ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」16回「おら、友だちができた!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】16回のネタバレです。

あらすじ

ヒロシ(小池徹平)の発案で、秋祭りにあわせてミスコンテストを開くことが決まり、町は大盛り上がり。一方、アキ(能年玲奈)は、親友のユイ(橋本愛)に誘われ、家へ遊びに行く。ヒロシとユイの父・足立功(平泉成)は、アキの母・春子(小泉今日子)の高校時代の担任で、今は県議会議員を務める地元の名士。アキは格式高い足立家の暮らしぶりに驚くが、功とヒロシ親子の間には何やら複雑な事情がありそうで…。

16回ネタバレ

喫茶・リアス

大吉「いいねえ いぐねえ? いいべ ミスコン!」

今野「んだな いいねえ!」

(拍手)

<という訳で ミス北鉄コンテストが 開催される事になったのです>

北鉄

「すいません。 これ つまらない物 ですが よろしくお願いします。」

ユイ「ありがとう バイバイ!」

ユイ「ごめん ごめん お待たせ! 何? これ。」

アキ「ミス北鉄だって。」

ユイ「え~ ダサ! 行こう。」

ユイ「え? じゃあ海女さん 辞めちゃったの?」

アキ「辞めたぐねえけど ばあちゃんの 許しが出るまで 謹慎。」

ユイ「そうなんだ 厳しいね。」

アキ「おらが ばあちゃんの 言いつけ 守んねえがらだ。」

ユイ「ふ~ん。 じゃあさ 今度うちに 遊びに来なよ。」

アキ「じぇ?」

ユイ「だって 暇でしょ?」

アキ「暇だけど 行っていいの?」

ユイ「いいに決まってんじゃん。 友達だもん。」

アキ「うわ~ うわ~ うれしい!」

ユイ「ウフフ! 何か アキちゃんの話したらね パパが 会ってみたいって。 お母さんの担任だったみたいで すごい かわいくて 有名だったんだって。」

アキ「ママが? へえ~ そうなんだ。」

喫茶・リアス

大吉「なあ 春ちゃん 今年で いくつだっけ?」

春子「42だけど。」

今野「あら 42か。 四捨五入すれば40には 見えっぺ。」

長内「見える見える。」

吉田「全然問題ありませんね。」

春子「何?」

吉田「いやいや。」

春子「何 何 何?」

一同「いや いや いや いや。」

春子「何だよ!」

大吉「あのな ミス北鉄に 推薦しておぐから。」

春子「ちょっと待ってよ! 何それ? 私 そんなのやんないよ。」

一同「まあ まあ まあ まあ!」

大吉「あの これな 期間限定の ミス北鉄コンテストの 記念切手で 半券に ミス北鉄の投票券がついてんのさ。」

吉田「つまり 北鉄さ乗れば 乗った分だけ投票できるんです。」

大吉「一応 年齢制限が 40までなんだけど 春ちゃんは 別格だ。」

春子「嫌です絶対! 私 ミスじゃないし。」

一同「まあ まあ まあ!」

春子「まあ まあとかじゃなくて 普通ミスコンってさ 20代とかでしょ?」

今野「20代?」

(笑い声)

今野「20代なんて まだケツの青い ガキだべやな。」

長内「んだんだ! 30から墓場までだ。」

(笑い声)

勉「腐りかけが 一番いいんだよね。」

春子「腐ってませんから! ねえ ありえないよね。」

ヒロシ「そうっすねえ。 アキちゃんなら まだしも。」

大吉「アキちゃん?」

一同「いや いや いや いや! 子ども 子ども 子ども!

春子「あ そうだ!」

ヒロシ「何ですか?」

春子「今日 ユイちゃんちに お呼ばれだって 言ってたよ。」

ヒロシ「え うちに?」

春子「うん。」

観光協会

菅原「栗原ちゃんだったら いけるって。 これ ミス北鉄 狙えるって。」

栗原「駄目駄目 もう若くないし おなか出てるし。」

菅原「ちょっとぐらい 出てる方が いいんだってば。」

栗原「本当?」

菅原「うん ほれ 40歳までの女性だと。」

足立家

<北三陸から 北鉄に乗って 1時間ほど南下した 畑野駅。 袖が浜より もっともっと のどかな村に ユイの家は ありました>

アキ「何じゃ これ?」

ユイ「行こう。」

<ユイの父 足立 功さんは 北三陸高校の元教師で 定年後は 県議会議員を務める 地元の名士。 母 よしえさんは この土地の 人間じゃありません>

リビング

よしえ「あ お帰り。」

ユイ「ただいま!」

よしえ「いらっしゃい!」

<仙台出身の彼女は 短大を卒業後 岩手のテレビ局に アナウンサーとして入社。 足立先生に見初められ 結婚しました>

よしえ「ごゆっくり。」

ユイの部屋

アキ「すげえ家だな! ばあちゃんちとは 大違いだ。」

ユイ「でも ここ村だよ。」

アキ「村かあ。 高校まで 1時間だもんな。」

ユイ「パパは 環境がいいから 住んでるって言うけど 不便だし 早く出たい。」

アキ「東京に?」

ユイ「うん。 本当は お兄ちゃん 当てにしてたんだけど 2か月で 帰ってきちゃったからね。」

アキ「どうして?」

ユイ「まあ 所詮 負け犬体質なんだよね。」

アキ「厳しいね。」

(ノック)

功「パパだよ。」

ユイ「いいよ 入って。」

功「はい。 ああ こんにちは。 え? 君が天野春子さんの 娘さん?」

アキ「アキです よろしく!」

功「ああ。 いや 似てないね。」

アキ「お母さん 有名だったんですか?」

功「天野? そりゃ 知らない人は いなかったよ。」

ユイ「そんなに かわいかったの?」

功「うん。 かわいいのは もちろんだけどもね それ以上に 天野は ツッパリでねえ。」

アキ「?」

功「え アハハ! 分かんないか?」

ユイ「写真ないの?」

功「そう思ってね 卒業アルバム 探したんだけど 考えてみらね 天野 卒業の時には 学校に いなかったんだよ。」

アキ「ああ。」

ユイ「中退したんだ アキちゃんのママ。」

アキ「そうみたい。」

ユイ「え~ かっこいい。」

アキ「かっこいいかな?」

天野家

春子「今日 アキいないよ。」

夏「え? あ~ お呼ばれか。 んで… 2人だけか?」

春子「ああ そうだね。」

足立家

功「文化祭の時だったかな。 他校の生徒がね わざわざ 天野を 見に来てね 整理券 配ったんだよ。」

ユイ「すごいじゃん!」

アキ「うん 何か でも 全然イメージできない。」

ユイ「だって きれいだもん アキちゃんのママ。」

アキ「あれ 何ですか?」

功「え? あ! あれはね 薪ストーブ。」

ユイ「この辺 寒いんだよ 5月まで 雪降るんだから。」

アキ「じぇじぇじぇ!」

よしえ「結局 一年の半分以上使うから 置きっ放しにしてるの。 さあ 食べて。」

アキ「うわ~ 頂きます。」

天野家

夏「静かだなあ。 誰か呼ぶか?」

春子「何でよ。」

夏「おめえ そんなに強かったか? 酒。」

春子「一緒に飲んだ事なんか ないじゃん。」

夏「そうか。 父ちゃんとも 飲んだ事ねえか。」

春子「ないよ。」

夏「ふ~ん。 何かよう。」

春子「無理して しゃべんなくて いいよ 別に。」

夏「おめえこそ 無理に つんけん しなくてもいいべ。」

春子「はあ?」

夏「昔なら ともかく 今なら 分かっぺ。 子を持つ 母の気持ちがよ。」

春子「まあね。 こんな 面倒くさくて 無愛想な娘を よく 飼いならしてたと 思うよ。 大したもんでしすよ 夏さんはね フフ!」

夏「…。」

春子「何か しゃべってよ。」

夏「うるせえなあ! 黙れったり しゃべれったり おら 24年間 ず~っと ずっと 黙って 暮らしてきたんだど。 急に リクエストどおりに しゃべったり 黙ったりできるか。 バカ者! 全く もう! あ~!」

春子「そりゃ すいませんでした。 さあ どうぞ! お代わり どうぞ。 はい。」

夏「はい。 あ おっとと!」

足立家

功「ハハハ! 天野の担任だったからね 随分 彼女とは もめたね あの子はね が~んとして 自分の信念を 曲げないんだよ。」

ユイ「あ! お兄ちゃん。」

功「黙って 通り過ぎるのか? ちゃんと 挨拶ぐらいしなさい。」

アキ「あ どうも お邪魔してます。」

よしえ「御飯食べるでしょ。 座って。」

ヒロシ「要らない 食ってきた。」

ユイ「あそこ お兄ちゃんの定位置。 御飯も あそこで食べるんだよ。」

功「外で済ましてくるんならな 連絡ぐらい 入れたらどうだ。」

ユイ「ちょっと お父さん。」

功「みんな 待ってたんだぞ。」

ユイ「やめてよ 友達 来てるんだから。」

功「ヒロシ 返事ぐらいしなさい。」

ヒロシ「はいはい すいませんでした。」

功「外で食べてきたってな 働きもしないで そんな金が どこにあるんだ。」

よしえ「あなた お願い やめて。」

ユイ「ごめんね。」

功「23にもなってな 昼間から うろうろして 世間体の悪い。 大学まで 出してやったのに 親の顔に 泥を塗るつもりか! 仕事をしないんなら せめて うちから 出ないでもらいたいね。」

アキ「仕事してますよね? 漁協の監視小屋で 密漁船とか 見張ってるんです。 私が 海に溺れた時に サイレン 鳴らしてくれたんですよね?」

<アキは アキなりに 気を利かせたつもりでした>

アキ「その節は どうも ありがとうございました。」

ユイ「そうなんだ。」

ヒロシ「もう 辞めたから。」

<まさか それが火に油を 注ぐ事になるとは>

功「何だ? 監視小屋って。 父さん 聞いてないぞ。」

ヒロシ「もう 辞めたって 言ってんじゃん。」

よしえ「アルバイトよね ほら漁業組合に 問い合わせて 誰とも 顔会わせずに できる仕事だからって…。」

ヒロシ「いいよ どうせ辞めたんだから。」

功「待ちなさい! まだ話が 終わってない。」

ヒロシ「うっせえ 離せよ じじい!」

<『やべえ やっちまった! これ もしや 私のせいですか?』>

ユイ「気にしないで いつもの事だから。」

アキ「え?」

功「何だ? 文句があるなら 言い返してみろ!」

よしえ「あ お代わりする?」

アキ「え? ああ。」

よしえ「それとも メインにする?」

アキ「め… めいん?」

ユイ「いいよ 遠慮しないで どんどん食べて。」

アキ「はい。」

功「言う事 聞いてな おとなしく 地元で 就職しときゃ よかったんだよ。 かっこつけやがって。 父さん 言ったよな 3月に そんなストーブのそばから 離れられないような奴は 東京で続く訳ないって 言ったとおりになったな。 2か月で 帰ってきやがって。」

ヒロシ「2か月半だよ!」

功「うるさい! 威張るな ストーブのくせに! アキちゃんね あいつ ストーブなんですよ。 ストーブだけが お友達。」

アキ「エヘヘヘ!」

よしえ「は~い! 」

よしえ「はい。」

<食べられない。 こんな張り詰めた状況で こんな 脂のしたたる サーロインステーキなんて>

よしえ「ヒロシ ホントに要らないの?」

功「食べて。」

アキ「あ…。」

北鉄

<アキが その日学んだの事 田舎にも おおらかじゃない 人がいる。 ギスギスした家庭もある。 そして おいしい物は どんな状況でも 食べようと思えば 食べられる>

アキ「あ~。」

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