同「鈴鹿!」
荒巻「鈴鹿コール 始まっちゃったよ~!」
一同「鈴鹿! 鈴鹿!」
ユイ「大丈夫。 なるようになるから。」
アキ「んだ。 なるようにしか なんねえがら。」
鈴鹿「ありがとう。 行ってくるね。」
一同「鈴鹿! 鈴鹿!」
春子「聞こえないんだけど! えっ 何!?」
大吉「春ちゃん!」
春子「あっ 御無沙汰!」
大吉「ちょうど いがった! FAXでも報告したが…!」
春子「ちょっと どいて!」
(拍手と歓声)
アキ「じぇ!」
春子「マイク頂戴!」
アキ「マ… マイク?」
荒巻「春ちゃん マイク! 春ちゃん マイク!」
春子「どいて どいて どいて~!」
荒巻「春ちゃん 電池!」
荒巻「あっ 痛っ!」
(拍手と歓声!)
♬~(『潮騒のメモリー』)
春子♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた』
鈴鹿♬『アイ ミス ユー』
鈴鹿♬『北へ帰るの 誰にも会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ 彼に伝えて 今でも好きだと ジョニーに伝えて 千円返して 潮騒のメモリー』
かつ枝「さすが プロだな。」
美寿々「んだ。 紛れもねぐ 鈴鹿ひろ美だ。」
鈴鹿♬『激しく』
ユイ「すごいね。」
アキ「んだ。 大当たりだ。」
鈴鹿♬『飛び越えて』
回想
鈴鹿「逃げるの もう嫌なんです。 下手でもいい 不完全でもいい 自分の声で歌って 笑顔を届けたい!」
回想終了
鈴鹿♬『タクシー捕まえて』
回想
荒巻「歌ってくれないかな? 鈴鹿ひろ美の代わりに。」
春子「私の声が レコードになるんですか?」
荒巻「そう。」
春子「鈴鹿ひろ美の名前で?」
回想終了
鈴鹿♬『マーメイド』
(拍手と歓声)
アキ<その少女の姿は それっきり もう見えなくなりました>
鈴鹿♬『置いていくのね さよならも言わずに 再び会うための 約束もしないで』
回想
鈴鹿「もちろん出たい! ありがたいと思う。 だけど 東北の方々に申し訳な…。」
春子「東北の人間が 働けって言ってるんです!」
回想終了
鈴鹿♬『波止場で待つわ 潮騒のメモリー 私は ギター Aマイナーのアルペジオ 優しく 来てよ その火を 飛び越え 夜空に書いた アイムソーリー 来てよ その川 乗り越え 三代前から マーメイド 親譲りの マーメイド マーメイド』
美寿々「何つった? 今。」
かつ枝「『三代前から マーメイド』だど。」
美寿々「三代前?」
かつ枝「夏ばっぱの事だべ。 あの野郎 さては 最初っから決めてたな。」
鈴鹿♬『嫌いよ』
美寿々「なして あんたが泣いてんの?」
荒巻「すいません…!」
かつ枝「拭け ほら。 涙で 顔が テッカテカだぞ。」
(拍手と歓声)