ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」38回「おらのママに歴史あり」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】38回のネタバレです。

あらすじ

春子(小泉今日子)の秘密を知りたくて、かつて母が使っていた部屋にいたアキ(能年玲奈)。そこへやって来た春子は、初めて自分の若いころを話し始める。1980年代、アイドルがテレビで輝いていたころ。中学生の春子は、自分もアイドルになりたくて、いくつものコンテストに応募していたのだ。真剣にアイドルを目指していたかつての春子を知って、アキは驚く。そして部屋からは、当時の思いがけない物が見つかって…。

38回ネタバレ

学校

ユイ「アキちゃんのお母さんね オーディション受けた事あるみたいだよ。」

アキ「オーディション?」

天野家

回想

ユイ「駅の反対側にさ 古い写真館あるじゃん。 あそこで 写真撮って 送ったみたい。 探したら 家にあるんじゃない?」

回想終了

春子「何 探してんの? もしかして これ?」

春子「見ていいよ。 見なよ。 見たかったんでしょ?」

アキ「ごめんなさい。」

春子「ださっ…。」

アキ「でも めんこいな。」

春子「えっ そう? 何か ほら こびてる感じしない? ウフフッ。 必死だったのよ このころ。 アキ…。 この間 お父さんが言ったとおり ママね アイドルになりたかったんです。」

アキ「はい。」

春子「別に隠してた訳じゃないのよ。 たださ 言う必要が ないかなと思って 黙ってただけ。 でも 近頃 あんたたちが 人気者になってさ テレビ出るとか言いだすから…。 いつかは話さなきゃ いけないなって思ってたから。 まあ… うん。 ちょうどよかった。 アイドルっていっても あれだよ? 何だ 今みたいな ほら…。 人数の多い あの…。」

アキ「『モーニング娘。』」

春子「う~ん それとか。 あの ほら 何だ? やたら 人数の多い 何だ あの…。」

アキ「AKB?」

春子「うん。 それとは 根本的に違う訳。 大体 今は 歌を歌う人は アーティスト。 演技する人は 女優。 モデルは モデル。 グラビア専門の人がいる。 すみ分けが できてるでしょ? でも 昔は 全部 アイドルがやってたの。」

アキ「へえ~。」

春子「そのはしりが 百恵ちゃんね。」

<封印を解かれ まるで せきを切ったように 春子は独自のアイドル論を 展開しましたが…>

アキ「ママ! ねえ ママ。」

春子「…何?」

アキ「お店 大丈夫かな?」

春子「うん。 まだ平気。 …で そのあとは キャンディーズとか ピンク・レディーみたいな グループの時代になる訳。 ピンク・レディーなんてさ 平均睡眠時間が 2時間だってよ。 2人足しても 4時間だよ! …てか 足して どうするよね。」

<導入で盛り上がり過ぎて なかなか 春子本人の話に たどりつきません。 ついに アキは しびれを切らし…>

アキ「それで 次が聖子ちゃん?」

春子「え? それ ちょっと長くなるから はしょろうと思ってたんだけど…。 しょうがないな じゃあ…。 ママ もう 今日 スナック休むわ。 ねっ? …で はい! 聖子ちゃんの時代に突入します。 その前に ママ お酒取ってきま~す。」

<裏目に出ました>

スナック・梨明日

美寿々「うん。 全然 大丈夫だ。 弥生さんもいるし 正宗さんも 洗い物やってくれてっから。『何で?』。 何でだべ?」

黒川「好きで やってますから。」

美寿々「『好きで やってんだ』って。」

天野家
2階

春子「駄目 駄目 美寿々さん。 好きにさせちゃ。 そいつね ほっとくと すぐに図に乗るんだから。 うん…。 フフフッ。 うん うん。 何か ごめんね。 うん は~い。 はい よろしく~。」

春子「さて どこまで話したっけ? あ~ 聖子ちゃんだ 聖子ちゃん。 えっとね 聖子ちゃんのデビューが 1980年の春。 …で 百恵ちゃんの引退が 1980年の秋。 つまり 1980年 夏こそが 2大アイドルが ダブって存在した アイドル黄金期な訳よ。 ママにとっては 中2の夏ね!」

アキ「やっと ママ出てきた! それで それで?」

春子「み~んな 夢中だったのよ 聖子ちゃんには。 何しろ 歌がうまい。 もちろん かわいい!」

回想

♬『あー 私の恋は 南の風に乗って走るわ あー 青い風』

回想終了

春子「新曲が出たら すぐに覚えて もちろん 振りも覚えてさ。 そのころは ビデオなんか なかったから テレビの前に ラジカセ置いてね 録音して。」

回想

夏「帰ったど~!」

春子「し~っ!」

夏「組合長から でっけえ アワビ もらったど!」

春子「録音してる!」

夏「ほら アワビ! うるせえな。 ほら アワビだど!」

回想終了

春子「そうやって 応援してるとさ 何か こう… 元気出てくんのよ 自分も。 分かる? それが アイドルの条件だと思う訳!」

アキ「分がんねえ。」

春子「聖子ちゃんに 夢中のなってるとさ そのうち 自分も 聖子ちゃんになりたいって 思い始めるんだわ…。」

アキ「アイドルに?」

春子「う~ん まあ そうなのかな…。 試しに 聖子ちゃんカットにしてみてさ お母さんに すっごい叱られてさ。」

回想

夏「春子~! 中学生が 一丁前に パーマなど あてやがって! 聖子ちゃんや トシちゃんじゃあるめえし。 狭(せめ)え町なんだから 知り合いに会ったら 挨拶ぐれえしろ! バカ!」

回想終了

春子「でも 髪型変えたぐらいじゃ 何にも変わんないのよね。 でも アイドルになりたいっていう 気持ちは 強くなる一方でさ。 それで オーディション受けたりしてたの。 だから これはね それ用に撮った写真。」

アキ「へえ~ そうなんだ。」

春子「ださいでしょ?」

アキ「そんな事ないよ。」

春子「ホントに?」

アキ「うん。 ちょっと… 何だろう。 痛い子だなとは思うけど ださくはないよ。」

春子「痛いって… 言葉選んで それかよ。」

アキ「ごめん…。」

春子「まっ 確かにね その当時 痛いって言葉があったら それが一番 しっくりきたかもしんない。 写真と書類を送りまくって 落ちまくってさ。 その時点で気付けよって 話なんだけどね。 まあ 諦めきれなくてさ。 痛いよね~。」

居間

忠兵衛「帰ったど~。」

夏「お帰り!」

忠兵衛「アキは?」

夏「2階。 あっ 駄目だ。 女子の邪魔しちゃ。」

忠兵衛「女子?」

夏「2人っきりで大事な話があんだと。」

忠兵衛「正宗君は?」

夏「ああ そういえば見ねえな。 一本つけっか?」

忠兵衛「いや 今日は飲まねえ。」

夏「あっ そう…。」

スナック・梨明日

勉「お湯割り頂戴。」

美寿々「あら いらっしゃ~い! どうぞ。」

菅原「改めて ご挨拶させてもらって よろしいですか? 観光協会会長の菅原です。 春子さんとは 高校の同級生です。」

大吉「交換日記してたんだよな~。」

黒川「へえ~。」

吉田「『へえ~』って それだけかよ この野郎!」

菅原「まあまあ 吉田君! 東京の方は クールだから『じぇじぇ』とかは言わないんだよ。 ねえ?」

大吉「かなり濃厚で ハードな内容でしたよ。」

黒川「交換日記がですか?」

3人「ヘッヘッヘッヘッ…。」

ヒロシ「同じく 観光協会で ウェブ担当してます。 足立ヒロシです。」

菅原「春子さんの元担任の息子 ユイちゃんのお兄さん。」

大吉「アキちゃんに ラブレター渡したんだよな。」

ヒロシ「厳密には書いただけで 渡してないです。」

大吉「かならい濃厚で ハードなラブレターでしたよ。」

黒川「あ~。」

吉田「何だよ『あ~』って『大都会』か? ♬『あー 果てしない』か この野郎!」

ヒロシ「ちょちょちょ… 皆さん 怖すぎ! ねっ? ほら はい。 普通に。 ほら いつもどおりに。」

黒川「えっと 改めまして 春子の亭主の…。」

大吉「何だと この野郎!」

菅原「上等だ この野郎!」

吉田「ダンカン バカ野郎!」

弥生「うるせえ! けんかなら 外でやれ!」

美寿々「弥生さん! あ~!」

黒川「元! 元 春子の亭主の 黒川と申しま~す。」

ヒロシ「すみません。 いつも 全然 おとなしいんです。 駅長 お酒飲めないし 菅原さん ジオラマだけが お友達だし…。」

大吉「これが あんたのな。 春ちゃんが 町を出てった いきさつを聞きたいって あんたが言うから集まったが こっちも しゃべりたくって ウズウズしてたんだ。 基本的には こっちのペースで やらせてもらうぜ。」

黒川「はい。」

天野家

春子「歌は好きでさ ちょっとは自信あったから もっと うまくなりたくて 高校に入ってすぐに レッスンに通い始めたの。」

アキ「ユイちゃんと一緒だ。 でも お金は?」

春子「自分で稼いだよ。」

アキ「バイト? 何の?」

春子「この町で 手っとり早く 小遣い稼げるっていったら 一つしかないでしょう。」

アキ「えっ 海女さん!?」

春子「そう。」

アキ「じぇじぇじぇ!」

スナック・梨明日

大吉「どうだい!? まぶしすぎて 直視できねえだろう。」

黒川「あいつも海女だったんだ。」

弥生「いや アキと違って 海さ潜ったりしなくて 接客したり 歌っこ歌ったりよ。 何しろ 高校生で 人気あったからよ。」

美寿々「ちょうど 私が結婚して 後継者が いねがったのよね。」

菅原「だけど 春ちゃんは 東京さ行っで 歌うたいになるって言ってた。 周りは みんな いくら何でも 無理だべって語ってたけど 本人は 至って本気だったな ねえ 先輩!」

大吉「おらが北鉄さ就職したあと たまたま 3人で会ったんだ。」

回想

1984年(昭和59年)

菅原「あ~ チュッス! 先輩 チュッス! 天野君 連れてきたっす チュッス。」

大樹「お~ 相変わらず スカート長(なげ)えな。『忠臣蔵』か?」

春子「うっせえ ノッポ。 関係ねえだろ。」

大吉「天野 おめえ 高校卒業したら どうすんだ?」

春子「東京さ行って 芸能人になる。」

大吉「バカも休み休み言え! いつまで おめえ そんな夢みえな話!」

春子「夢じゃねえよ。」

大吉「何?」

春子「歌番組に デモ送ったもん。」

大吉「デ… デモ?」

春子「知らないの? 土曜の夕方にやってる 素人参加のオーディション番組!」

菅原「あ~! あの… スターがどうしたってやつ?」

大吉「『スター千一夜』か?」

菅原「いやいや いやいや!『君とか スターだ』?『君まで スターだ』? あれ?」

春子「あげるよ そのデモテープ。」

大吉「いいの? いいのか?」

春子「私が有名になったら高く売れるよ。」

回想終了

天野家

春子「あっ あった~! ホント 宝の山だわ ここ。『君でも スターだよ!』っていう 番組があったの 土曜日の夕方。 聖子ちゃんとかも ゲストに出ててさ。 ついでに 何本か ダビングして みんなに配ったの。 フフフッ 痛いよね。」

アキ「ううん。 でも 随分 積極的っていうか 今のママからは想像できない。」

春子「聴いてみたりして…。」

アキ「えっ…。」

春子「いやいや… 無理 無理 無理。」

アキ「聴かないの?」

春子「えっ 聴きたいの? いやいや いやいや 無理 無理 無理 無理…。」

アキ「そうだよね。 じゃあ 今度でいい。」

春子「うん。 …とか言っちゃってさ ママがいない時に こっそり聴いたりするんでしょ?」

アキ「ヘヘヘッ…。」

春子「じゃあ… 今 聴いちゃおっか!」

アキ「いいの?」

春子「いくよ。」

<残念! 時間切れです! 15分って短いですね~。 …という訳で 明日 ちゃんと聴きましょう>

モバイルバージョンを終了