ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」3回「おら、この海が好きだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】3回のネタバレです。

あらすじ

北三陸市に残ることを選んだアキ(能年玲奈)は、りりしい夏(宮本信子)にどんどんひかれていく。夏は、海女として漁に出ながら、駅弁「ウニ丼」を作り、さらには喫茶店とスナックのママを兼ねるという忙しい日々を送っていた。一方、相変わらず夏と反目しあう母・春子(小泉今日子)は居心地の悪い思いをしていたが、幼なじみの大吉(杉本哲太)ら町の人々に少しずつ打ち解け始める。そんなとき夏が思わぬ行動に出て…。

3回ネタバレ

天野家

春子「アキ! 東京 帰るよ!」

アキ「やだ…。 帰りたくない。」

<初めて やって来た 母のふるさと アキが ここに残りたいと言うのには そこそこ 大きな理由がりました>

春子「あっ そう…。 好きにしなさい。 ママ 一人で帰るから。」

アキ「えっ…。」

春子「お邪魔しました~。」

大吉「春ちゃん!」

夏「ふん…。 年食って ちょっとは ましになったかと思えば…。 はっ 相変わらずだなあ。」

アキ「ねえねえ ママと おばあちゃん 何かあったの?」

大吉「ど~れ ちょっくら見でくっか!」

アキ「ねえねえ おばあちゃん 明日も潜るの?」

夏「ああ 海開きだ。 客も いっぺえ来っぺ。」

アキ「客?」

夏「観光客だ。 だから 明日からは ウエットスーツではなく 絣半纏で潜るんだ。」

アキ「… 絣半纏?」

夏「そこさ出てっぺ。」

大吉「どうするべ!? 春ちゃん ホントに行ったじゃ! バスに乗って 行ってしまったじゃ!」

観光協会

菅原「うん? ありゃりゃ…。 天野春子 もう帰るのいか。 まあ 観光客っつう事で 本日の3人目~。」

大吉「行くな~!」

春子「えっ?」

大吉「行くな~!」

菅原「うん?」

大吉「どうやっても行くんだら 北鉄さ乗ってけ。」

春子「何で わざわざ。」

大吉「わざわざ来たんだから わざわざ帰ればいい。」

大吉「ちょっと すいません。」

春子「ちょ… ちょっと待って。 ねえ ちょっと待って。 ちょっと待って。 待って! ちょっと ちょっと ちょっと!」

喫茶店・リアス

春子「あの子… あんまり学校が 好きじゃないみたいなんです。 中学からは 頑張って 私立の進学校に通ってるんだけど ついていくのが やっとで。」

大吉「成績なんか どうでもいいべ。 アキちゃん 器量もいいし。」

美寿々「んだんだ! 性格さえ よけりゃあ 嫁さ行げっぺ。」

春子「性格さえ よければね~。」

美寿々「えっ 悪いの?」

春子「暗いの。 誰に似たんだか。」

今野「まあ 春ちゃんでは ねえべな。」

春子「そうなの! 旦那に似たのよ!」

回想

(もやしの落ちる音)

回想終了

春子「あんまり静かで 床に もやしが 落ちる音が聞こえたのよ。」

大吉「そりゃあ 静かだ…。」

弥生「おらなんか もやしのヒゲなんて 取った事ねえもの。 面倒くせえから。」

今野「取れや~。 ハッハッハッハッ。」

春子「…っていうか 何で 私 こんなに しゃべっちゃってんだろう。」

大吉「打ち解けてきた証拠さ。」

春子「違うね。 電車が 1時間に 1本しかないからだね。 次の電車は?」

吉田「今 出たところさ。」

春子「えっ!?」

大吉「19時28分発 上り最終列車さ。」

吉田「今夜は もう帰れないさ。」

春子「ふざけないでよ!」

大吉「まあまあ! のんびりしていけば いいさ。」

春子「やだね。 だって ここさ うちの母親の店でしょ?」

大吉「大丈夫。 ここには来ねえから。 最近は 弁当が売れたら 帰るんだじゃ。」

吉田「僕や 美寿々さんが 交代で店番やってます。」

大吉「あっ 後輩の吉田君。 こう見えて 北三陸駅の副駅長な。」

大吉「ついでに紹介すると 琥珀掘りの勉さん。」

春子「琥珀って あの琥珀?」

勉「そうなんです。 あんまり知られていないですが 北三陸一帯 日本有数の琥珀の産地なんです。 ただ 使いみちが…。」

大吉「琥珀の話は面白くねえから やめるべ!」

弥生「うちの旦那 知ってんべ?」

今野「商工会長の今野です。 ほら あの銀座通りの ブティック今野。分かる?」

大吉「大体 こんな感じの 蛾みたいな服が置いてある店。」

(笑い声)

夏「は~い 皆さ~ん 閉店時間 過ぎてますよ。」

春子「嘘ばっかり!」

大吉「まあまあ こういう事もあるさ。」

夏「あららら 東京のお客さん まだ いだのすか?」

大吉「すっかり話し込んで 終電行ってしまったんだじゃ。」

夏「だったら 駅前に ビジネスホテルが ありますよ?」

春子「言われなくても そうします!」

夏「ありがとうございます。」

大吉「春ちゃん! 春ちゃん! 春ちゃん ちょっと待ってけろ! 春ちゃん! もう一軒だけ! いい店 知ってるから。」

春子「もう 何も 話す事ないんですけど。」

大吉「いや そう言わずに!」

スナック・梨明日

大吉「さあさあ こっちゃ こっちゃ さあ着いた! さあさあ! ここ ここ。」

夏「いらっしゃい! 7時半からは スナック営業なんです。」

春子「…どういう事?」

夏「そっちから出ていって こっちから入ってきたって事だね。 何か お飲み物は?」

<喫茶リアスと スナック 梨明日は 入口は 別々ですが 中は 同じ店なのです>

春子「嫌~!」

<ここで 私こと 天野 夏 64歳の 一日の流れを 簡単に ご紹介します。 午前4時 起床 顔を洗って グルッと散歩。 午前4時半 作業小屋で ウニ丼の仕込みを始めます。 出来上がった丼を 大吉さんの車で 北三陸駅まで運びます>

喫茶・リアス

夏「おはようございます。」

<午前9時 喫茶リアス開店。 そのあと 浜へ出て 午前中いっぱい 潜ります>

<正午 その日 売れ残った ウニ丼を 車内販売>

夏「ウニ丼は いかがですか~?」

天野家

<売り切ったら 家さ帰って 午後3時まで昼寝。 起きたら 浜に出て 日没まで潜ります。>

<午後7時半 スナック梨明日 開店。 飲んだり 食ったり 歌ったりして 午後11時 閉店。 大吉さんの車で帰宅。 風呂さ入って 午前0時過ぎに就寝で 午前4時 起床>

夏「あ~ いい天気だ!」

夏「スピーカー『おはようございます。 本日は 7月1日 袖が浜海岸海開きです。 海女クラブの皆さんは 速やかに 漁協前に集合して下さい』。」

アキ「おばあちゃんおはよう。」

(かしわ手)

夏「おっ 行くど。」

アキ「かっけえ~。」

「夏ばっぱ おはよう!」

夏「おはよう!」

「まだ冷えるわ。」

夏「早く行くべし。」

<北三陸に限らず  東北の人は やたらと 餅をまきます『何で?』と聞かれても 困りますが…>

<こうして 7~9月まで 丸3か月に及ぶ 海女漁が始まるのです>

<ウニの居場所を確認したら 息を大きく吸って 一気に潜る>

<そして ウニを抱えて 岩を蹴って 一気に浮かぶ>

(拍手)

<夏と言っても 三陸の海は冷たく 水温が 15~16℃。 ウニが好んで 住み着く岩場は 特に水が冷たいので 続けて潜るのは 2時間が限度です>

弥生「じぇじぇじぇ ウニ いっぱい いだ。 ウニ いっぱい いるとよ。」

「あっ 見て見て! ほら! 潜ってるよ~!」

弥生「夏ばっぱ、ここから見ても 一発でわかるなあ」

(拍手)

パチンコ屋

「天野春子? 袖の春子だべ。 俺 俺! 北三陸高校で…。」

春子「ごめんなさい。 今 出てるんで。」

春子「これ まだ出るから 打っていいよ。」

ヒロシ「えっ? いや でも…。」

春子「いいから いいから。 玉も全部あげるから。」

夏「アキ 帰るぞ!」

アキ「…。」

夏「何だ? おまはん 母ちゃんに置いていかれて 悲しいのが?」

アキ「ねえ おばあちゃんは 何で潜るの?」

夏「はっ? なんで? 哲学か… 何でって… おもしれえからだべな。」

アキ「潜ってる時は 海の中で 何 考えてるの?」

夏「何も考えてねえ。 ほかの事 考えてたら 潮に流されちまうべ。」

アキ「ふ~ん 怖いね…。」

夏「食うために ただ ひたすら潜って 取るだけだ。 そのうちよ ウニが お金に見えてきてよ『お金が こんなに落ちてる! 拾わねば~! ほかの誰かに 拾われてなるものか!』ってなあ。」

アキ「フフフフッ!」

夏「潜りてえか?」

アキ「えっ?」

夏「潜ってみっか 一緒に。」

アキ「無理 無理 無理!」

夏「なして? おもしれえど。」

春子「アキ…。」

アキ「だって 冷たいんでしょ? 泳ぐの苦手だし…。 息継ぎが できないの。 素潜りも駄目。」

夏「自分で取った ウニ 食ってみたぐねえか?」

頷くアキ

アキ「ねえ おばあちゃん 海の中 きれい?」

<『何すんだ この ばばあ!』 アキは 空中で そう思いました>

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