ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」4回「おら、この海が好きだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】4回のネタバレです。

あらすじ

突然、祖母・夏(宮本信子)に海に突き落とされたアキ(能年玲奈)。新しい一歩を躊躇(ちゅうちょ)して踏み出せないアキに、「あれこれ考えるより、まずやってみろ」ということを伝えるための夏の秘策だった。アキは、東京では学校や友人となじめず、そのことがきっかけで母・春子(小泉今日子)と父・正宗(尾美としのり)の関係も冷え込んでいた。海の気持ちよさに感動するアキ。しかし、その様子を目撃した春子は激怒し…。

4回ネタバレ

(かもめの鳴き声)

春子「アキ。」

<2人が船にいるのを見て 春子の心に 忌まわしい過去の記憶が よみがえりました>

回想

春子「やんだ! おらは 入りたぐねえ。」

夏「やかましい! 袖の女子のくせに 行げ! 早く!」

春子「やだ!

夏「やでねえ! ほれ潜れ!」

回想終了

アキ「キャー!」

春子「アキ!」

アキ「あ うわ!」

夏「ヘヘヘヘヘ! どうだ?」

アキ「え?」

夏「しゃっこいとが 足が着くとか 着かねえとが 考える暇 無かったべ!」

アキ「は…。」

夏「そんなもんさ。 飛び込む前に あれこれ考えたってや どうせ そのとおりにはなんね。 だったら 何も考えず飛び込め。 なんとかなるもんだびゃ。 死にたくねえがらな。」

(笑い声)

アキ「ああ 気持ちいい!」

夏「そうが?」

アキ「うん めちゃめちゃ 気持ちいい!」

夏「やっぱす おらの孫だ。 フフフ!」

春子「アキに 変な事 教えないで!」

夏「ふん!」

アキ「ママ。」

春子「あんたも ママが 嫌いなものばっかり 好きになんないでよ。」

アキ「ママ!」

漁協

アキ「ママ 海嫌いなの?」

夏「うん。」

アキ「だから 海女さんにならなかったの?」

弥生「そんな簡単な 話でねえんだ 春子は。」

かつ枝「んだんだ! いわゆる その 積み木くずすだべっちゃ。」

アキ「『積み木くずす』?」

美寿々「反抗期だべっちゃ グレて 髪の毛くるくる巻いて。」

道中

春子「見てんじゃねえよ!」

漁協

かつ枝「ほんだども なすて まだ ひょっこり帰ってきたのか?」

夏「どうせ旦那と うまくいってねんだべ。」

弥生「これやめろ! 孫の前だぞ 夏ばっぱ。」

アキ「私のせいかも。 地味で暗くて 向上心も協調性も 個性も 華もない パッとしない子だから。」

夏「誰が言った? そんな事。」

アキ「ママ。」

一同「じぇじぇじぇ!」

パチンコ屋

(パチンコの騒音)

春子「やっぱ返して。」

ヒロシ「え え?」

春子「戻ってきちゃった。 行き場所なくてさ。 あ どうぞ。」

観光協会

大吉「いづまで 待たせんだ 菅原この! 1か月前から 何も進んでねえべ!」

菅原「いや 最終判断は 市の方で。」

大吉「たかが ホームページ作んのに 市の許可が要るって おかしいべ! 面倒くせえなら 面倒くせえって言え!」

吉田「駅長落ち着いて ゆべしが… ゆべし潰れちゃう 中身出るから。」

菅原「ああ どうも。 どうも。」

大吉「春ちゃん。」

春子「あの うちまで送ってもらおうと 思ったんだけど 仕事中か。」

大吉「すぐ終わるがら 待ってて。 菅原 お前が協会長になってから 市のため町のために 何した? 何もやってねえべ。」

菅原「いやいや やってますよ。 ジオラマ。」

大吉「ジオラマ?」

菅原「ジオラマ作ってますよ。 前任の協会長から 引き継いで 平成19年から この北三陸市全体の ジオラマ制作に 心血を注いでます。 見て下さい。 これ スイッチを入れるとね 光るんですよ。 ほい 北三陸高校。 ほい来た 袖が浜 見て下さい。 北鉄の線路も通ってますよ。 はい。」

大吉「これは いつ完成するんですか?」

菅原「はい。 平成27年完成の予定ですね。」

大吉「死ぬまでやってろじゃ!」

ゆべしを投げつける大吉

菅原「ああ! シティホールが ゆべしに!」

道中

大吉「くそ! 赤字ローカル線なんて 構ってられないってか! 北鉄は 市民の大切な足だ たとえ一人でも 利用客がいるうちは 走らねばなんね。 そのためには 観光 人は 急には増えねえんだがら 外がら呼ばねば しょうがねえべ。」

春子「偉いね。」

大吉「え?」

春子「偉いよ 大吉さんは。 こんな 残念な町の 残念な電車のために よく そんなに必死になれるよね。」

大吉「やめでよ てれくせえべ。」

春子「全然 褒めてないし。 あの時言った事 覚えてる?」

大吉「ん?」

回想

1984年(昭和59年)

大吉「母ちゃんの後継いで 海女になんのが そんなに嫌か? これから 地方の時代だべ。 北鉄も通って この町も ますます 活性化するべえ。」

回想終了

春子「全然 読み外れてるし。 何で 漁師になんなかったの?」

大吉「知ってるべ おら 三半規管 弱えがら 船は 医者に止められてんだ 船酔いで 5分ともたねえ。」

春子「電車には 乗れんのに?」

大吉「レールの上を走るなら 比較的 安定してんだ。」

(車両の接近する音)

大吉「1 2 3 4 5 おお! 今日は 6人も乗ってら!」

春子「だったらさ 東京に出るとか 仙台とか 盛岡で働くとかさ 選択肢は いろいろ あった訳でしょう。 なにも こんな田舎のために 人生 犠牲にしなくてもさ。」

大吉「待ってたんだべ。」

春子「え?」

大吉「春ちゃんが 帰ってくんの ずっと 待ってたんだべ。」

春子「大吉さん。」

大吉「ん?」

春子「電車来る。」

大吉「え?」

春子「電車来る!」

大吉「え?」

春子「近い! 電車来る! 電車来る!  危ない! 電車来る! 出して! 危ない 危ない!」

大吉「シートベルトしなければ!」

春子「早くして!」

大吉「大丈夫だ。 いつも ここに 止めてるんだ! ほら ぎりぎりで。」

天野家

アナウンサー「『勝ち名乗りを受けましたが 向こう正面 舞の海さん。 全く問題にしなかったですね』。」

舞の海「『そうですね 落ち着いてましたよね。』。」

アナウンサー「『これまでのビデオテープで』。」

アキ「うめえ! うめえ! 超うめえ!」

夏「悪いな 売れ残りで。」

アキ「全然いい。 むしろ毎日 売れ残ってほしい。」

夏「こら! 縁起でもねえ事 言うな!」

(笑い声)

夏「罰として 明日は ウニ丼売り 手伝ってもらうど。」

アキ「じぇじぇ!」

夏「今日 ウニ いっぺえ仕入れだがら。 40個作るから 20個ずつ どっちが早ぐ 売れるか競争だ。」

アキ「やった! 北三陸鉄道リアス線さ まだ乗れる。」

(笑い声)

春子「急に なまっちゃって …ていうか駄目だからね。 明日こそ 帰るんだから。」

夏「帰る帰るって 騒ぐ割には 随分おりますねえ。 重でえ荷物 ガラガラ引きずって 町ん中 ウロウロして パチンコさ入り浸って。 暇なんですか? それとも 何が東京さ いれねえ事情が あんのかって 町じゅう お前さんの噂で 持ちきりだ。 恥ずかしい! 45だべ。」

春子「2です。 まだ42。 あきれた。 娘の年まで 忘れちゃってんだ!」

夏「何が娘だ! 結婚した事も 子ども産んだ事も 黙ってて。」

春子「あんただって 父ちゃん死んだ事 知らせなかったでしょう。」

夏「あ?」

春子「久しぶりに帰ってきた娘に『お帰りの』の言葉もない。」

夏「『ただいま』も 言えない娘に『お帰り』が 言えますか?」

アキ「ママ!」

夏「ハハハハ! 荷物は 置いてげ。 どうせ 帰ってくんだから。 ハハハ!」

アキ「ママ!」

夏「さあ 明日も早え 寝るべ。」

テレビ「『東方大関 琴欧州 ブルガリア・ベリコタロノボ市出身 渡ヶ嶽部屋』。」

春子「相変わらず あるね。」

<その灯台は 春子の子どもの頃からの 秘密の隠れ家でした>

回想

1981年(昭和56年)

夏「春子 春子! どごさ行った 春子! 中学生が いっちょう前に パーマなんか当てやがって。 聖子ちゃんや トシちゃんじゃ あるめえし。」

夏「狭え町なんだから 知り合いに会ったら 挨拶ぐれえしろ! 春子! こら! 出てこい! 春子。」

回想終了

<そこには まだ幼かった自分の爪痕が残っていました>

<まだ見ぬ東京に 憧れていた 10代だった春子の…>

(鶏の鳴き声)

天野家

アキ「おばあちゃん 今日は 海潜らねえの?」

夏「毎日 潜る訳でねえんだ。 週に2回出れば いい方だ。 おらも年だし 海女は 半分趣味だから。」

大吉「おはようございます!」

夏「ああ おはよう!」

アキ「おはよう!」

大吉「お アキちゃん手伝ってんのか?」

アキ「うん 電車さ乗るの。」

大吉「そうか そうか。 春ちゃんは?」

夏「ああ 夜中さ 帰ってきたみてえだが。」

大吉「ど~れ ウニ丼運ぶぞ!」

北鉄

(警笛)

夏「北三陸鉄道リアス線 通称北鉄名物 ウニ丼は いかがですか!」

アキ「いかがですか!」

夏「もっと 大きな声 出さねえと 売れねえど。」

アキ「いかがですか!」

夏「いかがですか!」

大吉「畑野 畑野に到着です。 忘れ物ないよう ご注意下さい。」

<その少女は 畑野駅から乗ってきました。『この子 普通の子じゃない』 アキは 直感的に そう感じたのです>

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