ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」27回「おら、先輩が好きだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】27回のネタバレです。

あらすじ

シーズンが終わって潜れないアキ(能年玲奈)は、北鉄の一日車掌を任され、夏(宮本信子)の発案で「ウニ丼」を海女姿で車内販売することに。ファンが殺到し、イベントは大盛況。アキもみんなが喜ぶ姿を見て、うれしくなる。しかし、母・春子(小泉今日子)から、チヤホヤされていい気になってるんじゃないと厳しい言葉を浴びせられる。アキは、自分が何をやりたいか悩む。そんなアキを見たユイ(橋本愛)は、ある場所に誘いだす。

27回ネタバレ

学校

アキ「じぇじぇじぇ!」

<一体 これは 何なのでしょう?>

アキ「かっけえ~!」

ユイ「そう?」

アキ「超かっけえよ! …っていうか 何なの これ?」

ユイ「潜水土木科の授業だよ。」

アキ「潜水土木科?」

ユイ「うちの高校って 普通科と 潜水土木科があるの。 知らなかった?」

アキ「知らねえよ。 聞いてねえよ。 教えてくれて ありがとう ユイちゃん!」

ユイ「もともと この辺には 南部もぐりっていって 100年以上の歴史があるの。 海に潜って 防波堤の土台を造ったりね。」

アキ「見で! 何か ヘルメットから ブクブク 泡出てきた!」

ユイ「もういいよ。 早く行こう!」

アキ「うわっ!」

<アキは聞いていないので 皆さんに ご説明します。 明治35年 潜水士の 磯崎定吉が 十和田湖の底に沈んでいた 賽銭箱を引き揚げた事で 南部もぐりは 一躍 有名になりました。 特殊な潜水服と 銅で出来た ヘルメット 総重量70kgの装具をつけて 長時間 海に潜る。 土木作業や 溶接の技術を学ぶ。 アキとユイが通う 北三陸高校は 潜水土木科のある 非常に珍しい高校なのです>

潜水土木科 実習プール

ユイ「先生 ちょっと 授業見学してもいいですか?」

磯野「あ? 何だ この 普通科の授業は?」

ユイ「あっ 午前中で終わりました。 あの 海女クラブの…。」

磯野「ありゃ!? おめえ 見たど この間 ネットで この野郎 なまり過ぎてる海女ちゃんだべ!」

ユイ「先生ほど なまってないけどね。」

アキ「皆さんは 何で潜るんですか?」

磯野「何でって この野郎 おめえ 遊んでるように見えるか!?」

アキ「見えます! 超楽しそう!」

磯野「この野郎…。」

ユイ「ごめんなさい 説明したんだけど。」

磯野「潜水土木の生徒は 2年で資格取るんだど。」

アキ「資格?」

磯野「潜水士の資格さ持ってたら おめえ 就職さ有利だべな。」

「先生 時間です!」

磯野「OK 終了。」

「終了で~す!」

一同「おう!」

磯野「ゆっくり ゆっくり 焦んな。」

アキ「出てきた! すげくね? 宇宙飛行士みでえだ~!」

磯野「あいつは 3年生の種市。 一流建築会社さ 就職決まってる エリートだな。 はい 次! 慎重に! でも急げ! 急げ! 急げ!」

アキ「やばい…。」

種市「中断浮揚は完璧ですが 平行移動になると まだ少し 浮いてしまいます。」

アキ「やばい やばい やばい やばい…。」

磯野「沈み気味に泳げば うまくいくべ。」

種市「分かりました。」

ユイ「アキちゃん ちょっと どうしたの?」

種市「何だ?」

磯野「見学だ。 エロすぎる…。」

ユイ「なまり過ぎる海女の 天野アキちゃんです。」

種市「種市浩一だ。」

ユイ「足立です。 どうも。」

磯野「あっ お前 よく見たら この野郎 おめえ ミス北鉄でねえか?」

磯野「何 笑ってんだ おめえ。 次。」

<天野アキ 高校2年にして 初めての一目ぼれでした>

漁協

花巻「何 見てんだ?」

アキ「エヘヘヘッ…。」

花巻「気持ち悪いなあ。」

アキ「…エヘッ。」

かつ枝「アキ 起きろ この野郎 こら こら!」

弥生「何だ おめえ 耳まで真っ赤でねえか。 風邪か?」

アキ「怖え夢見た。」

弥生「どんな夢だ?」

アキ「弥生さんになる夢だ。」

花巻「夢で いがったな。」

天野家

アキ「ねえ ばっぱ ヘルメット潜水って知ってる?」

夏「ああ 南部もぐりか。」

アキ「そうそう! うちの高校にも 潜水土木科っていうのがあって 今日 見学したの。 かっこよがった~。」

夏「そりゃあ そうだ。 南部もぐりは 男の花形。 北の海女は 女の花形って 昔から 人気あってよ。 おめえのじい様も 潜水土木科出身だ。」

アキ「じぇ! そうなんだ。」

夏「もしかして おめえ やりたぐなったのか?」

うなずくアキ

夏「おめえには無理だべ。」

アキ「何で?」

夏「何でって やっと ウニ一個取れたばっかりで おめえ 海の底で 力仕事は無理だべ。 そんな 甘いもんじゃねえ。 でも まあ じい様は喜ぶだろうな。」

アキ「何だよ~ さっきから。 やらせたいの? やらせたくないの? どっち?」

夏「おら 知らねえ。 …つうか 面倒くせえ。 母ちゃんと相談して 決めろ。」

アキ「え~? ねえ ばっぱ!」

夏「あ~ うるせえな おめえは もう!」

<そのころ スナック梨明日に 珍しいお客さんがやって来ました>

スナック・梨明日

功「ハッハッハッハッ! いや~ 分かんないもんだ。 北高一のスケバン天野が スナックのママとはね~。」

春子「やめてよ 先生 人聞きの悪い。」

美寿々「そんなに悪かったの?」

菅原「いや~ それは もう…。 スカート ズルズルの マスクして かばん こったに潰して 学校さ通ってたもんな。」

春子「はあ もう恥ずかしい…。 もう やだやだ 飲んじゃう 飲んじゃう!」

回想

(チャイム)

1984年(昭和59年)

菅原「天野君? ねえ 天野君! 交換日記書いだから読んで。」

春子「うっせえ 学校で話しかけんなって 言ってんべ。」

菅原「ああ ごめん…。」

回想終了

大吉「交換日記やってたんだ。 へえ~。」

菅原「あれ? しゃべってませんでしたっけ?」

大吉「いや~ 聞いてないですね。 交換日記は聞いてないですね。」

春子「3日で終わったけどね。 ヘヘヘッ。」

功「ず~っとね 気になってたんだよ。 家出する子は ほかにも いたけどね。 数日たつと 帰ってくるか 補導されるか。 ところが 天野は…。」

菅原「本格的に 行方不明だったですもんね。」

美寿々「捜索願い出せば いがったのに。」

功「いや そう言ったんだけどもね お母さんが『大丈夫です。 腹が減ったら 帰ってきます』って。 頑として 断ったんだよ。」

大吉「まさか 24年も帰ってこねえとはな。」

春子「腹 減んなかったんじゃないの? あっ 先生だって あのころ まだ 独身でしたよね。」

功「え? ああ… そうだね。」

美寿々「若くて きれいな奥さん もらったのよね。」

菅原「20歳年下の 元女子プロレスラーでしたっけ?」

功「元女子アナだよ。」

菅原「ああ…。」

功「適当だな~ 菅原は もう…。 殴るぞ!」

菅原「うわっ!」

(笑い声)

功「いや 北鉄が開通した年に 結婚をして その翌年に 長男が生まれたの。」

観光協会

栗原「足立君 まだ帰らねえの?」

ヒロシ「はい。 何か やりかけちゃったんで。 うっ… よ~し。」

栗原「その焼き肉屋 もう 潰れたよ。」

ヒロシ「え?」

栗原「今 回転ずし。 お先に。」

ヒロシ「えっ? 今 つけちゃった…。 あっ!」

スナック・梨明日

功「遅くに生まれた子だからね。 甘やかしちゃいけないって 意識し過ぎたのが よくなかったのかな…。 高校入った辺りから 完全に心閉ざししてしまってね。 そうなると もう 悪循環。」

功「あいつの物のしゃべり方 目つき 飯の食い方 何もかも気に入らないんだ。 まあ 不思議なもんでね 自分の学校の生徒なら どんな不良だって いいとこ見つけられるのに 我が子の事となるとね。」

春子「いい子ですよ ヒロシ君は。」

功「え?」

春子「いい子です あの子。 まあ どこがって聞かれたら そんなに親しい訳じゃないし そもそも 今の世の中 いい子だからって 得するとは限らないけど とりあえず いい子だと思う。 あっ すいません 何か…。 でも ホントに 悪い子の私が言うんだから 間違いありません。 ヒロシ君は いい子です。 ねっ そう思わない?」

大吉「んだな うん。 ちょっと暗いし 顔色悪いけど それで 何 考えてるか 分かんねえとこもあるし だけど 聞けば ちゃんと答えるし 自分の考え ちゃんと持ってるし。」

功「あっ そう。」

菅原「はい。 真面目で気が利くし 何より パソコンできるのは ヒロシ君しか いないんで うちには もう なくてはならない存在ですね。」

功「あっ そう。」

菅原「ええ。」

功「そうか。」

菅原「はい。」

大吉「足立君頼みだもんな 観光協会は。」

菅原「はい!」

春子「ホント。 ねっ? いらっしゃい!」

美寿々 春子「うわ~!」

ヒロシ「親父…。」

功「ヒロシ お前 いい子らしいな。」

ヒロシ「え?」

功「いや 俺には お前のよさは 全然 分からないけれども 俺の教え子が そう言ってんだから そうなんだろう。」

ヒロシ「何だよ… 酔っ払ってんの?」

ヒロシ「いいから 座って飲め。」

春子「座って 座って 早く。」

ヒロシ「じゃあ バーボン ロックで。」

春子「バーボン ロックね。」

功「ロックなんて 100年早い。 水割りにしろ。」

ヒロシ「いつも ロック飲んでるのに…。」

功「うるせえ ストーブのくせに。 ストーブ。」

春子「ストーブ?」

学校

ユイ「わっ!」

アキ「…。」

ユイ「えっ マジで?」

アキ「やっぱ かっこいいな…。 潜ってる時の姿勢が きれいだ。」

ユイ「種市先輩?」

アキ「ほら あの赤い潜水服。」

ユイ「え~ あれ ホントに 種市先輩?」

アキ「絶対 そうだよ!」

ユイ「だって 顔見えないじゃん。」

アキ「顔見えなくても 潜り方で分がんだ。」

ユイ「もしかして アキちゃん… 好きなの?」

アキ「よし決めた!」

ユイ「え?」

アキ「ユイちゃん  おら 普通科やめで 潜水土木科に編入する!」

ユイ「えっ!?」

アキ「種市先輩に教わって 潜水士の資格取る!」

ユイ「種市先輩。」

アキ「じぇじぇじぇ!」

種市「何だって?」

磯野「うわっ あっ! あ~ 駄目だ 駄目だ! 小便したい 小便! 小便してえ!」

種市「何か用か?」

アキ「えっと あの…。」

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