ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」22回「おら、ウニが獲りてぇ」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】22回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)は、悩んだ末に、先輩海女・安部(片桐はいり)に海中でこっそりウニを渡してもらい、自分が取ったことにしていたことを、観光客に明かしてしまう。かつ枝(木野花)や弥生(渡辺えり)から怒られたアキは、そこで安部が今季限りで海女を引退することを聞く。安部は、アキの母・春子(小泉今日子)と高校の同級生。アキは、安部から春子の若いころのことを聞くが、春子の過去について何か隠していることに気づく。

22回ネタバレ

北鉄

大吉「はい駄目 それ駄目! 盗んじゃ駄目! はい返して。」

「すいません。」

<ミス北鉄の ユイちゃんのおかげで 観光客が 一気に増えました>

美寿々「はい いらっしゃいませ! いらっしゃいませ!」

<その人気は 袖が浜にも 飛び火して 海女のアキちゃん効果で 袖が浜は 今年一番の 大入り>

「横浜の来たんです。 娘が アキちゃんの大ファンで。」

アキ「じぇじぇ!」

「まだ 8歳なんですけど ネットの動画 毎日見てるの。 将来は 海女さんになるって。」

一同「ほう~!」

「ウニ食べる? ホント食べれるの?」

「おいしい!」

アキ「あ よかった~!」

「アキちゃんが 取ってくれたと思うと 一段とおいしいね。」

アキ「ホントは 取ってないんです。」

「え?」

アキ「あそこで バケツ洗ってる おばちゃん いるでしょ? 見える? あの人が取って 海の中で こっそり 渡してくれるんです。 すごいっぺ。 だから あの おばちゃんに ごちそうさまでしたって 言ってあげて。」

「はい。 ごちそうさまでした!」

(拍手)

漁協

かつ枝「なして 全部バラしちゃうかな この わらすは!」

アキ「ごめん でも やっぱり 噓つくの無理だ。 子どもの前だと 特に。」

弥生「ホントの事 知りたくて 横浜から来た訳では ねえど。 第一 あれじゃ かえって 安部ちゃんの 立場がねえべ。」

安部「いいんです 私は。」

弥生「最後の最後ぐれえ 気持ちよく 送り出して やりてえべ!」

アキ「最後? 何 最後って。」

夏「安部ちゃん 今年で 引退なんだと。」

アキ「じぇじぇじぇ! なして?」

安部「もともと 漁協の事務が本業で 人手が足りねえ時だけ 潜ってたんだが 昨日 観光協会から呼ばれてさ。」

回想

菅原「大手百貨店の 丸越屋さんから 岩手物産展の お誘いを受けてるの。 まめぶ汁を 北三陸の名物として エントリーしませんかって。」

栗原「おしゃれな カフェーっぽい 感じの屋台で売るんだと。」

安部「まめぶをですか?」

菅原「うん。 レトルト食品として売り出す 計画もあるんだと。」

安部「まめぶをですか?」

菅原「いや 俺は反対したよ。」

栗原「ところが こちらの駅長さんが。」

菅原「あんたの元亭主が。」

栗原「安部ちゃんと まめぶに チャンスを与えてくれと。」

大吉「おら 安部ちゃんの まめぶが 一番うめえと思う。 まめぶの中ではな。 だから どうせなら その一番うめえ まめぶを 全国の人に 食ってもらいたいと思う。」

安部「大吉っつあん。」

回想終了

安部「…という訳なの。」

アキ「じゃあ 安部ちゃん 東京さ 行くんですか?」

安部「ううん 宇都宮。」

美寿々「栃木か? 中途半端だな。」

安部「北関東から じわじわ攻めて 様子見ながら 東京に進出する 計画なんだと。 だから 9月の本気獲りが 終わったら お別れなんだ。」

アキ「本気獲り?」

美寿々「アキは知らねえが 本気獲り 通称マジ獲り!」

長内「海女のシーズンが終わる 9月の最終日にはな 船で 沖さ出て ウニ取りまくるのしゃ。 ハハ!」

アキ「何それ? 楽しそう!」

夏「まあ アキには無理だな。」

アキ「なして?」

かつ枝「浜の浅瀬で ウニ取れねえのに 沖で取れる訳ねえべ。」

夏「何せ 本気獲りだがらな。」

北鉄

アキ「需要と供給?」

ユイ「そう だってアキちゃん自身 潜るのが好きで お客さんも 喜んでる訳でしょ? 需要と供給 釣り合ってるじゃん。」

アキ「そうなのかな。」

ユイ「そうだよ。 だって ダルダルの おばさんが潜って ウニ取ってきても お客さん 納得しない訳じゃん。」

アキ「ダルダルの おばさんって…。 誰の事 言ってんだろ?」

ユイ「アキちゃんが かわいいから 人 集まってる訳でしょ。」

アキ「いや いや いや!」

ユイ「そんなの みんな分かってるよ。 だから 割り切って ニコニコ笑っといた方が いいと思う。 私は そうしてる。」

アキ「ユイちゃんはさ。 電車乗って 記念写真撮ったり 握手したり サインしたりして 楽しい?」

ユイ「いや…。 楽しくはないけど それが今 望まれてる 自分だからね。」

<『かっけえ! 何だか 分かんないけど かっけえ!』…と アキは思いました。 望まれている自分を演じる。 それを 堂々と言えるユイは やっぱり プロなんだ。 私とは 違う>

回想

ユイ「アイドルに なりた~い!」

回想終了

喫茶・リアス

春子「ああ アキ お帰り! ねえ 何か食べる?」

アキ「う~ん。」

春子「うちに帰っても 何にも ないと思うんだよね。 お母さん 多分 寝ちゃってるしさ。 ここで 食べてくれると ありがたいんだけどね。」

アキ「ママって 子どもの頃 アイドルになりたいって 思った事ある?」

春子「え?」

アキ「ママにとって 憧れのアイドルって 誰?」

春子「何よ 急に。」

アキ「ピンと来ないんだよね アイドルって。 とりあえず かわいくて 歌とか 踊りとか うまくて 男が光る棒みたいなの 振り回して 応援してるイメージ? アイドルって。 10代の頃 憧れのアイドルとか いた? あ 聖子ちゃん?」

春子「まあ そうね そう そう そう。 あの 世代的に そんなんで。」

アキ「同じ髪型に してたんでしょ?」

春子「誰に聞いたの? そんな事。」

アキ「安部ちゃんが言ってた。」

回想

安部「この町で 一番最初に 聖子ちゃんカットしたのは 春ちゃんだもん。」

回想終了

春子「昔の話よ 中2か中3の。」

アキ「写真 見たいな。」

春子「ないわよ。」

アキ「え~! 家に帰ったらある?」

春子「ない ない!」

アキ「嘘 嘘! 探せば一枚くらい あるでしょう?」

春子「いい加減にしなさい!」

(勉が驚いて琥珀を落とす)

春子「何なの?『海女になりたい』って 言いだして ちょっと 壁にぶつかったら 今度は何? アイドル? くっだらない。 ちょっと ちやほやされたからって いい気になってんじゃないの!」

アキ「違うよ。」

春子「違わない。 そんな 浮ついたもんばっかりに 興味 持たないで。」

アキ「海女は 浮ついてないもん。」

春子「そうですね。 海女は 海に潜って ウニ取りますもんねって バカ! そういうの へ理屈っていうのよ!」

(ドアが開く音)

大吉「ウーロン茶 ストレート!」

春子「あ!」

アキ「アイドルになりたいなんて 言ってないもん。」

春子「あったり前よ。 あんたみなたいな ブス なれる訳ないじゃないの!」

アキ「ブス?」

春子「ごめん。 あ 言い過ぎたかな?」

大吉「ちょっと どうしたの 春ちゃん。」

春子「いや いや いや。」

大吉「アキちゃん。」

(泣き声)

春子「泣くんじゃない!」

アキ「泣いでねえ。」

大吉「いやいや 泣いでるよ。 どうしたの? アキちゃん!」

(泣き声)

道中

アキ「うわ~!」

<かわいいと 言われた直後に ブスと言われ アキは すっかり 壊れてしましました>

アキ「(叫び声)」

アキ「え? どうしよう? 自転車で 帰ってきちゃったよ。 うわ~!」

喫茶・リアス

春子「はい よかったら どうぞ。 サービスね。」

大吉「ああ。 ありがとう。」

<母が 何故 あんなに動揺したのか アキには 全く 理解できませんでした。 アキは 考えました。 なぜ母は 突然キレたのか? ふに落ちない。 過去に春子が あんな理不尽な キレ方をした事が あっただろうか?>

道中

回想

春子「ん? こないだ テレビ直したばっかり。 駄目だ 使えない!」

春子「暑い! 岩手なのに バカみたいに暑い!」

春子「見たい番組 一っっもない!」

回想終了

<結構あった。 母は ちょいちょい 理不尽に キレる女でした。 でも今日は いつもと 何かが違った。 一体 何が 母の逆鱗に 触れたのか?>

(かもめの鳴き声)

(ベル)

アキ「安部ちゃん。」

安部「まめぶ 食べっか?」

漁協

安部「すいません ただいま。」

安部「中学のは これしか…。 あ…。」

アキ「やっぱ いい。」

安部「え? 何で。」

アキ「だって ダサいんでしょ。」

安部「今見たらね… でも当時は 流行のヘアスタイルだったんだ。」

アキ「じゃあ 見る。 やっぱ いい。」

安部「わざわざ 家まで 取りに行ったのに。」

アキ「見だら死ぬ。」

安部「死なないわよ。」

アキ「見だら 石になる。」

安部「そんな 呪いの写真じゃねえし そこまで ダサくねえ。」

アキ「本当?」

安部「B組。」

アキ「アハハハハ! 安部ちゃん ウケる。」

安部「私はいい! 似合ってないから。 これ ほら これが春子さん。」

アキ「…。」

安部「アキちゃん?」

アキ「え?」

安部「石になったかと思った。」

アキ「なんないよ だって かわいいじゃん。」

安部「かわいかったんだよ。 わざわざ隣町から 男子が 見に来たんだよ。 ファンクラブもあったんだから。」

アキ「ユイちゃんみたい。」

安部「そうだね。」

アキ「ふ~ん。 じゃあ 何で あんなに怒ったんだろ。」

安部「え?」

アキ「『ブス!』とか『バカ!』とか どなられたの。 ひどくね? ただ 昔の写真 見たいって 言っただけなのに。 ねえ 何でだと思う?」

動揺する安部

アキ「安部ちゃん 何か知ってる?」

安部「分かんねえ。 おら何も知らねえ!」

<『何か隠してる』。 いかに鈍感で幼稚なアキでも その慌てようを見れば ピンと来ました。 安部ちゃんだけじゃない この町の大人たちは 昔 春子の過去を 知っている>

天野家
居間

春子「はい サラダ どうぞ。」

アキ「…。」

春子「何よ 早く食べなさい。」

アキ「うん。」

<でも それは ママにとっては 消したい過去なんだ。 理由は 分からないけど 触れちゃいけない 見ちゃいけないんだ>

隠し部屋

<見ちゃいけないものほど 見たくなるものです>

春子「何してんの?」

アキ「あ! ママ…。」

モバイルバージョンを終了