【 連続テレビ小説「あまちゃん」】19回のネタバレです。
あらすじ
初代ミス北鉄に選ばれたユイ(橋本愛)の動画が観光協会のホームページに載ると、町に大勢の観光客が押しかけてきた。一躍アイドルとなったユイは、ファンに囲まれ、北三陸駅長・大吉(杉本哲太)は臨時列車を出したり、夏(宮本信子)にも名物「ウニ丼」の注文が殺到したりと町じゅう大騒ぎだ。たった一日で驚異的な観光収入があがり、町の人々は驚く。一方、アキ(能年玲奈)は海女修業を再開するが…。
19回ネタバレ
北鉄
吉田「この列車 折り返し 9時20分発 宮古行きとなります。」
(警笛)
吉田「じぇじぇじぇじぇ…。」
「ユイちゃん どこ!?」
ヒビキ「駅長さん! 北鉄のユイちゃん どこですか?」
一同「ユイちゃん ユイちゃん!」
吉田「外…。」
<2008年9月20日(土) 過疎のの町 岩手県北三陸市民にとって この日は忘れられない 一日となりました。 いまだ かつてないほど 大勢の観光客が 突然 押しかけてきたのです。 その数 実に ふだんの約30倍>
観光協会
菅原「何だ ありゃあ…。」
(歓声)
菅原「いや… あっ! えっ 何で? 何で これ 急に…。」
ユイ『ミス北鉄に選ばれた 北三陸高校2年の足立ユイです』。
<発端は観光協会のホームページに アップされた たった30秒の動画でした>
ユイ『私に会いに来て下さい。 それでは 出発進行~!』。
天野家
アキ「もしもし ああ ママ どうしたの?」
アキ「ウニ丼売り切れたから 追加お願いしますって。」
夏「何個だ?」
アキ「何個? じぇじぇ! 120個!?」
夏「えっ!?」
喫茶リアス
春子「無理だよね。 違うよ 私じゃなくて 吉田副駅長の あいつが勝手に受けたの。 ウニが足りないの!? 今から潜って 取ってくればいいじゃん。 無理だよね ごめん。 じゃあ…。」
安部「ちょっと通して下さい!」
春子「ちょっと待ってね。 安部ちゃん来たから しばらく まめぶで つなぐ。 うん また電話する!」
観光協会
大吉「足立君! ユイちゃんは!?」
ヒロシ「もしもし ヒロシだけど…。」
大吉「ユイちゃんは!?」
ヒロシ「母親です。 ユイは? ああ そう…。 まだ寝てるみたいです。」
大吉「起こせ~! 早く起こせ~!」
ヒロシ「とりあえず起こしてくんない? うん…。 低血圧なのは知ってる。 北鉄にさえ乗ってくれたら 寝ててもいいし…。」
喫茶・リアス
大吉「え~ うれしい お知らせです。 本日の一日車掌 ミス北鉄こと 足立ユイちゃんを乗せた列車が たった今 畑野駅を出発しました!」
(歓声と拍手)
北鉄
アキ「じぇじぇじぇ!」
「どいて下さい すいません。」
アキ「ユイちゃん何これ?」
ユイ「分かんない。 とりあえず乗ってくれって 言われた。」
「顔上げないで 本読んでて下さい。
(シャッター音)
駅
(歓声)
ヒビキ「あ~! ツーショット禁止! ツーショットは ご遠慮下さい! どうぞ。」
大吉「何で あいつ 仕切ってんだ?」
吉田「やらせておきましょ。 それより 駅長 次の列車 どう考えても 定員オーバーです。」
「よろしいでしょうか?」
「詰めてもらえますか?」
大吉「2両編成にすんべ。 車庫に点検済みの車両あるべ。 それでも駄目なら 臨時列車出すべ。」
吉田「いいんですか?」
大吉「いいか 悪いか 考えるのは後だ。 整備に連絡。」
吉田「はい。」
喫茶・リアス
(ドアベル)
アキ「すいません! すいません!」
安部「今 まめぶで黙らせたとこだ。」
春子「とりあえず 整理券持ってる人から 先に配って。」
アキ「分かった。 ウニ丼お待ちの方!」
「あっ はい 1番!」
アキ「ありがとうございます1」
「あの~ この辺で お薦めの観光スポットって どこですかね。」
アキ「え?」
安部「まめぶ お代わりですか?」
「いや… お薦めのスポットです。」
安部「スポット?」
アキ「袖が浜は どうですか?」
「『北の海女(うみおんな)』…。」
アキ「海女です! 袖が浜は 素潜り漁の世界最北端なんです! だから 北の海女って 呼ばれてるんです。」
「あ~ そういうんじゃなくてさ 何か テーマパーク系が いいんだけど…。」
大吉「ミス北鉄 ユイちゃんを乗せた 列車が折り返しま~す!」
(歓声と拍手)
「よっしゃ 行くぞ~!」
安部「じぇじぇじぇじぇ!」
「それそれ それそれ!」
北鉄
吉田「危ねえから 頭引っ込めて! 頭引っ込めろ!」
(ホイッスル)
「邪魔 邪魔!」
<お祭り騒ぎは 日が暮れるまで続きました>
スナック・梨明日
大吉「んで 結局 何人来たんだ。 今日。」
吉田「北鉄の利用者が…。 延べ 2,300人。」
栗原「観光協会の集計も おおむね そんな感じです。」
菅原「ふだんの約5倍か。 道理で疲れるはずだ。」
安部「初対面の人と こんなに しゃべったのは初めてだ。」
吉田「黙ってたけどね。 海女クラブの方は どうでしたか?」
夏「知らね…。」
アキ「今日 一日中 小屋で ウニ丼 作ってたから 夏ばっぱ 浜さ出てねえんです。」
夏「おら 今日 67個も作ったからな。」
安部「浜は ふだんと 変わらなかったそうです。」
回想
美寿々「ありがとうございました。」
「またね~!」
かつ枝「どうだ 冷え性は?」
美寿々「すっげえ冷えんなあ。」
かつ枝「腰きたべ。」
美寿々「腰きたなあ。」
回想終了
栗原「中心部は 今日一日で 少なぐとも 1,000万円の 経済効果がありました。」
菅原「これ インターネットの影響力って すごいな。」
大吉「だから 早く ホームページこさえろって言ったんだ。」
ヒビキ「ネットの… というより ユイちゃんの潜在能力でしょうね。」
大吉「うん それは そうだ。 ミス北鉄効果に ほかならねえべ。」
ヒビキ「むしろ 今後は 足立ユイという 100年に一人の逸材を どう生かすか。 皆さんのプロデュース能力が 問われるでしょう。」
吉田「何で お前 いんだよ。」
今野「確かに… せっかく お客さんが来てもな 開いでる店が おらんとこ含めで 7軒ではな。」
回想
弥生「何?」
今野「見でみ。」
弥生「うん?」
「すいません 12名なんですけど あの 入れ…。」
「無理です。」
<大勢の観光客に 慣れていないのです>
弥生「おめえたち! コーヒーでも飲むか?」
回想終了
今野「よっぽど 買う物 ねかったんだべな。 お土産に パンスト買って 帰りました。」
大吉「おいおい しっかりしてくれよ 商工会さんよ!」
栗原「北鉄だって 人の事 言えねえっぺ。」
大吉「何が? うちは ちゃんと サービスしてっぺ。」
吉田「んだ。」
回想
大吉「鉄道オタクの皆さん どうぞ~! こちらでございます。 こちらが 運転席でございます。 どうぞ。 こちらのおオタクさんから順番に どうぞ どうぞ。」
吉田「いきますよ ちょっとしか… はい バッテリーです。 バッテリー。 バッテリー。」
大吉「オタクさん オタクさん。 シャッター押しましょうか?」
吉田「オタク… オタク様 オタクさん どちらから?」
回想終了
ヒビキ「一応 言っておきます オタクという呼び方は蔑称ですので。 オタクと呼ばれて 傷つく オタクもいますので。」
大吉「『さん』つけても駄目?」
ヒビキ「駄目。」
吉田「お客さんみたいな 言い方しても駄目?」
ヒビキ「駄目。」
吉田「面倒くせえなあ!」
アキ「じゃあ 何て呼べばいいの?」
ヒロシ「鉄道ファンだね。」
一同「あ~。」
夏「明日も来んのか? オタクが。」
ヒビキ「おい!」
吉田「夏さん 言ったそばから…。」
菅原「明日は日曜日ですけねえ。 下手すりゃ今日より 増えるかもしれないね。」
夏「おら 明日は 30個しか作んねえど。」
安部「私も まめぶ汁の材料 買い出しさ行かねば。」
今野「おらも 明日は臨時休業だな これ。」
大吉「ちょっと待てよ! 北鉄開通から 24年 やっと巡ってきた チャンスだど! おめえら 何 ビビってんだ!」
今野「別に ビビってる訳じゃねえよな。」
夏「くたびれてるだけだ。」
大吉「言い訳は聞きたくねえ! せっかく増えた 観光客 みすみす手放すのか? また 過疎の町に逆戻りか!? おい 商工会長 明日は北三銀座の店 端から端まで シャッター開けさせろ!」
今野「えっ!?」
大吉「菅原! おめえは 市内の宿泊施設と連携して P.R.活動! それから 各観光スポットを往復する 送迎バスを手配しろ!」
菅原「え~。」
大吉「そして 我が北鉄は 我が北鉄は…。」
ユイ「明日は 私… 予定あるんです。」
大吉「えっ!?」
ユイ「ホントなんですよ。 盛岡で ダンスのレッスンがあるし 嵐の新曲の発売日だし 雑貨屋にも行きたいし…。」
大吉「このとおりだ!」
大吉「情けねえ話だが この北三陸には これといった名物もねえ。テーマパークもねえ。 ファーストフードも シアトル系コーヒーもねえ。 ミス北鉄だけが 頼みの綱だ!」
夏「ふん いい大人が寄ってたかって 女子高生に頭下げて みっともねえぞ。」
大吉「なりふり構ってらんねえべ! なあ ユイちゃん 電車さ乗ってくれればいい。 時々 笑ってくれればいい! 頼む! 地元のためと思って!」
北鉄
<ユイちゃんは 次の日も列車に乗り 撮影会では収まらず 急きょ ジャンケン大会が 開かれるほどの盛況ぶり>
天野家
<ウニ丼も 70個を完売しました>
夏「限界だ…。 ウニも御飯も見だぐねえ。」
北鉄
アキ「疲れだ~。」
優位「うん 疲れたね。」
アキ「でも すごい人気だね。 わざわざ 九州から 会いに来た人も いたもんね!」
ユイ「まあ…。 こんだけ ちやほやされたら 勘違いしちゃう子もいるだろうね。」
アキ「え?」
ユイ「だって 私 何もしてないじゃん。 ただ 列車乗って 時々 顔上げて 笑って 撮影して 握手して ジャンケンして…。 ただの田舎の女子高生が 何やってんだって感じ。」
アキ「でも アイドルみたいだったよ。」
ユイ「みたいなだけで アイドルじゃないもん。」
<その冷静さに アキは驚きました。 どんなに騒がれても ちやほやされても ユイは 自分を見失ったりしないんだ>
アキ「かっけえ。」
ユイ「え?」
アキ「やっぱり ユイちゃん アイドルだよ。」
ユイ「何で?」
アキ「何でって言われると困るけど。 そもそも アイドルが何だか よく分がんねえし。 でも ユイちゃん見てると おらも明日から 頑張っぺって思うんだ。」
ユイ「アキちゃん…。」
アキ「きっと あの人らも そう思ってっぺ。」
漁協
アキ「組合長 今日こそ ウニ取ってくっからな。」
長内「よ~し! 晩酌のさかなは ウニの網焼きだ! ほい!」
アキ「行ってきます!」
長内「レッツ ゴーだ!」
アキ「レッツ ゴー!」
長内「ハハハッ!」
<アキが 海に潜るのは 潮に流され以来の事でした>