ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」20回「おら、ウニが獲りてぇ」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】20回のネタバレです。

あらすじ

ファンの観光客が町に多数押し寄せ、ミス北鉄のユイ(橋本愛)の人気はうなぎのぼり。一方のアキ(能年玲奈)は、スランプに悩んでいた。潮に流された恐怖がよみがえり、うまく潜れず、いまだウニを取れないでいたのだ。そんなアキを見守るヒロシ(小池徹平)は、ひそかに寄せていたアキへの思いを、彼女の母・春子(小泉今日子)に打ち明け、相談する。そしてヒロシのある行動が、新たな騒動を引き起こして…。

20回ネタバレ

<海女を始めて 2か月余り アキはまだ ウニを取った事がありません。 一個もです。 あと少しなんです。 でも 深く潜って 手を伸ばすと つい 思い出してします>

<穏やかだった海が 表情を一変させ アキは初めて 恐怖を感じました>

アキ「プハッ!」

漁協

かつ枝「しゃあねえべ。 誰もが 一度は ぶち当たる壁だ。」

ヒロシ「そうなんですか?」

弥生「一遍 危ねえ目に遭うと しばらくは 怖くて潜れねぐなるもんなのよ。 溺れたり 流されたりする経験が… ほれ あれだ。 ほれ。 子 丑…。」

ヒロシ「トラウマですか?」

弥生「よぐ分がったなあ!」

かつ枝「おめえ 何やってんだ?」

ヒロシ「あっ 観光協会のP.R.用に 素材撮ってこいって言われて。 ネタ探してるんです。」

かつ枝「ああ ようやく 本気になったか 観光協会も。」

ヒロシ「ええ。 だから 簡単なインタビューを。」

弥生「よし 何でも聞け。」

ヒロシ「アキちゃんに。」

アキ「さようなら…。」

かつ枝「今日は無理だな…。」

天野家
隠し部屋

<落ち込んで 眠れない夜 アキは 2回の隠し部屋へ行きます>

<そこは 母の春子が 高校3年の夏まで過ごした部屋。 まるで 時間が止まったかのように 当時のまま残っていました>

アキ「え? え!? これ 舘ひろし? はあ~ 全然 変わんない。」

♬~(ラジカセ)

アキ「あっ!」

(ラジカセを止める音)

寝室

春子「う~ん。 うん?」

隠し部屋

アキ「何これ? 1983年12月5日『夜のベストスタジオ』。」

<それは 10代の春子が テレビの歌番組を録音した テープでした>

回想

1983年(昭和58年)

<まだ ビデオすら普及してない時代 子どもたちは ラジカセで 歌番組を録音して 聴いていたのです>

夏「帰ったど~!」

春子「シ~ッ!」

夏「組合長から アワビもらったど!」

春子「録音して…!」

夏「でっけえ アワビ!」

<ちなみに 当時のヒット曲は こんな感じ>

♬『Thanks, Thanks, Thanks, Thanks モニカ』

♬『怪しく cat’s-Eye magic play is dancing 月明り浴びて』

♬『君に胸キュン 浮気な夏が ぼくの肩に』

回想終了

アキ「…キュン。 キュン。」

(ドアが開く音)

アキ「キュン。」

(ドアをそっと閉じる春子)

北鉄

<ミス北鉄に選ばれた ユイちゃんの人気は 土日に限った事では ありませんでした>

一同「ありがとうございます!」

「あの… これ 自分のアドレスなんで。」

吉田 大吉「はい 駄目! それ駄目! 絶対 駄目!」

大吉「没収。 後で返すから。」

「何で?」

大吉「はい 次 次!」

<一方 アキのスランプは まだ続いていました>

ヒロシ「頑張ってね。」

アキ「こんにちは。」

安部「アキちゃん こっちゃ来(こ)!」

美寿々「ここさ浅えから! ここ ウニいだ!」

アキ「ありがとう!」

美寿々「最初 泳ぐ!」

漁協

アキ「すいません 毎日。」

ヒロシ「毎日じゃないよ。 今週は 3回目。」

アキ「そんなに来てくれてるのに 一個も取れないなんて。」

ヒロシ「いいの。 もともと ウニ そんな好きじゃないし。 イクラの方が好きだし。」

アキ「イクラは取ってこれない。」

ヒロシ「冗談だよ 分かちづらくて ごめん。」

アキ「それ お仕事ですか?」

ヒロシ「あ… うん。 ウェブ用に 地元の人に インタビューしてんの。 北三陸の魅力を…。」

アキ「私は いいです。 ウニも取れねえのに しゃべる資格ねえがら。」

アキ「仕事 楽しいですか?」

ヒロシ「え?」

アキ「あっ 興味ないのに聞いちゃった。 すいません。」

ヒロシ「…興味ない?」

アキ「海に入ると 嘘がつけないっていうか つい 本音が出ちゃうんです。」

ヒロシ「楽しくはないけど とりあえず 親父は ホッとしてるんじゃないかな。 世間体ばっかり気にする人だから。」

回想

功「23にもなって 昼間から ウロウロして 世間体の悪い。」

回想終了

アキ「ホントにそうかな。」

ヒロシ「え?」

アキ「世間体 気にしてたら 私の前で ストーブさん ブン殴ったりしないと思う。 親として 本気で ストーブさんの事が 心配なんじゃないですか?」

ヒロシ「…ストーブさん?」

アキ「そう呼ばれてましたよね。」

回想

功「そんな ストーブのそばから 離れられないような奴が 東京で続く訳ないって。 あいつ ストーブなんですよ。」

回想終了

ヒロシ「ああ…。 ハハハッ。」

アキ「子どもが かわいぐねえ親なんて いねえと思います。 やっぱり ちょっと しゃべって いいですか?」

ヒロシ「え?」

アキ「インタビューしてもらって いいですか? 北三陸の魅力 広く アピールしたいんです 私!」

ヒロシ「じゃあ いくよ~。」

アキ「はい 初めまして! 天野アキです!」

ヒロシ「ごめん。 まだ回ってない。」

アキ「じぇじぇ!」

ヒロシ「ハハッ びっくりした。 ふだんどおりで いいからね。 自然な感じで。」

アキ「はい! ここは 袖が浜です! 私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます 天野アキです! こごは 日本最北端の海女の漁場で こごの海女さんは 北の海女って呼ばれてます! ウニが取れます!]

アキ「でも 私は まだ ウニを取った事 ねえです。 じぇじぇ。 あっ 今のは 袖が浜の方言です。 こっちの人は びっくりした時に『じぇじぇ』って言います。 もっと びっくりした時は『じぇじぇじぇ』。 もっと もっと びっくりした時は『じぇじぇじぇじぇj』というふうに『じぇ』が増えます! 何しゃべるんでしたっけ?」

ヒロシ「北三陸の魅力。」

アキ「あ~ んだんだ! まず ウニが超うめえ!」

夏「うわっ!」

アキ「じぇじぇじぇじぇ! びっくりした~!」

夏「何やってんだ おめえ。」

アキ「インタビューだ。」

夏「組合長から でっけえサザエもらったど!」

アキ「じぇじぇじぇ!」

夏「エッヘッヘッ 焼くど! 早く来ねえと無くなるど!」

アキ「行ぐ 行ぐ 行ぐ!」

ヒロシ「インタビュー…。」

観光協会

アキ『私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます 天野アキです! 海女やってます。 天野アキです! ここは 日本の最北端…』。

アキ『私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます 天野アキです!』。

アキ『天野アキです! 天野アキです! 天野アキです! 天野アキです! こごの海女さんは 北の海女って呼ばれてます! はい! ここは 袖が浜です! 私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます。 天野アキです!』。

スナック・梨明日

春子「ああ いらっしゃい。」

弥生「いらっしゃ~い。」

大吉「おっ どうした? 観光協会のウェブ担当!」

春子「何飲む? ビール?」

ヒロシ「やっぱ好きです! やっぱ 俺 好きみたいです!」

大吉「てめえ 若造 この俺を差し置いて!」

ヒロシ「駄目ですか!?」

大吉「駄目に決まってんだろ てめえ 年 なんぼ離れてると思ってんだ!?」

春子「私じゃないわよ!」

大吉「え?」

ヒロシ「え… 私?」

弥生「違う!」

春子「アキでしょ?」

弥生「あ~ びっくりした。 夢かと思ったわよ。 あれ? びっくりして 標準語になっちゃったわよ。」

春子「やっぱ そうなんだ。 そうじゃないかなとは思ってたけど。」

ヒロシ「すいません。 いや 何か 昼間 撮った インタビュー編集してたら 何か たまんない気持ちに なっちゃって…。 本人に告げる前に お母さんに 探り入れておこうっていうか。 お母さんの方が近かったんで。 すいません。」

春子「うん。 そんで?」

ヒロシ「自分 アキちゃんと…。」

春子「駄目! 絶対 駄目。 ありえない 絶対 駄目! 金輪際 駄目~!」

弥生「春ちゃん…。」

春子「うん?」

弥生「おらの経験上 海女って 彼氏ができると 潜りが上達するんだ。」

春子「やめて 下ネタ。」

弥生「まだ 下ネタ言ってねえべ。」

春子「だって 言いたそうな顔してたじゃん。 言ってるようなもんじゃん。」

ヒロシ「一応 理由聞いておきたいんですけど! やっぱ 高校生だから!?」

春子「う~ん それは気にしないかな。 子どものじゃないし。」

ヒロシ「妹の親友だから!?」

春子「それも関係ないかな。」

ヒロシ「えっ! じゃあ 何で!?」

春子「ヒロシ君じゃ アキを幸せにできないからよ。」

弥生「まっとうな理由だな。」

春子「だって 何やっても続かないでしょ? 今は とりあえず 観光協会で働いてるけど いつ辞めるか 分からないし 地に足が着いてない!」

大吉「まっとうすぎて泣けてきだ!」

春子「いいお友達で いてあげて。」

ヒロシ「分かりました…。 じゃあ この気持ちを 胸に しまっておきます。」

春子「そうね。」

ヒロシ「だけど… アキちゃんの事を好きなったの 俺が 1番っすから! 俺が ファン第1号っすから! うわ~!」

北鉄

<そして また 怒涛の週末が やって来ました>

大吉「何? 袖が浜で 客が どんどん降りてる? なして? じぇじぇ!」

観光協会

アキ『はい! ここは 袖が浜です! 私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます。 天野アキです!』。」

安部「組合長!」

長内「おう。」

安部「これ どう…。」

(話し声)

長内「うん? うん!? 何だ?」

「すいません! すいません。 海女さん いるのって あっちですか?」

長内「あっちだ。」

一同「うわ~!」

2人「じぇじぇじぇじぇじぇ!」

観光協会

アキ『じぇじぇ。 あっ 今のは 袖が浜の方言です。 こっちの人は びっくりした時に【じぇじぇ】って言います。 もっと びっくりした時は【じぇじぇじぇ】。 もっと もっと びっくりした時は…』。

アキ「じぇじぇじぇじぇじぇ!」

ヒビキ「あっ 海女のアキちゃんだ!」

(歓声)

<なんと ユイちゃん効果で アキまで ブレークしてしまったのです>

(歓声)

アキ「どうすっぺ…。」

モバイルバージョンを終了