ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」43回「おら、ドキドキがとまんねぇ」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】43回のネタバレです。

あらすじ

忠兵衛(蟹江敬三)が、再び遠洋漁業に出ることになった。出発の朝、天野家は全員で初めて家族写真を撮る。そして、種市(福士蒼汰)とデートのため、アキ(能年玲奈)は潜水士の勉強に励むが、成績はさんざん…。落ち込むアキに、勉(塩見三省)の弟子・水口(松田龍平)が、何かと話しかけてくる。ユイ(橋本愛)は、アキへの態度が煮えきらない種市を問い詰めるが…。

43回ネタバレ

天野家

カメラマン「堅(かて)えな…。 もっと ほら リラックスして。」

忠兵衛「バカこの! 最後かもしんねえんだから 気合い入れて撮れ!」

カメラマン「はい チーズ!」

(シャッター音)

<おとうさんが マグロ船に乗り込む日が やってきました>

アキ「せっかくだから 家族写真も撮るべ。」

大吉「よし 春ちゃんば 起こしてこい。」

アキ「うん。」

忠兵衛「着替えてくるべ。」

アキ「うん。」

<大吉さんが八戸の港まで 車を出してくれる事になり 見送りに町の人たちが大勢 集まる予定でしたが…>

忠兵衛「しかし 少ねえなあ…。」

長内「しゃあねえべ。 昨日 送別会で 遅くまで飲んだんだから。」

花巻「昨日っつうか 数時間前な。」

黒川「お父さん! これ 約束のフリースです。 リバーシブルです。」

忠兵衛「おお リバプールだ! ありがとよ。」

春子「あ~ おはよう。 あっ 夏さんは?」

かつ枝「それが出てこねえんだ。」

春子「子どもじゃあるまいし…。」

(ノック)

アキ「ばっぱ 撮るよ!」

忠兵衛「夏ちゃん 出てきて 一緒に写真撮るべ。 分がった! 毎年 言ってる事だけどもよ! おらの事は死んだと思ってけろ。 大吉 行くべ。」

大吉「写真は?」

忠兵衛「夏ちゃん抜きで撮っても しゃあねえべ。 天野家の家長は夏ちゃんだ。 じゃあ 行ぐわ。」

アキ「死ぬなよ じいちゃん。」

忠兵衛「おう。」

(引き戸が開く音)

アキ「夏ばっぱ…。」

夏「さっさと撮れ。 忙しいんだ。」

春子「お父さんも荷物置いて。」

アキ「パパも早く おいでよ。」

黒川「えっ いいの?」

春子「何 遠慮してんの。 いつもは全然平気なくせにさ。」

黒川「すいません。」

カメラマン「はい 笑って。」

(シャッター音)

春子♬『置いてくのね さよならも言わずに 再び会うための 約束もしないで 北へいくのね ここも北なのに 寒さこらえて 波止場で 待つわ 潮騒のメモリー 私はギター Aマイナーの アルペジオ 優しく 来てよ その火を 飛び越えて 夜空に書いた アイム ソーリー 来てよ その川 乗り越えて 三途の川の マーメイド 友達少ない マーメイド』

天野家

夏「アキ これも。」

アキ「あ~ かわいい! ガサガサだ。」

夏「お~!」

アキ「出来た~!」

<慌ただしく 2008年が終わろうとしています>

北三陸駅

ユイ「待ちなさいよ!」

種市「びっくりした…。 何してんだ?」

ユイ「こっちのセリフです。 何してたんですか? こんな時間まで。」

種市「友達とゲーセン。」

ユイ「ふん。 いい ご身分ですこと。」

種市「天野だったら まだ学校だ 居残りテストだ。」

ユイ「種市先輩に話があるんです。」

種市「自分(ずぶん)に?」

ユイ「そう 自分に アキちゃんの事 どう思ってるんですか?」

種市「…天野? まあ 頑張ってんなあって思う。」

ユイ「出たよ…。」

種市「え?」

ユイ「頑張るって言葉 大っ嫌いなんです 私。」

種市「何で?」

ユイ「頑張るって事は つまり 報われてないって 意味でしょ? 頑張ってるアキちゃんを見て 先輩は『頑張ってるな』って思うだけ? そんなの 全然報われない! 頑張ってるから どうなの!? 好きなの? 嫌いなの? どっち!?」

種市「いや おめえに関係ねえべな。」

ユイ「…あります! だって うちら JJガールズだもん。 アキちゃんは私と 一連たくおなんです。」

種市「…」

ユイ「どこ見てんの!?」

ヒロシ「一蓮托生だべ。」

ユイ「出たよ 立ち聞き!?」

ヒロシ「ごゆっくり。」

ユイ「アキちゃんは 先輩の事 好きなんです。 それなのに気付いてないふりして『頑張ってるなあ』なんて そんなの残酷だと思う。 失礼します。 何ですか!?」

種市「自分も電車。」

ユイ「やだ。 次のに乗って下さい。」

種市「いや 最終だべ。」

ユイ「どうぞ。」

種市「あっ いや…。」

ユイ「いや… えっ!」

学校

磯野「はい 終了~! 鉛筆置け。 どんだ 天野 自信あっか?」

アキ「え~っと… 頑張りました!」

磯野「お~ どれどれ…。 え~ はい 駄目。 駄目。 駄目 駄目。 駄目 駄目。 駄目。 駄目…。 だ~ だ…。 3点!」

アキ「じぇ! じゃじゃじゃ。」

磯野「でも 頑張ってる おめえが大好きだ。 でも 3点だ。 お疲れ。 はい 次 いっちゃん。 いっちゃん はい いきま~す。 はい 正解! あ~ すごいね!」

スナック・梨明日

アキ「あ~ もう また終電乗れなかった。」

春子「お帰り~。」

ヒロシ「いつだっけ? 資格試験。」

アキ「1月です。」

水口「資格試験?」

春子「潜水士の資格を取るんです。 …っていうかさ 誰よ?」

美寿々「あっ 水口君 初めて?」

春子「うん。」

美寿々「勉さんのお弟子さん。」

春子「怪しい…。 だって 勉さんの弟子でしょ? ありえない。 バカじゃあるまいし。」

ヒロシ「バカは言い過ぎですよ。」

春子「だって 勉さんから学ぶ事なんて ある?」

菅原「いや あるでしょ。」

春子「何?」

菅原「何かは 今すぐ スッとは出ないですけど。」

吉田「少なくとも 反面教師になるべ。」

勉「ほら 名刺 名刺。」

水口「ああ…。 水口琢磨です。」

春子「ああ すいません。 …ミズタク。」

(笑い声)

大吉「水炊きみてえだな! ミズタク!」

(笑い声)

水口「そんなに面白いですか?」

吉田「そんなに面白くねえよ。」

菅原「分析しないでよ ここ スナックだもの。」

美寿々「ねえねえ ミズタクは独身?」

水口「あっ はい。」

美寿々「彼女は? クリスマスの予定は?」

春子「美寿々さん あんまり がっついちゃ駄目。」

美寿々「がっつかないと 飢え死にしちゃうわよ。」

水口「ごめんなさい。 僕 年上じゃないと駄目なんです。」

一同「お~!」

美寿々「年下に見える?」

アキ「もう うるせえ! 大の大人が 何やってんだ! 騒いで。」

菅原「いや 大目に見でよ。 だてt ここ スナックだもの。」

吉田「スナックで受験勉強してる方が どうかしてっぺ?」

水口「ねえねえ。 アキちゃんはさ 資格を取って 将来どうなりたいの?」

アキ「分がんねえ。」

水口「分がんねえ?」

アキ「年中 海さ潜りでえがら 資格取るだけだ。」

水口「でも 君 ネットで すごい人気だよね。 テレビも出たんでしょ? すごいよね 普通に かわいいし。」

美寿々「この野郎 年下は駄目だって言ったくせに。」

水口「でもさ まだ17歳だろ。 まだまだ知らない世界が ある訳じゃんか。 君自身 無限の可能性を 秘めてる訳じゃんか。」

アキ「何だ こいつ。」

水口「…こいつ?」

アキ「言ってる事 さっぱり分がんね。」

菅原「さては マルチ商法の勧誘か?」

水口「いやいや そういうんじゃなくて。」

ヒロシ「その辺にしときましょうか!」

水口「え?」

ヒロシ「彼女のマネージャーです。」

水口「マネージャー。」

ヒロシ「観光協会のウェブ担当で 足立と申します。 彼女や 足立ユイに関する 問い合わせの窓口は 僕ですので。」

菅原「親から預かった 大事な娘さんだからな。 ガードせねばな。」

水口「いや~ 僕は ただ 普通に かわいいのに もったいないなあと思って…。」

春子「ちょっと 普通に かわいいって 何よ? 普通に かわいいって言われて 喜ぶ親が いると思う? 親はね 異常に かわいいと思ってんのよ。」

勉「水口君 手が止まってる。」

水口「ああ すいません。」

大吉「さすが 師匠。」

勉「ちゃんと 五感を研ぎ澄まし 琥珀から いにしえの 地球の変還を感じ 8,500万年の歴史をかみしめながら 磨くんだ。 酒飲んで くっちゃべりながら 磨くもんじゃねえ。」

菅原「酒飲んで くっちゃべるとこだよ。 ここ スナックだもの。」

(笑い声)

水口「すいません…。」

吉田「何で捨てた?」

水口「虫が入ってたんで。」

勉「じぇ~!」

美寿々「何 何!? どうした!? 勉さん!」

菅原「何? 琥珀に虫が入ってたのか?」

水口「ええ アリみたいなのが。 だから 捨てました。」

菅原「アリ入ってるのは 琥珀 高く値がつくって 聞いた事あるな。」

<そもそも 琥珀とは 簡単に言うと 樹液が 長い年月かけて 固まって出来た 結晶です。 つまり 琥珀の仲に入ってる虫は 8,500万年前の虫という事になり 要するに とても貴重なのです>

勉「あった~! おめえ すげえな!」

春子「…っていうかさ 勉さん 初めて見たの?」

勉「はい! すんげえ! アリだよ アリ! おら 40年やってて 初めて見たよ! はあ~。」

吉田「やめちまえ。」

春子「ちょっと見せて それ。 何 何? アリって。」

勉「あっ あ~! すっげえ!」

春子「すげえんだ。」

(クラクション)

アキ「あっ タクシー来た。」

黒川「こんばんは~。」

アキ「遅いよ パパ。」

黒川「ごめん ごめん。 また 道 間違えちゃったよ。」

水口「あの子のパパ?」

美寿々「春子さんの別れた旦那さんだ。」

<そうなんです。 私の夫 忠兵衛さんは マグロ船で インド沖に出てったというのに 正宗さんは しれっと 天野家に居座っていたのです>

天野家

アキ「ごちそうさま!」

春子「は~い 行ってらっしゃい。」

夏「アキ お弁当。」

アキ「危ねえ 危ねえ!」

黒川「今日どうする? リアスでいいのか?」

アキ「うん お願い。」

春子「駄目よ。 電車で帰ってらっしゃい。」

アキ「え~!」

春子「パパね 今日 ママと 大事な話があるのよ。」

<来た! ついに正宗に 審判が下される時が来たのです>

黒川「…行ってきます。」

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