ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」46回「おら、ドキドキがとまんねぇ」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】46回のネタバレです。

あらすじ

お座敷列車のイベントで歌うことになったアキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)は、弥生(渡辺えり)から歌のレッスンを受ける。しかしアキは、種市(福士蒼汰)からそっけない態度を取られ、レッスンに身が入らない。そんなある日、アキは、種市から「話がある」と声をかけられる。二人で北鉄の車庫に忍び込み、改装中のお座敷列車を一緒に見ていると突然、電気が消えて真っ暗闇に。二人きりになったアキと種市は…。

46回ネタバレ

喫茶・リアス

<北鉄の存続を懸けて 企画された お座敷列車。 それに先駆け アキの歌唱力を 試す事になりました>

アキ♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂い書いた アイ ミス ユー』

<何とも言えません>

(拍手)

吉田「う~ん 何だろう。 笑えるほど 下手でもねえんだよな。」

アキ「ありがとうございます。」

吉田「あれ? 今褒めた?」

弥生「誰だ? 今歌ってたの。 外まで聞こえたぞ。 ジャイアンリサイタルかと思った。 アハハッ。 あ… アキか。」

ユイ「あの 私のも 聴いてもらっていいですか?」

大吉「おっ これは 期待していいんだよな。」

ヒロシ「ええ ボイストレーニングとか やってましたから。」

ユイ♬『あなた 私のもとから』

<やはり 何とも言えません>

ユイ♬『消えたりしないでね』

(拍手)

勉「あっ!」

吉田「うるせえ。」

弥生「とにかく2人とも ここで練習しろ! 毎日。」

アキ「じぇ!」

弥生「おらが 歌唱指導してやっから。」

ヒロシ「弥生さんが?」

春子「何 言ってんの。 弥生さん こう見えて ジャズもシャンソンも歌える 北三陸の 越路吹雪と 呼ばれてます。」

(拍手と歓声)

弥生♬『あなたの燃える手で あたしを抱きしめて ただ二人』

<こうして アキとユイの歌唱指導は 弥生さんに決まりました。>

<3月 種市先輩が 実習に来てくれるのも あと数日>

2009年3月

学校

磯野「絶えず送り込まれる 空気を抜くために 小刻みに首を動かし 後頭部の弁を これを 開閉します。 ね 種市君!」

種市「はい。」

<でも 種市先輩は なぜか近頃そっけない。 資格試験に合格したら デートしようって言ってくれたのに>

回想

アキ「駄目ですか? おら そのために 頑張ったんですけど。」

種市「頑張ちゃ いいってもんじゃねえべ。」

回想終了

<あれは どういう意味だったのだろう>

磯野「天野? おい天野!」

アキ「ああ はい。」

磯野「おめえのために やってんだぞ。 この野郎! すぐ プカーって浮かんでくんだから。 前さ来てやれ!」

磯野「いや違う! 首だけだろ? 首を こうだろう お前。 お前! 違う! それ ビートたけしでねえか! おめえ! コマネチか!」

アキ「だって先生も。」

磯野「(ビートたけしのまねで)俺のまねなんか すんじゃないよ。 バカ野郎!」

北三陸駅

ユイ「待ちなさいよ!」

種市「え?」

ユイ「どういうつもり?」

種市「何が?」

ユイ「とぼけんじゃないわよ! アキちゃんに『頑張ってもしょうがない』って 言ったんだって?」

種市「ああ。」

ユイ「何で そんな ひどい事言うの!」

種市「そっちが この間『頑張るって言葉が 大嫌い』って言ったがら。」

ユイ「私の言う事なんて信じないでよ。 全く世話の焼ける。 一回ぐらい デートしてあげればいいじゃん。 そっち?」

種市「なんだよ?」

ユイ「自分の事は 自分(ずぶん)って言うくせに 私は そっちなんだ。 何? 方角?」

種市「いやいや 何て呼べば いいんだよ。」

ユイ「知らないわよ 自分で考えて。」

種市「ユイ。」

ユイ「はい。」

種市「…。」

ユイ「何なのよ もう! 用もないのに 呼ばないでよ!」

種市「ユイ!」

ユイ「何よ?」

種市「俺と…。」

喫茶・リアス

アキ♬『来てよ』

弥生「違う違う! ♬『来てよ』の音程が違う! それから 高音になると この 白目むく癖直せ 怖(こえ)えから。」

アキ「弥生さんも 白目むいてるべ。」

弥生「おらのまね しなくていい!」

(ドアベル)

弥生「次 ユイちゃん!」

ユイ「はい。」

弥生「はいはい!」

ユイ♬『来てよ その火を 飛び越えて!』

北三陸駅

アキ「先輩!」

種市「おう。 ちょっといい? 大事な話があるんだけど。」

アキ「じぇじぇ!」

種市「別に 今じゃなくても いいんだけど。」

アキ「かばん 取ってきます。」

喫茶・リアス

弥生「♬『飛び越えて 砂に』 どこさ行くんだ? レッスン中だぞ。」

アキ「ごめん デート! まだ明日。」

ユイ「デート…。」

ヒロシ「何だよ。」

ユイ「別に。」

弥生「ほれ! いくよ はい!」

北鉄の車庫

種市「いいのか? 勝手に入って。」

アキ「大丈夫。 まだ電気ついてるし 下見だから。」

種市「下見?」

アキ「うわ! 随分出来上がってる。 ここで歌うんです。 ユイちゃんと2人で。」

種市「へえ。」

アキ「だから 毎日 歌教わってるんです。 ユイちゃんと。」

種市「仲いいんだな。」

アキ「はい だって親友だもん。 初めて しゃべった時も 北鉄の中だったな。 こごさ立って 本読んでた。 近寄り難え 雰囲気だったけど しゃべってみたら気が合ったんだ。」

種市「あの天野。 実は俺。」

(物音)

(電気が消える)

アキ「じぇ!」

(鼻歌)

喫茶・リアス

大吉「いいの? デートなんて 春ちゃん 行かせて。」

春子「種市君なら心配ないでしょ。 はい ユイちゃん。」

ユイ「ありがとうございます。」

水口「この辺 デートっていったら どこ行くんですか?」

勉「ないね。 国道沿い走ってたら モーテルばっかりだもんね。」

春子「ちょっと 勉さん!」

ユイ「別に平気っすよ。」

観光協会

栗原「ゲ ゲゲゲ ゲゲ! 違うんです。 誰もいないかれあ 開放的な気分になっちゃって。 TM NETWORKの『Get wild』に 合わせて 踊っていました。 合わせてって言っても 頭の中で鳴ってる音に合わせて。 だからね… 死にたい!」

ヒロシ「飲みに行きませんか?」

栗原「是非。」

スナック・梨明日

菅原「寒い…。」

春子「いらっしゃい!」

菅原「あれ? うちのウェブ担当は?」

春子「ヒロシ君 ちょっと前に帰ったよ。」

菅原「ああそう。」

春子「うん。」

菅原「で… 何の話 してったの?」

大吉「この辺 デートスポットがないねって話。」

菅原「あ~ 国道沿い走ってても モーテルしかないしね。」

春子「ちょちょ ちょっと!」

ユイ「平気っす。」

吉田「戸締り完了しました! 何の話?」

大吉「デートするなら…。」

吉田「モーテルしかねえでしょ。」

春子「ちょ ちょっと!」

ユイ「さすがに イラっとしてきた。」

吉田「東京だと どうなんですか?」

菅原「そりゃ やっぱり 原宿だべ。」

大吉「んだ 原宿のオープンカフェーだべ。」

春子「いやでも逆に 東京住んでると 行かないけどね 原宿とか。」

ユイ「原宿には 表と裏があるって 本当ですか?」

春子「え?」

ユイ「芸能人は 大体裏に 潜んでるんですよね? スカウトマンがいるのは 表の方なんですよね。 竹下通りの クレープ屋さんに並んでると スカウトされやすいんですよね。」

春子「いや よく分かんない。」

水口「クレープ屋の辺りは キャッチも多いから 気を付けた方がいいと 思います。」

ユイ「え?」

吉田「あれ? 携帯ない。」

菅原「落とした?」

春子「携帯?」

吉田「うん。」

菅原「ポケット ちゃんと 全部見たのか?」

北鉄の車庫

アキ「ありがとうございます。」

種市「うん?」

アキ「『頑張れば いいもんじゃねえ』って 先輩 言ったべ。 あれ いい言葉だなと思って。」

種市「あ そう。」

アキ「出発 いつですか?」

種市「3月18日。 卒業式の次の日だ。」

アキ「お座敷列車の日だ。」

種市「何か天野と しゃべってると 東京さ 行きたくなくなるな。」

アキ「え?」

種市「天野みでえに この町を 愛してる奴は ほかにねえ。 自分が育った町を 寂れてるとか 遊ぶ場所がねえとか 悪く言う奴ばっかりだ。 自分は 東京さ行く。 でも この町を 捨てる訳じゃねえ。 こごが 一番いい場所だって 確認するために 行ぐんだ。」

スナック・梨明日

ユイ♬『潮騒のメモリー』

吉田「すいません 誰か 俺の携帯に 電話してもらっていいですか?」

菅原「何? 無くしたのか?」

吉田「携帯。 ええ。」

大吉「いや どこさ行ったべ。」

ユイ♬『波のように 激しく』

北鉄の車庫

アキ♬『来てよ その火を 飛び越えて』

種市「天野。」

アキ「あ! お座敷列車で 歌う歌です。『潮騒のメモリー』。」

種市「いや びっくりした いきなり おっきい声 出すから ぶっ壊れたと 思ったべ。」

アキ「ヘヘヘヘ!」

種市「『潮騒』って 三島由紀夫だべ?」

アキ「え?」

種市「三島の恋愛小説で 映画化もされた名作だ。『その火を飛び越えてこい』ってのは さの中のセリフだ。 そのあと 2人は抱き合うんだ。」

(携帯の着信音)

種市「びっくりした! え! 誰のだ? これ。 天野?」

アキ「その火を 飛び越えます。」

種市「じぇじぇ!」

アキ「その火を 飛び越えてこいって 意味ですよね? 先輩!」

種市「いやいや いやいや!」

アキ「天野 行きます!」

種市「お前が 飛ぶのか?」

アキ「はい! その火を 飛び越えます!」

スナック・梨明日

大吉「よ~し! 次は俺が歌うべ。」

菅原「はいはい『GHOSUTBUSTERS』ね。」

大吉「バカ言うな。 1984年といえば これが あるべ!」

♬~(『JUMP』)

大吉「あ~!」

北鉄の車庫

種市「やめろ 天野 落ち着け!」

アキ「飛びます!」

スナック・梨明日

大吉「ジャンプ!」

北鉄の車庫

種市「駄目だ 天野 來るな!」

スナック・梨明日

大吉「ジャンプ!」

北鉄の車庫

アキ「先輩!」

種市「天野!」

スナック・梨明日

大吉「ジャンプ!」

北鉄の車庫

吉田「火の用心!」

種市「すいません。」

モバイルバージョンを終了