ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」41回「おらのママに歴史あり」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】41回のネタバレです。

あらすじ

正宗(尾美としのり)が北三陸のタクシー会社に勤めることになった。しかし春子(小泉今日子)は、そんな正宗がうとましく、アキ(能年玲奈)も当惑気味。一方、忠兵衛(蟹江敬三)もスーパーマーケットに無事に再就職し、夏(宮本信子)は、一緒に暮らせると喜ぶ。しかし、忠兵衛は何やら落ち着かない様子だ。そんな時、喫茶リアスに、琥珀(こはく)堀り・勉(塩見三省)の弟子を名乗る男、水口(松田龍平)が現れる。

41回ネタバレ

天野家

春子「私がいないと困るでしょう。 お店だって回らないし。 アキがいなかったら 海女クラブだってさ。」

夏「スナックだって 海女だって やめりゃいいだけの話さ。 おらが いてほしいのは とうちゃんだけだ。」

春子「ああ そうですか。 だったら 私も 好きにさせてもらいますよ。」

夏「春子 どこ行く! えっ?」

春子「パチンコ。」

喫茶・リアス

夏「…という訳で久しぶりの出勤です。」

かつ枝「懐かしいや 何だかな。」

(拍手)

今野「…にしても 何だべ 春ちゃん ここんとこ イライラして。」

吉田「まあ 基本 イライラしてるか すごく イライラしてるか どっちかですからね。」

弥生「あの黒川って男 悪い奴では ないんだけども 何だか イラッとする サムシングがあるんだよな。」

かつ枝「家でも あの調子か?」

回想

黒川「お母さん! 僕のパンツ… 洗って下さったんですね!」

夏「あ~ はいはい。」

黒川「うわ~ うれしいな…。 記念写真 撮っていいですか?」

夏「えっ!?」

黒川「お母さん 持って下さい。 笑って~!」

(シャッター音)

回想終了

弥生「悪い奴ではないんだけども 何だか 時々 ぶっ飛ばしたくなるんだよな。」

夏「弥生さん…。」

今野「力加減しろや ホントに…。」

吉田「そこまで言われんなら 悪い人の方が ましだ。」

今野「でも まず 何で そんな悪い人と結婚したんだべ?」

吉田「あ~ 悪い人になっちゃった。」

夏「ずばり 安定感でねえか?」

今野「あ~ なるほど。 まあ 実の父親が不安定だもんな。」

弥生「漁師だって 収入は安定してっべ。」

今野「何 語ってんの。 漁さ出たら 命懸けだぞ。 いつ 何が起きっか 分かんねえんだよ。」

夏「あ~ ご心配なく。 とうちゃん 今日から スーパーで働いてっからよ。」

サンデイマート

「もしかして 愛妻弁当ですか? 隠さなくてもいいでしょ。 愛妻弁当ですってよ。」

「いいな~。」

「うわっ うまそうな…。」

忠兵衛「あげねえ 駄目だ~。」

(笑い声)

喫茶・リアス

夏「60過ぎて 愛妻弁当作るとは 思わねがった。 ヘヘヘッ…。 来月辺り 温泉さでも行くべってな。 ちょっと これ これ。」

かつ枝「あ~ ここな。」

弥生「その年で 恋人気分でいられるなんてよ。 おらも漁師と結婚すれば いがったなあ!」

かつ枝「無理 無理 無理!」

今野「ほれ この間 行ったべ。」

かつ枝「ところで 勉さん その人誰だい?」

勉「やっと 気付いた。 あのね 何て言うか 弟子。」

一同「弟子!?」

水口「ご挨拶遅れて すいません。 今日から 勉さんのところに 弟子入りする事になりました 水口琢磨と申します。」

勉「ゆうべ いきなり訪ねてきさ 琥珀の魅力について 朝まで語り明かしたんです。」

水口「大学で 考古学を勉強していたんです。」

弥生「怪しい。」

勉「怪しい?」

弥生「琥珀掘りたいなんて言う 若者 いるはずねえ。 さては おめえ スパイだな!?」

今野「やめろって 恥ずかしい。 ごめんね おにいさん。 八戸から来た スパイだな!? 町おこしのアイデア 探りに来たんだべ!」

吉田「仮に スパイだとして 勉さんの近くにいて 何か メリットありますか?」

かつ枝「ねえな。」

(笑い声)

かつ枝「何も しゃべんねえもんな。」

弥生「冗談だ 冗談。 よろしくな。」

(笑い声)

忠兵衛「それ!」

<朝 おとうさんは 誰よりも早く起きて 海へ出ます>

<そして 朝御飯を食べ お弁当を持って 出かけていきます>

<買い物がてら 春子は 父の様子を見に行きました>

サンデイマート

主任「これも ここも これも。」

忠兵衛「いや~ いくらなんでも 半額はねえべ。」

主任「だから 四の五の言わずに シール貼って下さいよ! タイムセールなんだから!」

忠兵衛「いや こっちの赤身なんか まだ 鮮度落ちてねえべよ!」

主任「そういう問題じゃなくて! 日付が同じものは 同じ値段じゃないと 消費者から クレームがつくんです!」

忠兵衛「いやいや 食べてみりゃ分かるって!」

主任「食べてから分かっちゃ遅いの! 半額じゃないと買わないから!」

忠兵衛「でも この赤身半額にしたら 漁師が泣ぐって!」

主任「ここ スーパーですから! 漁師の気持ちは置いといて 仕事して! しっかりやって! はあ~。」

主任「面倒くせえ じじいだな~!」

天野家

春子「お父さん。 ねえ お父さん。 お父さん!」

忠兵衛「うん?」

春子「私 そろそろ お店行くね。」

忠兵衛「うん。」

春子「おでん作ってあるから お母さんと一緒に食べて。」

忠兵衛「は~い。」

春子「じゃ 行ってきま~す。」

忠兵衛「は~い…。」

アキ「じいちゃん じんちゃん 英語分かる?」

忠兵衛「おお 当たり前だ。 アイ コール ポリスマン! カミング スーン!」

アキ「すごい すご~い!」

忠兵衛「まあな。 俺の英語は カナダなまりだけどな。」

アキ「じぇじぇ! なして?」

忠兵衛「英語圏では カナダの女が 一番 積極的なのさ。 見るか? カナダからの手紙。」

アキ「見ない! ねえ この英文 どういう意味?」

忠兵衛「どれどれ? あ~…。『ウィー アー リビング イン ザ モータリゼーション ソサエティー』。」

喫茶・リアス

夏「やっぱし 日帰りにすっかなあ…。」

ヒロシ「いやいや 泊まりの方が のんびりできますよ。 ほら 60歳以上は2割引きだっし。」

大吉「きた!」

アキ「アキも行ぐ アキも行ぐ アキも行ぐ!」

大吉「駄目だ 新婚旅行以来なんだから 2人で行かせてやれ。」

夏「新婚旅行も日帰りだったんだよ。」

アキ「じぇじぇじぇ! 貧乏くせえ。」

(電話の呼び鈴)

夏「はい リアス。 え… えっ? こっちには来てねえけど。 あら! あらららら…。 すみません。 ちょっと お待ち下さい。」

大吉「誰だ?」

夏「スーパーの主任なんだけど…。 とうちゃん いなくなったって。」

大吉「何?」

サンデイマート

主任「さっきまで いたんですけどね ええ 午前中までは。 休憩で外さ出たっきり 戻らなくて。 いやいや 店は平気ですよ 店は。 いや でも 年も年ですし 万が一の事があったらと思って。」

喫茶・リアス

夏「ちょっと 心当たり あたってみます。」

漁協

長内「じぇ! 忠兵衛さんが!? 行方不明!? あれれ?」

パチンコ屋

春子「もしもし。 えっ? 何 聞こえない! お父さんが!?」

喫茶・リアス

アキ「そう! 行方不明らしいの。 心当たりない?」

パチンコ屋

春子「いやいや いやいや… ないけどさ。 ないけど 何か 嫌な予感はしてたんだよね。」

喫茶・リアス

アキ「えっ 何? 聞こえない! ママ どこにいるの? 今。」

パチンコ屋

春子「今 そっち向かうから ちょっと待ってて。」

忠兵衛「こい こい! イルカリーチこい!」

喫茶・リアス

アキ「大丈夫かな? 大丈夫だよね。」

パチンコ屋

春子「大丈夫だと思うよ。」

喫茶・リアス

アキ「えっ?」

パチンコ屋

忠兵衛「よ~し やった! おい ドル箱 持ってこい!」

天野家
居間

長内「水くせえべ 忠兵衛さん。 おらと あんたの仲でよ。 不満があったら 言ってけろ。 おらが スーパーさ行って 話つけっからよ。」

大吉「なんぼ 仕事が面白くねえったって 黙って帰るのは いぐねえべ。」

夏「本当に 皆さん ご迷惑をおかけしました。」

忠兵衛「悪いのは俺だ おめえが謝る事はねえべ。」

夏「何 言ってんだ。 皆さん心配して 集まってんだよ。」

かつ枝「んだ んだ 責任感の強(つえ)え 忠兵衛さんが 何か 訳があっての事だべ。」

忠兵衛「訳なんか ねえべ。 ただ 足が スーパー通り越して パチンコの方さ 向いただけだ。」

かつ枝「なして!?」

忠兵衛「う~ん…。」

長内「仕事 きつかったか?」

忠兵衛「いやいや むしろ反対だ。 う~ん 楽すぎるのが問題で。」

大吉「職場環境が いぐねがったか。」

長内「人と顔合さねえ 仕事もあるべ 監視小屋でも 市場でも…。」

忠兵衛「いや… んだから 違うんだって!」

かつ枝「少し止んでもらったら どうだい? 無理して 稼ぎさ出なくても 蓄えは あんだべ?」

夏「いや 休みてえ訳ではねえんだ。 むしろ 反対だ。」

かつ枝「何だ さっきから『反対 反対』って。」

夏「早(はえ)え話 忠兵衛さん あんた 船さ乗りてえんだべ。」

春子「お母さん。」

夏「顔見てたら分かる。 あんた 海 恋しくなったんだべ。 マグロ船さ乗って 沖さ出たくなったんだべ。」

忠兵衛「んだなあ…。」

一同「じぇじぇじぇじぇ!」

忠兵衛「さすが 夏さんは お見通しだ。」

夏「何 言ってんだ。 何年 夫婦やってると思ってんだ。」

春子「ちょっと 駄目よ。 絶対駄目よ お父さん!」

大吉「んだ。 第一医者に止められてんだべ?」

忠兵衛「まあ 心臓のあんばいは いぐねえ。」

夏「精密検査した方がいいって…。 長期の漁さ出たら 命の保証は しかねますって。 はっきり言われた。」

忠兵衛「それだけが理由じゃねえが 俺も年だしよ。 じじいだし。 ここは おとなしく 隠居するべって 一度は思ったんだが…。 ハハハ… 漁師の血がうずいて ハハハハッ!」

黒川「いや でも 一度 ちゃんと調べた方が。 何なら 僕 いい病院探しますよ。」

忠兵衛「うるせえ! おらの体は おらが 一番 分かってんだ! いや いや いや… 違うんだって。 船さ乗ってる方が 体も問題ねえんだよ。 気も張ってるから。」

忠兵衛「むしろ スーパーで ちんたら働いてたら 何だか 糸が切れたみてえになって。 この上 温泉だの入ったら 身も心も緩んでしまって 二度と立てねえべ。 そんな訳で 組合長 もともと っこっちから頼んで 回してもらった仕事だけども 今日限り 辞めさせてもらう。」

春子「(小声で)ちょっと おばあちゃん 見てきて。」

長内「そりゃあな 忠兵衛さんが そう言うなら 構わねえが 辞めて どうすんだ?」

大吉「沖さ出んのか?」

忠兵衛「う~ん…。」

かつ枝「いいのか? 次の航海は インド沖だぞ。」

春子「どうなの? お母さん一人残して 行くの? 生きて帰ってこれないかも しれないんだよ!」

かつ枝「それは 大げさだべ。」

春子「行くのは勝手だけどさ 温泉くらい つきあってあげなよ。」

忠兵衛「いや 別れが つらくなるじゃ。」

作業場

アキ「ばっぱ 大丈夫か?」

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