ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」33回「おらのじっちゃん、大暴れ」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】33回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)を訪ねてきたのは、地元テレビ局のディレクター・池田(野間口徹)だった。「二人を情報番組に出演させたい」という申し出に、大吉(杉本哲太)ら、町おこしに燃える大人たちは大喜び。アキは、アイドルを真剣に目指すユイと自分との違いに戸惑っていた。母・春子(小泉今日子)は、番組の出演に反対するが、ユイの兄・ヒロシ(小池徹平)が、二人のマネージャー役を買って出て…。

33回ネタバレ

観光協会

吉田「こちら 岩手こっちゃこいテレビの…。」

池田「ディレクターの池田と申します。 よろしく。」

アキ「えっ… 何?」

池田「まんず まんず そう堅くなんねえで ケーキでも食(け)。」

<嫌な予感がします>

池田「インターネットで見たよ。 君たちの事。」

ユイ「ああ…。」

池田「今どき珍しく すれてない感じが新鮮だった。 地元のために頑張ってる姿もにも 感動したよ。 偉いね。」

アキ「えっ? 何の話?」

菅原「『5時だべ! わんこチャンネル』って見た事ねえ? グルメだの 裏技紹介してる 夕方の番組。」

ユイ「福田 萌さんが出てるやつですか?」

菅原「それ!」

池田「そうそう。 要するに 夕方の番組情報で 一度 君たちを取材させて頂いて その反応次第では 番組内に レギュラーコーナーを設け…。」

吉田「レギュラー!?」

池田「どうしました?」

大吉「続けて下さい。」

池田「みんなで この北三陸を 盛り上げようっていうコンセプトで そのシンボルとして 君たち2人の力を借りたい訳。」

ヒロシ「どうかな? アキちゃん。」

アキ「お母さんに聞いでみねえと。」

大吉「お母さんの許可が必要なのは 知ってる。 そして 許可しねえのも知ってる。 そこは 俺たち 大人が なんとかするすけえ。 どんな汚い手を使ってもな…。」

吉田「要は アキちゃんに その気があるのか ないのか。」

アキ「…ユイちゃんは!?」

ユイ「スタイリストさんは つきますか?」

池田「えっ?」

ユイ「あっ ごめんなさい。 海女の衣装と制服以外に 何か私服的なものが 必要なのかなと思って。」

池田「それは 基本自前でお願いします。」

ユイ「メークもですか?」

池田「メークもですね。」

ユイ「VTRは 事前に チェックできるんですか?」

池田「それは… 生放送だからね。」

ユイ「いや でも 素材は 事前に撮影しますよね? チェックできますか?」

池田「…確認しま~す。」

北三陸駅

ユイ「どうする?」

アキ「じぇ。『どうする?』って すっかり やる気なんだと思ってた。 いろいろ質問してるから。」

ユイ「アハハハッ 違う 違う。 やる やらないにかかわらず 確認は必要でしょ。 ネットと違って ローカル局とはいえ 地上波だし 誰が見るか 分かんないし 実質デビューみたいなもんだよ。 ダサく取り上げられて 損するの嫌じゃん。 何か不安。 あの池田って人も 適当で ぼんやりしてるし…。」

<そうだった。 ユイちゃんは アイドル志望だった。 アキは 少し冷静になりました。 たまたま 今は仲良くやってるけど 目的は 全然違う。 ユイには夢がある。 夢を叶えるチャンスを つかもうとしている。 私みたいに 浮ついた考えじゃないんだ>

ユイ「ヒビキさんに相談してみよっかな…。 アキちゃんは?」

アキ「おらは やっぱり ママに聞いてみる。」

ユイ「えっ でも それは 大吉さんが 任せろって…。」

アキ「だけど この前 すごい怒られたから…。」

ユイ「何で?」

アキ「分かんない。 『アイドルになりたいって 思った事ある?』って ママに聞いたら…。」

回想

春子「いい加減にしなさい! 海女になりたいって言いだして ちょっと壁にぶつかったら 今度は何? アイドル? くっだらない。 あんたみたいなブス なれる訳ないじゃないの!」

回想終了

ユイ「ひどい!」

アキ「ひどいか やっぱり。」

ユイ「えっ アキちゃん ブスじゃないよ 全然 ブスじゃないよ!」

アキ「いや それは もう乗り越えたんだ。」

ユイ「ブスじゃないのに…。」

アキ「でも ママ チャラチャラした事 極端に嫌いで…。」

ユイ「ブスじゃないからね。」

アキ「分かったから。」

ユイ「分かってな! アキちゃんのママ アイドルの事 何も分かってない! 誤解してる! アキちゃんは アイドルの素質あるよ。」

アキ「え… えっ?」

ユイ「アイドルってね かわいいだけじゃ駄目なの。 かわいいだけの子なんて 掃いて捨てるほどいるの。 かわいいだけの子を かわいくない子が 追い抜いていく世界なの! あれ? 何か アキちゃんが かわいくないみたいになってる?」

アキ「なってない なってない。」

ユイ「じゃあ お母さん見返してやろよ!」

アキ「見返す?」

ユイ「テレビ出てさ地元のアイドルになってさ ただのブスじゃないって。 あ…。」

春子「アキ お父さんは?」

アキ「学校で別れた。」

春子「あっ そう。 …何?」

ユイ「言ってあげようか。」

アキ「いい! 何でもない。 電車出ちゃうから行こう。」

春子「何なのよ。」

喫茶リアス

春子「何 もう帰んの?」

夏「とうちゃん待ってっから 買い物して帰らないと。」

春子「へえ~ 仲いいね。」

夏「今だけだ。 ほんじゃ お先。」

春子「お疲れ。」

夏♬『いつでも夢を』

春子「歌ってるよ。 …何? ご注文は?」

菅原「じゃあ コーヒーを。」

ヒロシ「僕も。」

大吉「ウーロン茶。」

春子「何なのよ!」

大吉「いや あの… お父さん元気?」

春子「今 夏さんが そう言ってたじゃん。 何よ? 何か言いたい事あるなら言って! ないなら 変な空気出さないで!」

吉田「…はあ! 息してなかった。」

大吉「今日 テレビ局の人が来た。 アキちゃんとユイちゃんを 取材したいそうだ。」

ヒロシ「町おこしに 一役買う女子高生って事で まあ あの 夕方の情報番組なんで そんな面倒な感じでは…。」

春子「いっらっしゃいませ。」

ヒロシ「え? あっ スナックタイムだ。」

春子「ご注文は?」

菅原「いや まだ コーヒーを…。」

春子「はあ?」

菅原「じゃあ ビール。」

ヒロシ「僕も。」

吉田「ウーロンハイ。」

大吉「ウーロン茶。」

大吉「遅かれ早かれ こういう事になるとは思ってた。 ここ最近の北鉄ブームの火付け役は 明らかに あの2人だ。 インターネットで終わる訳がない。」

大吉「いや 終わってもらっては困る。 そういう意味では ねらいどおりだべ。 いや 春ちゃんが こういう派手な事に 拒絶反応あるのは分かってる。 でも 今回だけは…。」

春子「スタイリストは つくの?」

大吉「え?」

春子「何? 自前?」

ヒロシ「あっ はい。 基本的には 海女さん姿と制服で。」

春子「メークは?」

ヒロシ「あっ はい。 あっ でも 事前にVTRのチェックは…。」

大吉「えっ? やってくれるのか?」

春子「聞いただけよ。 どの程度の番組なのかなと思って 確認。」

菅原「あ~ 岩手ローカルだけど 宣伝効果も絶大だ。」

吉田「まず 県内で評判になって 口コミで北三陸の名を全国区に…。」

菅原「B級グルメだの 日帰り温泉だの 紹介してもらって…。」

春子「本人は 何て言ってんの?」

ヒロシ「お母さんに聞いてみないとって。」

春子「アキじゃなくて ユイちゃん。」

ヒロシ「ああ… あいつは もともと 芸能界に憧れてますから。」

春子「そっか…。 やっぱ そうなんだ。」

ヒロシ「え?」

春子「そうじゃないかなと 思ってたのよね。 アキとは モチベーションが違う。」

吉田「…モチ?」

春子「あの子 見てると つらくなんのよ。 昔の自分 見てるみたいで。」

菅原「えっ? 昔の春子さん? いや 悪いけど 全然 違うよ。」

大吉「どう見たって これ 対極だべ。」

春子「あの子 田舎嫌いでしょ?」

ヒロシ「嫌いっていうか 見えてないんじゃないですか。 東京に対する憧れが強いから。」

春子「そこが アキとは 全然 違う。」

天野家

夏「ただいま! 遅くなって…。」

忠兵衛「お帰り。 腹減ったべ。」

夏「みんな いる~。」

かつ枝「お邪魔してます。」

忠兵衛「あら汁 どっさり作ったから 呼んだんだ。」

長内「手ぶらでねえど ほれ!」

夏「あらま ちょうど いがった ほれ! 刺身切るべ!」

かつ枝「待ってました~!」

春子『田舎大好きだからね アキは。 大好きな田舎の 大好きな人に 喜んでほしくって やってるだけだから。』

アキ「あら汁 うめえ~!」

(笑い声)

かつ枝「さすがだよ。」

スナック・梨明日

ヒロシ「確かに ユイは違いますね。 あいつは卒業したら 東京行くつもりだし…。」

菅原「えっ そうなの?」

ヒロシ「はい。」

春子「その辺のずれを 北鉄の駅長さんは どう考えてるんですか?」

大吉「どうって…。」

春子「あの2人を 町のP.R.に 利用するのは構わない。 でも まだ 2人とも子どもなんだからね。 これ以上 エスカレートしたら 取り返しのつかない事になんのよ。 ちゃんと責任取れんの!?」

吉田「(いびき)」

春子「寝てんの!?」

吉田「ごめんなさい。 途中から 脳に酸素が行かなくなって…。」

ヒロシ「僕が マネージャーになりますよ。」

春子「はあ?」

大吉「マネージャー?」

吉田「何 言ってんだ 足立!」

ヒロシ「僕が窓口になります。 僕が間に入って 2人の希望を聞きながら テレビ局の人が何か言ってきても 責任持って 対応します。 それでも駄目ですか?」

春子「駄目よ。 何よ マネージャーって。 芸能人じゃあるまいし。」

菅原「いや でも 窓口は必要だべ。 今 春ちゃんが言ったみたいに 2人は まだ子どもだすけなあ。」

春子「ちゃんと冷静に 判断できる人じゃないと駄目。」

ヒロシ「できます!」

春子「無理よ! あんた ユイちゃんの兄だし アキの事 好きじゃん!」

ヒロシ「それは… その気持ちは 一旦 寝かせます。」

吉田「寝かせるって事は いつかは起こすって事だよね。」

ヒロシ「ええ まあ…。」

菅原「何? ストーブ君 振られたか?」

ヒロシ「…っていうか『間が悪い』って 言われました。」

菅原「間が悪い?」

回想

アキ「間が悪いですよね 何か!」

回想終了

ヒロシ「何か 潜水の勉強に 集中したいって…。」

春子「違うね。」

回想

春子「…種市君だっけ?」

種市「種市浩一だ。」

回想終了

ヒロシ「えっ?」

春子「え? ああ ごめん。 続けて。」

ヒロシ「だから 今は…。 今は… うっ…。 駄目だ 続けられない。 何が違うんすか?」

春子「るいがとひなきす。 るいがとひなきす。 るいがとひなきす! 逆から読んでみ。」

一同「るいがと…。」

春子「好きな人がいる。」

3人「好きな人がいる。」

春子「うん…。 そういう事。」

3人「好きな人がいる。」

春子「何か ごめんね。」

学校

磯野「今日は 種市と2人で 水中で単管を 組み立ててもらうぞ!」

アキ「はい!」

磯野「初めての共同作業だ!」

アキ「はい!」

種市「落ち着いで 呼吸合わせればできるから。 何 ニヤニヤしてんだ おめえ。」

アキ「…すいません!」

水中にて

ユイ「お兄ちゃん?」

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