【 連続テレビ小説「あまちゃん」】51回のネタバレです。
あらすじ
失恋のショックで、アキ(能年玲奈)は、ユイ(橋本愛)と口もきかない。アキがお座敷列車のイベントに参加しないことが知れ渡り、観光協会にはキャンセルの電話が殺到。それを見たユイは、アキを訪ね、「アキちゃんに嫉妬してた。アキちゃんよりも上じゃなきゃ嫌だった」と初めて本心を打ち明ける。アキはユイを許し、二人は仲直り。そして翌日は、種市(福士蒼汰)の卒業式。アキは果たして…。
51回ネタバレ
天野家
春子「アキ? 朝御飯 持ってきたよ。」
アキ「要らねえ。」
春子「『要らねえ』って おなか すいてんでしょ!?」
アキ「要らねえ!」
春子「ああ そう! じゃ ここ置いとくから 勝手にしなさいね。 ママ もう知らない。」
アキ「要らねえったら 要らねえ!」
<お座敷列車の運行日まで あと2日。 北鉄および観光協会は 最大のピンチを迎えていました>
観光協会
ヒロシ「大変申し訳ございません。 海女のアキちゃんの方が 体調不良で。 そのかわり あの… トシちゃんの そっくりさんが来ます。」
菅原「払い戻し!? あららら…。」
ヒロシ「えっ キャンセル!? キャンセルのキャンセルは できませんが…。」
北三陸駅
大吉「この人 何できんの? トシちゃん以外に。」
吉田「マッチもやった事あるて 言ってました。」
大吉「(ため息)」
吉田「しょうがねえでしょ!? 誰も つかまらなかったんだから! ユイちゃんと トシちゃんで いくしかねえでしょう!」
ヒロシ「悲しいお知らせです。」
大吉「その顔で 明るいニュース持ってきたら 動揺する。」
ヒロシ「キャンセルの電話が鳴りやみません。 現段階で 全座席数の1/3がキャンセル。」
大吉「キャンセル待ちのお客さんに 回せばよかろう。」
ヒロシ「それが キャンセル待ちのお客様でも キャンセル待ちをキャンセルされる お客様の方が多く キャンセル待ちの キャンセル待ちの おキャンセル…。」
吉田「『おキャンセル』。フフフッ。」
大吉「だから アキちゃんじゃないと 駄目なんだよ。」
吉田「トシちゃんじゃ駄目か…。」
喫茶・リアス
春子「だから 私が言っても 聞かないんだって。」
ユイ「おばさんは 聴きたくないんですか? アキちゃんの歌『潮騒のメモリー』。」
春子「まあ いやいや歌われてもね 聴きたくないっていうかさ。 あんたたちが ちゃんと仲直りして 堂々と楽しそうに歌うんだったら 聴きたいかな おばさんも。」
(ドアベル)
天野家
アキ「夏ばっぱ 干し芋もらうよ。 夏ば…。」
ユイ「よろうよ お座敷列車。 ごめん こういうの最後にするから…。 お互い 言いたい事 言い合おうよ。」
アキ「言いでえ事なんか ねえ。」
ユイ「アキちゃん! アキちゃん!」
アキ「やめてよ! 今から おら 干し芋 食うんだ!」
ユイ「アキちゃん!」
北三陸駅
ヒロシ「ちょっと待てよ。」
種市「お兄さん…。」
ヒロシ「いいがら来い。」
種市「何すか?」
天野家
玄関前
春子「何してんの?」
夏「し~っ!」
春子「えっ 何?」
夏「ユイちゃんが来てる。」
春子「えっ!」
夏「邪魔すんなよ ナーバスになってっから。 なっ! じゃあ…。」
春子「ちょ… どこ行くの?」
夏「し~っ!」
居間
ユイ「悔しかったの! アキちゃんと知り合うまで 負けた事なかったんだよ 同世代の女の子に。 アキちゃん 面白いし 一緒にいて 楽しい。 けど… 周りが『アキちゃん アキちゃん』ばっかりだと 何か 複雑っていうか…。」
ユイ「ごめんね 器が小さいんだよ きっと。種市先輩の事も そう。 アキちゃんに 彼氏ができるって 想像しただけで…。 何か むかついたっていうか…。」
アキ「じゃあ ユイちゃん 種市先輩の事 別に好きじゃないの?」
ユイ「よく分かんない。」
アキ「おら ホントに好きだったんだよ。 今でも好きなんだよ。」
ユイ「ごめん。 だから 一度は断ろうとしたんだよ。 でも…。」
アキ「何?」
ユイ「東京に彼氏がいるって いいなって。 東京の彼氏と 遠距離恋愛したかっただけなんだ。 いや 違う 違う 違う! まだ 嘘ついてる。 だから 要するに嫌なんだよ! アキちゃんと同等か 私の方が上じゃないと 気が済まないの! そういう性格なの…。」
アキ「そっか。 ユイちゃんは そうなふうに考えてたんだな。」
ユイ「ごめん。」
アキ「おら 長(なげ)え夢から 覚めたような感じだ。」
ユイ「…夢?」
アキ「んだ。 こっちゃ来てから いい事 続きだったべ?『アキちゃん アキちゃん』って みんなに かわいがられて…。 だから 種市先輩が ユイちゃんが好きだって 聞いた時も 悔しくて 頭に来た。 ユイちゃんの事 恨んだし 妬んだし 地獄に落ちればいいと思った。 バカだな…。」
アキ「普通に考えだら おらとユイちゃんでは 雲泥の差があるのに そんな事も忘れるぐれえ おら 調子に乗ってたんだな。 もう 覚めた。 おら 何も変わってねえ。 所詮は 地味で暗くて 向上心も…。 あれ? 地味で暗くて 向上心…。」
ユイ「どうしたの?」
アキ「昔 ママに言われたの。 地味で暗くて 向上心…。 あと 何だっけ? 思い出せねえ。」
春子「思い出さなくていい そんなの!」
アキ「ママ…。」
春子「アキは もう地味じゃないし 明るいし 向上心も 協調性もあるんだから!」
アキ「あっ 協調性だ!」
春子「もういいから! あのね 男 取られたら 悔しいのが人間! 妬んで 恨むのが 健全な女子! もっと ユイちゃんと 張り合えばいい。 けんかすればいい! 男だって取り返せばいい! 地獄に落とせばいい!」
春子「あんたたち 何も変わらない。 2人とも かわいいし 2人とも バカだし 2人とも 子どもなんだから! いらっしゃい ユイちゃん。 何か おなかすいたね! 何か作るわ ママ!」
観光協会
天野家
アキ「電車 間に合う?」
ユイ「うん。 それより どうする? あさって。 お座敷列車。 どうしても嫌なら いいよ 無理しなくて。 でも 学校には おいでよ。 卒業式だよ 明日。 来なよ 絶対。」
観光協会
ヒロシ「せ~の よっ!」
菅原「よし 出来た!」
(拍手)
ヒロシ「じゃあ 飾りますか!」
菅原「うん!」
栗原「え~! 明日の朝にしませんか?」
種市「…ってか もう だいぶ 朝ですけど。」
菅原「もう朝だ。」
(笑い声)
栗原「あっ 顔が…。」
種市「顔 ヒゲみたいになってますよ!」
菅原「嘘。 おかしいか?」
北三陸駅
ユイ「どうしたの?」
アキ「ユイちゃん おら やる。」
ユイ「え?」
アキ「お座敷列車やるわ。『潮騒のメモリー』歌う。」
ユイ「じぇじぇ~! えっ? アキちゃん!」
ユイ「うわ~。」
<それは足立ヒロシ君と種市先輩が中心となって ゆうべ 徹夜で作った 看板でした>
アキ「やんねえ訳にいかねえべ。」
ユイ「うん。」
学校
種市「僕たち卒業生は 母校で学んだ技術と 不屈の南部ダイバースピリットを胸に 社会へ羽ばたいていきます。 磯野先生 3年間 ありがとうございました!」
一同「ありがとうございました!」
磯野「うっ… ありがとう! 卒業しても遊びに来いよ。 …って 毎年 言ってるけど 誰も来ねえ! あ~!」
(歓声)
種市「天野! いがった。 もう会えねえかと思った。」
アキ「卒業おめでとうございます。」
種市「うん。 ありがとう。 あと1年… 頑張れよ。」
アキ「汚え!」
種市「えっ? あっ…これは ごめん。 取れねえな これ…。」
アキ「ありがとうございました。 先輩!」
種市「おう。」
北三陸駅
水口「ええ。 ええ… はい。 明日9時からです。 一応 席は キープしてありますんで 太巻さんにも そう お伝え下さい。 はい 地元のローカル番組のカメラが1台。 それだけです。 僕も ビデオ回すんで送りますよ。」
水口「いや~ 2人とも キャラはいいんで 問題は 歌ですね。 歌唱力が…。 可能性ですか? 今のところ 五分五分ですね。 いや 母親のガードが堅くて…。 なまってる子の。 海女さんの方です。」