【 連続テレビ小説「あまちゃん」】17回のネタバレです。
あらすじ
ヒロシ(小池徹平)は、大吉(杉本哲太)の紹介により、観光協会のウェブ担当として菅原(吹越満)の下で働くことになる。「ミス北鉄コンテスト」に出場することになったユイ(橋本愛)から、東京に出てアイドルになる夢を持っていることを聞かされたアキ(能年玲奈)は、着々と夢の実現に向けて進んでいるユイと、海女謹慎中の自分を比較して落ち込んでしまう。そんな折、家の中で隠し部屋の入り口を見つける。その中には…。
17回ネタバレ
天野家
(春子 夏の笑い声)
アキ「ただいま。」
春子「ああ お帰り アキ。」
アキ「誰か来てるの?」
春子「来てないよ。 何で?」
アキ「笑い声が聞こえたから。」
夏「どれ そろそろ寝るべ。」
春子「えっ?」
アキ「お風呂入ります。」
春子「えっ? もう いい加減 仲直りしてくんないかな。 面倒くさい。」
漁協
美寿々「今日も夏ばっぱ休みか。」
かつ枝「うん。 体も しんどいだろうし アキが いねえんじゃ 浜さ出でも面白くねえもんなあ。」
美寿々「はあ だったら いい加減 許してやりゃあいいのに。」
回想
夏「海をなめてかかる奴 目上の人間の言う事 聞けねえ奴は 潜る資格ねえ! 海女失格だ!」
回想終了
北鉄
ユイ「そっか。 一度 言ったら 聞かない感じするもんね リアスのおばちゃん。」
アキ「うん…。」
ユイ「どんなに仲良くても ギスギスすんだね。 うちも 昔は仲良かったもんな…。」
アキ「いつも ああなの? お兄さん。」
ユイ「顔合わせると 大体 言い合いが 始まって ああなる。」
アキ「そうなんだ。」
ユイ「2か月で帰ってくるからだよ。」
アキ「何で そんなに 東京に こだわるの?」
ユイ「うん?」
アキ「あっ 私も お兄さんと一緒で 東京から逃げてきた 負け犬だから。 でもね わざわざ東京行かなくても ネット使えば 欲しいもの 大抵 買えるし…。 もう 東京も田舎も 変わんないって感じするけど。 むしろ 自然とか 海とか おいしい食べ物とか。 都会には ないもの いっぱいあるし。」
ユイ「今日 なまってないね。」
アキ「あっ そうだね。 最近 浜に出てないから 戻っちゃったのかも。」
ユイ「そっちの方がいいよ。 アキちゃんが なまってるなんて 嘘だし 不自然だし…。 何か バカにされてるような気がする。」
アキ「そんな… そんなつもりじゃ。」
ユイ「ごめん 怒った? 今のは言い過ぎ。 だけど 半分は本心。 ネット使えば 欲しいもの帰るとか 田舎も東京も変わんないとか 私は言えない。 そんなの 田舎者の負け惜しみだもん。 自然がいいとか 海がきれいとか 東京から来た人が言うのは分かる。 でも 私には 言えない。 だったら 都会が好き。 私は ビルが好き。」
ユイ「地下鉄が好き。ネットカフェが好き。 アハハッ 行った事ないけど…。 だから 行きたい。 この目で見たい。 地方出身者でも同い年の子とか 年下の子とか 全然頑張ってるし チャンスがあれば 明日にでも出ていきたい。 私は お兄ちゃんとは違うの。 行ったら 絶対 帰ってこないんだ。 夢があるから。(ため息)言っちゃおうかな…。」
アキ「え?」
ユイ「誰にも言わないでね。」
アキ「うん。」
ユイ「私… アイドルになるの。 東京行って アイドルになるの。」
<『何 言ってんだ この子は』。 開いた口が塞がらないとは この事です。『バカなのか? 毎日 あんな 分厚いステーキばっか 食べてるから どうかしちゃったのかしら』。 とりあえず アキは 聞こえてないふりを装いました>
ユイ「アイドルになりた~い!」
ユイ「はあ~ ハハハッ。」
<聞こえない作戦 失敗です>
アキ「アイドル?」
ユイ「(電車が)来ちゃった。 じゃあ また明日ね。」
<ユイは かわいい。 そして 自分が かわいい事を知っている。 その事に 何の迷いも 戸惑いもないんだ>
アキ「…かっけえ。」
観光協会
栗原「ほら 私だけ年食ってるし 顔むくんでるし…。」
菅原「いんや かわいいって。 かわいく むくんでらって。」
栗原「ホントに?」
菅原「うん。」
大吉「え~ 言うまでもなく この『ミス北鉄コンテスト』の目的は 町おこしです。 え~ 赤字続きの 北三陸鉄道リアス線の再興と 地域活性化のシンボルとして 1年間 北鉄および 市の各種イベントに参加して P.R.活動に励んで頂きます。」
弥生「賞金は?」
大吉「えっ?」
弥生「なんぼ もらえるの?」
かつ枝「んだ。」
大吉「お金は 特に考えてないね。」
かつ枝「バカか おめえ! 今どきの娘が タダで 水着になんる訳ねえ!」
栗原「水着!?」
菅原「ちょ… ちょっと待った。 水着審査があるの?」
吉田「ええ。 まあ ミスコンですから。」
菅原「それは聞いてなかったね。 栗原ちゃん。」
学校
ユイ「本当は辞退するつもりだったの。」
アキ「何で?」
ユイ「デビューしたあとに そういうの発掘されたら嫌じゃん。 ミス北鉄とか 正直 ダサいし…。 下積みの時代に 鉄道オタクのアイドルだったとか 私的には消したい過去だからね。」
アキ「そんな先の事 考えてんだ。」
ユイ「田舎で 運 使い果たしたくないしね。 だけど お兄ちゃんの事もあって 断れなくなっちゃった。」
アキ「お兄ちゃん?」
ユイ「聞いてない? お兄ちゃん 大吉さんの紹介で 仕事決まったみたい。」
観光協会
大吉「さあさあ…。」
ヒロシ「あ… 足立です。 よろしくお願いします。」
菅原「はいはい 足立先生の息子さんね。」
大吉「あの このとおり 暗えし 顔色悪いけど 頭いいし 真面目だし 何しろ パソコン得意みてえだから。 なっ?」
ヒロシ「はい。」
菅原「よし。 じゃあ まず ジオラマを。」
大吉「まず ジオラマじゃねえべ バカこの! パソコン得意だっつってんだから まずは ホームページだべ! バカこの!」
学校
アキ「観光協会で?」
ユイ「そっ ウェブ担当だって。」
観光協会
ヒロシ「出来ました。」
栗原「速っ!」
菅原「うん。 そうそう こういうのをね イメージしてたの。」
大吉「偉そうに 半年も待たせやがって。」
ヒロシ「マップ上を クリックすると それぞれ 観光スポットの案内が 表示されます。」
菅原「うわっ ジオラマいらなくなっちゃう。」
ヒロシ「トップ画面に『ミス北鉄コンテスト』の 告知を貼りました。 写真を クリックすると 投票できるんです。」
大吉「…で 足立君は 誰さ投票したの?」
ヒロシ「アキちゃんっす…。」
2人「じぇじぇ。」
ヒロシ「だって か… かわいいじゃないですか。」
大吉「じぇじぇ。 それは あれだべ? あの~ おたまじゃくしが かわいいとか チンパンジーが かわいいとかって そういう類の かわいいだべ。」
ヒロシ「普通に かわいくないですか。」
2人「じぇじぇじぇじぇ。」
(マウスを連打する音)
ヒロシ「あっ 1人1回です 組織票が入っちゃうんで。」
栗原「あっ ごめんなさい。」
山車作り
ユイ「だから とりあえず 参加する事にした。」
アキ「そっか。 お兄ちゃんのためか。」
ユイ「ためっていうか せっかく決まった 再就職だし お兄ちゃんが しっかりしてくれないと ユイも 家 出れないからさ。 まあ やるからには グランプリ狙うけど。」
<本気なんだ。 ユイは ホントに卒業したら 東京に行くんだ。 夢をつかむために 着々と その準備をしているんだ>
アキ「かっけえ…。」
ユイ「うん。 (山車が)かっこいいね。」
天野家
<それに引き換え 私は 華もないし 存在感もない。 かわいいなんて 最後に言われたのは いつだろう? 海女になったのは いいけど ウニ一つ 満足の取れない。 しかも 今は謹慎中で 海に潜る事さえ許されない。 ただ 時間だけが過ぎていく>
夏「何だよ。」
アキ「…ううん。」
<浜へ出なくなってから 眠れない夜が増えました>
<家の中を 探検する事はありましたが 2階へ上がるのは この時が初めてでした>
<天野家に限らず 古い漁師の家は 独特な造りになっています。 金庫を隠すための 屋根裏部屋があったり 廊下が複雑に入り組んでいたり 隠し部屋があったり>
<そこは 1984年に夏で 時間が止まっていました。>
<チェック柄の変な髪型の若者たち>
<肩パットの男>
<猫の免許証>
<1984年といえば こんな出来事がありました>
♬『咲きほこる花は 散るからこそに美しい』
<そこは 春子が 18歳まで使っていた部屋でした。 アキは 躊躇しました。 同じ年頃の少女として 軽い気持ちで立ち入っては いけない領域のような気がして…>
(引き戸を開ける音)
春子「ただいま~。 やだ… こんなとこで寝てんの。」
アキ「お帰り。」
春子「あら まだ起きてたの?」
アキ「うん 眠れなくて。」
春子「早く寝ないと 明日お祭りだよ。」
アキ「おやすみ。」
春子「おやすみ。」
<そうです。 明日は待ちに待った 北三陸秋祭りなのです>