ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」30回「おら、先輩が好きだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】30回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)の毎日は、祖父・忠兵衛(蟹江敬三)の遺影に手を合わせることから始まる。学校では、ハードな潜水の授業でクタクタだ。一方、ユイ(橋本愛)の人気はとどまることを知らず、春子(小泉今日子)は、そんな彼女の姿を昔の自分と重ねてしまう。そんな折、いつもと様子が違う夏(宮本信子)に、長内(でんでん)との不倫疑惑が。そして週末、約束通り車内販売にがんばるアキは、見覚えのある顔に出くわし…。

30回ネタバレ

天野家

(小鳥の鳴き声)

<南部もぐりを始めてから アキは毎朝 仏壇に 手を合わせるようになりました>

(鈴の音)

アキ「おじいちゃん 今日も一日 アキを守ってね。」

<そうしないと 安心できないほど 潜水土木科の実習は ハードでした>

学校

磯野「ん? おいおいおい! どうした! 何だ? おいおいおい! 天野! 天野! 落ち着け! 天野 大丈夫か?」

アキ「ごめんなさい! 鼻の頭がかゆくて。」

磯野「この野郎!」

アキ「あ…。」

磯野「鼻の頭が かゆくて 何だ! もう一回行け! やれ かぶせろ!」

天野家

(犬のほえる声)

(鈴の音)

アキ「ねえ じいちゃんも 海で死んだの?」

夏「う~ん。」

アキ「何年前?」

夏「何年めえ? 何年…。 1年めえか。」

アキ「じぇじぇ! そんな最近の話なんだ。 ごめん ばっぱ つらかったら 別にいいけど。」

夏「つらくねえよ 別に。 毎回 漁さ出る時は もう死んでしまうかもしれねえ。 それぐれえの覚悟で 送り出してんだ。 それが漁師の嫁の 宿命さ。」

アキ「ふ~ん。」

学校

種市「『ヘリウムは 無色 無味 無臭の 極めて軽い気体で…』。」

<無謀にもアキは 潜水士の 資格試験を 受けようとしています>

種市「『不活性ガスと呼ばれている』。 分かるか 天野。」」

アキ「(いびき)」

種市「おい 天野! おい 天野!」

アキ「あ 先輩!」

種市「ちょっと 休憩すっか?」

アキ「いえ 大丈夫です。」

種市「そうか。 じゃあ立て よし屈伸しよう。」

<潜水土木科では  ほとんどの生徒が 2年生で 潜水士の資格を取ります>

2人「1 2 3 4 5 6 7 8!」

種市「よし 深呼吸。 吸って 吐いて。 吸って!」

(ドアが開く音)

種市「あ こんにちは!」

ユイ「アキちゃん まだ帰んない?」

アキ「ごめん 先 帰ってて。」

ユイ「分かった。 今度の土曜日どうする? 北鉄乗る?」

アキ「分がんねえ。」

ユイ「頑張って。」

種市「じゃ 勉強始めるか?」

アキ「はい!」

(足音)

北三陸駅

ヒロシ「熱心だね。」

アキ「うわ!」

ヒロシ「潜水土木科に 編入したんだってね。 ユイから聞いたよ。」

アキ「はい。 あの ストーブさん おら 勉強に集中したいんで。」

ヒロシ「その後どうかな。」

アキ「どうって?」

ヒロシ「え? 忘れたの。」

回想

ヒロシ「好きなんだ! アキちゃんの事が好きなんだ。」

回想終了

アキ「覚えてますけど 断片的に。」

ヒロシ「で… そろそろ 答えが 聞きたいなと思って。 あの これ ユイに『直接渡せ』って 言われちゃってさ。 読んでもらえないかな。」

アキ「今ですか?」

ヒロシ「うん。 この間は 何か ほら アキちゃん テンパってて。」

回想

アキ「脳みそ使っちゃ 駄目なんです。 考えちゃ駄目なんです。 酸素使っちゃ 駄目なんです。」

ヒロシ「アキちゃん!」

アキ「じぇじぇじぇ!」

回想終了

アキ「だって 本気獲りの 前の日だったから 潜る時は 脳みそ使っちゃ 駄目なんです。」

ヒロシ「ねえ ちょっと アキちゃん!」

アキ「…ていうか ストーブさんって 間が悪いですよね 何か!」

ヒロシ「ごめん。」

アキ「すいません。」

ヒロシ「ね ね! ねえ! どうかな?」

アキ「今は 勉強に集中したいので。 すいません。」

<そう答えるのが 精いっぱいでした。『ほかに好きな人がいる』なんて 言ったら ストーブさんは また ストーブのそばから 離れられなくなってしまう。 案の定 その夜は 眠れませんでした>

天野家

アキ「ウニ 1匹 ウニ 2匹 ウニ 3匹…。(うなされる声) あ! ああ もうストーブ!」

(犬のほえる声)

アキ「うん あ…。 ママ まだか。 うん? ばっぱ! ねえ ばっぱ! ばっぱ ばっぱ ばっぱ!」

夏「うるせえなあ。」

アキ「おじいちゃんの写真が ないよ。 おじいちゃんの写真 仏壇に あったよね? ないよ。」

夏「片づけた。」

アキ「片づけた? 何で?」

夏「もう何だよ こんな夜中に。 さっさと寝ろ わらす。 あ~。」

<『怪しい」。直感的に アキは 感じました。 そして数日後>

喫茶店・リアス

春子「ちょっと うちで話せない事って それ?」

アキ「だってほら ばっぱ 海女のシーズンが 終わってから 元気なかったじゃない?」

弥生「毎年の ごった。 9月になると 1回 燃え尽きるんだ。」

アキ「それが ここ最近 妙に ソワソワしてんだ。」

回想

夏♬『雨よりやさしく 淋しい胸に 涙に』

回想終了

今野「そりゃ あれだべ アキちゃん ユイちゃん効果でさ もう ウニ丼が 売れて売れて 笑いが止まんねえって パターンだべ。」

春子「それだけじゃないかもしれない。」

大吉「春ちゃん。」

春子「言われてみたら 私も 想い当たる節が あるんだよね。」

回想

夏「ふん ふふん! これ ! これこれ!」

回想終了

春子「化粧なんてさ 若い頃から 一切した事ない人だよ。」

アキ「ひょっとして ばっぱ 好きな人できたんじゃない?」

一同「いやいや いやいやいや!」

春子「いや~ ない事ないよ。 だって お父さん死んだの いつよ。」

今野「え 死んだ?」

アキ「去年って言ってた。」

春子「去年? 去年! え? そうなの?」

大吉 弥生「んだ んだ んだ んだ!」

春子「まだ1年しか たってないのに やだやだ 考えたくない。 何それ。」

大吉「ちょっと 春ちゃん 落ち着いて考えよう。 だって 夏さん いくつ 64でしょ? いくら忠兵衛さんが 亡くなったからって。」

今野「え? 亡くなった? わ~ いてっ!」

春子「あれよ 問題は 相手が 誰かって事よ。」

大吉「春ちゃんってば!」

勉「ちょっと いいべか。」

大吉「勉さん…。」

勉「近頃 私 内職で 漁協に お邪魔してるんですども。」

大吉「べ 勉さん 大丈夫か? 爆弾発言 飛び出すんじゃねえべな?」

勉「ほぼ毎日 夏さんが お見えになって。」

回想

回想終了

一同「組合長と!?」

勉「そうと決まった訳じゃねえけど…。 やけに 親しげだなあ。 …と思ってました。 しかも 帰りがけ。」

回想

夏「ハハ! じゃあね勉さん ハブ ア ナイス デー! ヘヘヘ!」

回想終了

今野「怪しい!『ハブ ア ナイス デー!』は 怪しい!」

大吉「いやいや! だって組合長の奥さん かつ枝さんだべ!」

弥生「あの2人 今は分かれてるはずだ。」

大吉「やめで弥生さん 流されないで!」

弥生「組合長が八戸だ 北海道だって 走り回って ウニば調達してたのも そうだったのか! 2人が 不適切な関係だと 考えれば 合点がいくという訳だね!」

大吉「やめて! アキちゃんが 聞いてるから!」

春子「駄目 駄目! 聞いちゃ駄目!」

今野「職権乱用だべや。」

弥生「泥沼交際だべや!」

(ドアが開く音)

かつ枝「弥生ちゃん 聞いて聞いて。」

夏「(笑い声)」

かつ枝「やっと 血圧下がったの。」

一同「…。」

夏「何だ おめえら? おっかねえ顔して。」

夏 かつ枝「(笑い声)」

天野家

アキ「寝てる 寝てる。」

春子「あんたさ 明日ウニ丼 売りに行きな。 その間に ママが問い詰めるから。」

アキ「分がった。」

春子「あ~ 何もないな。」

<言われたとおり アキは ウニ丼を 売りに行きました。 そのころ春子は>

夏♬「『雨よりやさしく』よし出来た!」

かつ枝「行ってきます。」

美寿々「行ってきます!」

北鉄

アキ「北鉄名物 ウニ丼はいかがですか!」

ユイ「ご好評につき 10月以降まで 販売します!」

アキ「ありがとうございます!」

ユイ「ウニ丼は いかがですか! ありがとうございます。」

(騒ぐ声)

天野家

夏「あ~あ くたびれた くたびれた! ♬『いつでも夢を』」

春子「お母さん ちょっと座って!」

夏「あ 何だよ ちょっと! 寝かせてくれよ。」

春子「大事な話があるの。」

夏「いいがら!」

春子「いいから座って!」

夏「何だよ?」

北鉄

アキ「ウニ丼です ありがとうございました。」

忠兵衛「おい ねえちゃん 1個けれや!」

アキ「はい 1,200円です。 ありがとうございます。」

ユイ「アキちゃん。」

アキ「お疲れさまです。 あ~ やっと完売だ!」

ユイ「お疲れさま。」

アキ「じぇじぇじぇじぇじぇ!」

ユイ「何 どうしたの?」

忠兵衛「何だよ?」

アキ「いえ…。 じぇじぇじぇ! じぇじぇじぇじぇ!」

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